○小松範昭委員長 次に、宇佐美さやか委員の質問を許します。
◆宇佐美さやか委員 日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。 今年の元日、能登半島地震が発生し甚大な被害が出てしまいました。3・11、東日本大震災を想起させる大地震であって改めて横浜で万が一大規模災害に見舞われた際の対応や災害への備え、訓練の在り方など見直す必要があるという思いで局の所管している施設における震災対策について質問させていただきます。 まず初めに、今回の能登半島地震を踏まえた局の震災対策の考え方を伺います。
◎足立にぎわいスポーツ文化局長 私もテレビや新聞を通じまして、また現地へ派遣された当局職員からの報告を受けまして被災地は想像以上に大変厳しい状況であると感じております。横浜でも高い確率で大地震が発生することが予想されております。にぎわいスポーツ文化局は多くの市民利用施設を所管しておりますので、市民の皆様に安全安心に利用していただき、そして発災時には適切な対応が取れるよう日頃からの備えにこれまで以上に気を引き締めて取り組んでまいります。
◆宇佐美さやか委員 その考え方の基本となっている横浜市防災計画震災対策編では、元禄型関東地震が発生した場合、市内は広い範囲で震度6強以上の強い揺れとなり、特に西区、中区、磯子区の沿岸部の一部においては震度7という想定となっています。その想定では家屋の全焼、津波における浸水や地盤変状などの被害が出てしまうことが予測されています。そういった中でスポーツ施設、文化施設は多くの市民の皆さんが利用しています。また観光施設は大勢の観光客でにぎわっておりますが、元日に発生した能登半島地震では観光地の建物が倒壊するなどの被害が出てしまいました。施設営業時間内での地震発生となり、市内でもこういったことになってしまうかもしれない。建物が倒壊するなどというのはあってはならないことですが、局が所管している施設の耐震性の有無を伺います。
◎足立にぎわいスポーツ文化局長 昭和56年6月以降に着工した施設につきましては新耐震基準で設計されており、耐震性を有しております。また、旧耐震基準で建築された施設におきましても耐震診断調査を実施しまして、対策が必要となった施設につきましては耐震補強工事を完了しており、全ての所管施設におきまして耐震性を有している状況です。
◆宇佐美さやか委員 全ての施設で耐震性を有しているということですが、建物自体が倒壊を免れたとしても設備が壊れてしまうということは、とても危険なことになってしまいます。東日本大震災ではミューザ川崎などの施設で天井脱落などの被害が出てしまったと聞いています。これを受け建築基準法でも天井脱落対策の規制が強化されましたが、本市でも公共建築物の天井を改修し、可能な限り天井脱落による被害を防ぐ対策を進めているということを評価しています。さらに天井脱落防止の取組を進めてほしいと考えています。2024年度の予算における局所管の施設の天井脱落防止対策の取組を伺います。
◎足立にぎわいスポーツ文化局長 横浜市公共建築物天井脱落対策事業計画に基づきまして、これまで横浜みなとみらいホール等の天井脱落対策改修を行ってまいりました。令和6年度は横浜能楽堂、鶴見区民文化センター、金沢、都筑、瀬谷の各スポーツセンターの5件の改修工事を実施いたします。
◆宇佐美さやか委員 いろいろな施設でこれからも天井脱落防止対策を進めていくということを伺いましたけれども、建物の対策も大変重要ですが、発災時には来場者や従業員の皆さんの安全を確保し、避難誘導をすることも重要です。局が所管している施設における地震発生時の対応はどうなっているのか、伺います。
◎大塚副局長兼総務部長 各施設の指定管理者等は事前に策定しております防災マニュアル等に基づきまして、来場者の方や従業員の避難誘導や安全確保等を実施いたします。また市は、各施設の被害状況や利用者の方の安全確保等の情報を収集するとともに、施設が帰宅困難者のための一時滞在施設などとなっている場合には各施設においてその利用に向けた調整等を実施します。
◆宇佐美さやか委員 市役所を中心にして指定管理者の皆さんや市民、地域の企業が連携して発災時には対応していくということになるということですが、その中で大きな役割を担うのが公共施設ではないでしょうか。公共施設は震災時の避難所など先ほど言っていただいたような災害時に様々な役割が位置づけられていると思いますが、局所管の施設での災害時の役割について伺います。
◎大塚副局長兼総務部長 区民文化センターやパシフィコ横浜、横浜アリーナ等につきましては帰宅困難者のための一時滞在施設として指定されており、一部のスポーツセンターと平沼記念体育館につきましては一時滞在施設に加えて遺体安置所として指定されております。また、市民プラザは震災時における用途をあらかじめ特定せず、柔軟に活用できる補完施設になっております。各施設の位置や規模、特性に応じまして様々な役割を有しております。
◆宇佐美さやか委員 それぞれの施設で持つ役割が違うことを伺わせていただきました。そして対策をしっかり行っているということは、利用する方々の安心にもつながると思います。しかし局の所管している施設、先ほどおっしゃっていただいたパシフィコ横浜や横浜アリーナなど、日によっては数万人規模でのイベントが開催されています。こちらではなかなか訓練を大々的に行うことができないというふうに聞いています。年に1回でも数万人規模での避難訓練や帰宅困難者受入れ訓練など実際に実施していただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎足立にぎわいスポーツ文化局長 パシフィコ横浜や横浜アリーナでは大震災が発生した場合を想定しました避難誘導訓練を実施するとともに、総務局が行います帰宅困難者対策訓練に参加しております。また、パシフィコ横浜ではプログラムに避難訓練が組み込まれたコンサートを企画するなど、実際に近い状況下における訓練を実施してきております。引き続き各施設や総務局と連携して取り組んでまいります。
◆宇佐美さやか委員 ぜひ市民に応募していただいて、本当に大勢の方が参加する避難訓練を実施していただきたいということを要望したいと思います。 次は、同じ施設でも芸術文化を守る施設について伺います。石川県金沢市を代表する文化観光拠点の金沢21世紀美術館では今回の震災の影響で展示室の天井の一部が落下するという被害が出てしまい、臨時休業を余儀なくされたと聞いています。幸い美術品への被害はなかったということで安心しています。美術品は一つ一つが何物にも代えがたい一点物だということを伺いましたので、万が一不測の事態があったときは大損害となってしまいます。 さて横浜美術館は来月、長期にわたった大規模改修を終え、リニューアルオープンをしますが、1万2000点にも及ぶ貴重な美術品が収蔵され、今後、市民の皆さんだけでなく観光客、観光でいらした方々も楽しみにされている展示会が開催されます。市民の皆さんの大切な財産である美術品の安全対策も欠かせない取組だと考えます。美術品の震災対策における具体的な取組を伺います。
◎永井文化芸術創造都市推進部長 横浜美術館の展示室や収蔵庫は耐震性能について問題はございません。今回リニューアルオープンに合わせて発災時の展示品の被害を防ぐため、免震装置のついた展示ケースを導入いたしました。また美術作品を保管している収蔵庫では、棚から作品が落下しないようネットを張ったり、ベルトで固定するなどの対応を講じております。
◆宇佐美さやか委員 近年発生した地震の被害状況を見て、施設における震災対策は非常に重要です。しっかりした取組が求められます。局所管の施設の防災対策については最優先で取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎足立にぎわいスポーツ文化局長 スポーツや文化、観光などを通し多くの皆様に安心してこのまちを楽しんでいただくためにも、防災をはじめとした安全安心対策は何よりも重要であると考えております。所管する各施設におきまして地震だけではなく火災や風水害などを想定した訓練を行うなど、引き続き防災対策にしっかり取り組んでまいります。
◆宇佐美さやか委員 局の所管する施設を利用する方々には障害者や外国人など災害時に即時避難が困難な方々もおられます。そういった方々が被災した場合でも安心して屋外なり、場合によっては屋内などに避難することができ、いっときでも安心して過ごせる避難を守ることができるようにしっかりとした防災対策を実施していただくことと、あわせて多くの方々が参加する避難訓練の実施をしていただくことを要望して、質問を終わります。
