動画 ・ 議会での質問・討論(詳細)
2024年9月13日

■一般質問 古谷やすひこ 2024.9.10

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日本共産党、古谷やすひこです。党を代表して質問します。
中学校給食は学校調理方式を柱に!
古谷議員:まず、よりよい中学校給食の実現について、特にこの間の異物混入問題の改善について伺います。
私たちは全員喫食で中学校給食がスタートすることは評価します。しかしやっぱり今本市で進められているデリバリー式の中学校給食の提供は、全国的に見れば特異な方法であり、安全性の問題でも、安定性の問題でも、あたたかさの問題でも、問題山積で認められません。
安全性について、昨年に比べ「重大な健康被害に至る可能性がある金属やガラスなど異物の混入」事案が現在増えています。常任委員会での市教委の分析によれば「食数が増えたから」と答弁がありました。そうすると、全国で例を見ない巨大デリバリー弁当工場になって食数が増えれば、異物混入リスクは爆発的に増大します。横浜市全域をたった民間の6社で8万1000食ものデリバリー給食を提供するという今の中学校給食のスキームは、異物混入などのトラブルが起こった時には、食数が多すぎてリスクヘッジができません。実際、大災害時以外に結果的に給食が提供できなくなったときに、事業者が責任を取らない、市教委も責任を問わない、その対応も問題だと思います。私たちが視察に伺った、ある地方自治体の給食の担当者が「民設民営では市教委はコントロールが難しい」と言っていたことがまさに今起こっていることではないかと思います。災害以外の要因で、給食提供ができなかったときは製造事業者が責任を負うべきと思いますが、どうか伺います。
下田教育長:原因にもよりますが、当然事業者に責任があるものについての費用負担は、保護者の皆様へ返金する給食費。提供できなかった物資代金を事業者の負担としております。
今後はモニタリング制度の導入、委託料の減額など一定のペナルティーも設けます。市と事業者がそれぞれの責任を果たし、より良い給食の実現に向けた体制づくりをすすめてまいります。

古谷議員:そのほかにも、食中毒リスクについて、「学校給食衛生管理基準」では食中毒リスクが高まるので、提供まで2時間以内にと現に定められています。それを本事業では「学校給食衛生管理基準」に基づかない、独自基準をこれからつくろうとして、それを4時間以内とする。リスクを高めてしまうやり方です。そのリスクを低減するために温度を下げるということで、あたたかさを犠牲にしています。食材についても、この間、問題を何度も起こしたカット野菜について、全員喫食の中学校給食では、野菜は全てカット野菜を使用するという驚くべき方針です。小学校では一切カット野菜は使っていません。これで、食育は完全に後景に追いやられるものです。今のやり方は、食育の推進を図ることを大きな目的としている学校給食法からも逸脱しているのではないかと思います。教育長に伺います。 
下田教育長:現行の提供方法では食育を推進することはできないとのことですが、ランチボックスで提供する方式は旬のものなど、多様な食材を利用することができるほか、季節が感じられ国際色豊かなバラエティに富んだ献立を提供するメリットがございます。様々な食材を食べること。そして給食を生きた食材・教材として活用することで、生徒の成長を支えるほか将来の食の生活を豊かにし、食育の推進につなげていけるものと考えております。

古谷議員:本市でも、安全であたたかい給食を提供できる可能性が半分の中学校にあるのに、それを一律に提供することを優先して全員に冷たいおかずの弁当を提供することを選択してしまったのは、のちに大きな禍根を残すと厳しく指摘したいと思います。全国では、学校調理方式が27.1%、センター方式は57.1%、デリバリー式が15.5%。さらに政令市の中で中学校給食が選択式の新潟市・名古屋市を除く18市中、デリバリー式で完全に民間に給食事業をゆだねているのは横浜だけ。横浜だけが特異なやり方で突き進もうとしています。昨日も中学校給食の提供方法を再考してほしいという要望書が市民団体から出されたり、学校調理方式を求める声も多く届いています。市長は見直しを求める声に市長はこたえるべきだと思うがどうか。
山中市長:見直しを求める声に応えるべきとのことですが、これまで試食会を多く行ってきておりますが、ほぼ、多くの試食会において約8割の方から、実際に食べてみると良い印象を持ったというご意見をいただいております。現在中期計画で定めた方向性の実現に向けまして、より温かく美味しい汁物や、ご飯の提供に向けた準備を進めております。また生徒の意見を聞いた献立の改善も進めております。食缶による汁物の提供など、より満足される給食の実現に向けましてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

障害者スポーツの「聖地」国際プールのメインプールは存続を
古谷議員:次に、障害者スポーツの「聖地」国際プールのメインプールの存続について伺います。今年の3月の経営会議で、メインプールの廃止の局案の方向性について了承されています。市民への意見募集もこれからやります、各種団体との意見交換も引き続き進めますと言いながら、方向性を決めてしまうというのはどういうことでしょうか。いったい誰の声を聞いてメインプールの廃止の方向を決めたのでしょうか。今年の6月30日に県水泳連盟は、市が進める「横浜国際プールの再整備計画(素案)」に反対する嘆願書を発表しています。もっとも日常的に使用されている県水泳連盟や横浜水泳協会は今もメインプールの存続を求め続けています。先日は、日本水泳連盟に局長と部長が行って、鈴木大地会長から、「メインプールは残してほしい」「市長に面会を求めたい」と要望を受けています。市長、関係団体と合意もはかるのは当然です。日本水泳連盟会長から面会が求められていますから、話を聞くべきだと思いますがどうか伺います。
山中市長:会長からの要請内容については承知しておりますが、現在所管局において関係団体と意見交換を進めている段階であるというふうに考えております。

古谷議員:また当事者団体の合意形成をはからないまま国際プールの、メインプールを廃止してはならない、素案について白紙撤回するべきと考えますがどうか伺います。
山中市長:素案を白紙撤回すべきとのことですが、素案は市民の皆様のご意見を伺うためにお示ししたものです。市民の皆様からいただいたご意見を踏まえて、検討を進めてまいります。

古谷議員:県の主要プールでは競泳、アーティスティックスイミング、飛び込み、水球の4種目で年間約90の大会が行われている。そのうち、競泳長水路で全国大会の予選に該当するような大会は、50メートルプールのほかにウオーミングアップ用のサブプールが必要となるが、県内の屋内プールでこの条件を満たすのは横浜国際のほかには、平塚総合体育館プール(観客席数580)と相模原市立総合水泳場(同2043、立見席1000人相当)の2施設だけです。今年の6月30日に日本パラ水泳連盟会長・日本知的障害者水泳連盟会長・日本デフ水泳協会会長・横浜市水泳協会障害者委員会代表も出席し、プールの存続を求めています。障害者スポーツの聖地をなくさないで欲しいと訴えています。その障害者団体の訴えに、市長はどうこたえるのか伺います。
山中市長:市民意見募集の結果に加えて、いただいたご意見を精査した上で、より多くの市民の皆様に喜んでいただける、またインクルーシブな視点を踏まえた持続可能な施設にしていけるよう検討を進めてまいります。

古谷議員:横浜国際プールの再整備計画の素案は、上位計画の横浜市中期4か年計画2022~2025の中に、「東京2020パラリンピック競技大会により高まった障害者スポーツの機運を維持し、障害の有無にかかわらずスポーツに親しめる環境を整備し、共生社会の実現につなげていくこと」が目指すべき姿として自ら記されています。市長、この中期計画にこの国際プールのメインプールの廃止は反するのではないでしょうか、見解を伺います。
山中市長:本計画は素案にも記載しているとおり上位計画である中期計画などに沿って策定をしたものであります。再整備を通じてインクルーシブな環境づくりを進めてまいります。

古谷議員:国はスポーツ基本法を改正しました。障害者のスポーツが厚労省から文科省に移管され、スポーツ庁が発足しました。パラリンピック競技大会をはじめ、近年、障害者スポーツにおける競技性の向上は目覚ましく、障害者スポーツに関する施策を、福祉の観点に加え、スポーツ振興の観点からも一層推進していく必要性が高まっています。一方で横浜では障害者スポーツは健康福祉局が管轄し、インクルーシブスポーツは賑わいスポーツ局が管轄しているときいています。今後も、障害者スポーツについて、横浜市は通常のスポーツとずっと区分けしていくのでしょうか。見解を伺います。
山中市長:スポーツの振興に当たりましては障害の有無だけではなく、性別・年齢・国籍などにかかわらず、誰もがスポーツに親しめる取り組みを進めていくことが重要です。今後もスポーツを通じた共生社会の実現に向けて、関係区局また関係区間で、綿密に連携をして取り組みを進めてまいります。

古谷議員:また障害者スポーツ推進のために、障害者スポーツ団体の連絡協議会を設置することを市としても援助することを求めますが見解を伺います。
山中市長:本市ではこれまでも横浜ラポールを中心に、関係団体等と連携をして障害当事者の方々のご意見を伺いながら、障害スポーツの推進に取り組んでおります。連絡協議会の設置につきましては、障害者スポーツ団体の要請に応じて、本市で行える支援を検討してまいります。


マンションの震災対策の強化を 浸水する区役所の電源は一刻も早く2階以上に
古谷議員:さいごに、本市の防災対策について、特にマンション等集合住宅への啓発問題、区本部の電源喪失について伺います。
横浜市の市民のうち、マンションなどの集合住宅にお住まいの方は実に6割を占めています。マンション等の集合住宅では、戸建てに比べて耐震性が高く在宅避難をする率が高くなることから、より在宅避難に備える対策が重要になります。大田区の「マンションの防災対策」にはこうあります。「高層階ゆえの大きな揺れ、エレベーターやライフラインの停止などの様々な問題が発生することが危惧されます」「同じ建物に多くの方が居住している特性を活かして居住者同士で助け合う仕組みや災害後の生活に必要なルール作りなど、災害後も居住者全員が安心して暮らせるよう平時から準備しておくことが望まれます」とあります。災害が起こりエレベーターが止まり、断水すれば自宅での水の備えが必要です。地震が起れば配水管が壊れる可能性がありそれを気付かずにトイレを流してしまうと低層階で下水が漏れる被害が発生します。簡易トイレの準備は必須です。トイレを再開するためにはどんな手順で再開するのか、また住民全体が知っておかなければならない課題です。こういった集合住宅特有の防災課題を周知が十分できているのでしょうか。今の本市の対策ではその視点が抜け落ちているのではないかと思います。他都市に学んで本市でもマンションなどの集合住宅の住民向けに啓発パンフレットを作って、集合住宅住民向けの防災の啓発をはかるべきと考えますがどうか伺います。
山中市長:集合住宅住民向けの啓発についてですが、これまでも防災アドバイザーを地域派遣する横浜防災研修や、マンション管理組合向けのセミナーまた、動画による啓発等を行ってまいりました。また総合的な防災啓発冊子である、防災横浜には集合住宅の対策として災害時のエレベーターやトイレの対応などについて掲載をしております。引き続き集合住宅特有の防災対策について啓発を進めてまいります。

古谷議員:防災対策のもう一つは、水害の問題です。近年のゲリラ豪雨は年々激しくなっていると感じます。本市の水害の対策もアップデートが必要です。今後水害対策をより強化しなければならないという認識があるのか、見解を伺います。
山中市長:近年全国的に線状降水帯の発生など急激に降雨量が増加する集中豪雨が増加発生しており、本市でも大雨や台風などの影響による水害への対策が重要であります。被害を最小限にとどめるため、河川改修工事や雨水排水施設の整備等のほか、マイタイムラインの作成等の市民啓発など、ハードとソフトの両面から対策を進めてまいります。

古谷議員:また、水害問題が大きくなる中で8つの行政区で、区本部庁舎で水没の危険があります。これだけ豪雨災害が大きな被害をもたらしている中、直ちに対策をとることを決断するべきと思うが見解を伺います。
山中市長:今年度は浸水の恐れのある区庁舎のうち、青葉区庁舎において浸水対策工事を進めております。また区の実情に応じて、代替施設を指定するとともに止水板の設置や、災害対策用の発電機、排水ポンプどの等の備えております。今後も区の災害対応機能を維持していくために、引き続き必要な浸水対策をしっかりと進めてまいります。


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