市政ニュース
2023年11月30日

より良い高齢者福祉・介護計画へ 党市議団が申し入れ

横浜市では、高齢者に関する保健福祉事業や介護保険制度、認知症施策に関する総合的な計画「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画・認知症施策推進計画」を3年ごとに策定しています。今回、第9期の計画素案が発表され、素案に対する市民意見募集(12月1日まで)がされています。

日本共産党横浜市議団は、この間、「横浜の高齢者福祉施策はこうあってほしい」と寄せられた市民要望などをまとめ、計画素案に反映することを求める提案を行いました。健康福祉局の鴨野寿美夫高齢健康福祉課長、松村健也高齢施設課長、廣原英樹介護保険課長、平尾光伸介護事業指導課長が対応しました。

【提案の5つの柱】

提案①介護保険料の負担を軽減し、支払える保険料にすること。

提案②低所得者への介護保険料減免制度の拡充すること。

提案③「必要としている人が必要な時に入れる」特別養護老人ホームの基盤整備を進めること。

提案④介護労働者の賃金引上げと待遇改善を行い、人材確保によって介護サービスが確実に提供される体制づくりに市が責任を持つこと。

提案⑤市独自に加齢性難聴者を対象とした補聴器購入助成制度の検討を行うこと。

具体的な項目としては下記の9点をあげました。

①一般財源を活用し、基準額を軽減し介護保険料の軽減を図ること。また、「応能負担原則」に基づき、第16段階の合計所得金額が2000万円以上の方々の保険料段階を増やすこと。

②介護保険料の低所得者減免の基準については、単身世帯の年間収入見込額の150万円以下を180万円以下とするなどの改善措置を行うこと。

③生活困窮による介護保険料滞納者には、救済措置を講じること。

④介護サービス利用料の負担軽減策を拡充すること。

⑤特別養護老人ホームは、入所待ち期間をさらに半年以内に短縮できるよう整備すること。

⑥特別養護老人ホームの新規整備については、地域の偏在をなくし、市内全域でバランスのある配置を行うこと。

⑦「経済的な理由でユニット型施設への入所ができない方への対策」として、生活保護等の低所得者が特別養護老人ホームのユニット型でも入居ができるよう、施設居住費助成の充実を図るなど、低所得者の住まいの確保を盛り込むこと。

⑧在宅ヘルパーなどの介護労働者の給与について、専門職にふさわしい賃上げができるよう、財政支援を行うこと。

⑨認知症対策として、加齢性難聴者に対する補聴器購入助成制度の創設に向け、検討すること。

古谷やすひこ団長は、高齢者福祉計画が介護保険事業頼みになっており、認知症施策も含めて市独自の高齢者福祉の計画をしっかり持つ必要があると指摘。また人材確保については、せっかく計画を立てても、担う人がいなければ成立しない。介護の現場はそういう危機の中にいる。人材確保に向けて、国の月額6000円の賃上げでは全く話にならない。足りなすぎる。現場を預かる自治体として特に人材確保に思い切った力をいれてほしいと述べました。

大和田あきお議員は、全国で進む加齢性難聴者への補聴器購入については、認知症への効果が期待されている。ぜひ進めてほしいと述べました。

担当課長は、保険料の基準額については、現在の所得に応じた16段階を見直しする方向で検討していると述べ、特養ホームの整備については地域偏在の状況は同じ問題意識であり、事業者の誘導を進めていきたいと答えました。また、特養ホーム入居者の待機期間については、9か月以内を達成したが、9か月でもまだ長いと感じている方もいるので、これに甘んじることなくより高みを目指したい。今回の計画では、施設(特養ホーム)をつくったけれど入れない方、利用料が苦しくて入れない方に光を当てた取り組みをしていきたい、そのための居住費助成などを創設したいと述べました。人材確保については、現場からも給料が低いという声をもらっている。しかし「加算」という形で増やすと利用者負担が重くなることから、そうならないよう全額国費による処遇改善がベストであると考えている。現在国に要望していると応えました。

「第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画・認知症施策推進計画」の詳細はこちらです。


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