事業者提案は撤回されたが基本構想は残る 市民の声で白紙に
新たに3万人規模の新球場の建設を含む三ツ沢公園の再整備構想案が2022年12月に発表されました。横浜FCの親会社である「株式会社ONODERA GROUP」から新球場建設・寄贈の提案がありましたが、2023年6月に同社から提案の撤回があり、現在に至っています。事業者提案は撤回されましたが、基本構想案そのものは残っており、横浜市会では自民党などから早期の再整備を望む声が止みません。しかし、現在の公園の姿を大きく変えてしまう公園の再整備構想案は、市民からの不安も大きく、計画の白紙撤回などを求める署名を集める市民団体も発足しています。党市議団としても、引き続きこの問題を注視し、市民の声を聞きながら、構想案の抜本的な見直しなど求めていきます。
市議会での議論紹介(一部)
第三回定例会(9/7~10/19)
決算特別委員会 温暖化対策統括本部・環境創造局審査
一旦白紙に戻して再検討を
日本共産党 古谷やすひこ議員
古谷議員:多くの市民が、様々な形で利用されている三ツ沢公園。最新の公園内の有料施設利用者数を伺います。
部長:三ツ沢公園には、ニッパツ三ツ沢球技場、陸上競技場、補助陸上競技場、馬術練習場、テニスコートの五つの有料施設があります。令和4年度における有料施設の年間利用者数の合計は、約65万人となっておりまして、そのうちニッパツ三ツ沢球技場は約23万5千人の利用がありました。
古谷議員:球技場利用者数よりも、日々公園を利用されている方々が多いということですが、現在の公園に非常に満足されているという方もたくさんいると聞いています。そんな中で、環境創造局は再整備基本構想案を作成しました。概要を伺います。
理事:令和4年度12月に公表した、三ツ沢公園再整備基本構想案では、スポーツができる公園の充実、健康増進、地域の魅力づくり、花と緑の充実による公園の魅力向上、災害時における防災機能の充実を再整備の基本的な考え方として掲げています。また、公民連携の取り組みを最大限に推進するとともに、既存施設の代替機能の確保や緑豊かな環境の継承を図り、周辺地域とも十分に配慮しながら新たな競技場を含む、公園全体の再整備を進めていくことと
新たに3万人規模の新球場の建設を含む三ツ沢公園の再整備構想案が昨年12月に発表されました。横浜FCの親会社である「株式会社ONODERA GROUP」から新球場建設・寄贈の提案がありましたが、今年6月に同社から提案の撤回があり、現在に至っています。事業者提案は撤回されましたが、基本構想案そのものは残っており、横浜市会では自民党などから早期の再整備を望む声が止みません。しかし、現在の公園の姿を大きく変えてしまう公園の再整備構想案は、市しています。
古谷議員:今現在の公園設備のどこが不備なのか伺います。
局長:三ツ沢公園の各施設色々ございますけれども、計画的に改修維持管理しておりまして多くの市民の皆様にご利用いただいている状況でございます。一方で、ニッパツ三ツ沢競技場でございますが、建設約59年が経過するなど施設の老朽化やバリアフリーなどに課題があることは認識しています。
古谷議員:古い建物だというのであればその機能を維持するように、建て替えをすれば良いと思います。現在、公園を利用されている方々からは、新しい球技場よりも今のままの公園が良いという声もたくさん届いています。事あるごとに厳しい財政状況だと言いながら、民間の資金を頼みにしなければできないような再整備を無理にすることはないと思いますが、見解伺います。
局長:公園の整備におきまして、パークPFIなどの民間の資金や、ノウハウを有効活用していく、こういったことは多様な市民のニーズに応える公園の魅力向上や、さらには財政負担の軽減等を図っていくという観点からも大変重要なことだと思っています。もちろんこういった公園の整備のみならず、やはり民間企業の方々が色んなノウハウやアイデアを生かすということも含めて、公民連携を積極的に進めていくという観点が非常に大事だと考えております。三沢公園においても長く市民に愛され地域の魅力やにぎわい創出にもつながる再整備を進めていく必要があると考えていますので、公民連携の取り組みというものは不可欠だと考えています。
古谷議員:公園で長くボランティア活動されている方々からは、子どもたちが木々に樹名板をつけることをしてきたと、大きく育ったあの樹名板がなくなるということになれば、本当に悲しいということも聞いております。改めて、この再整備基本構想案、白紙に戻して市民の声をしっかり聞いた計画にしていただきたいと強く要望して質問を終えます。
2023年9月12日 本会議 会派代表一般質問
再整備の必要性は変わらない
自由民主党 磯部圭太議員
現在のニッパツ三ツ沢球技場は、歴史ある建物だが、老朽化や屋根が無いなどの課題があり、自民党としても質問を繰り返してきた。昨年、市は再整備構想案を打ち出した。また同年10月には新球場の建設寄付の提案があった。本年6月にはその建設寄付提案が取り下げられた。しかし、三ツ沢公園の再整備の必要性が変わるわけではない。球戯場の建設を含む三ツ沢公園の再整備は継続して検討するのか伺う。今後、新たな球戯場の検討を行う場合、基本構想で触れられている公民連携の取り組みは不可欠だ。民間企業が事業に関心を持っていただくためにも、事業着手時期を明確にするなど、改めて市の姿勢をはっきり示すことが不可欠だ。見解を伺う。
にぎわいスポーツ文化局、都市整備局、建築局などを検討に含めれば、よりスピードアップが期待できる。早期に再整備に着手できるよう市長のかじ取りに期待する。また、公園には多くの市民が訪れていて、桜山や青少年野外センターなど市民に親しまれてきた施設もあります。あわせて周辺には住宅地が隣接していることから、周辺環境にしっかりと配慮することが必要もある。市民に愛され次世代に誇れる三ツ沢公園となるよう要望する。
山中市長:球技場の建設を含む継続した検討については、昨年公表した基本構想案は、球戯場をはじめ、老朽化した公園施設等の対応、魅力ある公園全体の再整備に向けて、市民意見募集なども行いながら取りまとめたもの。この構想案に基づき、引き続き公園の再整備に向けた検討を進めていく。
市の姿勢については、基本構想案で検討の方向性として公民の連携を最大限することとしています。球戯場の再整備には民間企業との連携が欠かせません。今後サウンディング調査などを活用しながら、民間企業の参画以降などを把握し、検討を進め、できるだけ早期に事業手法をとりまとめて行きたいと考えている。