2023年10月26日
横浜市長 山中 竹春 様
横浜市教育委員会 教育長 鯉渕 信也 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 古谷やすひこ
10月5日、中学校給食の調理中の鍋から食材であるじゃが芋に吸い殻が混入しているのが発見され「原因究明を進める」ことが記者発表されました。その後、記者発表では、「3 考えられる混入の可能性と対策について」において、「混入等の起こり得るリスクの洗い出しを行いました」とあるものの、リスクの洗い出しに関わる記述は全くなく、いきなり「今後に向けて、次の対策を徹底し、再発防止に努めてまいります」としています。その中で、(3)で、「今回の異物混入の経緯や・・・全従業員へ周知徹底する」とあることから、「経緯」については明らかとなったことが分かります。しかし、記者発表では「経緯」は述べられていません。
調査の結果、「原因は特定できなかった」ので「給食調理製造事業者は公表しない」という対応とし、原因も明らかにしないで、再発防止策が記者発表されています。市教委は納品事業者及び給食調理製造事業者名について原因特定できないことをもって公表しないこととしています。調査の最中も、「原因が特定できなかった」という調査結果が出された後も、給食調理事業者に対して製造を一度も止めることを要請することなく現在に至っています。再発防止策についても、今までやっていたことを羅列しただけで、何も目新しい策は定めていません。これで、何事もなく中学校給食を調理し続けるのでしょうか。
厳格に衛生基準が定められているHACCPを取得している中学校給食の調理製造事業者の調理現場から、吸い殻が発見されたことについて、原因が特定されないということを自らも発表しない給食調理事業者の社会的責任を取らないところにも問題を感じます。HACCPは、「衛生管理の実施状況を記録し、保存する」「衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す」ことを企業に求めています。
今回の調理工程を確認したところ、二日前に、食材加工業者がじゃがいもを加工し翌日に納入業者が中学校給食調理工場へ納品しています。調理当日は、同じ鍋で、一回目は「ビーンズサラダ」、二回目は「オニオンソース」、三回目は「粉吹き芋①」、四回目は「粉吹き芋②」五回目は「粉吹き芋③」という工程。このうち吸い殻は、四回目の「粉吹き芋②」の時に調理員が発見したとのこと。発見後、その鍋の粉吹き芋は廃棄されたものの、その後も粉吹き芋を同じ鍋でゆでる作業が引き続き行われています。三回目と五回目にゆでた粉吹き芋①③は給食に盛り付けられたとのことです。一度吸い殻が見つかった鍋でもう一度食材を調理して盛り付けまでしたことについて、社会的通念として考えられないことです。
工場内から吸い殻が見つかった事実に対して、企業の社会的責任として自らが公表することや、HACCPで求められているとおり「工程中に問題点が発生した場合、修正できるよう事前に改善方法を決めて」いるとおり再発防止策を公表することこそ、事業者に求められているものです。今後も安心して中学校給食が提供されるよう以下のことを求めます。
記
1.教育委員会事務局健康教育・食育課は原因究明を行った調査内容の詳細を公表すること。
2.給食調理製造事業者自らが再発防止策について公表することを市からも求めること。
3.今回の件から、当該の事業者以外の3事業者にも、そのリスクはないのか、確認を求めること。
以上