保育士の配置基準の見直しを
古谷議員:古谷やすひこです。日本共産党を代表して質問します。
まず保育の配置基準の改善について伺います。国の基準が70年以上変わっていない中、現場の疲弊は続いています。毎年のように当事者から改善の要望が出され続けています。市も国に対して要望していると思いますが、市長は今の保育現場の配置基準問題についてどういう認識で国に改善を要望されているのかを伺います。
山中市長:本市では従前より国基準に上乗せした市の基準を設けております。そうすることで一人ひとりに目が行き届く、安全安心な保育そして子どもの育ちと学びを支える質の高い保育の提供を目指しております。
保育を安定して提供していくためにも、基本となる国基準の見直し、そして国による財源措置が必要だと考え要望をして参りました。
古谷議員:市の独自施策である保育士加配についても、いまの基準となって30年40年以上たっている。その改善も必要ではないか?
山中市長:本市ではこれまでも国基準に上乗せした手厚い配置基準を設けてきており、今回、国が改善しましたけど、市の基準に追いついてきたものと認識をしております。本市として保育士の休暇の取得、研修の参加、障害児医療的ケア児の受け入れなどのために、市で求める基準以上に保育士を配置している場合は、本市独自に保育士の雇用費の助成を行っているところであります。今後も支援の拡充に努めてまいりたいと考えております。
古谷議員:国に要望し、本市の基準が今の実態に合っているのかについて、実態調査をするべきであると思うがどうか。
吉川こども青少年局長:毎年実施をしております各園における保育士の採用状況や、充足率等を確認する保育士雇用状況調査や保育関係団体と定期的に行っております。意見交換会などによりまして現場のニーズや課題の把握に努めております。現時点で新たに調査を行う予定ありませんが、今後も様々な機会をとらえて現場の実態を把握し本市の施策に活かしていきたいと考えています。
古谷議員:今の保育現場で奮闘している方々は、本当に苦しんでいます。それでも踏ん張って子どもたちのためにと必死に踏ん張って働いています。そういった現場の最前線で横浜の保育を担っている方々へ市長からメッセージを直接発信してほしい、また実際に事態を改善させていただきたい。
山中市長:乳幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎を築くそういう意味でとても大切な時期であります。
先生方の丁寧な関わり合いで子供たちの生きる力が育まれております。中期計画の基本戦略に掲げている子育てしたい街・子世代を共に育むまちの実現に向けて大切な存在です。保育士の皆様がやりがいをもって長く働く事が出来るようですね、引き続き全力で支援をしてまいります。
古谷議員:保育の配置基準の改善での実効性ある対応を求めます。
困窮する大学生にも生活保護利用を
古谷議員:次に、生活保護上での大学進学問題について伺います。
現在、医者でも弁護士でも公務員でもどんな方でも、収入が基準に満たなければ生活保護は利用できるが、大学生だけはどんなに困窮しても救う仕組みがない。まずこれは事実でしょうか。
佐藤健康福祉局長:生活保護法に基づく通知などの運用におきまして、大学生に対する生活保護の適用はできませんが、一定期間通学が困難となるような病気にかかった場合や、働きながら夜間大学等に通学している場合には生活保護が認められる場合もございます。
古谷議員:この問題では全くセーフティーネット機能が全く働いていません。しかし、少しずつ動きもあります。住宅扶助については実質的に給付されています。本市も国に対して要望をしていると思うが、その要望をなぜ行ったのか伺います。
山中市長:要望につきましては、生活保護制度の拡充を求めたものではありませんが、経済的な困窮や虐待を受けているなどを理由に大学への就学を諦めることがないよう、高等教育の修学支援の新制度等の充実を求めたものであります。
古谷議員:生活保護法で大学生は該当しないと明記されているのでしょうか。
佐藤健康福祉局長:生活保護法には大学生の生活保護の適用可否に関しては明記されておりません。国からの通知におきまして大学生はここまでで得られた技能、知識を最低限度の生活の維持のために活用することが求められているため、生活保護の支給対象にならないと整理されております。
古谷議員:これね、今言われた通り法改正が必要のない問題です。通知一枚で改善ができる問題だと思っています。国に制度改善を求めるために、市内の生活保護世帯から進学した大学生の生活困窮実態を調査するべきだと思うがどうか。
佐藤健康福祉局長:令和4年度に生活保護世帯で大学に進学した方は103人いらっしゃいます。生活状況はケースワーカーが個別に把握しております。生活費に困っているというご相談もある一方、高等教育の修学支援新制度等の利用により大学等への進学や生活がしやすくなったなどのお声をかけようにもなりました。
古谷議員:具体的に伺いますが、実家暮らしの男性の大学生が親からのDVを受けた場合、どんな制度で対応できるのでしょうか、伺います。横須賀市では、虐待を受けた学生を支援する支援制度を創設しています。横浜でも創設すべきではないか。
吉川こども青少年局長:本市では18歳を過ぎたお子さんであっても、児童相談所が支援の必要性を認めた場合には自立援助ホームで受け入れており、住居や食事の提供自立に向けた日常生活の相談や就労・就学支援を行っております。また暴力通り理由に、父母等のもとから避難した学生については、国の高等教育の修学支援新制度により日本学生支援機構の奨学金が随時、受けられるようになりましたので支援が必要な方には、広く周知して行きたいと考えています。
古谷議員:おっしゃられていましたが、実はこれ、その制度の穴になっていますからぜひ、改善をはかっていただきたいと思います。生活保護は、国からの法定受託事務ですが、地方自治体の中からも独自の大学生支援も出始めています。名古屋市では、市内在住の生活保護世帯から進学した学生を対象に一年あたり10万円を支給する制度を実施しています。現在、市内の生活保護世帯で大学進学されている方が約100名です。この方は同居していても世帯分離をして生計を別にしていると思います。仮に、名古屋と同じ制度だとしても一億円程度の予算です。本市独自の支援を考えていただきたいと思うがどうでしょうか。
山中市長:学ぶ意欲のある若者に対して、社会全体での学びの機会を支援することは重要であり、大学の入学及び在学中の支援は生活保護以外の子供の多い家庭や、世帯年収が低い世帯にも共通している全国的な課題であると考えています。高等教育の修学支援新制度では授業料減免の世帯年収要件の緩和なども予定されていますが、生活費の支援策についても国に要望してまいります。
古谷議員:ぜひこの問題の改善を求めます。
不登校の対策は学校や担任任せにしないで
古谷議員:次に不登校問題について伺います。
この間、何度も繰り返し不登校問題を質問させていただきました。私の息子のケースも一進一退を繰り返しなかなか前に進んでいません。しかし学校側は実に努力していただいて感謝しています。先日は、初めてSSWによるケース会議をやっていただきSSWの役割の重要性を実感しました。同時に、配置人数があまりにも少なく、一人が10校を担当していると聞きました。同じように、カウンセラーの配置も少ないです。こういう専門家の配置状況は十分だという認識なのでしょうか。
鯉渕教育長:スクールソーシャルワーカーにつきましては一人が10校程度、定期的に訪問する巡回型支援を実施しております。また、スクールカウンセラーにつきましては、中学校と同一学校の小学校に同じカウンセラーを配置する小中一貫型カウンセラー配置を行い、各カウンセラーが状況に応じて訪問回数を調整し相談を受けております。相談件数が年々増えていることなどの課題を踏まえまして、引き続き支援の充実に努めてまいります。
古谷議員:不登校児童生徒への対応を担任や学校任せにしないためにどんな努力をしているのか?
鯉渕教育長:教育委員会では不登校児童生徒支援の手引きを学校に配布してるほか、横浜どこでもスタディやアットホームスタディ事業など学校が、ICTを活用して不登校児童生徒を支援する取り組みも進めております。また、学校からの相談に対して一人一人に合った支援方法を提案したり、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーのかかるケースについて、各方面に配置している統括SSWが助言するのと学校の対応を支援しております。
古谷議員:今紹介いただいた手引きの中には、不登校児童・生徒に支援計画をつくるんだということが書かれています。これも何度も要望したと思います。全ての不登校児童生徒に支援計画をつくるように強く要望するが見解を伺う。
鯉渕教育長:不登校児童生徒支援する上で、重要なのは本人の良さ、また苦手なこと、また社会的自立に向けた本人や保護者の希望を把握しそれを踏まえ、どのように支援するかを学校が保護者及び本人と共通理解を図ることだと考えております。教育委員会としては学校に対して個別の教育支援計画なども活用しながら、共通理解を図るよう促していきます。こうした個別の教育支援計画の作成についても徹底してまいりたいと考えております。
古谷議員:共通理解を図るためにもですね、やはり計画は必要だと思います。市長、教育長、不登校の児童生徒はですね本当に今の瞬間も毎日毎日苦しんでいると思いもいますよ。同じように保護者も苦しんでいます。市教委の対応の是非、あの発展開催求めていきたいというふうに思います。
建設現場の週休二日制の普及を
古谷議員:次に、建設現場の週休二日制の普及について伺います。
建設現場の人手不足は今深刻な状況です。これから安定的に建設産業を維持発展していくためには、そこで働く労働者の処遇改善が必要だと思います。そのためにも本市発注で「週休2日制確保適用工事」を進められているとい思いますが、どんな狙いで実施していますか。
高瀬技官:令和6年4月からの建設業の残業規制が目前に迫っておりますので、働き方改革を促進する観点から公共工事における週休2日の普及を図るために、本書では令和3年度から週休2日制確保適用工事を導入しております。
古谷議員:実際にその狙い通り効果は上がっているのか。
高瀬技官:昨年度までは週休2日制の対象工事のうち、週休2日に取り組むことに同意していただいた、いわゆる同意率でございますけれども、約6割で推移をしております。今年になりまして6月末時点でございますが、約8割となってきておりまして、制度は徐々にはございますが浸透しているところであるというふうに考えているとこでございます。
古谷議員:国の資料では週休2日制が導入での問題点として「日給作業員が収入が減ってしまう」ことがあげられていますが本市発注工事ではこの問題が解決するためにいまどんな努力がされているのか。
高瀬技官:現在はですね、まだ週休二日制工事ですね、そのものを補給するということに止まってございまして、先生おっしゃる通りですね、日給作業員の労働賃金だとかですね、処遇改善にまでどのような形で浸透させていくということにつきましては、国の取組を含めてですね、これからの途中課題であるかという風に認識をしております。
古谷議員:国の課題だとおっしゃいましたが、これは横浜市の発注工事ですから、ぜひ、実際に渡されたお金が週休2日を進めることでその実績に応じて、渡された金額が実際労働者に手わたるように点検することは出来ないのですか?
高瀬技官:建設工事に起きます労務関係の費用につきましては、国において統一的に全国労働者賃金調査が行われております。当然、横浜市の発注工事も、対象の一部にサンプルとして取り上げて頂いて、調査をしていただいています。働き方改革から見てこの調査についても、毎年いろんな形で充実が図られておりまして、先生がおっしゃるような、労務環境、日雇いの雇用者、技術者の賃金についても国において把握の取り組みが行われていくと聞いておりますし、現にそういう取り組みが始まってございます。国の取り組みを注視しながら、本市としてもこれからも取り込むことではないかなというふうに考えてるところでございます。
古谷議員:国の動きを注視するんだとのことですが市長、これ、実際に労働者のところに手わたっているかどうかの確認を、いくつかの現場で確認することも出来ると思います。それで制度の改善を図るべきだと思うのですがいかかでしょうか。
山中市長:現在、本市の週休二日制は対象工事が約4割にとどまっていますので、令和6年度に全工事の制度を対象とするなど、さらなる制度の改善を図ってまいります。なお国におきまして、建設現場の待遇改善に関わる新たな仕組みを検討していると承知しておりますので、本市も動向を注視して適切に対応をとってまいります。
古谷議員:これね、その対象工事が増えてもですね、実際に元請けのところにだけ渡って、働いてる人のところに手渡らなければ、週休二日にはならないと思うのですが、いかがでしょうか。
高瀬技官:賃金も含めまして、働く方々の処遇にも含めまして働き方改革が現場の末端までに浸透させていくということは、先生が言われる通り必要なことと考えておりまして、賃金につきましても実態把握、さきほどから言っております通り、国において実態調査を行われるというようなことも聞いておりますので、それをきちっと本市も把握させて頂きながら対策に活かしていきたいと思います。
古谷議員:この問題、実際横浜市が対応しているわけですから、改善はかれると思います。ぜひ、はかって頂きたい。このまま建設現場の働く方々が少なくなるというのは、使用者側も労働者側もどちらも言っている問題です。この改善を図らなければならないというのは、大筋皆さんもそう思っていると思います。それが図られるための一歩のはずなのに、これが実効性あるかないかがですね、今はわからないわけですよね。調査もされてないから。ですからこれをぜひ、しっかり改善をはかって頂きたいと強く要望しておきます。
豊岡小学校複合化について
古谷議員:さいごに、豊岡小学校複合化問題について伺います
横浜ではじめて学校施設の複合化の実施がこの豊岡小学校。図書館・保育園・区民活動センターなどを合築。
10年後の供用開始をめどに事業者選定。しかし問題は、もともと学校面積が狭小な豊岡小学校で立て替えで別の施設まで入るとなると、教育環境がしっかり整えられるかどうか心配です。これから建て替えるわけですから校庭面積等をはじめ教育環境が市が定めている学校施設基準に合致するようにすることの方が複合化より当然優先されるべきと思いますがどうか伺います。
山中市長:現段階では複合施設の機能や配置計画の考え方等を検討しております。今後具体的な計画を検討するにあたりましては、さらなる教育環境の向上を図っていく為、学校施設整備水準等を十分に踏まえると共に複合化との両立をはかりながら各施設が機能融合、そして連携をすることで相乗効果と新たな価値を創出してまいります。
古谷議員:今、両立だと市長言われたんですけど、やっぱり学校の建て替えですからまずは、学校の施設がしっかり基準に則って建て替えられるかどうかっていうのは、当然優先されるべき問題だと思います。
教育長伺います。設計はこれからですから、自らが決めた基準合致させて作るのは当然だと思いますがどうでしょうか。
講渕教育長:教育環境の向上を図るために学校施設整備水準を十分に踏まえながら今後検討してまいります。
古谷議員:なぜ、自ら決めた基準を守ろうとしないのでしょうか。
講渕教育長:そのように答弁したつもりはございませんが、守る方向で検討してまいります。
古谷議員:市内で、学校の建て替え行って進んでいると思います。これはですね全て市基準満たしていると言うんでしょうか?
講渕教育長:それぞれの学校の建て替えにあたりましては、そこの敷地というのは有限の制約条件となっております。できるだけ守るようにですね、校舎の配置やなんかを工夫しながら建て替えを進めているということでございます。
古谷議員:この質問調整の段階では、この質問をすると基準に則って建て替えられてるところはないというふうに聞いています。
また豊岡小学校はトイレの洋式化率が最も遅れた学校です。でも建て替えるのだからトイレは改修しないと学校側は教育委員会から言われたそうです。しかし、完成は10年後ですから、現在の子どもたちの教育環境を整えるためにも、速やかにトイレ改修を行うべきだと思います。そのことをすぐに市教委にもお伝えして、その後どうなったのか経過を伺います。
講渕教育長:解体が見込まれております豊岡小学校では、本格的なトイレ改修工事は行いませんが、洋式化率が低いことは認識しております。建て替えまでに期間があるため、床のドライ化であるとか配管の更新は行われませんが、快適に一部は和便器を洋便器に更新する工事を発注しておりまして、年度内にトイレの洋式化率は5割から8割に改善する見込みです。
古谷議員:学校施設の和式トイレの改修は至急改善するべきだと、小さな問題ではないと思います。ぜひ、見解を伺います。
山中市長:今後も学校環境の改善のために100%の洋式化に向けて鋭意取り組んで参ります。ただ事業者から現在の年間30個程度から大きく増やすことはすぐには困難だと言われておりますが、100%の様式化に向けて鋭意取り組んで参ります。
古谷議員:公共施設でこれだけ和式トイレがある施設って学校ぐらいだと思います。トイレの洋式化は今言われたとおり30校なんです全館で。是非、増やして頂きたいと思います。
また、現在、鶴見図書館移転するということで、現在の図書館も残して新たな図書館の設置も是非検討頂きたいということを要望して質問を終えます。