選挙が終わったとたん、敬老パス改悪案 利用者負担11%増
敬老特別乗車証(敬老パス)制度は、70歳以上の高齢者が一定の負担で市内のバス、地下鉄などを利用できる制度です。横浜市は、開催中の議会に、利用者負担額を平均11%引き上げる制度の改定案を提出しました。
市費負担を固定、利用者負担区分を8つに
改定案は、市費負担を今年度の負担額と同じ88億5000万円で固定。利用者の負担区分を現行の5段階から8段階に分け、無料だった生活保護受給者に3200円の負担を求めます(下表参照)。市交通局やバス会社などの交通事業者への支払いは、市費負担と利用者負担の合計額に抑えます。今後、これらを当分の間見直さないとしています。
異例な時期の改定案提出
市は、今後高齢者の増加により市費負担が増大するための対策として、2009年12月に3つの改定案を示しましたが、議員の同意が得られず、当初予定していた2010年9月議会での条例改正を断念しました。
ところが、市会議員選挙が終わった直後の今回の議会に見直し案を出し、今年10月からの実施を目論んでいます。改選後はじめてとなる議会では、期間も短いことから人事案件などが審議され、重要な議案は提出されないのが通例です。
各党は選挙では
共産党「市民負担増することなく、現行の制度を維持」
民主党「利用者の負担増にならないよう、制度を維持」
自民党「高齢者の外出支援策として敬老パスは存続させます」
民主党の公約は、日本共産党と同じです。自民党は、制度は存続すればよいという主張で、値上げを容認しています。みんなの党は、「お年寄りに優しいまち」という抽象的スローガンだけで、態度をあいまいにしています。
議会傍聴で議員の監視を
本議案は、24日に議案関連質問、31日に討論が本会議で行われます(インターネット中継・録画中継あり)。また、25日、30日に健康福祉・病院経営委員会で審議が行われます。ぜひ傍聴して、各議員が選挙公約を守るか、どういう態度をとるのか、監視してください。
◇週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。