横浜市会では9月7日、第三回定例会が開かれ、今年度後半(10月~3月)の物価高騰対策補正予算案を含む市長提出議案に対する関連質問が行われました。日本共産党からは、大和田あきお議員(戸塚区選出)が登壇し、物価高騰対策の支援範囲の拡大、旧米軍上瀬谷通信施設の公園整備は国に全額負担を求めること、財政負担になっているMICE施設の増設は今後行わないことなどを求めて、山中竹春市長に質問しました。
大和田議員は、提案された医療機関への支援について、5月議会で決まった年度前半の支援では、対象が59の救急病院としていたものが、今回132の病床のある病院に拡大したことは評価するとしつつ、対象に病床施設のない「診療所」や「薬局」などが外れていることは何とかできないかと述べ、診療所や薬局も、病床施設のある医療機関と同様、公定価格で事業を行っていて、物価高騰の影響を患者負担に転嫁できないことから、身近な医療機関である診療所などへも同様な支援が必要であると主張しました。
また、多くの医療従事者は、もともと少ない人員体制のなかで、休むことができず、大人数の会食はしない、旅行に行かない、県外には出ないなどの制限の中で、今もコロナと闘い続けていると述べ、疲弊している医療現場の状況に思いをはせ、物価高騰対策にとどまらない支援と、せめて横浜市として、コロナ感染をこれ以上広げないよう、市民への感染拡大予防の思い切った啓発を行うことを求めました。また、物価高騰で苦しいのは一部の分野だけではないと述べ、水道料金の減免を行っている他都市のように、全市民向けの支援策を打つべきだと提案しました。
山中市長は、「県内の医療機関等への支援は県で検討中と聞いている。本市としては、安定した医療提供体制を維持するために、相対的に物価高騰の影響が大きい入院診療を行う病院に対して、独自の支援が必要であると判断した」「公的価格を適用する医療機関等への財政措置については、基本的に診療報酬制度等で対応すべきであると考えている。本市としても、診療報酬の改定にあたっては、物価高騰の影響などを反映するよう、国に要望を行っている」と答えました。
コロナ感染拡大予防の啓発については、「現在も基本的な感染対策や抗原検査キット及び解熱鎮痛薬の備蓄、医療機関受診時の注意点等についても感染状況も踏まえながらSNS、ホームページ、広報よこはま等様々な媒体で広く周知を行っている。引き続き、分かりやすい情報提供に努める」と答弁しました。
全市民対象の物価高騰対策については、「今回の補正(予算)は国からの臨時交付金などの新たな追加はなく過去に実施した低額給付金などに相当する財源はない。しかし、物価高騰が続く状況を踏まえて限られた財源を活用し、利用者負担を求めることが困難である社会福祉施設等への事業者の支援を実施する」答弁しました。
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