◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
委員長、スライドの使用許可をお願いいたします。
○磯部副委員長 どうぞお使いください。
◆みわ委員 初めに、生活道路における人優先の交通安全対策についてです。
先日、道路局、土木事務所、警察の連名でゾーン30プラスという取組の記者発表がされました。緑区の中山町地区、南区の大岡小学校周辺地区の2地区についてでしたが、大岡小学校周辺の道路がスラロームになっていることを私も知っていましたので、さらなる取組とし、その効果が非常に気になったところです。両地区とも車の速度抑制の効果が出ているということです。スライドを御覧ください。(資料を表示)これは大岡小学校周辺地区でハンプを設置した道路です。ハンプを設置した路線の前と後の車の速度分布を示したグラフです。時速30キロ規制の道路で、それ以上のスピードを出す車が40%から17%に減少しております。
次のスライドは、狭窄設置を行った道路です。こちらのスライドも効果を示しておりますが、時速30キロ以上のスピードを出す車が56%から9%にと大きく減少しています。大変効果があったことがデータで分かります。
この取組を進めるに当たっては、対策地区の選定、対策案、効果の確認の各段階でデータを活用したと聞いています。そこで、これまでのデータに基づく交通安全対策の取組について伺います。
◎角野道路部長 これまで港北区大倉山三丁目地区、緑区中山町地区、栄区桂台地区、中区花咲町三丁目地区の4地区でデータを活用した交通安全対策を実施しております。
◆みわ委員 これまで4地区ということですが、地域の安全性は高まるのは分かりますが、工期はどのくらいでしょうか。
◎角野道路部長 直近で対策を実施した地区では、ハンプや狭窄などの物理的デバイスを設置しており、路面標示などの対策も含めて工事に着手してから約1か月の工期で対策が完了しております。
◆みわ委員 短い工期で実施できる、効果も出てくるという非常によい取組だと思いますが、まず4地区です。このような物理的デバイスの設置など、ハンプや狭窄の設置を進める上で見えてきた課題は何でしょうか。
◎角野道路部長 ハンプや狭窄については、勾配の急な箇所や見通しの悪い箇所などでは設置ができない、そういう制約がございます。また、駐車場からの車の出し入れや地先利用等に影響がないよう、沿道の皆様の御理解と御協力を得るために十分な時間をかけて合意形成を図ることが重要と考えております。
◆みわ委員 交通安全に効果的な対策であっても地形的な条件、地域との合意形成など様々な制約から実施できないものもあることが分かります。事業のさらなる推進を図っていただきたいと思いますが、対策効果が高いことから同様の対策をしてほしいという声が、今後、記者発表もされておりますので、地域から上がってくるのではないかと思います。今後上がってくる地域からの要望にはどのように対応していかれるのでしょうか。
◎角野道路部長 先進的な取組のため、今後データに基づく交通安全対策やその効果について広く広報し、地域の皆様の声を聞いていきます。地元の自治会町内会やスクールゾーン対策協議会の方々と安全上の課題や対策についてよく議論し、共有した上で、地域の実情に合わせた対策を検討していきます。
◆みわ委員 要望をよく聞いていただきまして交通安全対策を推進していくよう要望しますが、横浜市中期計画2022~2025(素案)では、子どもから高齢者まで人にやさしい移動環境の確保として、通学路や生活道路においてビッグデータや事故データ等を活用し分析した安全対策を推進として、2025年度までの4か年で10地区を整備する予定となっています。この中期計画目標を達成するためにどのように事業を進めていくのか、伺います。
◎角野道路部長 事故データにより事故が多発している箇所や、ETC2.0ビッグデータにより車両の走行速度が高い箇所など、危険な場所を中心に教育委員会事務局と連携しながら対策地区を選定していきます。データに基づき危険箇所を可視化した地図を作成し、地域の方々と話し合いながら対策を検討していきます。
◆みわ委員 教育委員会と協力してということで、通学路の交通安全対策は喫緊の課題です。地域の要望を丁寧に聞き取ることや、地域の実情に応じた具体的な物理的デバイスの選定、また、データを読み取る作業などには人員と予算が必要です。市民の要望に応えて、交通安全対策などに、また道路の維持管理に、しっかりと人員を確保し予算を振り向けて着実に推進するべきだと思いますが、伺います。
◎高瀬道路局長 交通安全対策につきましては、滋賀県大津市や千葉県八街市の事故、本市でも子供の事故がありまして、大変重要な取組であると認識しております。基本戦略であります子育てしたいまち横浜の実現に向けまして、重点的に取組を強化していきたいと考えております。
◆みわ委員 横浜市内でも、痛ましく残念なことに、小学生が犠牲となる交通事故が通学路上で起きております。通学路の安全安心を確保するためには市民の理解を得ながらまず着実に進めていただきたいと思いますが、横浜市には小学校区が335あります。横浜市中期計画2022~2025の枠を超えてさらに事業を推進できるよう、予算、人員をしっかりと確保することを強く要望いたします。
次は、横浜の魅力、川について伺います。
横浜の魅力は、都心に近接して海と川があることだと思います。その中で、大岡川や平戸永谷川など、過去に氾濫を繰り返してきた川ですが、河川改修を進めてきたことにより通常は基本的には安全な環境となっています。大雨、ゲリラ豪雨のときには内水浸水の問題もありまだまだ全ての川で安心という状況にないことも現実ですが、今、私たち市民に身近な川の果たす役割について伺います。
◎高瀬道路局長 河川の重要な役割として、集中豪雨や大型台風による災害の発生を防止し、市民の生命と財産を守る治水機能がございます。加えまして、生物多様性や親水空間の提供などに資する環境保全の役割もあると考えております。
◆みわ委員 こちらのスライドを御覧ください。(資料を表示)決算年度に行われた川のしゅんせつ、堆積土砂掘削や除草、樹木伐採を行う河道等安全確保対策事業の実施前、左が前です。後が右側です。こちらも同様です。河川が見違えるようにきれいになっております。大変大切な取組です。このように、除草やしゅんせつなどを行い、きちんと維持管理していけば、計画どおり水を流す、ためるといった機能もきちんと発揮され、市民の暮らしを安全で安心なものにできます。改めて、このような河道等安全確保対策事業による整備効果と地域からの評価について伺います。
◎仲澤河川部長 スライドにありますように、しゅんせつなどに取り組んでおります。このような取組により、降雨に対する河川水位の上昇が抑えられており、流下能力の回復により治水安全度の向上が図られていると考えております。また、地域や水辺愛護会の方々からも多くのお礼や感謝をいただいております。今まで手入れができなかった場所も自分たちでできるようになった、また、水辺を楽しむ子供たちの姿が見られるようになったなどのお言葉をいただいております。
◆みわ委員 このような地域に密着した河川や水路の維持管理にもっと光を当てて、維持継続していただきたいと思います。また、この河道等安全確保対策事業の対象となっています雨水調整池についてですが、こちらのスライドを御覧ください。野庭団地第二雨水調整池の写真です。こちらも同じ雨水調整池で、別角度からのものです。以前は、水鳥が飛来し、水面に青空が映し出されていたきれいな水辺空間が見られ、郊外部の魅力的な潤いの場でしたが、現在は、土砂も堆積し、草が相当生い茂り、樹木も森のようになっています。このような状態で治水能力に問題はないのかと地域住民の心配の声がありますが、いかがでしょうか。
◎仲澤河川部長 スライドにありますように、雨水調整池の貯留機能に影響がある樹木や堆積土砂については撤去が必要と考えております。一方、治水機能に影響のない範囲で草木を残すことで、地域の自然や生物の生息空間を確保することも大切です。今後、優先順位をつけて順次対策を進めてまいります。
◆みわ委員 治水能力に心配がないのでこのようになっているというお話だと思いますけれども、最初に川の果たす役割についてお話しいただきました。今潤いについてのお話もありましたけれども、もう一度このスライドを御覧いただきたいと思うのですけれども、このような調整池は、ここに何十年も住んでいらっしゃる方にとってはさま変わりだと。本当に潤いの空間づくりが後回しになっているのではないかと思います。雨水調整池の魅力アップの取組を進めてほしいと思いますが、雨水調整池における治水と魅力づくりのバランスについてどう考えているのか、伺います。
◎高瀬道路局長 雨水調整池の目的であります雨水の流出を抑制し河川への負荷を減らすという治水機能の確保が最優先と考えておりますけれども、河川部長からもありましたとおり、治水機能に影響のない範囲で草木を残し地域の自然や生物の生息環境を確保することも大切と考えております。治水機能の確保を優先としつつも、地域の自然環境にも配慮して取り組んでまいります。
◆みわ委員 自然環境残してと言われたのですけれども、高瀬局長、これは魅力的な状況でしょうか、お伺いします。
◎高瀬道路局長 必ずしも魅力的な環境になっているとは思いませんけれども、主目的とします雨水調整池について、管理の実態はこういう形になっております。これから土砂堆積の撤去等を進めていく中で、地域の方々と相談しながら、自然環境の配慮についても考えてまいりたいと思います。
◆みわ委員 安心安全を最優先されるということはもう当然ですけれども、同時に雨水調整池の適切なしゅんせつ、除草、樹木伐採などを行って、郊外部の魅力となる潤いの空間づくりにも取り組んでいくことを求めます。
そこでですが、こちらのスライドを御覧ください。こちらは河道等安全確保対策事業の予算推移表です。事業創設時から赤枠で囲まれている3年間は国県からの補助があり事業を進めてきましたが、2021年、決算年度からは市単独費のみで事業を実施しています。これは同じものを棒グラフにして、よく見えるようにしました。予算が右肩下がりにがくっとなったのですけれども、これで事業が継続できるのか不安に思います。国は2018年7月の西日本豪雨災害、9月の台風21号など近年激甚化する自然災害の教訓を踏まえて、防災減災、国土強靱化のための3か年緊急対策と、3か年に限って土砂掘削や樹木の伐採を位置づけ、補助金を出しました。横浜市がしゅんせつ、除草などを行う河川は、全体では86キロと聞いています。その中でも早急に取り組むべきなのが横浜市中期計画2022~2025(素案)に目標値としている14キロ、現在約8.5キロなので、残り5.5キロを着実に実行するとの決意が先ほど述べられましたが、そのための財源確保に向けた取組について伺います。
◎高瀬道路局長 委員おっしゃるとおり、令和7年度までに14キロメートルの河道しゅんせつを完了させるよう必要な事業費の確保をしてまいります。なお、令和3年度からは、本事業に適用可能な新たな起債として緊急浚渫推進事業債が創設されておりますので、これも最大限活用して事業費を確保してまいります。
◆みわ委員 先ほどのしゅんせつが行われた河川を見ますと、いや、うちの川もあんなふうにしてほしいなというのが各地から上がってくると思います。全体としては86キロで、それからまた繰り返し土砂堆積はありますので、本当に頑張って安全安心に働いていただきたいと思います。市民は全国各地の水害を目の当たりにしております。大雨が降るたびに、川のそばで暮らしている市民はもとより、河川水位情報、河川ライブカメラを見詰めて、今日は大丈夫かと、よく防災情報も入ってきますので、市民はどきどきしているわけですが、まずそんな心配をさせない安全安心の取組を急いで行って、そして郊外部の魅力づくりにも取り組んでいけるよう、安全安心と潤いの事業として発展させていただきたい。必要な予算をしっかりと確保して、着実に事業を進めることを要望いたします。
ここまで身近な道路の交通安全、河川の安全対策について伺ってまいりましたが、これらの事業は、市内中小企業の振興や育成にも資するものと考えます。先ほどございましたデータに基づく交通安全対策の工事について、2021年、決算年度に市内中小企業が受注した割合について伺います。
◎角野道路部長 令和3年度は、南区においてデータに基づく交通安全対策工事を2件実施しております。市内中小企業がこちらを受注しております。
◆みわ委員 河道等安全確保対策の工事について、決算年度に市内中小企業が受注した割合について伺います。
◎仲澤河川部長 令和3年度の河道等安全確保対策事業における市内中小企業の受注割合は100%です。
◆みわ委員 これらの事業は市内中小企業がほとんど受注していることが分かります。次のスライドを御覧ください。(資料を表示)これは令和4年度の予算の抜粋でございます。この予算配分を見ますと、見事なまでに、桁を違えて、高速道路、自動車専用道路に傾注した予算ということが分かります。市民の安全安心、まちの潤いや魅力づくり、市内の中小企業振興に資する事業への配分をもっと増やすべきと実感いたします。
こちらのスライドは、土木事務所関連、過去5年間決算の推移です。道路局予算は1300億円余りですけれども、そのうちの1割強です。この予算で18行政区の市民の願いに必死で応える事業をされています。
次のスライドは、その土木事務所から出された要求数量と配分された道路修繕施工数量の推移です。各区の住民の皆さんから出される要望や土木事務所がパトロールされて実施を決められた道路修繕箇所で、決算年度は85万8518平方メートルを要求されていますが、実施は68万1606平方メートルです。要求の78%です。この5年間で見れば少しずつ増えてきていますから、毎年、私たち日本共産党が土木事務所予算を増やすよう求めている結果が出ているかとは思いますが、いずれにしても、土木事務所の要求数量に対して施工実績は要求の8割に満たない状況です。
私の地元港南区の大久保地域にあります南高校線は坂道のバス通りで、道路に亀裂が何本も入っています。30キロとなっている地域ですけれども、バスやごみ収集車など重量のある車がスピードを上げて通ると、家が揺れると。擁壁や玄関タイルにひびが入っている実態も見せていただきました。土木事務所は鋭意計画的にこの道路の道路修繕を進めていますが、予算の範囲なのでと住民に説明するしかありません。住民からは、計画では、自分の家の前は8か月後と聞いているが、予算がついてからと言われ、いつまでこの揺れに耐えて暮らせというのですかと訴えられました。市民の願いに応え、道路を適切に維持管理するために、土木事務所の要求に応え道路修繕の予算をしっかりと増やすべきと考えますが、見解を伺います。
◎高瀬道路局長 お示しいただきましたデータに基づく交通安全対策や河道等安全確保対策事業、それと道路修繕事業でございますけれども、いずれも市民の安全安心を守る重要な取組であると考えております。厳しい財政状況でございますが、必要な事業費をしっかり確保して計画的に実施していきたいと思っております。
◆みわ委員 副市長に伺いたいのですけれども、9月14日開催の議会常任委員会で道路局から、横浜市中小企業振興基本条例に基づく2021年度、決算年度の取組状況で、今話されていました道路修繕事業については土木事務所における道路修繕事業の全件476件、97億4402万8000円は100%市内中小企業へ発注したと報告がありました。横浜経済を回す中小企業振興に資するものとしても、道路修繕はもとより、通学路の安全対策、踏切の安全対策、水害から市民生活を守り潤いをもたらす事業など、市民生活最優先の道路局施策にしていくことが必要ではないでしょうか、見解を伺います。
◎平原副市長 もちろん市民の皆様の身近な生活の場の安全を確保していくというのは当然必要なことですし、そのための必要な予算は確保していく予定でございますけれども、一方で、将来を見据えた投資というのも大都市横浜としては必要だと考えてございますので、バランスの中で、必要な予算はきちんと確保していきたいと考えております。
◆みわ委員 やはり中小企業にきちんと仕事が回っていくというのは、横浜市が持続的に経済が回っていくすごく大事な取組だと思います。市民にとっては安全で美しいまち、市民目線で思い切った生活道路優先の道路施策に、河川の安全安心に、市民の願いに応えて取組を進めることを強く求めて、終わります。ありがとうございました。
議会での質問・討論(詳細)
2022年10月13日