視察日:2023年7月7日
参加議員:古谷やすひこ、白井まさ子、宇佐美さやか、大和田あきお、政務活動員3人
視察場所・内容
①川崎市南部学校給食センター
・レクチャ-、センター内見学
・給食試食
②川崎市立御幸中学校(幸区)
・喫食状況の視察
・校長先生等と懇談
【川崎市の中学校給食の概要】
川崎市では中学校の給食は「家庭からのお弁当」を基本とする「ミルク給食(牛乳のみ配布)」を1963年から実施。2004年からはお弁当が持参できないときにそれを補完する制度として、注文式の業者配達弁当の「ランチサービス事業」を実施。2017年12月から市立中学校全校で完全給食(主食・おかず、牛乳)を実施。
〇川崎市の中学校数・生徒数:52校 2万9,835人
〇完全給食への経過
2013年11月26日 川崎市中学校給食の基本方針
2014年10月28日 完全給食実施方針(2015年1月20日修正)
2016年1月7日 東橘中学校で完全給食施行実施
2017年1月11日 自校方式2校、小中合築校方式2校で給食の提供を開始
2017年9月4日 南部学校給食センターで22校を対象に給食の提供を開始
2017年12月1日 中部学校給食センターで14校を対象に、北部学校給食センターで12校を対象に給食の提供を開始(全校実施)
〇中学校給食の方式
センター方式:48校(PFI 市内3センター)
自校調理方式:2校(委託)
小中合築方式:2校(委託)
給食回数:1.2年生165回 3年生155回
給食費:1.2年生 月額4,800円(1食あたり320円)
3年生 月額4,600円(1食あたり320円)
〇センター方式配送対象校の内訳
南部 配送対象校 22校 配送車24台(内予備2台)
中部 配送対象校 14校 配送車18台(内予備1台)
北部 配送対象校 12校 配送車10台(内予備1台)
※給食法・衛生管理基準の調理後、2時間以内の配送を厳守。
南部センター対応校には一番遠い学校でも配送時間は1時間程度。
〇各センターの供給能力とアレルギー対応
南部 供給の能力:1万5000食 アレルギー対応食150食/日
中部 供給の能力:1万食 アレルギー対応食100食/日
北部 供給の能力:6000食 アレルギー対応食60食/日
アレルギー対応は特定原材料8品目に対応。卵、小麦、乳を除去(そば、落花生、えび、かに、クルミは給食に使用しない)
資料:3つのセンターの概要(川崎学校給食センター整備等事業(PFI)概要 2023年4月現在)
〇南部給食センターの特徴
・市内3か所で一番大きなセンター
・一日2つの献立に対応
・敷地面積8,704.60㎡
・建築面積5,484.52㎡
・延床面積7,230.39㎡
鉄筋造・2階建て
センター稼働開始時間:7:00~
住所:川崎市幸区南幸町3丁目149番地2
レクチャー時のQ&A
問)全員給食をはじめての変化について
答)全員が同じものを食べることで、生徒の共通の話題にもなり、食育が進んだと考える
問)栄養士や栄養教諭の配置について
答)南部4人、中部4人、北部3人を各センターに配置している。自校調理方式の2校は、それぞれで食材発注も行っているため、各校に栄養士を配置している
問)センター建設の際に国からの交付金の内訳について
答)南部53億円中6.7億円 中部36億中4.9億円 北部29.87億円中3.6億円が交付金。毎年の維持管理費には交付金はついていない。
【試食した給食】
食缶は「2重」になっていて、汁物はじめすべて温かさが保たれていた。食缶を外から触っても熱い・冷たいは感じなかった。
【御幸中学校の配膳・喫食の様子】
・配膳室は、空き教室を活用。空き教室がない学校はプレハブを建てて対応している。
・御幸中学校では、校舎の配送車をつけるところ(カートを下すところ)に段差が必要だったので後から新設。
・お昼休み前の授業が終わり、学年・クラスごとに配膳室に食缶を受け取りに行く。所要時間は約10分程度。
・あるクラスでは米飯の残食が目立っていた。
センター方式の課題について
党川崎市議団の資料より
センター方式と自校調理方式の残食率
自校4.1%、センター13.2%と残食率はセンターの方がかなり高くなっている。白米についてはセンターでは19.5%残食。
中学校給食については、生徒アンケートの結果は好評だが、やはりセンター方式は自校調理方式と比べると課題がある。自校調理方式を増やし、食育を進めるためにも全区に栄養士の配置を求めていきたい。川崎市議団 市議会文教委員会 市古次郎市議より
資料:令和4年度中学校給食の残食率について(川崎市議会 文教委員会 6月1日 学校給食センター整備等事業におけるPFI事業中間評価についての追加資料)PDF