◆白井委員 日本共産党を代表して質問をします。よろしくお願いします。
まず、コロナ陽性者用病床についてです。
新型コロナ感染症の昨年のデルタ株での第5波のピークに患者数が急増した際には市内の病院では受入れを断らざるを得ない状況ということで、入院や手術は延期するなど通常の医療を一部制限してコロナ対応を優先でコロナ陽性者用病床を増やしたところでは、もう一方では通常医療を制限した影響が大きく、その後も対応に追われたと聞いております。本市は、第6波を想定してコロナ陽性者用病床を増やしてきました。今回の第6波はオミクロン株が猛威を振るっておりまして、2月16日の厚生労働省のアドバイザリーボードでは、今後、陽性者が減少しても軽症や中等症の病床は逼迫し、高齢者の患者が増えることで病床使用率は増加傾向が続くと、こうしております。2月20日の報道では神奈川県の病床使用率は70%以上で警戒水域と言われているとしていますから、市民から市内の状況、大丈夫なのだろうかと不安の声を聞いておりますけれども、本市の病床使用状況はどうなっているのかを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 感染者の急増によりまして、入院が必要となる重症化リスクの高い高齢者の方が増加しております。2月23日時点では、陽性患者用病床の利用率は74%、そのうち重症者用は39%となるなど厳しい状況にあります。本市では、第5波ピーク時の26%増となる866床を確保しておりまして、さらなる拡充にも現在取り組んでいるところでございます。引き続きY-CERTが市内病院の状況を一元的に把握し、適切に入院や転院調整を行うなど通常医療との両立を図っていきます。
◆白井委員 今数字を伺いますと逼迫した状況がうかがえるのですけれども、それではコロナ専門病院について伺います。
第5波のデルタ株では、Y-CERTが入院調整したのは30代から50代が中心で、肺炎を起こした方が多かったと聞いていました。11月に病院の開設が発表された際には、第6波への備えとして、自宅療養中の呼吸不全のない軽症の方で重症化リスクの高い方へ重症化させないように中和抗体薬の点滴などで治療をして、1泊2日で退院を想定していると聞いておりました。
12月1日に開設されましたけれども、コロナ専門病院の医療機能をどう設定されていたのかを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 コロナ専門病院は、デルタ株による第5波の感染拡大の状況を踏まえまして、軽症及び中等症Ⅰの患者さんのうちハイリスクな方を対象に、入院による薬剤投与など早期での治療を行う医療機関として設置いたしました。
◆白井委員 では、新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制上のコロナ専門病院が果たす役割はどういうものかを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 第5波では、自宅療養中などの症状悪化による救急搬送件数が急増したことによりまして、重症・中等症用病床の利用率が90%となるなど病床が逼迫いたしました。コロナ専門病院は、こうした状況を踏まえまして、BMI30以上などハイリスクの方を対象に早期治療による重症化を防ぐことで、救急搬送件数の減少や重症・中等症用病床利用率の低減などを図ることを目的としております。
◆白井委員 デルタ株を想定して、比較的若い軽症の方、現状がそうでしたので、それを受け入れるという運用でスタートしたいということだと思うのですけれども、病院案内のリーフレットも作られておりまして、病院のホームページでも見ております。また、病院が所在する地域での説明会も行われたことは聞いておりますけれども、開設に当たって地域の協力を得るための工夫はどのようにされてきたのかを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 コロナ専門病院の開設に当たりましては、近隣住民の方々を対象とした説明会を8回開催いたしました。また開設後には、コロナ専門病院の診療内容や感染防止対策等をまとめましたリーフレットを作成いたしまして、地元の連合町内会自治会エリアを対象に全戸に配付するとともに、コールセンターを設置しお問合せや御質問に対応できるようにするなど、丁寧な対応を心がけてきました。
◆白井委員 では、確保された病床数というのは60床と聞いておりまして、85床まで可能と聞いておりますけれども、入院者数の実績はどうなのかを伺います。
◎戸倉副局長兼医療政策部長 2月23日時点で申し上げますと、開院からの延べ受入れ患者数は85名で、入院中の患者数は20名となっております。
◆白井委員 確保病床数60床に対してこの受入れの実績では本市のコロナ用病床全体の利用率低減と先ほど言われたのですけれどもそれにつながっていないように思うのですけれども、入院受入れが進まない理由はどういったことが考えられるのでしょうか、伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 先ほども申しましたように、コロナ専門病院は、デルタ株による第5波の感染拡大時の状況を踏まえまして、重症化リスクの高い方への1泊2日入院による中和抗体療法や、中等症の方への薬剤投与を行う医療施設として開院いたしました。しかしながら、オミクロン株による第6波では、心疾患あるいは糖尿病などの基礎疾患のある高齢者の方が数多く市内の高度急性期病院等に入院してございます。こうした患者さんは当初の想定と異なりまして介護の必要度も高く、なかなか十分に受入れができていないという状況でした。
◆白井委員 オミクロン株になって入院する患者の年齢や症状が想定と変わったのであればすぐには対応できないことは当然あることだと思いますけれども、市内のコロナ病床がこれだけ逼迫している状況からすると、病状が少し重い患者の治療も求められているということですから、基礎疾患のある高齢者への対応となると、先ほどもおっしゃいましたけれども、食事の介助とか糖尿病とか、心疾患で高血圧の服薬介助とか、身体介助も必要とされると思います。病状、病態に応じた医療が提供できるように何らか運用を変える必要があるのではないかと思います。
そこで、オミクロン株の症状を踏まえた医療設備の状況はどうなのか、また、医師や看護師などの配置の状況はどうなっているのか、対応できる状況なのかを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 コロナ専門病院は、軽症及び中等症Ⅰの患者さんに対して薬剤投与や早期治療を行うように、医療設備それから医師の配置等を整えてきたわけです。しかし現状では、当初想定した以上の看護体制を必要とする基礎疾患のある高齢の患者さんが増加しており、1月末からそのための対応を開始しております。医師、看護師の確保に時間を要しましたけれども、横浜市立大学などの御協力もありまして、先週末には体制を整備し患者さんの受入れを行っておって、現在患者数も増えてきているという状況にあります。
◆白井委員 対応されているということなのですけれども、オミクロン株に対応した期待される役割を果たす必要があると思います。現在の感染状況を踏まえて、また、今後が見通せない状況の中ですけれども、コロナ専門病院が果たすべき役割を担えるようにどう取り組むのか、局長の決意を伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 コロナ専門病院では、市内病院の病床の逼迫を防止するため、引き続き軽症の患者さんへの早期治療を行うとともに、今増加しておりますより多くの中等症の患者さんを受け入れることができるように医師、看護師の増員を図っておりますけれども、高度急性期病院での治療により症状が改善した方を受け入れる後方支援病院としての役割を今後担っていきたいと考えております。引き続き通常医療とコロナ医療の両立を図るために、市内の各医療機関がそれぞれの医療機能をしっかりと発揮できる医療提供体制の整備に努めてまいります。
◆白井委員 市内のコロナ用病床全体の利用率低減につながるように、主として実際に運営する法人をサポートしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
続いて、よこはま保健医療プランの次期プランの策定についてです。
よこはま保健医療プランは、2023年度、令和5年度から次期プランについて策定が行われようとしています。よこはま保健医療プランに位置づけられている地域医療構想では、高齢化が進む2025年に回復期病床と慢性期病床が不足すると見込んで、既存の高度急性期病床と急性期病床を回復期病床、そして慢性期病床へ転換して増床をする計画で、回復期病床、慢性期病床ともその整備費補助があります。本市は必要な病床機能を確保するために基準病床数に対して公募する病床数を決めて、医療機関が増床を計画する場合に病床整備事前協議を行って市が医療機関の増床計画を審査して選定する仕組みとなっているのですけれども、その医療機関は、コロナ禍でこの増床計画を断念したところもあると聞いております。先が見通せない中で病床の転換や増床は本当に難しいのではないかと思いますけれども、2021年度、令和3年度の病床整備事前協議での公募対象病床数及び申請病床数はどうであったのか、伺います。
◎戸倉副局長兼医療政策部長 本年度は、464床の募集に対して、合計214床の申請でした。なお、過去の実績でございますが、平成30年度は855床に対して2116床の申請、令和2年度は602床に対して880床の申請がございました。
◆白井委員 協議によって配分できなかった病床数というのは次年度に繰り越されるのでしょうか、そこを伺いたいと思います。
◎戸倉副局長兼医療政策部長 配分できなかった病床につきましては、令和4年度以降の病床整備事前協議における公募対象病床数に含まれることになっております。
◆白井委員 確実に必要となる病床の整備を進めるための今後の考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 将来の医療需要の増加への対応といたしまして、回復期や慢性期機能の充実に向けまして地域医療介護総合確保基金を活用した機能転換、増床が可能となるよう県に要望いたしまして、制度として採用されております。今後も、当該基金のさらなる活用に向けた県への働きかけを続けるほか、医療人材の確保に向けた支援に取り組み、市病院協会など関係団体と連携しながら着実に病床整備を進めてまいります。
◆白井委員 次期プランに新たな感染症対策はどのように盛り込むのかを伺いたいと思います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 国では、次期医療計画において新興感染症対策を新たに位置づけ、現在その内容を検討しているところでございます。本市においても、今後の国や県の検討状況を注視しつつ、これまでの新型コロナウイルス感染症対応での経験を踏まえ、次期プラン策定に向けて具体的な検討を進めていきます。
◆白井委員 今回の公募でも対象とする病床機能として回復期そして慢性期機能の病床に加えて、感染拡大時に感染症の患者さんを受け入れる病床という条件をつけているということですけれども、感染症にも対応できるように病床を確保するためには高度急性期病床そして急性期病床も、回復期病床、慢性期病床も両方必要となると思います。地域医療構想そのものを両方拡充の視点で見直すことが必要と考えまして、要望をして終わります。
議会での質問・討論(詳細)
2022年2月24日