議会での質問・討論(詳細)
2021年10月13日

■都市整備局(みわ智恵美)10月13日(水曜日)

◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。
 質問の前に一言申し上げます。市長がIR誘致撤回をされ、それに基づいて当局の皆様が尽力されていることを深く受け止めております。これからもさらに市民の声に寄り添った市政運営をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 質問に入ります。スライドの許可をよろしくお願いします。
○山本委員長 許可します。
◆みわ委員 国家戦略住宅整備事業認定で住宅容積率が大幅緩和された横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業について伺います。
 この事業は第一種市街地再開発事業かどうか、また誰がこれを決めているのか、伺います。
◎千葉都心再生部担当部長 本事業は、第一種市街地再開発事業でございます。横浜市長が市街地再開発事業計画の認可を行っているものでございます。
◆みわ委員 この鶴屋地区事業に国家戦略特区の認定が行われましたが、その内容を伺います。
◎千葉都心再生部担当部長 国家戦略特別区域法第16条に基づきまして、国家戦略住宅整備事業により、グローバル企業の就業者等の生活に必要な機能を併設した住宅を整備いたします。さらに、同法21条に基づく国家戦略都市計画建築物等整備事業により、都市再生特別地区の変更、地区計画の変更及び市街地再開発事業の決定を行いました。
◆みわ委員 その申請は誰が行ったのですか。
◎千葉都心再生部担当部長 まず、平成26年9月に国家戦略特別区域法第7条に基づき、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発準備組合が国家戦略特別区域会議の構成員となりました。その後、同法8条に基づきまして、国家戦略特別区域会議が内閣総理大臣に認定の申請を行ってございます。
◆みわ委員 準備組合が申請されたということでよろしいですか。
◎千葉都心再生部担当部長 準備組合が構成員となってございます国家戦略特別区域会議が申請を行っているものでございます。
◆みわ委員 分かりました。この認定によって住宅容積率の加算が行われて、容積率の緩和はどうなりましたか。
◎千葉都心再生部担当部長 指定容積率500%のところ、都市再生特別地区により公共貢献を評価いたしまして680%まで容積率を緩和してございます。さらに、国家戦略住宅整備事業によるグローバル企業の就業者等の生活支援に必要な機能を併設した住宅整備を合わせて行うことにより850%の容積率となってございます。
◆みわ委員 容積率の緩和は建物の床面積がそれだけ増えるということでよろしいですか。
◎千葉都心再生部担当部長 委員おっしゃられたとおり、容積率の緩和により床面積の増加が可能となるということでございます。
◆みわ委員 当該地域の資金計画を見ました。公費負担予定金額40億円となっていますが、その法的根拠を述べてください。
◎千葉都心再生部担当部長 都市再開発法第122条「地方公共団体は、施行者に対して、市街地再開発事業に要する費用の一部を補助することができる。」、これを根拠といたしまして、都市機能の更新等再開発事業の推進のための補助を行っているものでございます。
◆みわ委員 できる規定なのですよね。それなのに国も市も税金を入れてこの開発をしていますけれども、地権者が何人で、そこに参加してきた参加組合員は誰で、幾ら負担金を出しているか述べてください。
◎千葉都心再生部担当部長 地権者数は11名で、参加組合員は相鉄不動産株式会社、東急株式会社となってございます。参加組合員負担金額は約313億円となってございます。
◆みわ委員 容積率の大幅緩和は、先ほど述べられた参加組合員の負担を軽くするものとなっているのではありませんか。
◎千葉都心再生部担当部長 容積率を緩和することによりまして、国際都市横浜の玄関口にふさわしいビジネスや交流等の拠点形成が図られます。そのため、建物の規模が大きくなりまして事業費が増加するため、参加組合員としては全体の事業費のバランスの中で判断しているものと考えてございます。
◆みわ委員 当初の1.7倍もの容積を要するということは、超高層の建物を推進するということになります。この地域の地盤の特性から見て、このような規制緩和はよいと横浜市は考えましたか。
◎千葉都心再生部担当部長 容積率の緩和は、国際都市横浜の玄関口にふさわしいビジネスや交流等の拠点形成を図るために行っており、問題があるとは考えてございません。
◆みわ委員 公費を伴う事業で、規制も緩和され、大企業に巨額の利益が入る仕組みが最大限活用されたと思います。当該地域の工事現場では決算年度に重大な人身事故が発生しました。事故が起こった経緯と現状を述べてください。
◎千葉都心再生部担当部長 令和2年10月13日9時25分頃、地下約10メートルの場所で掘削作業をしていたところ、掘削周囲の土留め壁面より土砂が流出し、作業員1名が被災、お亡くなりになられました。事故後に、警察、労働基準監督署により現場検証が行われ、再発防止と安全管理の徹底に取り組んでおります。なお、工事は令和3年2月3日より再開してございます。
◆みわ委員 大変重大な事故ですけれども、この事態に対する市の責務についてはどのようにお考えでしょうか。
◎小池都市整備局長兼技監 市街地再開発事業区域で起きた事態を重く真摯に受け止めております。また、市街地再開発組合、施工者、監理者からは事故の原因究明及び再発防止と安全管理の徹底について報告を受けております。今回の事故を踏まえて工事手順の総点検を行うなど、再開発組合、施工業者と連携し、竣工に向けてしっかりと対応してまいります。
◆みわ委員 当然、横浜市が二度とないようにと対応されるのは分かりますけれども、現場に問題があったということですけれども、規制緩和が行われたということでこの地域での工事に難しさが増したという認識はありませんか。
◎小池都市整備局長兼技監 今回の事故は、掘削周囲の土留め壁面より土砂が流出し、作業員お一人が被災、お亡くなりになられたものでございます。この事故の発生原因と規制緩和は直接の関係はないと考えますが、今回の事故を踏まえて、工事手順の点検を行うなど再開発組合、施工業者と連携し、竣工に向けて対応しております。
◆みわ委員 本当に連携をしっかり取りながら、横浜市の目も注がれるようによろしくお願いしたいと思います。
 この鶴屋地区も第一種市街地再開発事業ということを言われました。第一種市街地再開発事業の目的を端的に述べてください。
◎渡邊市街地整備部長 駅前広場や道路などの公共施設の整備や良好な都市型住宅の供給などを図ることで、土地の合理的かつ健全な高度利用と防災性の向上を含めた都市機能の更新を図るものでございます。
◆みわ委員 今述べられたような目的を上げて、社会資本整備なのだという名の下に一事業に何十億円という税金が入っています。市単独負担金も合わせると合計すると一事業で100億円もの税金が入る、そういうものもあります。
 ここで、先ほど以外の市の負担金の名目とその税金で進める工事の内容を述べてください。
◎渡邊市街地整備部長 名目といたしましては、一般会計補助金、公共施設管理者負担金としての道路整備特別会計補助金、市単独負担金に分類されております。使途といたしましては、施設建築物及び敷地の整備に要する費用や都市計画道路の整備に要する費用に充てられております。
◆みわ委員 こちらのスライドが今述べられたような国が示している市街地再開発事業に対する支援制度の表です。(資料を表示)こちらの表は、ちょっと見えにくいですが、共同施設整備等補助要綱の細目の抜粋です。この抜粋などをイメージする図に落としてもらいました。電気、ガス、水道、電話、情報通信施設整備費等、一般の民間マンション建設ではマンション入居者の負担で行っているものです。ところが、市街地再開発事業ではこれを税金で支援する。至れり尽くせりだなと思いますが、こちらのスライド、これは市内での第一種市街地再開発事業において事業に参加してきた企業名と負担金を、全てではありませんが、示していただきました。参画しているのは一握りの企業、多額の負担金を負担できるところしか参入できないのが現実です。こちらのスライドがこの参画してきた事業者です。ちょっとスライドが前後しておりました。こちらが市街地再開発事業の2020年度の決算資料です。市街地再開発事業と東高島駅北地区の埋立てなど土地区画整理事業も入っているものではありますが、ほとんどが駅前開発の事業で、国庫支出金で単年度、決算年度で約43億円、市債は約34億円を出しております。マスメディアでも再開発事業で建設されるタワーマンションは税金が支えているとの報道がありました。この報道をどう受け止めましたか。
◎小池都市整備局長兼技監 再開発事業が行われることで、公共施設の整備や密集市街地の解消が促進され、まちの利便性や防災性が向上するなど良好な市街地形成が図られております。タワーマンションそのものを税金が支えているということではなくて、再開発事業の目的や効果に応じて補助金としての税金が充てられているものと認識しております。
◆みわ委員 副市長、伺います。第一種市街地再開発事業では、駅前はタワーマンションと歩行者デッキ、まちの個性も感じられないものとなっていないでしょうか。臨海部での区画整理事業も含めて、人口の集積が中心市街地に偏ったまちづくりになっています。人口減少、超高齢化、地球温暖化を防止し、災害に強いまちづくりの点からも、横浜市民の3分の2が住んでいる郊外部に若い皆さんが住みたいと選んでいただけるような郊外部のまちづくりにもっと光を当てた税金の使い方が必要と考えますが、見解を伺います。
◎平原副市長 横浜の持続的な成長発展に向けましては、都心臨海部だけではなくて郊外部のまちづくりも大変大事だということでございまして、私どもとしては両方を重視してまちづくりを進めているつもりでございますし、今後もそういうふうに取り組んでいきたいと考えてございます。横浜経済の成長を牽引する都心臨海部と、今委員がおっしゃっていただきました住みたいあるいは住み続けたいと思える郊外部の形成を横浜のまちづくりの両輪として進めてまいりたいと考えております。
◆みわ委員 バランスの取れたまちづくりをぜひ進めていただきたいと思いますので、税金の使い方のバランスもよろしくお願いいたします。
 次に、災害対策基本法に基づいた横浜市の地震防災戦略における地震火災対策方針について取り組まれています都市整備局の事業について伺っていきます。
 先日も横浜市内で震度5弱という大きな地震がありました。私たちは、震度6弱を超える地震がいつあってもおかしくない地域に住んでおります。(資料を表示)こちらのスライドは横浜市防災計画で、2022年度までの減災目標を示しています。都市整備局が取り組んでいる建築物の不燃化については、おおむね計画どおり進捗していることが先ほども述べられましたが、進んでいないものもあって、改めて方針をつくると述べられておりました。次期方針を立てるに当たって、こちらのスライド、これは建築物不燃化推進事業補助で、最大300万円まで個人の家の除却と新築に補助されます。こちらのスライドは、この事業の補助件数と補助額です。この7年間で多いときに年間5億2600万円、件数では多いときには335件、多くの市民が直接支援されて、中小企業にもしっかりとお金が回る事業だと私は実感いたしますが、いかがでしょうか。
◎小池都市整備局長兼技監 この制度は、建物の所有者に対しまして老朽建築物の除却、新築に必要な費用の一部を補助するものでございます。平成26年度から令和2年度末までの実績は1672件と、多くの市民の皆様に御利用いただいております。建物の除却の補助につきましては、市内中小事業者に発注することを要件としておりますので、中小企業の振興にもつながると考えております。
◆みわ委員 パンフレットには令和4年度末で終了となっているのですけれども、今後も取り組んでいくべきと考えますが、いかがですか。
◎小池都市整備局長兼技監 不燃化補助は地震火災対策を推進するための重点施策でありまして、令和5年度以降も継続が必要と考えております。効果検証結果を踏まえまして、ニーズに対応したよりよい補助制度となるように検討を進めてまいります。
◆みわ委員 よろしくお願いします。
 こちらのスライドは木造建築物の不燃化と耐震改修事業を併せて行う事業で、補助上限が250万円、不燃化だけですと125万円で、大変使い勝手がいいように思うのですけれども、始まってから6年間で何件に補助がされていますか。
◎松井防災まちづくり推進室長 制度を導入しました平成27年度から令和2年度末までの実績は合計2件となっております。
◆みわ委員 あまりに少ないのですけれども、どうしてでしょうか。
◎松井防災まちづくり推進室長 不燃化改修工事は、建物の外壁を全て剥がし耐火性の高いものに付け替えるなど大規模な工事となるため、建て替えと同程度の工事費がかかる場合が多くなります。このため、費用対効果の視点から改修よりも建て替えを選択される方が多いと考えています。
◆みわ委員 今まで住んでいた家はそのままでということで、もう少し広報とか支援の在り方を考えたら増えるのではないかと思います。これらの補助の対象となる市の地震火災対策の対象地域の考え方を示しているのがこちらのスライドです。特に重点化が必要な地域をオレンジで示していますが、約3万2600件、先ほど1000件を超える事業での対象住宅を示していただきましたけれども、まだまだと。まちの安全安心を広げて、まちの小規模事業者にも確実にお金が回っていく仕組みで、横浜市の中小企業振興基本条例から見ても大変重要な2つの事業だと思います。ところが、予算は市街地開発事業と比べてあまりにも少ない。まだまだ対象住宅が残っているのですが、どのようにお考えでしょうか。
◎小池都市整備局長兼技監 現在、不燃化補助につきましては、要件を満たす全ての申請に対して補助を実施するなど、必要かつ十分な予算を確保していると認識をしております。まちの防災性を向上させるため、今後とも地域の特性に応じた適切な事業手法を採用しながら、必要な予算を確保してまいります。
◆みわ委員 こちらのスライドを御覧ください。こちらとこちらとこれです。これはどれも重点対策地域の写真です。山中市長は、防災減災、安心して暮らせるまちの公約で、地域事情に合わせた災害対策の強化、震災、風水害の発生に備え公助の強化と自助共助の取組支援を強化としています。今局長からも大変頑張っていくと述べていただきましたけれども、事業も工夫して、そして予算も増額して、細かく各個人にきちんと対応していかなければならないのですから、人材も増やして推進していくことを強く要望いたします。
 続いて、旧上瀬谷米軍基地跡地開発における巨大テーマパーク構想について伺います。
 テーマパーク事業化の見通しがついていますか。
◎清水上瀬谷整備推進部長 テーマパークについては、地権者で構成するまちづくり協議会が検討パートナーの三菱地所株式会社とともに検討を進めています。今後、具体化に向けた検討が進んでいきますので、その状況を把握しながら、本市としても郊外部の活性化拠点の形成に向けしっかりとまちづくりを進めていきます。
◆みわ委員 土地区画整理事業が進められているという説明が先ほどありましたけれども、この事業では、実際、何を横浜市は直接つくっていきますか。
◎清水上瀬谷整備推進部長 令和2年3月に策定した土地利用基本計画では、観光・賑わいゾーンにテーマパークを核とした複合的な集客施設の立地を位置づけ、将来的に1500万人が訪れる郊外部の活性化拠点の形成を目指すこととしています。この計画に基づき、市施行での土地区画整理事業の実施に向け検討を進めているところです。
◆みわ委員 実際に何を工事しますか。
◎清水上瀬谷整備推進部長 実際に工事するのは、旧上瀬谷通信施設の中にある河川を切り回しする工事をしたり、調整池を造ったり、道路を造ったり、それから宅地を造成したりする工事を行います。
◆みわ委員 インフラを整備していくわけですけれども、まず、テーマパークの規模も明らかとなっていない中で進めていっていいのかという懸念がありますが、その点はいかがですか。
◎清水上瀬谷整備推進部長 先ほどもお答えいたしましたが、令和2年3月に策定した土地利用基本計画では、観光・賑わいゾーンにテーマパークを核とした複合的な集客施設の立地を位置づけて、将来的に1500万人が訪れる郊外部の活性化拠点の形成を目指すこととしています。この計画に基づいて、市施行での土地区画整理事業の実施に向け検討を進めていきます。
◆みわ委員 地権者の皆さんの土地の持分でのテーマパークについて、私たちは反対するものではないのですけれども、今、規模も内容も分からないままに進めることに問題を感じています。
 次に、上瀬谷ラインについて伺いますが、年度内とした特許申請の見通しはありますか。
◎酒井上瀬谷整備推進部上瀬谷交通整備担当部長 特許申請に当たりましては、事業費や役割分担などの事業スキームや事業採算性とともに駅位置や構造などの事業計画を整理し、併せて運行事業者を決定する必要がございます。これらを行った上で、速やかな特許申請を目指すこととしてございます。
◆みわ委員 今、構造物だったり、それから事業採算性も言われましたけれども、テーマパークについて、これから、これからという話で明らかとなっていない中で、上瀬谷ラインだけ何だか進めていくような強行策というのは無謀ではないかと思うのですが、いかがですか。
◎小池都市整備局長兼技監 テーマパークにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、地元のまちづくり協議会において三菱地所が検討パートナーに選ばれ、現在、土地活用の具体化に向けて検討が進められております。一方、新交通システムの整備も旧上瀬谷通信施設のまちづくりの一環として本市が検討を進めております。引き続き、テーマパークなど土地利用計画の深度化に合わせて新交通の事業性などについて検討を行ってまいります。
◆みわ委員 事業主体としてシーサイドラインのほうにお願いしているということですが、現在のシーサイドラインの事業状況からも、そう決まる事態ではないと思います。そんな中で拙速な事業化を進めるような特許申請も問題だと思っております。それから近隣の道路整備、先ほど説明がありましたけれども、これまで行われてきた八王子街道のさらなる拡幅等瀬谷地内線の事業化はテーマパーク構想があってのもので、先ほど三菱地所さんとまちづくり協議会でこれからということで、本当にどんなものになるのか分かっていない中で、今こんな状況でどんどん進めていっていいのかどうか、この道路拡幅凍結を今するべきではないでしょうか、伺います。
◎曽我上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室長 土地利用基本計画の中で、郊外部の新たな活性化拠点の形成を実現するため、観光・賑わいゾーンや物流ゾーンなど土地利用の内容が定められています。旧上瀬谷通信施設の周辺は道路基盤が十分に整備されていませんので、想定される土地利用転換に伴う交通需要に対応した周辺道路の整備が必要であると考えています。
◆みわ委員 コロナ禍で事業展開がなかなか厳しくなる中で、無理に無理を重ねるような開発になっているのではないかと。いま一度立ち止まって、周りの整備に必要なものはあると思いますけれども、全体としての構想は見直しが必要と考えます。
 以上で終わります。


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