◆岩崎委員 では、よろしくお願いします。
委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○望月[康]副委員長 どうぞ。
◆岩崎委員 順番を変えて、中外製薬戸塚町開発許可に伴う内水浸水被害増大について伺っていきます。
開発の当初計画は、敷地全体を高さ2メートルに盛土するものでした。地元住民は、盛土は浸水被害を増大させる、盛土でなく現状地盤高の維持をと求め続けています。これが出発点であり現状であります。(「それに答えています」と呼ぶ者あり)これに対し、市は周辺住民の皆様に安心していただけるよう事業者に指導や要請を行いますと何度も答弁しています。
スライドを使います。(資料を表示)2014年10月、台風18号のときの周辺の状況です。まず、周辺の標高図、青色のラインは雨水の流れです。次は水位が上がった柏尾川です。以下、水の流れに沿って行きます。戸塚駅西口、区役所付近です。戸塚小学校前です。旧日立正門付近、これが現場の前です。この台風と同じ雨が降った場合、周辺地域はどうなるかと私が質問したときに、当局は、整備水準が変わらない限り水が出る可能性が高いと答弁しています。
そうしますと、18号台風のとき、周辺地域の状態は床下浸水被害でした。そのときの水面の標高を伺います。
◎富永下水道管路部長 当日、戸塚町では浸水が発生したことは確認しております。ですが、浸水の水面の標高については把握しておりません。
◆岩崎委員 質問に答えていませんね。盛土完成後、同じ大雨が降った場合、浸水の水面の標高は幾つですか。
◎早川下水道計画調整部長 当日の降雨で浸水水面の標高を算定するためには、流出解析モデルによる流出シミュレーションを行う必要がありますが、シミュレーションに必要となる当該流域内で当日に降った様々な地点の降雨データは存在せず、当日の降雨を再現することができないため、標高を算定することができません。
◆岩崎委員 やはり質問に答えていません。(「もう答えているよ」と呼ぶ者あり、笑声)
次のスライドですが、遊水池状態になったところにたまった後、これは雨水が流れ出る付近の拡大図です。網かけ部分が盛土です。緑のラインが緑道です。そこで、盛土でせき止められた雨水が次に流れ出るポイントはどこか、そしてその標高は幾つか、伺います。
◎早川下水道計画調整部長 道路や宅地など各地点の標高はそれぞれ異なっていることや、地面は水平的に連続しているため、あふれた水がどこに向かって流れていくかは降雨状況にもより様々です。これらが複合的に関連してしまうため、単純に地盤の高さの変化から浸水深さ、浸水表面を想定することはできません。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
◆岩崎委員 やはり答えない。(笑声)雨水の流れは緑道に行くしかないのではないですか。緑道の一番下流、これは一番南側なのですが、この場所です。ここは標高が12.4メートルの公道があります。流れの水面標高は、したがって、11.8メートルから12.4メートルへと上がるに決まっているではないですか。そうすれば浸水の深さが50から60センチ深くなります。周辺住宅では床下浸水が床上浸水になり、被害が格段に大きくなります。これが私の説明なのですが、肯定できますか、否定しますか、どっちですか。
◎遠藤環境創造局長 地盤の高さの変化に伴う御質問だと理解をしておりますが、本当に繰り返しの答弁になって大変申し訳ありませんが、そもそもやはり雨の降り方そのものが二つとして同じものはない。そういった中で、仮にその平成26年ですかね、2014年の雨がというお話も含めて、地盤が変わったからといって、その水面の標高がどうのというのは算定しようがないと考えてございます。さらには、先ほど部長も答弁しましたが、地面というものは平面的に連続しているものでございますので、地面の高さが変わったからということで、単純に浸水深さを想定することはできないものと考えてございます。
◆岩崎委員 これは簡単な物理の式さえあれば説明ができる事実の問題ですから、そんな不可知論に陥っては駄目ですよ。そんな難しい計算など要らないです。これ、なぜ答えないか。答えたらこの間の市の対応のミスを認めることになってしまうからなのですよ。だから、ちょっとその理由を幾つか挙げてみます。
第1に、アセス審査項目から浸水が外されています。次のスライドを見てください。このスライドは何を意味するスライドですか、説明してください。
◎河岸政策調整部長 こちらのスライドにつきましては、環境影響評価を行うための技術指針の中で、環境影響評価を行うための項目として、環境影響評価項目と定めているものでございます。
◆岩崎委員 では、次のこの拡大図ですが、これは何を意味していますか。
◎河岸政策調整部長 こちらは先ほどの表の拡大になりますので、浸水というのが安全という評価項目の中の細目の位置づけになっているというものでございます。
◆岩崎委員 では、この表は何を意味しますか。
◎河岸政策調整部長 この表は、本案件について環境影響評価を行った評価書の一部かと思いますが、安全の項目、先ほど指摘にありました浸水の項目について、環境影響評価の項目として選定しないということと、その理由を述べたものでございます。
◆岩崎委員 では、このバッテンというのはどういう意味ですか。
◎河岸政策調整部長 先ほども申し上げましたが、バッテンというのは環境影響評価の項目として選定しないという結果の表示でございます。
◆岩崎委員 市はこの大事な事業の入り口のところで、その浸水という項目を審査対象から外してしまったわけですよ、いろいろ理屈をつけて。(「それはひどい」と呼ぶ者あり)だから、この環境影響評価というのは事業の出発点でやることですから、出発点からまず間違っているということを申し上げておきたいと思います。
2つ目の問題は、内水氾濫の対策を所管するのは下水部門です。下水部門が盛土の抑制という基本方針をなぜ指導しなかったのかという問題があります。盛土は遊水池機能と雨水の流れを壊してしまいます。当局は総合治水の観点から盛土の抑制の指導をしなければならなかったはずであります。盛土の抑制の指導はいつ行っていますか。
◎遠藤環境創造局長 当局として盛土の抑制の指導は行っておりません。
◆岩崎委員 いつやったのですか、行っていませんと言ったの。
〔遠藤環境創造局長「はい」と呼ぶ〕
◆岩崎委員 行っていませんね、はい、それで結構です。やっていないんですよ。これでは住民の命とか財産をどうやって守るのですか、守れないではないですか。
3つ目、現場を熟知している地元の声を無視したことです。この地に3世代、4世代と住み続けている住民の、盛土は水害を大きくする、現状地盤高を維持すれば被害は今以上に大きくならない、こう言い続けているではないですか。この声に応えてどんな対策をしましたか。
◎遠藤環境創造局長 これまでも御答弁をさせていただいている内容かとは思いますが、ここの開発の審査に関しましては、当局も含めましてそれぞれの担当部署が適正に審査を行いまして、さらには計画法令、都市計画法令等の基準に合致していると、適合しているということで、適正な許可を出しているものと思われますし、当局の、下水道で言えば、下水道のほうの整備水準の整合も図られていると考えております。
なお、参考までに申し上げますが、事業者は条例に基づく雨水流出抑制施設のほか、自然浸透の効果のある緑地の整備、それから開発区域内に降った雨が直接区域外に流出しないように開発区域の境界に雨水側溝を設置して開発区域内に設置した雨水流出抑制施設へ流入させるなど、事業者としての対策を行っていると考えております。
◆岩崎委員 結局、地元の声なんか何も聞いていないではないですか。その後から言ったのは付け足しでしかない、言い訳ですよ、そんなもの。
それで、ここから先は、これまでの議論の経過もあるので、副市長に答えてもらいます。(「副市長、しようがないな」と呼ぶ者あり)
平原副市長は、3月5日の審査でこういうふうに答えています。今局長からの話もありましたが、基準に適合した、そういう開発として許可を下ろしたと言っています。そして横浜市から計画の変更を求めることはないと、事業者から変更があれば受け付けると。これは、責任は事業者にあるという言い分ですよ。
ところが、次のスライドをちょっと見てください。これは中外製薬がインタビュー記事で語っていることです。ちょっと拡大します。地域に御迷惑をおかけしないよう、この後です、横浜市の指導を受けながら建物設計を行ったと9月9日付で言っています。経過を見れば分かるように、責任は許可した市にあることは明白ではないですか。(「市長に聞け」と呼ぶ者あり)市は、浸水被害増大への対策、結果として何もやっていないのですよ。(「正直に言えよ」と呼ぶ者あり)基準に適合して開発許可処分した一連の市の対応に非の打ちどころのない完璧なものだったということを副市長言えますか、これ。答えてください。
◎小林副市長 今部長なり局長が答弁申し上げましたが、開発事業の計画につきまして、あるいはその推進につきましては、基本的には事業者の責任において発意をし実行されるものでございます。ただし、当然ながら関係法令があり、周辺の住民の方への御説明もありますので、横浜市としてその責任においてその手続を進めてきているということでございますので、横浜市としては、そういう関係法令、あるいは周辺の方々への説明責任、そうしたことを、そのルールの中で果たしてきていると思いますし、私どもも、横浜市役所の職員として安全安心なまちをつくるということが当然の目的でございますので、それにのっとって誠意を持って対応してきているつもりでございます。
◆岩崎委員 もう一度確認しますけれども、一切責任ないという意味ですか、それ。
◎小林副市長 一切責任がないというのは、私としては考えておりません。私どもは、横浜市の公務員として、あるいは今回のことで言えば、開発事業に伴う審査手続、その他関係法令等にのっとって適正な業務を果たす義務があります。その義務ということはそれを果たさなければ責任ということでございますから、一切責任がないということはありません。ただ、度々先ほど来申し上げているとおり、本件につきましては関係法令にのっとって、先ほど局長が申し上げたとおり、事業者としても様々な対応をしてございますので、適正に行われていると思います。
◆岩崎委員 まあ、一切責任ないとは言わないという意味のようなので、それはそれで聞いておきますよ。問題は、現時点で地元の皆さんは、不安に思っていることは一つも解決していないのですよ。このことが大事なのですよ。これに対して市は応えていないわけですよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
当局は、基準に適合した開発許可ということを言い張るのだけれども、行政にはもっと大事なことがあるでしょう。今、副市長も言ったではないですか。市民の命と財産を守るというのが自治体にとって第一義的に大事なことではないですか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これが果たされていないということを言っているわけですよ。ここをよく聞いておいてほしいのです。(「市長だ」と呼ぶ者あり)何らかの対応策が必要ですよ、これ。
本件は、客観的なデータに基づいて理論的に検討すれば、必ず対応策はつくれます。データ活用に意欲的な市長が誕生したわけではないですか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)開発許可処分を含め、本市の対応を見直すチャンスですよ、これ。(「そうだ」「間違っているよ」「市長を出せ、市長」と呼ぶ者あり)
現時点で盛土はまだできていません。現状地盤を維持する方策を探るべきと思うけれども、そういう探る検討をやる必要があると思うのだけれども、どうですか。(「総合審査で言えばよかった、総合審査で」「そうだ」と呼ぶ者あり)
〔岩崎委員「許可したのは林市長だよ、何言っているんだよ」と呼ぶ〕
◎小林副市長 委員がおっしゃるデータ活用ということは、言われるまでもなく、この関係法令にのっとって、その計画を審査し、様々な事象を想定して、私どもとしてはこれまで手続を進めてきてございます。必要な対応につきましては、事業者についても、先ほど局長が詳しく御説明しましたが、施設的な面、計画的な面においても対応してございます。ですから、今回のことについて、私どもは法令にのっとって、あるいは法令というのは単に抽象的な法令ではありません、各種の基準にのっとってやってきているものでございます。
冒頭に水面の標高ということがございましたけれども、これも科学的にできることとできないことがあります。委員は確かに簡単にできるとおっしゃっておりますが、私どもとして、横浜市として、あるいは浸水関係についてきちんとした対応をするために、いろいろ考えても、そのことはできないと先ほど担当のほうから御説明したとおりですので、そのデータの活用という部分を総論で言われても、現行の法律、あるいは基準、あるいはその申請された図面、計画、それをそれぞれ逐一手続にのっとって、あるいは計画の熟度にのっとって審査をしてきてございます。
ですから、住民の皆様の不安を解消するために、私どももこれまで、この議会も含めて答弁をしてきているつもりでございますので、(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうしたことについてはぜひとも御理解をいただきたいと思います。
◆岩崎委員 これからも努力するということですか、それは。
◎小林副市長 このことについては、先ほど来申し上げているとおり、一定の判断、結論は出してございますので、その結論を出した範囲において、私どもとしては、なぜそうした判断をしたのか、そういうことをこれまでも説明してきてございますが、その説明はしていくつもりでございます。
◆岩崎委員 説明ではなくて、対策をちゃんと打ってください。
それで、今後大雨が降って、地元で床上浸水被害が出たら、今度は自然災害ではないですよ、今度はここまで言っていることだから人災になりますよ、横浜市の責任が問われます。(「そうだよ」と呼ぶ者あり)自然災害として責任逃れは許されません。このことを警告して、この項の質問は終わりたいと思います。
あともう一つ質問が残っているのだけれども、持ち時間がもうないので、本部には申し訳ないのですが、これで終了します。
ありがとうございました。
議会での質問・討論(詳細)
2021年10月14日