◆大貫委員 日本共産党の大貫です。よろしくお願いします。
前の2人の方の議論を聞いていて、やはり国際局の果たす役割はすごいな、これから本当に期待しなければいけないし、期待していきたいと思っています。それで、私は具体的に、決算ですから2020年度の国際局の運営方針と、それからやはり国際平和推進条例、この件について質問したいと思います。
それでまず、私も国際局ができたときに横浜でなぜ国際局をつくるのかと率直に思ったのですが、やはり都市外交の重要性というのがあると思うのです。そこも含めて、ちょっとそもそも論になって申し訳ないのだけれども、国際局を開設した理由について教えてください。
◎橋本国際局長 世界の各都市はそれぞれの魅力を高め、人や企業を引きつけるための努力を続ける一方、地球温暖化や環境、防災といった共通の都市課題を抱えており、これまで以上に海外諸都市が連携していく協力していくことが重要であり、それぞれの価値を高め合いながら課題解決に向かう取組を進めていかなくてはいけないということで創設されたと考えております。本市の国際関連事業の総合調整、それから相互連携を強力に推進し、積極的に都市間の連携協力を展開していくための国際局と考えております。
◆大貫委員 創設されてから6年ぐらいたちます。その間に本当に地球規模の課題が様々出てきたと思うのですけれども、この間の変化について、国際的な課題についてどういうふうに捉えているか、伺います。
◎橋本国際局長 この6年間、私も国際局にずっと所属しておりまして非常に大きな変化があったなと思います。それは、やはりパンデミックのこと、それから温暖化が非常に深まったこともそうですし、また2国間の関係、これは国の専管事項でございますけれども、あえて言えば緊張関係といいますか、平和に進んでいるのかなどうかなと思うような環境変化があったなというのが6年間であったと感じております。
◆大貫委員 その基本は、やはり世界平和ということが一番の基本で、その上に立って各都市間の交流があると思うのです。そういった意味で、今これから進めていく、今までも進めてこられたし、これからやっていく国際局の国際的な交流というのは都市外交として考えていいのですか。
◎橋本国際局長 国際関係というのは、まず初めに国と国のバイラテラルの関係がやはりあると思います。ですので、外交というのはよく国の専管事項であると言われますが、その関係の下でも、都市と都市が強力に結び合う、あるいは都市だけで構成されたようなネットワークの発信力の重要性というのも高まっておりますし、また都市ということで塊にならなくても、いわゆるインサイドアウトといいますでしょうか、市民と市民の方々のつながり、それを促進するのは自治体の役割が非常に大きいのではないかと思っております。
◆大貫委員 そのとおりだと思います。それで、それが国際局の運営にきちんと反映されているかどうか、また反映してほしいという立場なのですけれども、スライドを使います。
○長谷川[琢]副委員長 どうぞ。
◆大貫委員 (資料を表示)2020年度、令和2年度の国際局の運営というのは、世界とともに成長する横浜と書いてあります。成長する横浜という概念ですけれども、どういう意味でしょうか。
◎橋本国際局長 まず第一に、先ほど申し上げたような環境の変化がありまして、その中で国境を越えた人や都市同士の結びつきというのが非常に強まってきていると。これは、1つには交流というか、移動ができない中でオンラインでつながるということも出てきまして、そのつながり深まっていると。そうすると、国際事業に取り組んでいくことが国際都市としてのアイデンティティーの強化や国内外への発信力の強化、世界の平和と安定につながりまして、ひいては本市自身の成長につながるという考えの下、各施策事業を推進することを表しております。
◆大貫委員 次です。これは令和2年度の国際局の運営方針で、体系図になっているのですけれども、この体系図について国際平和推進条例が一番上に上がっていますけれども、これはどういう意味でしょうか。
◎橋本国際局長 まさに条例を制定いただきまして、その中に示されている考え方、概念が国際局事業、国際施策の基本となる重要事項であると。それに基づきまして、例えば横浜市中期4か年計画、あるいは国際戦略があり、具体的な施設を実施していくという考え方を体系的に示したものでございます。
◆大貫委員 それならば、令和2年度の先ほどの基本的な目標の中で、やはり国際平和推進条例を進めるということを明確にきちんと入れることが必要だったのではないでしょうか。
◎橋本国際局長 私ども、ここに令和2年度世界とともに成長する横浜ということを掲げましたけれども、まさに委員も御指摘のとおり、当然の前提として平和というものがあることは認識しておりまして、基本目標の中にも、SDGsの達成及び国際社会の平和と繁栄に向けてという強い決意を示していると考えております。
◆大貫委員 その思いが基本にあると思うのだよね。そのことをまず目標も含めてきちんと可視化することが大事だと思うのです。そのことで、次の来年度の基本目標についてはこの問題もきちんと位置づけていただきたいと要求をしておきます。
次です。これは当時、2020年のときの国際局の横浜市中期4か年計画の中の関連部分なのですけれども、ここに平和の問題を推進するということが一言も書いていない。結果的に進めていく、結果つながるということが書いてあると思うのですけれども、やはりそこにきちんと平和問題を位置づけて、関連部分に--今度また新しい横浜市中期4か年計画が出ます。そこに位置づけなければいけないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎橋本国際局長 考えといたしましては、全ての施策が世界平和、繁栄につながるという考え、信念で進めておりますけれども、委員御指摘のとおり、横浜市国際平和の推進に関する条例でも国際平和の推進に取り組んでいくということが明示されている、この考えが示されているということを考えましても、私ども局としても庁内の議論の中で、次期横浜市中期4か年計画に向けてはそのようなことがより強く示されるような議論を進めていきたいと考えております。
◆大貫委員 ぜひそれは、やはり国際局が置かれている位置だとか、やる仕事を市民にきちんと伝える意味でも考えていただきたいと思っています。
次に、いろいろやってきた、やっていますという思いがあったと思うのですけれども、予算は政治の鏡と言います。国際平和事業をずっと見てみますと、こういう結果になっているのです。86万円。86万円というのは、1か月ではないです、1年間の予算が86万円です。平成30年度までは非常に低い。
このことで、今までは率直に言って、平和問題というのは具体的な活動の中で、事業の中で添え物的になっていたのではないですか。
◎橋本国際局長 私は、そのようには全く感じておりません。着実に事業として進めてきたと感じておりますし、具体的に申し上げさせていただきますと、フェイスブック等の発信においても、平和に関するメッセージを適宜発信もし続けておりますし、また私ども31階に陳列の棚がありまして、重要なものを陳列しているのですが、そこの一番目立つところには、1987年9月15日に頂きましたピースメッセンジャーのレプリカを置いておるということで、具体的に進めているという自負を持っております。
◆大貫委員 しかし、具体的に何で見るかといったら予算額なのです。やはりそこにきちんとした財源がなければ、後でも触れたいと思っているのですけれども、国際平和推進条例の中で、横浜市の責務、そして一番最後にきちんとした財源をつけることと書いてあったと思うのです。そう考えると、この平成30年度までの実態というのは、今局長がおっしゃったような状態ではないです。
だけれども、今度、令和元年と書いてありますが、そのときには増えています。その理由は何ですか。
◎橋本国際局長 令和元年度に増えた理由というのは、ちょっと具体的に私も頭の中にございませんけれども、当然のことながら、さらに進めるべき事業があるということで予算要求をしまして、それをつけていただいたということだと思います。
◆大貫委員 それは、2018年に、前の年に国際平和推進条例ができたから、これは全会一致でできたすばらしい内容なのです。それを受けて国際局としては予算を増やしたと思うのです。そういう意思がはっきりして、意思をきちんとこの中に反映してきた一つの結果、少ないと思います。
だから、率直に言って、きちんと予算の中に反映していかなければいけないと思っているのですが、2020年は下がっています。これはいかがでしょうか。
◎橋本国際局長 予算額としては減ってはいないのですが、これは決算額なのですけれども、やはりイベントが中止になったことがちょっと大きかったです。コロナで、私ども市民の方々との大きなイベントが2つほどあるのですが、それをいずれもオンラインで開催せざるを得なかったということで、いわゆるお金という予算の執行という面では減ってしまったと。ただ、予算額は変わっておりません。
◆大貫委員 予算では1800万円ぐらいついているのだから、その余った不用額。これは、もしその気になれば様々な形でやはり平和事業に使えたと思うのです。こういったことも含めて、意識がこういうことに表れていると思うのです。この予算、そういった意味でも、市の責務として本当にきちんと予算をつけて事業を進めていただきたいと思います。
次に、核兵器禁止条約に関わって質問したいと思います。
私たちのつくった条例が成立したんですけれども、この条例の中で、前文に核兵器廃絶を求めるということが盛り込まれているのです。その意味は非常に重要だと思うのですけれども、局長はどうお考えですか。
◎橋本国際局長 私も大変重要な前文であると考えております。条例の前文というものは、その制定の趣旨、目的、基本原則などを示すものであるため、やはり平和推進、それからその中に位置づけられている核兵器廃絶というのが重要であるなと感じております。
◆大貫委員 それで、この間様々先ほどの論議の中では講演会をやったりされていますけれども、具体的にその前も含めて予算額が少ない、事業額が少ないということなのですが、具体的に、何かそのほかに核兵器廃絶に関わる事業としてやられていたことがあったら例示していただけますか。
◎三枝副局長兼国際政策部長 本市はこれまでに、核実験を行ったあらゆる国へ抗議文を送付しています。また、平和首長会議と連携した取組として、平和首長会議前事務総長を招聘した国際平和講演会や被爆の実相を伝えるパネル展を開催しています。このほか、広島平和記念式典への職員派遣など核兵器廃絶に向けた取組を行っております。
◆大貫委員 それをやられてきたことは先ほどおっしゃっていましたけれども、何回も言うようだけれども、予算額が少ないから、やはりその規模も含めてもっとやらなければいけないと思うのです。そういったときに、こういうふうに言うと大変申し訳ない失礼な言い方をするかもしれないのですが、国際局の皆さんの中で、原爆の悲惨さだとか、さらには戦争の悲惨さ、これをきちんと認識して戦争被爆国の日本として、そのことをきちんと意識されて学習されているのでしょうかと聞きたいのです。
そういう意味では、もっとはっきり言えば、毎年行われている原水爆禁止世界大会に職員の皆さんも行って、市民の皆さんも行って、やはりこの大切さを学ぶべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎橋本国際局長 原爆や、あるいは核兵器にとどまらない戦争全般の悲惨さを学び、それを実感を持って平和施策に生かしていくことは本当に大切なことだと思っております。平成30年から平和祈念式典に職員を派遣しております。あわせて、そのときに平和資料館などを視察することも行っておりまして、今年度、令和3年度になってしまいますが、私も行きました。そのときに学んできたことを積極的に局内で展開して、ビデオ等がありましたので、それを視聴するように声がけをしたりしているところでございます。また、令和2年度には、ヒロシマ平和行政実務者会議に職員を派遣しました。そのような取組に取り組む他の自治体の職員とも学ぶこと、連携することができまして、そのような機会を得ることは重要であったと考えております。御指摘の原水爆禁止大会へ職員を派遣するという予定は現在はございません。
◆大貫委員 現在はないと簡単に言わないで、きちんと全体、世界の中の動きが出てくるのですから、これはぜひ世界大会に職員を送って、やはりそれを皆さんに共有してもらう、これはぜひやっていただきたいと要求をしておきます。
それから、今年の1月22日に核兵器禁止条約が発効しました。これはすごく大切なことだと思うのです。このことについての局長の所感をお聞きしたいのですが。
◎橋本国際局長 大変大きなステップであったと私も思います。世界には依然として大量の核兵器が実際に存在しておりますし、これが国際平和に対しての脅威であるということも感じております。また、その廃絶というのも、各国の様々な思惑があると思いますので容易なことではないと。その中で禁止条約が発効したということは、やはり被爆者の方々が地道に日本からの情報発信も含めて努力された結果であり、核兵器のない世界の実現に向けては大きな一歩であったなと感じております。
◆大貫委員 今までの歴史の中で核兵器はもう禁止しなければいけないものだ、違法だということがはっきりしたわけです。それで、私は思うのですけれども、私たち横浜市議会がつくった条例、その前文の中に核兵器廃絶ということが書いてあるわけですけれども、これを考えたとき、政府に対してこの条約に賛成し署名し批准するということを要求すべきだと思うのですが、いかがですか。
◎橋本国際局長 核兵器廃絶に向けてより強く歩みを進めていくと。国際社会をリードするということは、まず日本国政府が進めるべきと期待しておりますし、新しく総理になられた岸田総理もそのようなことを表明されておられます。ですから、条約の批准等は政府が判断すべきであるというスタンスは私も持っておりますけれども、ヒバクシャ国際署名を提出したことをもって、日本政府を含めた全ての国に条約締結を求めております。本市としては、引き続き、あらゆる核実験の抗議や啓発を通じた核兵器廃絶に向けて進めていきたいと考えております。
◆大貫委員 それだと条例のやはり一番大切な部分、これを国際局はやらないと言っているのです。いかがですか。
◎橋本国際局長 ほかにも私どもは、平和首長会議も加盟都市であり、令和2年11月には日本政府に対して締結国となるよう要請をしております。既に核兵器禁止条約に賛成であるということを対外的に発信しているものと考えております。
◆大貫委員 平和首長会議はそれとしてやるのです。やはり横浜市としてやる必要があるのだと。国は、確かに今そういうスタンスを取っているけれども、だからこそ、横浜市としてこの問題についてコミットしていくということが一番今大事だと思うのです。それで、やはりフェーズが違うと思うのです。今までは確かにおっしゃっていたことがあるかもしれません。だけれども、もうこの条約ができたのだ、条約が発効したのだと、もうフェーズが違っているわけです。その立場から、やはりもう一度、今こそ国に批准そして調印を求めるべきだと思います。これは改めて言っておきます。
最後に、私、先ほど論議の中で、市民の皆さんにきちんと平和の大切さ、核兵器の悲惨さ、そして戦争をやってはいけないということを知らせなければいけないとおっしゃっていました。私、その一番いいのは、議会はやはり私たちのまちは非核兵器平和都市宣言をしているのだと。だから、横浜市もやるんだということをはっきりすべきだと思うのですが、いかがですか。
◎橋本国際局長 やはりこれまでも世界の都市が連携して廃絶を目指す平和首長会議の一員として、実際に被爆をされた広島市、長崎市とも連携しながら活動してきておりまして、これまでも一貫して核実験を実施した国への抗議も行ってきております。本市としては、引き続きお仲間である各都市と連携しながら、協力しながら核兵器の廃絶に取り組んでいくという姿勢で進めたいと考えております。
◆大貫委員 最後です。副市長、やはり思いを見える化しなければいけないと思います。そういった意味では、やはりきちんと非核兵器平和都市宣言を行って、横浜のこの市庁舎の前にポールを立てて市民の皆様に知らせる必要があると思うのですけれども、いかがですか。
◎林副市長 先ほど来局長が答弁しておりますように、これまでもあらゆる核実験への抗議や平和啓発のための取組も行ってきております。そして、平和首長会議加盟都市として、核兵器の廃絶に向けた取組も進めております。
予算の話がありましたけれども、今後また予算もいろいろ議論してまいりますけれども、条例の中でも国際協力、国際交流、多文化共生といった様々な取組を通じて世界の平和と繁栄に貢献していくということで、国際局は音頭取りということになっておりますので、国際局の予算というだけではなくて、これまでも答弁しましたように全庁を挙げてそういった国際的な活動をやりながら世界平和に貢献していくということも大事な活動であると思っておりますので、今後とも平和に向けた取組、全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
◆大貫委員 非核兵器平和都市宣言を横浜市としてやるべきだと言って、終わります。
以上です。
議会での質問・討論(詳細)
2021年10月11日