議会での質問・討論(詳細)
2022年2月18日

■2022年度予算代表質問 あらき 由美子団長2月18日

市長公約実現の決意

あらき議員:日本共産党を代表して質問します。
今回の予算案は、山中市長が市長となって初めての予算編成であり、市長の当選を喜んだ市民はもちろんのこと多くの市民が期待と注目をしています。その市民の思いを実現する立場で市長に質問します。

新年度の予算案は、子育て支援、教育を重視し、介護福祉に着実に取組むとし、ゼロカーボン施策と合わせて、それに関わるこども青少年局、教育委員会、健康福祉局などの予算は前年度と比べて増額となっている点については公約実現に向けた思いを形にしたものと受け止めます。
当選直後の9月10日の本会議で、山中市長は公約実現に向けた思いをこのように述べられています。

誰もが自分らしさを発揮し、いきいきと安心して暮らすことができる街、それが私の目指す、横浜の姿です。今後、生産年齢人口の減少や社会保障経費の増加が見込まれる中、持続可能な街を実現していくためには、医療費の抑制や子育て世代の転入、出生率の向上につながる施策が必要です。そのために「敬老パス自己負担ゼロ」「子どもの医療費ゼロ」「出産費用ゼロ」の3つのゼロの実現を目指します。子育て、医療、介護、福祉の施策を、これまで以上に充実させ、「子育てしやすい街」「健康長寿の街」を実現していきます。と。私たちもその考えは同じです。

さらに、9月27日に市長が新年度予算を編成するにあたり職員に向けた「これからの市政運営について」では、まず、新型コロナウィルスの感染拡大防止と収束に向けた取組についてスピード感をもって進めるとともに3つのゼロ、そして中学校給食の全員喫食を目指していきます。と公約実現に向けた予算編成に向けての思いを冒頭に述べられています。

ところが、市長が述べていた3つのゼロと中学校給食の全員喫食を目指すとした公約を実現するための予算が、新年度予算には残念ですが計上されていません。その公約実現に向けてどのような予算編成にするか注目をしていたマスコミ各社が「3つのゼロ」は見送り、中学校給食の全員喫食は計上せずと報道し、それを見た市民からは落胆の声が私のところにも届いています。

そこで、今回の予算編成にあたり、3つのゼロと全員で食べる中学校給食の公約実現に向けた思いは今も変わらずにあるのか、また、これらの公約を実現するために何が障壁になり明確な予算計上ができなかったのか、その理由を伺います。

山中市長:市長公約の実現に向けての決意についてご質問をいただきました。3つのゼロと中学校給食の公約実現に向けた思いと令和四年度予算案の考え方についてですが、公約で掲げた3つのゼロと中学校給食には市民の皆様の大きな期待が寄せられていると感じており、市民の皆様に選ばれたものとして実現を目指すことは使命であると考えております。一方で、実現に向けては様々な課題があることも事実です。そのため、まず具体的にどのように進めていくべきか体制を整え検討をすることといたしました。

公約実現の財源捻出について

あらき議員:市長就任後のこれまで2回の議会で、自民党・公明党から中学校給食は多額の予算を投じてまで全員喫食を実施する必要はない、現制度の発展が最適、3つのゼロは財源がない、公約は無責任だ、と市長批判の大合唱が起こりました。市長が予算を組みたくても、そうするための予算がない、それほどまでに厳しい財政状況にしたのは誰でしょうか。国策にそった大型開発事業が突出し、市債残高を膨張させその償還で財政を硬直化させたのは、歴代市長とそれを支え推進してきた会派の議員の皆さんではありませんか。事実これまでに総事業費が4400億円のみなとみらい21地区開発事業をはじめ、国直轄を含む6100億円の南本牧ふ頭建設、4087億円の高速横浜環状道路北線などに多額の市債を発行してきました。さらに、2020東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるとして総事業費1000億円の新庁舎建設や2600億円の横浜北西線の建設を急がせた結果、財政調整基金の残高は、2018年度126億円あったものが2020年度には59億円にまで落ち込み、北西線では立替え施工なる借金隠しという手法にまで手を染めています。

また市街地再開発では、公共性があるという名目で民間ディベロッパーにできる規定でもかかわらず限度額一杯の補助金を出し、大企業を呼び込むために企業立地促進条例を作り多額の助成金や法人市民税を5年間減額するなどの大判ぶるまいをしてきました。こうした財政運営が影響し、毎年の予算編成では社会保障経費の増加等もあり400億円程度が不足しているという厳しい状況になり、国民健康保険料負担軽減のための一般会計からの繰入金の減額や、減債基金の取り崩しなどを行い、綱渡り状態で予算編成をしてきています。

山中市長が市民の暮らしをよくしたい、3つのゼロと全員が食べる中学校給食実現に向けた公約実現のための予算を編成したいという思いがあっても「そのための財源がないからできるわけがない」と、財政を悪化させてきたことへの反省もなく、大型開発と体力のある大企業に助成金をふるまうなどの政策を推進してきた会派の議員らが、予算案を組む前から否定していては、市長が予算案にその検討調査費もつけることに踏みだせなかったことも推測できます。

市長に一票を投じた50万市民の中には、市長がその公約を実現するための予算案や財政計画、そして中期4か年計画などを明確に示し、その実現に向けたスタートをしてくれると、期待している方が多いのも事実です。

二元代表制の一方を成す議会が、市長当選直後から、中学校給食は現制度が最善のものだ、3つのゼロは財源がない、公約は無責任だと市長の公約批判を繰り返していることが、予算案に明確に描けない理由であるのかどうか、この際、はっきりと市長の思いを述べていただきたいと思います。また、限られた財源の中から公約実現の予算をどう捻出していこうとしているのか、この点での市長の見解を伺います。

山中市長:3つのゼロと中学校給食の公約実現について、令和四年度予算案と財源捻出についてですが、庁内や市会の皆様と共にしっかりと検討し計画的に取り組んでいきたいという考えのもと、今回の予算案としました。公約を含む必要な施策の推進にあたっては、戦略的な政策展開による税源の涵養や歳出ガバナンスの強化に取り組み、財源の確保に努めてまいります。

議会の多数会派に忖度せず、公約実現に向けた強い思いを市民に発信を

あらき議員:1月28日に予算案を発表した翌日29日付神奈川新聞の社説に、横浜市の予算案のことが以下のように書かれています。社会保障費が増額する一方で市税収入は伸び悩む。長期財政推計によると収支差は年々拡大を続ける見込みで、65年度には実に1752億円の財源不足が生じるとされている。改革が待ったなしの状況であることは間違いない。事業の見直しでは、現状や課題を分析し、手法や費用対効果の点検などで効率化を図るという。データ分析を専門とする市長の腕の見せ所でもあろう。市民目線を大切に進めてもらいたい。その上で求めたいのは、そうした厳しい財政状況を踏まえつつ、公約を実現させるためのプロセスを明確に示すことである。有権者への約束が財政事情を理由にないがしろにされるようなことがあってはならない。厳しい中で財源をどのようにして生み出すのか。財政の立て直しと並行して知恵を絞るべき課題である。と。まさにその通りです。

全員喫食の中学校給食及び3つのゼロの公約実現などは、議会の多数会派に忖度するのではなく、公約実現に向けた思いをしっかりと市民に示すことが求められています。その点では、本会議で市長自ら発するメッセージや思いを伝えることが大事です。隔週となっている定例の記者会見を増やすとともにテレビ媒体の利用も効果的です。さらにSNSを使って自分の思いを発信することは、今からでも改善できることです。これらの点についての市長の決意を伺います。

山中市長:自らのメッセージや思いを伝えることへの決意ですが、市民の皆様に対して私自身が所管局と分析したデータやそれに基づく施策、具体的な取り組みを迅速に発信することが重要だと考え、取り組んでおります。例えば定例の記者会見に加え、時期を逸することなく緊急的な会見も行うなど報道機関を通じた情報発信に力を入れております。引き続きデジタルの普及とともに注目度が高まっている動画の活用や、SNSでの配信、広報よこはま、テレビ、ラジオなどさまざまな手段で、私のメッセージや思いを適切なタイミングでしっかりと配信していく決意です。

「次の横浜を創る政策プロジェクト」で市民が求める政策立案を

あらき議員:2020年の国政調査が発表され、横浜市の総人口377万491人のうち、75歳以上が49万8334人で、15歳未満の44万1871人を上回り、1920年に国勢調査を開始して以来始めて高齢者が上回り、横浜市の少子高齢化がさらに進んでいることがはっきりしたとしています。市長が所信表明で述べられていた「今後、生産年齢人口の減少や社会保障経費の増加が見込まれる中、持続可能な街を実現していくためには、医療費の抑制や子育て世代の転入、出生率の向上につながる施策が必要です。子育て、医療、介護、福祉の施策を、これまで以上に充実させ、子育てしやすい街、健康長寿の街を実現していきます」との考えは、この国勢調査の結果からしても、的を射ている施策です。

その実態を受けて、新年度予算案には、次の横浜を創る政策プロジェクト5000万円を組み、子育て世帯に優しい施策や企業に選ばれる施策などを検討するとしています。今後はこのプロジェクトと、中学校給食、子育てしやすい環境、高齢者等外出支援の3つの施策を検討する体制の強化が、市長の公約実現に向けた一歩であると受け止めますが、その点での見解を伺います。

山中市長:政策プロジェクトと3つの施策の検討体制が公約実現に向けた一歩であるとのことですが、政策プロジェクトは人口減少社会に向けた次の政策を検討するためのプロジェクトであり、子育て世帯の転入に効果的な施策などを検討するとともに、横浜経済の成長発展に資する次の経済振興策について、幅広く検討してまいります。

3つの施策の検討体制では、中学校給食、小児医療費助成、出産費用といった子育て世帯の転入に資するような公約に掲げた事業の進め方も含めて、庁内で検討を進めてまいります。この2つの取り組みは子育て支援策など、目指すべき方向性として一致する部分も多いにございますので、より良い検討となるよう連携して進めてまいります。

「市民の声を聞く」「住民自治の確立」の公約の具体化を

あらき議員:市長は公約で、市民参加、住民自治を確立するとし、市政運営に欠かせないのは、市民の皆様と市長、市役所との信頼関係です。主権者である市民の皆様の声を聞き、市政に活かす、と。この公約は大変重要な視点であると思います。市長就任以降、その思いが市民からも多く寄せられ、「市長と直接対話をしたい」「手紙やメールを届けたいが、市長本人には届かないと聞いているがどうなのか」というご意見やご要望を、私たちは直接聞いています。

そこで、市長と市民との信頼関係を築く上で、庁内案内で市長室がどこにあるのかわからない現状はただちに改善すること、また、市長への手紙など直接市民の声が市長に届く仕組みなどをすぐに作ることを求めます。これらはお金をかけなくても市長の判断でできることです。明快な答弁をお願いします。

山中市長:市庁舎の案内表示についてですが、市庁舎には約280もの部署がございますので管理計画に基づいて、庁舎内の案内版には各階に入居する部署名を表示することとしております。執務室についても、私の執務室についても、部署名である政策局秘書課と表示することが適切であると考えております。

市民の声が市長に届く仕組みについてですが、市民からの提案制度では市民の皆様からお手紙、インターネット、電子メール等で多くのご意見、ご要望等をお寄せいただき回答をしてまいりました。今後、デジタルプラットフォームなどデジタル技術を活用した新たな広聴の仕組みの検討を進めるとともに、私自身が現場に出向いて市民の皆様と直接対話するなどさまざまな機会を捉えて、市民の皆様の声を聞いてまいります。

副市長体制は刷新を

あらき議員:副市長の人事について伺います。平原副市長が元市議に呼ばれて横浜市に企業進出を狙っている企業から複数回接待を受けたと報道されたことについて、昨年の第3回定例会で今後の対応を複数の議員から求められたことに対し、市長は、何らかの形で検証をする必要がある、検証の方法については、その方法について至急に整理をして取り組んでいきたいと考えているとのことでしたが、その後どう調査され、どういう結論に至ったのか伺います。

私がこの質問した際に、平原副市長自ら、「回数については5年前のことで記録がなく、明確な記憶はありませんが、1回目と同様に元市議の要請に応じる形で複数回の参加はあったのだろうというふうに思います」と答弁していていることから、会ったという事実は確認できました。公務員としての服務規程に反することはしていないと本人が述べていますが、疑念を抱かれるような行為をした事実は消えません。また、筆頭副市長として前市政を支えてきた立場にあった者が、その市政の転換を訴えて当選された市長の側近であることは既存事業の抜本的見直し作業の障害となることが懸念されます。これらのことから、現在の副市長体制を継続するのは、決して良い判断だとは思えませんが、市長の見解を伺います。

山中市長:平原副市長の接待報道についてですが、現在弁護士等の外部有識者による調査を行っております。その調査結果を受けて、年度内の公表に向けて報告書の取りまとめ作業を進めていると承知しております。副市長人事についてですが、市政全般の動向を総合的に踏まえて私自身が適切に判断をしてまいります。

みんなが食べられる中学校給食にはいつ踏み切るのか

あらき議員:次に2月9日の本会議で、市長が自らの言葉で語った令和4年度の市政運営の基本方針と予算案の子育て施策についてお聞きします。

所信表明で、中学校給食は全員実施に向けて取組を進めていくという言葉があったのに、9日の本会議での市政運営の基本方針と予算案についての演説では、より多くの中学生に給食を提供していくことを目指し「さくらプログラム」を全校に拡大するほか、庁内に専任体制を設置し最適な実施方法を検討していくとし、全員実施という言葉がありませんでした。

党市議団は、学校給食法のもとでは、全員で食べる中学校給食が前提であること、また、その調理方式は各校で作る自校方式が最善の施策である、現在のデリバリー方式では全員で食べる方法に切り替えるのには多くの課題もあることから、自公方式・親子方式等の学校調理方式を原則として様々な手法を検討していくことなども提案してきました。そこで市長が公約に掲げていた中学校給食の全員実施に向けての取り組みにはいつ踏み切るのか、その点について市長の考えを伺います。

山中市長:令和4年度の市政運営の基本方針と予算案についてご質問をいただきました。中学校給食の全員実施に向けての取り組みについてですが、私は学校給食法の趣旨を踏まえ生徒の皆さんに必要な栄養を摂取してもらうという観点や、食事について正しい理解を深めてもらいたいという観点から、一人でも多くの生徒に給食を届けることを目指していきたいと考えております。そのため、新たに専任体制を設置いたしまして次期中期計画を策定する中で方向性をしっかり示すことができるよう、着実に検討を進めてまいります。

小児医療費の所得制限撤廃の財源はすぐに捻出できるはず

あらき議員:子育て支援や教育環境を充実するという施策では、児童相談所に寄せられた虐待の相談件数が5年間で倍増していることから、こども家庭総合支援拠点の機能を全区で整備、鶴見区で5ヶ所目の児童相談所を設置するなどの予算が計上されています。また、ヤングケアラーの実態調査、特別支援学校等における医療的ケア児のための看護師の増員、スクールバスの増便や福祉車両台数を増やすなども拡充し、子どもたちを誰ひとり、学びから取り残さない教育を実現するとしています。これらの施策は党市議団としても予算要望等で市長に提案してきているもので、拡充されたことについては大変評価をしています。

公約にあった、小児医療費助成事業については、庁内横断チームを編成し検討を進めるとしていますが、対象年齢を拡充することと負担ゼロにむけての第一歩となる所得制限撤廃という2つの課題があり、それを実現するための財源捻出に市長も苦慮していることがわかります。

さきほど成立した補正予算で、横浜北西線の売却収入67億円を新年度予算では財政調整基金に積み立てて、首都高への3年間の支払いに充てることにしています。当初の計画通り市債発行で支払をし、この財源を取り崩せば、小児医療費助成で所得制限をしている3歳から6歳までの負担軽減を実現するための7億5千万円は捻出できます。そういう検討をしてみてはいかがでしょうか。市長の見解を伺います。

私は、2月1日にオンライン配信されていたよこはま自民党幹部に訊く!~令和4年度横浜市予算案を見ました。配信中に、何人もの子育て世代の方から、「小児医療費の所得制限は外して欲しい」という要望が来ていると紹介されていました。多額の市民税を払っているのに所得制限で医療費の負担があるのは厳しい、特に乳幼児期の子どもは病気にかかることが多く、通院のたびに治療費を払うのは大変です。私も3人の子育てをしてきた経験からも、所得制限という不合理なやり方はぜひともなくして欲しいと思っています。

子育て世帯を応援し、若い人たちが横浜市に住み続けてもらえるようにするためにも、議会もその財源も含めて提案していくことが、二元代表制のあるべき姿だと申し上げておきます。

山中市長:財政調整基金を一時的に取り崩せば、小児医療費助成負担軽減のための財源を捻出できるとのことですが、これから財政ビジョンを土台として持続可能な姿勢運営を進めていきたいと考えております。そのため臨時財源である基金に頼る財政運営ではなく恒常的安定的な財源をしっかり確保しながら必要な施策を進めてまいります。

歳出改革は「住民の福祉の増進」の視点で

あらき議員:持続可能な市政運営に向けての施策では、臨時財源に依存した財政運営から脱却し、次世代に負担を先送りしないこと。4年度は横浜市の「歳出改革元年」とし新たに「行政イノベーション推進室」を設置し、事業の廃止・休止・大幅な縮減にも踏み込み、歳出改革を本格化させていくとしています。

地方自治法第1条の2 地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。と謳われています。その法の精神である住民の福祉の増進を図ることを基本にした上での歳出改革とするのかどうか、市長の考えをお聞きします。

山中市長:住民の福祉の増進を図ることを基本にした上での歳出改革ですが、時代のニーズに合った行政サビスを展開していくと共に、今の子供達や将来の市民に負担を負わせないよう臨時財源に依存した予算編成から脱却をしていくため、歳出改革に取り組んでまいります。 持続可能な姿勢運営を確立することで、多くの皆様に住みたい、住み続けたいと思っていただける横浜を作ることが住民の福祉の増進にも繋がると考えております。

あらき議員:わが党は、今回の予算編成にあたり、市長直轄の事業洗い出しチームを作ることを提案し、先ほど述べたような、国と連動し、また多額の補助金を出し続けていくような市街地開発や次世代への過度な負担となる高速道路建設、新本牧ふ頭建設などを見直すことが必要だと提案してきました。そういう事業の洗い出しをした形跡もなく、前例踏襲では、市民の暮らしを守るための予算は生み出せないことは明らかです。市長は所信表明で「私はデータサイエンスにより、これまで新型コロナウイルス領域をはじめとする様々な課題の解決に取り組んできました。その経験や専門性を生かし、横浜市が直面する様々な課題に対して、より実効性の高い政策を展開できる、そう確信しています。データは数字の羅列ではなく、人々の暮らしの実態を客観的に写し出し、次の一歩を踏み出す基盤となります。現場の声をお聞きし、分析した上で、根拠に基づいた政策決定を行う。この積み重ねにより、市民の皆様に、誠実で信頼される市政を実現していきます」と。

市長が、新たな劇場整備を止めたのは運営に多額な市の負担となることが明確であったことからで、現在の市の財政状況からしても、賢明な判断だったと思います。このように、今後の市の財政状況に大きな負担がかかり、大企業の儲けに直結するような大規模事業などについては、しっかりと見直しの対象とすべきです。新年度の予算編成ではどのように見直しに取り組んだのか、伺います。

山中市長:令和4年度予算編成における見直しですが、臨時財源に依存した予算編成からの脱却に向けた歳出改革に取り組む必要があるという認識を、全庁的に共有をした上で各区局において全事業を対象に見直しを行いました。合わせて全庁的な観点からも議論を行っております。例えば客船の帰港時の使用料の設定や、客船減免制度の見直しにより受益者負担の適正化に取り組みました。歳出改革元年となる令和4年度ではこの取り組みを本格化させてまいります。

中期4か年計画に公約実現の道筋を示し、市民との約束に応える姿勢を

あらき団長:次に中期4か年計画について伺います。今回の予算案ののち、5月以降に2022年から2025年までの中期4か年計画の骨子が示されることになっています。この計画には、「敬老パス自己負担ゼロ」「子どもの医療費ゼロ」「出産費用ゼロ」の3つのゼロと、中学校給食の全員実施を明記し市民との公約実現に向けた市長の姿勢を示すことが必要だと考えますが、見解を伺います。また計画案を示した際にはパブリックコメントを求めるだけでなく18区に市長が出向いて、直接市民の意見を聞く機会を設けることなどを提案しますが、この提案についての市長の見解をあわせて伺います。

山中市長:中期4ヵ年計画についてご質問をいただきました。3つのゼロと中学校給食を新たな中期計画に明記すべき。また、計画案を示した際に市民に直接意見を聞く機会を設けるべきとのことですが、誰もが自分らしさを発揮し、いきいきと安心して暮らすことができる街の実現に向けて、次期中期計画に盛り込む施策を検討する中で3つのゼロや、中学校給食について位置付けていきたいと考えております。また、市の検討内容を分かりやすく市民の皆様にお伝えをするとともに、ご意見をいただきながら反映をしていくことが重要ですので、幅広くご意見を伺う機会について検討をしてまいります。以上、あらき議員のご質問にご答弁を申し上げました。

みんなが食べられる中学校給食は100万人市民の願い

あらき議員:最後に、山中市長が公約に掲げた「敬老パス自己負担ゼロ」、「子どもの医療費ゼロ」、「出産費用ゼロ」の3つのゼロの実現や、全員で食べる温かい中学校給食を実現したいという思いは、市長が市長選挙の時に、市民からの要望としても聞いてきたという熱い思いからだと受け止めています。その公約が実現するのを期待し応援しているのは、市長選挙で、中学校給食実現を公約に掲げた候補に投票した100万市民でもあります。377万市民の命と暮らしを守るため、また市長が公約に掲げた市民からの要望の強い施策が実現できるように、わが党はその財源提案も含め引き続き取り組んでいくことも述べて、私の代表質問といたします。

第二質問・市長室案内板の表示を

あらき議員:再度質問をさせていただきます。

山中市長の思いを聞くことができました。ただ、山中市長が前の市長と変わったと明確に分かることをしていていただきたいのが、この市庁舎内にどこに市長がいるのか、その表示がないというのが変わらないことです。政策局、秘書課これでは市長室とは誰も読めません。今、庁舎内にいても市長に会いたいという人たちが、どこに行ったらいいのか分からない、そういう明確にしないことが、本当に市長の立場としていいのでしょうか。市民との信頼関係を作っていくという点では、この庁舎内のどこに市長室があるのかそれを書くだけで、お金はかかるわけではありません。是非、市民との信頼を作っていくという点でもこれは前市長の踏襲ではなく、事務分掌条例があるからといって突破できない理由にはなりません。是非、市民との信頼関係を築く上でも市長室がどこにあるのか明記する、これだけでも皆さんと一緒になって私たちは前に進めたいと思います。市長の検討をお願いしたい、この点でのお答えをお願いします。以上です。

山中市長:あらき議員のご質問にご答弁申し上げます。市長室の案内表示についてご質問をいただきました。本市では繰り返しになりますが、市庁舎の案内版には部署名を表示することとしており、私の執務室についても部署名で表示することが適切であると考えております。以上、あらき議員のご質問にご答弁申し上げました。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP