みわ委員:日本共産党のみわ智恵美です。党を代表して質問いたします。よろしくお願いします。
核兵器禁止条約の発効を受けた核兵器廃絶への取組強化について、まず質問いたします。
条約発効後初めての3・1ビキニデーを迎えました。3月1日は、太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験によって、島民とともに日本のマグロ漁船第五福竜丸など、多くの日本のマグロ漁船と乗組員が被爆したビキニデーです。例年、静岡県焼津市で開かれているビキニデー集会では、これはコロナ禍でオンラインでの開催となりました。初めて集会に参加した国連の中満泉軍縮担当上級代表は挨拶を寄せ、条約発効は人間を中心とした核軍縮のアプローチにとって大きな前進と語り、核兵器のない世界は実現可能です、しかし、そのためには決意と対話、協力する意思が必要ですと述べておられます。私もこの発言に強く共感しました。横浜市として条約の発効を受けた新たな核兵器廃絶へのアプローチが必要ではないでしょうか。
被爆の惨状から立ち上がり、核兵器廃絶を訴え続けた被爆者の方々、その思いに連帯した市民の運動と世界の国々が共同し、核兵器禁止条約は成立、発効しております。広島、長崎への原爆投下から76年、被爆者の証言を直接伺う機会が減少しております。次の世代に核兵器の脅威を伝え、核兵器廃絶への思いを育むために、横浜市として広島、長崎へ市民、親子派遣などを行うことが大事ではないでしょうか、いかがでしょうか。
赤岡国際局長:委員おっしゃいますように、戦後76年を迎えまして、被爆者の方の高齢化が進んでいるということは、実体験を聞く機会をなかなか設けることができないということで、広島、長崎の担当者などの大きな課題になっていると認識してございます。委員のおっしゃる市民の派遣という手法も大いに有効だと思っておりますけれども、私どもでも広島から講師を招いた国際平和講演会、あるいは平和首長会議が作成したパネル展など、市民の皆様に御理解を深めていただく機会を設ける形で啓発を実施しているところでございます。
みわ委員:現場で体感するということは本当に大事だと思います。条約の発効を受けて、横浜市として今動くときだと思います。現在、世界的な音楽家である坂本龍一さんやノーベル平和賞を受賞された広島の被爆者サーロー節子さんも賛同者となって、日本政府に対して核兵器禁止条約に署名、批准することを求める署名が始まっています。横浜市のホームページに、この署名に賛同するページを設けてはいかがでしょうか。
赤岡国際局長:現在でも国際局のウェブサイトで、何ページかにわたって核兵器廃絶の取組について御紹介しているところでございます。委員の今御提案いただいた件についても検討をさせていただきます。
みわ委員:ぜひよろしくお願いいたします。核兵器廃絶へのまさに決意と対話、協力する意思が求められております。市長は、核兵器廃絶を求める被爆者国際署名に署名したことで、あらゆる方面への働きかけの意思を示していると言われました。そうであるならば、政府に対して核兵器禁止条約に署名をと求めることは何も問題はないと考えます。ぜひとも平和首長会議の都市として、ピースメッセンジャー都市として、日本政府に条約への署名、批准を求めてはいかがでしょうか、改めて伺います。
赤岡国際局長:先般市長から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、国に対して、国際社会をリードする役割を期待してございます。一方で、条約の批准は政府が判断すべきことという考えもございます。本市としては、市長が被爆者国際署名を提出したことをもって日本政府を含めた全ての国に条約締結を求めると、そういうスタンスでございます。
みわ委員:唯一の戦争被爆国日本が署名、批准することは世界中を励ます大きな力となります。ぜひ横浜市からも行動していただきたいと思います。
次に、横浜市国際交流協会YOKEが行う事業について伺いたいと思います。
まず、多文化共生とはどのようなまちづくりを目指していますか。
赤岡国際局長:本市では横浜市多文化共生まちづくり指針というものを定めてございます。そこでは、多様な文化的背景を持つ人々が地域社会の構成員として共に生きていくこと、これを多文化共生と位置づけてございます。また、そういった世界の実現のために取り組んでございます。
みわ委員:多様性を尊重する、お互いの文化を尊重し違いを認め合える、差別を決して許さない、世界中の国の誰でもが安心して暮らせるまちを形成していくことだと思いますので頑張っていただきたいと思いますが、今、国の労働政策や入国管理法の改定などで、外国籍の方々がさらに増えてまいりました。こういう中でのコロナパンデミック。国際交流ラウンジが大きな役割を果たされたと思いますけれども、コロナ禍での相談活動はどのような状況でしょうか、相談の内容も示してください。
渡邊国際政策部担当部長:主な相談内容につきましては、医療福祉、出産、育児などの生活相談、在留資格などの法律相談、そのほか日本語学習や通訳・翻訳に関する相談が多いということでございます。また、令和2年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、令和元年度と比較いたしますと、やはり医療福祉、在留資格に関する相談が増加したという傾向がございました。また、医療福祉、在留資格に関してさらに具体的な相談内容を御紹介いたしますと、医療福祉につきましては、英語対応可能な医院ないし病院を紹介してほしいというもの、また、PCR検査を受けたいがどうすればいいかというようなもの。在留資格に関するものといたしましては、資格の更新がどこでどのようにできるのかというもの、あるいは、永住権を取得したいけれどもどうしたらよいかというものがございました。
みわ委員:難民申請に関わって手続、更新、同行、入居、支局へ行くなど、コロナ禍の中でも大変だったと思います。さらに言葉の壁が問題となる在住外国人への医療相談体制全体はどのように進められているか、伺います。
渡邊国際政策部担当部長:医療機関にかかる前の相談の体制でございますけれども、我が市といたしましては、横浜市の多文化共生総合相談センター、また国際交流ラウンジ、その双方において相談を受けております。また、実際に医療機関に外国人の方がかかったときにおきましては、医療通訳派遣事業というものを設けておりまして、そこの事業に基づく通訳派遣を行っております。また、医療局のほうで電話医療通訳サービスというものも提供しているところでございます。
みわ委員:国際交流ラウンジなどは、粘り強い大変な努力、ボランタリー精神の積み重ねをしていただいている中でこなされているという実態があると思います。市として在住外国人の方々の満足度が上がるということは、それこそ世界の国々から横浜市への信頼度がアップすることに直接つながります。市としての責任ある支援がさらに必要だと考えておりますが、在住外国人対応の最前線とも言えるこの国際交流ラウンジについて、今その役割が大きく変わってきていると思いますが、市として国際交流ラウンジを充実させていくことの意味を伺います。
赤岡国際局長:委員おっしゃるように、入管法の改正等、外国人が増えていく中、従来の情報提供や相談機能、あるいは日本語教室の実施といった機能に加えて、これからは地域コミュニティーの課題解決、地域における日本人コミュニティーと外国人との間であつれきを起こさない、一緒にお互いを認め合って暮らしていくまちづくりということで、そういった機能が必要になってくるかと考えてございます。踏まえまして、令和3年度は、外国人の集住が進んでいます4区にコーディネーターを配置するなど実施してございます。また、時節柄といいますか、コロナ禍において事業のリモート化、あるいは感染防止対策などにも取り組んでおります。
みわ委員:アドバイザーを派遣ということですけれども、横浜市として国際交流ラウンジを直接支援する、もっとアグレッシブにというか、それが必要だと思います。市の職員を配置して支援を強化しながら、また次の世代にこの横浜を担っていただく、その国際交流について学べる場としても、市の職員をきちんと派遣することなどが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
赤岡国際局長:国際交流ラウンジは区役所からの委託事業としてやっておりまして、当然区役所が委託しっ放しではなくて、じかに関わっている、場面場面で関わっていると認識してございます。また、YOKEのような専門機関による支援、そして私ども国際局も折に触れて直接伺って御意見を聞くなど、そういった形で連携を取って取り組んでいるところでございます。
みわ委員:本当に現場に入っていただいて職員を育成していくということも本当に必要だと思います。ぜひ考えてください。
次に、横浜国際協力センターについて伺います。
まず、横浜市に設置している目的について改めて伺います。
橋本担当理事兼国際協力部長:横浜国際協力センターですけれども、平成3年、1991年に設置されまして、今年で30年を迎えます。目的としては、地球規模の課題解決に取り組む国際機関の誘致、国際機関の活動支援を通じ国際交流、国際理解を促進すること、さらに本市の世界の平和と発展への貢献、これを目的としております。
みわ委員:国際的な機関である国連WFP世界食糧計画など、センター入居機関との連携はどのように行われていますか。
橋本担当理事兼国際協力部長:入居されている国際機関の方々と御相談しながらいろいろ進めておりますけれども、大きく分けて私どもの各事業と連携をしまして、広く市民の方に御参加いただく、来ていただく、そのようなイベントを実施、そこに国際機関の方々に参画いただくこと。さらに、国際機関自体の活動を支援し、例えば活動資金を集めるためのイベントを一緒に活動として立ち上げる、支援をすること。特に、もう一つ力を入れておりますのは、やはり次世代育成を見据えて若い方々、小学生あるいは高校生の方々へ向けたイベントを実施する、このようなことを行っております。
みわ委員:今回、横浜市国際平和講演会、国連WFP、ノーベル平和賞受賞、飢餓のない世界を、私も当日視聴いたしました。活動内容や世界的な活動の意義がよく分かる内容でしたが、この平和講演会のアクセス数は何件でしたか。
三枝副局長兼国際政策部長:アクセス件数は、令和3年3月2日時点で408件となっております。現在も国際局のホームページで視聴することが継続的に可能となっております。
みわ委員:375万市民が暮らす横浜でのアクセス数としては余りに少ない感じがします。国際局としての評価はいかがですか。
赤岡国際局長:今回、オンラインということで、過去に2回対面でやっております。そのときは100人、200人といった規模でございまして、規模的には着実に増えているかと思っております。また、工夫として、今回は講師の方にお願いして動画をアーカイブとして残させていただくということもやっております。引き続き市民の皆様、特に若い世代へのリーチ数を増やしてまいりたいと考えております。
みわ委員:横浜国際協力センター入居の国際機関が市民にもっと知られていくような取組が必要だと思います。これまでに紹介がありましたが、市民にアピールできる場の提供をこれからどのようにしていこうと考えていますか。
橋本担当理事兼国際協力部長:これまでの取組としましては、小学生を対象とした国際平和学習プログラムなどのような次世代の方々が参加できる取組を引き続き実施していく。さらに、国際フェスタとか国際フォーラムとか、一般の方々が御来場いただく、あるいはオンラインで見ていただく、このようなイベントも引き続きやっていこうと思っていまして、そこには国際機関の方々が、例えばブースを出展していただく、あるいは講演会などをそこで開催していただく。さらに、国際機関の方々が実施されるイベント、今まさにおっしゃられたような、例えば世界食料デーなどに私どもの関連のフードロスのイベントを関連づけて行うことで、市民の方々にもより身近に感じていただき知っていただく、このようなことを考えております。
みわ委員:引き続き拡大していただきたいのですけれども、今回行われた平和講演会では、国連WFPの日本事務所代表の方が横浜市民に対して感謝の言葉を繰り返し述べられていました。お話を聞いている中で、地球的規模の課題の取組をされている国際機関を支えるセンターを横浜市が持っていることの意義がもっと達成されるような取組が必要だと感じました。例えば、国際機関による講演会等が様々な場所で取り組めるような国際局としての直接の支援、小学校や区などでの講演が行われることについて直接支援していくことなどが必要ではないでしょうか。
赤岡国際局長:横浜の若い世代のために、国際機関の本部、あるいは日本の支部が横浜に集結しているということは他都市にはない大きなメリットといいますか、かけがえのない資源だと考えてございます。そのために、取組を知っていただく機会を、例えば小学生を対象としたプログラムですとか、それから、逆に国際機関でのインターンシップの受入れですとか、様々取り組んでいるところでございます。令和3年度は、WFPのノーベル平和賞受賞、あるいは新たなIFADの入居などを契機として、さらに連携を強化してまいりたいと考えております。
みわ委員:このように繰り返しもっとと私が申し上げますのも、横浜市国際戦略に掲げた目標と横浜市中期4か年計画の指標に係る達成状況の中間振り返りで、国際貢献を通じて国際社会における評価を獲得し良好な関係を構築するにおける指標で、市内に拠点を置く国際機関等との連携協力事業への参加者数の目標が4年間で27万人に対し、達成度は2か年で8万1256人と目標を下回っていることが示されておりました。コロナパンデミックの前の数としては問題だと思います。
2027年には国際園芸博覧会が開催される予定です。センター入居の国際機関の方々にも参画していただくなど働きかけが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
赤岡国際局長:残念なことに、横浜市中期4か年計画の目標を達成するのが少し困難な状況でございますけれども、コロナ禍の前の年には大きな台風がございまして、イベントの開催ができなかったというような要因もございます。それについては引き続き、また新たな形でアプローチをしてまいりたいと思っております。
また、園芸博覧会ですか、大変前向きな形での御質問をいただきましたが、招致のときの提案にも、テーマに農の収穫と食の豊かさということを挙げてありますので、今おっしゃったような大きな国際的なイベント、特に私どもが念頭に置いているのはこれから一番大きいのは園芸博だと思っておりますけれども、ぜひ国際機関の参画を促してまいりたいと考えております。
みわ委員:よろしくお願いします。横浜市がともに地球規模の課題である環境、食料、都市問題に共に取り組むまちとして認知されることが、さらなる誘致、入居につながると考えます。
最後に副市長に伺います。横浜市国際戦略が改定されました。その目標には国際都市としてのさらなる飛躍につなげるとともに、SDGsの達成や国際社会の平和と繁栄に貢献していきますと掲げてあります。この大きな構えの割には国際局の予算はあまりに少ないと思います。それでなくても少ないのに、コロナ禍でできないことがあるとマイナスにしています。世界の国々が追求している新しい方向へ横浜もしっかりと向き合って進んでいく、国際局だからこその取組にしていくことが必要だと考えております。地球的規模の課題に取り組む国際組織を置く横浜としての働き。今世界はコロナからの回復は脱炭素、脱原発、そして再生可能エネルギーの大規模普及、つまりグリーンリカバリーでやっていこうと始まっております。まさに、地球的規模の課題への取組に横浜でも貢献していく方向を国際社会の平和と繁栄に貢献する働き、世界の諸都市と力を合わせてどう進めていくのか、国際局としての真価が今問われていると思いますが、いかがでしょうか。
林副市長:国際戦略を新たに策定したわけですけれども、国際局だけでやっていくわけではなくて、全庁挙げてそれに取り組んでいくというようなお話になります。委員の今、例えばグリーンエネルギーのお話ですとか、SDGsとか、そういったものは例えば温暖化対策統括本部等と連携しながら進めていくことでございますので、国際局の予算という小さい目ではなくて、全庁的にいろいろな予算を活用しながらその国際戦略を実現していくということで、これからも精力的に取り組んでまいります。
みわ委員:国際協力センターに入居する国際機関などの講演会をどんどん、講演料を出して様々な場所で進めていくなど、やはり国際局として、地球的規模の課題をもっと市民の皆さんに伝えていくような取組そのもの、そして世界の諸都市と連携していくという働きはできると思います。予算をやはり増やして、意気高く取り組んでいただきたいと思います。
終わります。