市大病院の看護師確保のために勤務条件改善の強化を
河治議員:日本共産党を代表して質問してまいります。
まず最初に、横浜市立大学病院についてです。
横浜市立大学市民総合医療センターの概要および機能と役割は何か、伺います。
青木大学担当理事:附属病院でございますけれども、28診療所631床を有しております。高度先進医療の提供、医療技術の開発などを行う病院といたしまして、厚生労働省より特定機能病院の承認を受けているほか、地域診療連携拠点病院としております。また、エイズ治療の中核拠点病院の指定を受け、本市における高度先進医療の中核を担っております。また、大学付属の病院といたしまして、基礎研究成果を予防、診断、治療へ応用する実学研究等を積極的に行うとともに、医学部の学生をはじめ、医療関係者の育成に努めております。
また、センター病院につきましては、横浜市で唯一第三次緊急医療ということで、救急医療体制を中心とした体制を取るとともに、市民医療の中核としてがんばっていただいております。
河治議員:横浜市立大学法人委員会が市立大学の業務の実績に関する評価結果を行いました。そして、付属病院に関する指摘事項で、「付属病院において十分な体制を確保するための必要な看護師を確保できなかった。これは遺憾である」というふうに述べています。どのように受け止めているのか、伺います。
青木大学担当理事:大学の法人といたしまして、法人評価委員会からの指摘を真摯に受け止めております。その課題解決に向けて、全力をあげて取り組んでいくというふうにきいております。
河治議員:具体的に。
青木大学担当理事:看護師採用含めまして、非常に難しかったということがございました。そういった中で、看護師の採用に向けて、全力をあげて取り組んでいくと、これは前回上院委員会でもお話がでておりますが、それをふくめまして、あといろんな部分で足りない部分、たとえばですが、私ども看護学校がございます。看護学校の中で、47%一昨年は就職、市大の方にしていただきました。それが29%に下がったと。そういった指摘がございましたので、そういったものを含めまして、採用がうまくいくように、ベストをつくしていくということでございます。
河治議員:これは9日に行われた労働組合の定期大会の議案書なんですね。この資料の附属病院にある部分ですが、看護師に「仕事を辞めたいと思うか」との問いに対して、「いつも思う」と答えた人が21%、「ときどき思う」これが64%、合計で85%の看護師が「辞めたいと思うことがある」と答えているんですね。それらの看護師の理由に、「思うように休暇が取れない」が39%、「夜勤がつらい」が36%、こういうふうになっています。看護師がこうした状況にあるということを、どのように認識しておられるのか、そしてまた、その改善のためにどのように取り組まれるのか、伺います。
青木大学担当理事:これまでも、採用試験を一生懸命やって、数が足りないと。具体的に申し上げますと、絶対数が100%満ちていない部分、また育児休業、産休、そういった方たちもいらっしゃると、そういったものが若干しわよせになって、通常の勤務体制の中で職員のみなさまに負担をかけていると。実際、休暇が取りづらいという話も私ども受けております。また、通常ですと原則8回の夜勤が予定されております。それが平均的に8.5回位になっている、そういった実態もございます。そういったものの解消に向けても、看護師の採用含めまして、全力をあげていきたいと考えております。
河治議員:指摘事項でさらに、「看護学科卒業生の2病院の就職率の向上を図ることを含めて、看護学科と協力し、更なる努力を期待したい」というふうにあります。これまでの看護学科卒業生を本病院に入職するためにどのような取り組みをしたのか、その結果入職状況はどうだったのか、さらに結果をどのように捉えているのか、改めて伺います。
青木大学担当理事:看護学校卒業生、これ付属病院の就職率の向上に向けましては、今年度から奨学資金ですとか、その他奨学金を出すというかたちで取り組んでおります。附属病院に関しましては、特に来年4月に向けまして入職準備金というものも用意をしてございます。そういったかたちで取り組んできて、またあと、市大病院全体といたしまして、特に付属の方でございますけれども、どうもアンケートをとった結果では、先輩方がきびしい、冷たいというようなお話も若干ございました。そういったことのないように、全職種合わせまして大学病院のあり方を含めまして検討していきたいというふうに考えております。
河治議員:評価結果のなかでは、先ほど理事長がいわれたように、看護科卒業者の附属病院就職率が47%から29%へ大幅に後退した。この原因の解明と、今後の対応への積極的取り組みを期待したいっていうふうに述べているんですけども、原因の解明はどのように取り組まれているのでしょうか。そして、何が明らかになったのか、伺います。
青木大学担当理事:原因といたしまして、センター病院の方は比較的入職率がよかったと、それほど変わらなかったというふうにきいています。附属病院の方が非常に厳しい状況ということでございました。これにつきましては、ご存知のように場所が非常にちょっと離れたところ、周辺工場地域の中でございますので、周辺に衣食、食べるところもないし、買い物するところもないと、いう部分がございました。そういったものも含めて、改善をしていきたいと。また、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、職種の垣根を越えて、その職場の中で温かく指導ができるように学内をあげて対応していきたいというふうに考えています。そのために、アンケート等を行いまして、いろいろな条件につきまして職員の方からお伺いをしております。
河治議員:先ほどの労働組合の議案書の中のことを紹介させてもらったんですけども、休暇が取りづらいとか夜勤が大変だというのも、こういうのも反映しているんじゃないんですか。
青木大学担当理事:超過勤務等につきましては全国平均とそれほど変わっていないとは思いますけども、確かに休暇が取りづらいというのは職員の声として聞いております。事実そういったものも全く影響がないというふうには思っておりません。なるべくそういったものがカバーができるように、現実的にナース、看護師が全体的に不足しているというのが否定できないことでございます。その解消に向けてがんばっていきたいというふうに考えております。
河治議員:指摘事項ではさらに、「女性医師や女性看護師の職場復帰は人材不足の折、さらに支援を強化する必要がある」というふうに指摘です。今後にどのように展望が持てるのか、伺います。
青木大学担当理事:女性医師、看護婦等の職場復帰含めましてでございますが、当然育児短時間勤務というのは導入しております。それを取りやすくしていきたいと。また、育児のために、休暇休業中のドクターを対象といたしましては、常勤ではなくて非常勤で診療ができる、そういった枠をつくる、また、両病院とも院内保育園等をもっております。その院内保育園を使いやすくするということで、できるだけそういった方たちのカバーができるようにしていきたいと考えております。
河治議員:付属病院は今後、救急病床やNICUの増床を計画しているというふうに聞いています。看護師確保が不十分な中で、これらの新たな事業展開に問題はないのでしょうか。
青木大学担当理事:いま、先生おっしゃったように、付属病院ではハイリスクの新生児、こういった子どもたちを集中的に管理できるNICU、また救急病床の増床につきましても計画をしております。それらに必要な看護師につきましても、確保に全力をあげて取り組んでいくと、ようは全体として看護師不足について、これまで以上に全力をあげて取り組んでいきたいというふうに大学当局の方では言っております。
河治議員:先ほども話を聞いていると、看護師の確保、非常に大変だというふうなことを述べられているわけでいるわけですけども、新たな事業展開は医師や看護師の確保を初め、現場での機能が発揮されるように慎重に検討すべきだっていうふうに思うんですね。ですので、やっぱりそこについてはしっかりと状況みながらやってもらわなければいけないんだっていうふうに思います。
池子米軍住宅追加建設、返還予定施設内につくらない確認はとったのか
次は、基地問題について、伺います。
米軍池子基地の住宅建設において、日米合同委員会第5回施設調整部会が、住宅戸数を約400戸程度とし、「700戸程度との差、約300戸については、将来において、日米間で協議の上建設する」としています。このことは300戸を削減したっていうふうにはないと私は思うんですね。一時的に保留したに過ぎないと思うんですが、どのように受け止められておられるのか、認識を伺います。
藤田基地担当理事:7月に住宅建設戸数の再検討の開始について、南関東防衛局長から市長にご報告をいただいた際、それから8月に市長が長島防衛大臣政務官に要請に伺った際に、さらなる建設戸数の削減を求めました。その結果、従来700戸とされた住宅建設戸数が当面の措置として約400戸建設することになったものと認識しています。
河治議員:当面ということは、まだ削減されたということではないというふうなことだというふうに私は理解します。
市長は第3回定例会の一般質問で、「国としてさらなる削減が可能となる、最大限の努力を要請した結果、こうなった。戸数削減につながったものと考えている」こう答えておられるんですね。ここには、削減される300戸は、将来にわたってもないというふうに受け止められるのではないかなって、こんなふうな感じがいたしました。どうでしょうか。
藤田基地担当理事:当面の措置として、約400戸を建設することになったというふうに認識しています。
河治議員:残り300戸の建設場所についてなんですけども、「池子住宅地区および海軍補助施設の横浜市域が選択肢の1つとしてあり得る」、「将来改めて日米間で協議する」としています。9月22日の基地対策特別委員会で、我が党の白井議員の質問に対して、基地担当理事は「返還が合意されている施設は、その対象でないと認識しております。確認しております」というふうに答弁されております。議事録もみました。国に直接確認されたのか、伺います。
藤田基地担当理事:建設対象地域ではないと答弁した根拠でございますけれども、1点目といたしまして、7月に開催された第4回施設調整部会において、16年の日米合同委員会合意事項である6施設の返還について改めて確認されております。2点目として、8月に行われた第5回施設調整部会においても、住宅建設戸数約400戸とした理由のひとつとして、横浜市内の施設区域を早急に返還してほしいという日本側の要望を踏まえたものであるとされています。この2点については、いずれも南関東防衛局長より市長へ報告をいただいております。このことから、16年に返還合意されている施設のうち、まだ返還されていない上瀬谷通信施設など4施設については日米合意に基づき着実に返還されるものと考えております。
河治議員:将来改めて日米間で協議するということ、こういうことについて、池子地区でないということは何にも明らかになっていないじゃないですか。国と確認したのかときいているんです。
藤田基地担当理事:いま申し上げましたように、日米合同委員会で確認をされているということを、直接南関東防衛局長から市長が報告を受けております。
河治議員:これ、選択肢のひとつっていうふうにいっていますね。選択肢のひとつということは、ほかにあるというふうなことと違いますか。
藤田基地担当理事:選択肢のひとつとされているのは、池子住宅地区および海軍補助施設については選択肢のひとつとされているということでございます。
河治議員:だから、ほかも対象だっていうふうに受け取れるんでないですか。そういった理解では、とらえ方では。私はそんなふうに思うんですが。
藤田基地担当理事:さきほど申し上げましたように、まずこの住宅建設戸数の再検討の前提条件として、16年の日米合意事項である6施設の返還については確認をされているということでございます。
河治議員:基地返還の運動団体があるんですけども、この運動団体「上瀬谷基地返還と跡地利用問題懇談会」というふうな運動団体があります。私も一緒に運動しています、が、10月4日ですね、南関東防衛局へ上瀬谷基地の早期全面返還の要請に行き、上瀬谷基地については米軍住宅建設候補地から除外するように、こうしたことを求めて、懇談いたしました。これに対して、防衛局は、池子米軍住宅300戸については将来的問題として日米間で協議となる、先ほどの話のとおりです、と述べて、上瀬谷基地への米軍住宅建設を否定していなかった。こういうふうに伺いました。ですので、残る4施設の早期返還を求める本市の基地対策担当部署が、しっかりとこうしたことについては確認すべきでは、直接確認すべきではないでしょうか。
藤田基地担当理事:防衛省にも改めて確認したところ、返還合意施設に米軍家族住宅を建設といった計画は全く承知していないと、将来返還されると認識している、残る4施設については住宅地区における住宅建設事業の進捗を踏まえて早期返還に努力していく、とのことでございます。
河治議員:それでは、問題の視点を変えて、基地返還の日米合意について、国は住宅建設と基地の返還は一体のものっていうふうにしていますが、それに対して本市は基地返還と住宅建設は別というふうにしています。そこでこの本市の主張する基地返還と住宅建設は別とする根拠はどこにあるのか、伺います。
藤田基地担当理事:本市は、これまで米軍施設の返還は日米安全保障条約及び日米地位協定の目的のために必要なくなった時は、無条件で行うことが原則でありまして、住宅等の建設とは切り離して、返還の環境が整ったものものから逐次返還するというふうに国に主張しております。
河治議員:いまの話は、日米地位協定第2条3項だっていうふうに思うんですが、そこのところもう一回読みいただけますか。
藤田基地担当理事:日米地位協定の2条3項、読み上げますが、合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設および区域の必要 性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する、とされています。
河治議員:それでは、本市が返還合意している4施設についてなんですけども、どのような状態を遊休地と確認するのですか。遊休地と判断するのは誰ですか。基地の早期返還を求める本市が、基地返還と住宅建設は別としていますが、そのための独自の調査とか判断が必要ではないでしょうか。深谷基地はどういう状況に置かれているのか、使われているのか、使われているようには私は思えないんですが、どうなんでしょうか。
藤田基地担当理事:深谷基地は米軍としては現在も必要であるっていうふうにされております。
河治議員:国や米軍にいわれることを鵜呑みしているだけではだめだというふうに思うんですよね。やっぱり担当部署なんですから、そして早期返還を求めているわけですから、その取り組みっていうのはやっぱりしっかりとやっていただきたいと思います。
反核平和の予算増やし、平和活動・広報活動の強化を
最後にピースメッセンジャー都市の取り組みについて伺います。
本市がピースメッセンジャーの年の認定を受けた背景と理由は何か、伺います。
浜野都市経営局長:ピースメッセンジャーは、昭和61年の国際平和年を記念しまして、国際連合が設けた称号でございますが、本市はその翌年の昭和62年に認定されております。その理由といたしましては、当時の世界規模の問題解決に取り組む国際機関の支援、あるいはアジア太平洋地域の都市問題の解決への協力、あるいは市民の方々を含む幅広い交流活動などの本市の実績が認められたというふうに考えています。
河治議員:2008年、平成20年になるんですけども、これに比べて、2009年、そして2010年は予算が極端に後退しています。反核平和の予算を大幅に増やして、平和市長会議にも参加自治体として、またピースメッセンジャー都市として、公式の広島そして長崎の平和式典や原水爆禁止世界大会等、市民の代表の派遣や核兵器の廃絶、米軍基地の撤去等に向けた平和活動、広報活動を強化すべきだっていうふうに思いますし、そうした予算を大幅に拡充するべきではないでしょうか。本市のこうした立場からやっぱり求めますが、どうでしょう。
浜野都市経営局長:ピースメッセンジャー都市として、今後ともさまざまな機会をとらえて、平和の大切さと国内外にアピールする取り組みを行ってまいりたいと考えております。今年4月には平和市長会議にも加盟したことに加えまして、今後とも国際平和の貢献を進めていきます。また、財政状況が厳しい中でも、こういった国際平和に向けた取り組み、貢献できるというふうに考えております。
河治議員:本市は平和市長会議、さきほど話があったわけですが、参加にふさわしく、横浜市としても、非核平和都市宣言をすべきと思いますが、どうでしょうか。
浜野都市経営局長:本市はピースメッセンジャーとしてあらゆる核実験に対する中止要請抗議を行うということとともに、市民に対する平和啓発事業を行うなど、常日頃から国際平和の実現に向けた取り組みに努めてまいります。
河治議員:なんだかよくわかんないんですけども、終わります。