議会での質問・討論(詳細)
2018年10月11日

■総合審査(白井まさ子)

◆白井委員 日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。
 初めに、洪水土砂災害要援護者施設避難計画の策定と訓練についてです。
 2017年6月、国は水防法を改正し、川の氾濫で浸水するおそれがある老人福祉施設や障害福祉施設などの要援護者施設の責任者に、避難確保計画の策定と、それから避難訓練の実施を義務づけました。2016年の台風によって、岩手県の高齢者グループホーム楽ん楽んで全員が亡くなって、逃げおくれゼロを目指した義務づけです。ことし7月の西日本豪雨災害は200人を超える方が犠牲となりまして、51人が亡くなった岡山県真備町で要配慮者施設とされているある特別養護老人ホームでは、職員と法人本部の職員30人を招集して、36人の入所者全員を避難誘導して、全員無事だった例も報道されているところです。現在、横浜市防災計画風水害等対策編の修正が検討されておりまして、意見募集中です。修正内容と対象施設の説明をお願いします。
◎荒井危機管理監 ただいま委員のお話にございましたとおり、避難確保計画の作成、報告と訓練の実施が義務化されております。これを受けまして、横浜市防災計画に、施設管理者または所有者は、計画の作成、報告とそれに基づく訓練を実施する必要があることを明記いたします。対象となりますのは、社会福祉施設、学校、医療施設、その他防災上配慮を要する方が利用する施設でございます。また、そのほか、従来、避難準備情報というものが避難準備・高齢者等避難開始に変更されたことを受けまして、避難を促す用語を改正いたします。
◆白井委員 法施行から1年たつというのに、今やっと修正を検討するというのは余りにも遅いと思うのですけれども、防災計画の修正はこれからとしても、もう2017年6月に法が施行されているわけですから、対象の要援護者施設で避難計画の策定が進んでいると思います。策定状況を市としてどう把握しているのでしょうか。
◎大久保総務局長 本年6月30日現在でございますが、要援護者施設のうち、避難確保計画が作成、報告された施設数は、浸水想定区域内は1090施設中603施設で55.3%、土砂災害警戒区域内は930施設中565施設で60.7%となっております。
◆白井委員 私の住む港北区内は一級河川鶴見川の流域です。ある学童クラブに聞きましたら、避難計画はまだ提出していないということでした。そして、障害福祉施設に聞きましたら、3月には間に合わなくて、6月までに何とか出したということでした。港北区内の対象の要援護者施設での避難計画策定状況はどうでしょうか。
◎大久保総務局長 こちらも6月30日現在の数字でございますが、港北区の要援護者施設のうち、避難確保計画が作成、報告された施設数は、浸水想定区域内は283施設中199施設でございまして70.3%、土砂災害警戒区域内は58施設中44施設で75.8%となっております。
◆白井委員 全市でやっと半数を超えて、港北区では浸水対策は7割にとどまっている。この現状でよしとしているのでしょうか。いつまでに完了させるつもりなのでしょうか。
◎荒井危機管理監 国は平成33年までに避難確保計画の作成率を100%とする目標を掲げておりますが、本市では国のこの目標時期よりも前に全ての対象施設で計画が作成されるよう、繰り返し働きかけております。
◆白井委員 計画は各施設がつくりますけれども、それを推進する市が3年半かかっても仕方ないという考えではいけないと思うのです。取り組むということは言われたのですけれども、本市独自の達成期日をきちんと決めて取り組むことが必要だと思います。命に本当にかかわることですから当然のことだと思うのですが、どうでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
◎荒井危機管理監 対象があることですので、相手方に対しましても繰り返し繰り返し根気よく働きかけを行って、早目の達成を実施してまいりたいと思っています。
◆白井委員 やはり期日を決めることで策定も進むと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、訓練実施状況は全市ではどうでしょうか。
◎荒井危機管理監 訓練を実施した際の報告につきましては、法令上義務がございませんので、特に把握はしておりません。
◆白井委員 法令上義務がないから把握していないというのは問題だと思うのです。訓練を実施して初めて計画をつくった意味があると思います。車椅子や認知症や障害のある方などの入居施設では、職員だけでは不十分で、周辺住民や周辺企業の協力も得る必要がありますから、訓練実施こそがポイントだと思います。現状では、各局の監査のときに訓練状況を把握しているということは聞いてはいるのですけれども、把握に危機管理室が関与していないということ、この訓練実施の推進に加えて、これから避難情報を受けとめる意識改革も求められているわけですから、今後、危機管理室には大仕事が待っているわけです。市長に、今後、避難訓練の実施については危機管理室に責任を持たせて進めるべきですが、見解を伺います。
◎渡辺副市長 今後は、施設所管局だけではなくて、危機管理室ともしっかり連携をさせた上で、所管局の指導監査の際に計画の作成及び訓練の実施を確認するようにいたします。冒頭、白井委員が触れられたように、一昨年の台風による岩手県の高齢者グループホームにおける痛ましい被害というようなことが本市で発生しないように一生懸命頑張ってまいります。
◆白井委員 どうぞ、市長、よろしくお願いいたします。
 それでは、保育園の園庭面積基準の緩和についてです。
 どの保育園にも面積基準を満たした園庭があって、毎日園庭で思い切り遊べるのが本来のあり方ですけれども、本市は認可保育園の園庭面積基準を緩和しています。園庭にかわる公園などがあれば、国基準の2分の1以上、またはプール遊びのできる場所等を確保すればよいとしています。これによって、園庭が狭かったり、なかったりする園が急増しています。保育士さんから聞いているのは、周辺に幾つか保育園があるために公園がいっぱいで、公園に着いた途端に別の公園を探さなければならない。ゆっくり遊ぶ時間が確保できないという声で、公園ジプシーと言われる現象が市内あちこちで起きています。トイレも水道もない公園に行くときは、おまるとペット用のトイレシート、それから体を覆い隠すバスタオル、ティッシュペーパーも持っていく、行き帰りの安全にも気を使って、保育士たちは命を削る思いで公園に出かけていると、こういうふうに聞いています。
 そこでまず、認可保育園の園庭面積などの園庭整備基準が定められている理由を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 国の保育所保育指針におきまして、「子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること」とされてございます。屋外遊戯場につきましても、これらの経験を積む場の一つということで設けておるものでございます。国の定める児童福祉施設の設備及び運営に関する基準におきまして、満2歳以上の幼児を入所させる保育所には、幼児1人につき3.3平米以上の屋外遊技場の面積を確保することとされております。
◆白井委員 子供の育ちのためにこの基準が定められているということなのです。認可保育園の市の全体の数と、それから緩和した園の数を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 平成30年4月1日における認可保育所は686園です。うち基準面積の緩和を認めておりますのが258園でございます。
◆白井委員 4割近くが緩和されているということなのですけれども、そのために公園利用が園庭の役割を果たしていない実態があります。子供の成長、発達に責任を持つ局長として、これでいいと思っておられるのかを伺います。
◎齋藤こども青少年局長 国の通知におきましても、公園等が保育所の付近にあるということであれば、これを屋外遊戯場にかえて差し支えないと、国のほうの通知ではそのようにされてございます。既存の公園等を利用して屋外活動をやっていただく場合については、年齢にも合わせまして、各園でさまざまな工夫をして利用していただいてございます。また、公園を利用するということでございますが、その際には、地域の方々との触れ合いとか自然体験等とか多様な経験をすることで、子供の発達にとって好ましい面もあるとは考えております。(「重なったら行かれない」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 好ましくて問題ないのだと聞こえるのですけれども、ちょっとおかしいと思います。国が2015年度から実施をした子ども・子育て支援新制度は、国と自治体の保育に対する責任を後退させ、保育を営利企業に委ねるものです。公立保育園潰し、園庭のないビルの一室など保育条件を引き下げた施設の急増、保育料の大幅引き上げ、保育士の資格要件の緩和など、全国で保育環境は本当に大きく後退しています。本市で市長が待機児童ゼロを掲げて進めているのは、保育を営利企業に委ねて、公立園の民営化です。全国の自治体に先駆けて、本市が園庭面積基準を緩和したこと、このことで保育条件を引き下げた園が急増しました。園庭面積基準の緩和は、子供の成長発達にそぐわないために、やめるべきだと思います。見解を伺います。
◎林市長 国の定める基準では、付近に公園があれば、それをもって屋外遊技場の代替とすることを認めています。本市では、屋外遊技場の緩和を認める場合には、公園だけでなく、園内に一定面積の屋外遊戯場も確保するよう、国の基準よりも厳しく定めています。子供の発育にとって大切な屋外で活動する場を確保しつつ、今後も保育所整備を進めてまいります。(「現実を見たほうがいいと思うよ」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 そのかわりになる公園の利用がふさわしくない実態があるということもしっかりと見ていただきたいと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 次です。敬老パスについてです。
 2017年度決算は、前回の値上げが決定されたのが2011年度でしたから、あれから6年目となります。対象者69万人のうち交付者39万人、総事業費107億円を利用者負担19億円、市費負担88億円で賄われました。2017年度までは市費負担88億5000万円の定額でしたが、2018年度からバス利用者がふえたことを理由に定額をやめて、市費負担分をふやして予算立てをしています。特に民営バス10社への支払い分を7億円ふやして55億5600万円としています。敬老パスは高齢者のために大切な制度であって、その目的を果たしていると思いますが、改めて目的とその効果をどう見ているのか、伺います。
◎田中健康福祉局長 敬老パスにつきましては、高齢者の社会参加の促進や外出支援を目的としております。70歳以上の高齢者が買い物や通院、趣味、レジャー活動などに幅広く御利用いただいていると思っております。
◆白井委員 平成30年度事業評価書では、厳しい財政状況の中で、社会経済情勢に応じた持続可能な制度となるよう検討を進めていくとしています。交付者数の内訳を見ると、課税状況別8段階のうち、市民税非課税で2段階目の3200円を負担する方が11万2000人、市民税非課税で3段階目の4000円を負担する方が10万6000人となっており、負担なしの方も含めると、厳しい家計状況の方が交付者全体の半数を占めていることが明らかです。利用者負担金の値上げなく、市費を入れて、横浜市の誇るべき制度を持続させることを多くの市民が求めていますが、どうでしょうか。
◎田中健康福祉局長 敬老パスの制度につきましては、利用者、交通事業者、本市とそれぞれが負担を分かち合うこととして制度を維持してまいりました。今後も厳しい財政状況を踏まえつつ、持続可能な制度を目指してまいります。
◆白井委員 高齢者の年金は、今後、下がることはあっても上がることはありません。値上げなしで持続が必要だと思います。
 次です。鶴見駅頭でのヘイトスピーチへの対応について伺います。
 在日特権を許さない市民の会、在特会で数々の人権侵害を起こした桜井誠氏が党首に座る日本第一党は、10月14日を反移民デーと定め、移民受け入れ施策に反対する抗議行動を告知しており、横浜市ではJR鶴見駅で街頭宣伝を行うと発表しています。8月14日の川崎駅で行われた日本第一党の街頭宣伝で、暴れるな朝鮮人という横断幕を掲げて宣伝しており、これは明確にヘイトスピーチ解消法に反しており、人権侵害です。10月7日にも川崎駅前で3回目の宣伝が行われ、神奈川新聞では外国人の排斥をあおる旗が掲げられた宣伝だったと報道されています。それに先立ち、川崎市長は定例会見で、差別的な言動が行われないことを望むと表明しています。日本共産党は、国が憲法と人種差別撤廃条約の精神にのっとって、ヘイトスピーチの根絶へ真剣な努力を行うことを求めるものです。本市でも多文化共生のまちづくりを掲げて施策を進めているところです。川崎市と同様のことが鶴見駅でも繰り返されるとしたら、本市のこの施策にも反します。
 そこで、市長に伺います。日本第一党が行おうとする鶴見駅での街宣周知活動に際してどういう対応をとられるのか、伺います。
◎林市長 ヘイトスピーチは重大な人権侵害であり、あってはならないことです。御指摘の団体からは、現在のところ本市施設への利用申請はありません。今後、申請があった場合は、申請内容や関係機関からの情報などを踏まえまして、総合的に判断して適切に対処してまいります。
◆白井委員 あわせて市長に伺います。ヘイトスピーチが行われることで横浜市に住む8万4000人もの外国籍の方の人権が踏みにじられることについて、どう思われますでしょうか。
◎林市長 決してあってはならないことだと考えます。
◆白井委員 それでは、次に移ります。企業立地促進条例による40億円の支援についてです。
 2017年に企業立地促進条例による支援を申請していた事業者に、ことし8月、助成金33億円と税軽減6億円、合わせて約40億円の支援が決定されました。みなとみらい20街区に市が整備する新たなMICE施設に隣接して新設するホテルの事業内容や投下資本等、市が設定する一定の条件を満たし、観光MICEに資するとして認定したものです。この条例目的は、「特例の措置を講ずることにより、企業立地等の促進を図り」としています。つまり、市内に立地してもらうために持っている金銭的支援というインセンティブ、それとともに、市内雇用の増大及び市内企業の事業機会の増大を図るという、この認識でいいでしょうか。
◎林経済局長 企業立地促進条例は、企業立地等促進特定地域等において助成金の交付及び法人の市民税の特例の措置を講ずることにより企業立地等の促進を図ること、あわせて、市民雇用とともに市内雇用の増大及び市内企業の事業機会の拡大を図ることによりまして、横浜市経済の活性化に寄与すること、これを目的としております。
◆白井委員 今回、ホテルといっても、会員制ホテルを全国展開している事業者で、市内採用を優先するとは思われないのです。また、仕入れは関連会社からとなって、市内企業との取引も見込めないと思うのですが、この点は、局長、どう説明されますでしょうか。
◎林経済局長 先ほどのお話にありましたホテルへの支援につきましては、平成27年の改正条例に従って支援しているものございますけれども、この改正条例の趣旨につきましては、平成25年6月に国から選定されましたグローバルMICE戦略都市を推進するために、観光MICEを特に力を入れるという政策の柱に位置づけたこと、また、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を機に、国内国外からの観光客の皆さんを呼び込むために、みなとみらい21地区を中心に集客施設やホテルを整備していく必要があったことという背景のもとで、みなとみらい21地区への観光・MICE施設の立地促進に向けて支援制度を適用したものでございます。
◆白井委員 MICE施設整備事業はPFI事業として行われます。落札者の決定に関する報告書というものを見てみますと、PFI事業者審査委員会は、評価の項目に民間収益事業におけるMICE誘致の相乗効果を挙げ、結果は5段階評価のEで、加点では配点7点中0点でした。特にすぐれているという加点はなかったということです。つまり、ホテルを新設しても、当該施設が選ばれるMICE施設となることに貢献しないということですが、このことからして、条例認定に当たらないと思います。認定を取り消すべきです。どうでしょうか。
◎林市長 事業の要求水準を高く設定したために、MICE誘致との相乗効果について要求水準以上の加点はありませんが、横浜市が求める水準を満たすと評価をされております。加えて、今回の事業計画は、雇用の増大や市内企業の事業機会の拡大による横浜経済の活性化に寄与するとともに、グローバルMICE都市の推進に不可欠なラグジュアリークラスのホテル整備を促進するものでありまして、条例認定は適切だと考えています。
◆白井委員 40億円もの支援をするのに水準を満たしているからよしで、それで出すのですというのはちょっと理解ができないところです。もともと横浜市が事業者の入札公告を行ったのは2014年12月です。この時点では、立地条例の適用対象にホテルは入っていませんでした。先ほど局長のほうから経緯は説明がありましたけれども、ホテルが対象となったのは2015年2月の条例改正で、4月から適用となりました。この条例改正は、結果的にこのホテルのためにしか見えません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)特定企業を呼び込むために条例改正したと見えますけれども、行政のあり方としてこれでいいはずがないと思います。どうなのでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
◎林経済局長 先ほども御答弁申し上げましたとおり、この施策につきましては、平成25年6月に国から選定されましたグローバルMICE戦略都市、これを推進するために観光MICEに特に力を入れるということで条例改正をいたしまして、今回要件に当てはまったものでございまして、特定事業者のための改正ではございません。(「後からだろ」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 経過を見ればそう見えるということです。ようこそ立地していただきましたと40億円支援するのは、本当に市民に説明がつかないと思います。
 次です。高速道路、横浜環状北西線のトンネル工事費についてです。
 横浜市施工と首都高施工の2本のトンネル工事が行われており、シールドマシン工事を完了したところです。2本のトンネル工事費とそれぞれの当初金額、現時点での金額を伺います。
◎乾道路局長 本市のトンネルの工事費につきましては、当初の契約金額は約360億円であり、現時点での契約金額は、平成29年第4回市会定例会で可決いただきました約392億円となっております。首都高速道路株式会社に委託しておりますトンネルの協定額は約457億円でございまして、現時点で変更はございません
◆白井委員 市施工分は途中で契約変更があります。説明をお願いします。
◎乾道路局長 これまでに3回の変更を行ってございます。第1回目の変更は、平成27年5月に労務費単価の特例措置により約6000万円の増額変更を行いました。第2回変更は、平成27年9月に想定以上の自然由来のヒ素が混入していたことに伴う建設発生土の処理費用として約50億6000万円の増額変更を行いました。第3回変更は、平成29年12月に建設発生土の有効活用と安価な処分先への変更により約19億5000万円の減額変更を行いました。現在の契約金額は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、約392億円となっています。
◆白井委員 今の中のうち19億5000万円、市施工でできたこの縮減、これにつながった残土処理の工夫と聞いておりますけれども、首都高でもこれをやっているはずだと思います。市施工とほぼ同額の縮減が可能なはずです。金額はどうでしょうか。また、協定により精算は完了時に行われることは承知をしているのですけれども、これにこだわることなく、速やかにこの減額分を反映した工事契約の変更をする必要があると思います。どうでしょうか。
◎平原副市長 工事費を縮減できることは確認しておりますけれども、まだUターン路工事などが継続しておりますので、最終的な協定の金額については、工事完了後の精算により確定してまいります。
◆白井委員 同じことができているわけですから、市相当の額縮減ということを、完了を待つまでもなく契約変更はできるわけですから、検討をお願いします。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックまでの開通を目指した整備によって、巨額な市債発行によって市民生活関連事業にしわ寄せが来ています。地方財政法第4条で、「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」としています。この工事については、入札時点にまでさかのぼって契約金額、特に首都高との契約金額の妥当性について検証が必要だと思います。先ほど説明があったように、首都高と市施工では当初、96億円もの違いがあります。一括委託ゆえに首都高が高くなることは考えられますが、余りにも違い過ぎます。市民の税金を預かる身として、市長が直接、首都高に出向いて契約金額の引き下げ交渉を行っていただきたいものです。昨年12月の本会議で、より一層の工事費の縮減ができるように引き続きあらゆる機会を通じて同社に強く働きかけると答弁を聞いております。トンネル掘進完了という建設の節目に、残土処理方法の変更に伴う減額にとどまることなく、さらなる工事費の縮減を地方財政法の規定からしても強力に働きかける責務が市長にはあると思います。どうでしょうか。
◎林市長 首都高速道路株式会社に対しまして、今御指摘いただきましたけれども、発生土の有効利用に関しての指導や定期的な執行予定額の確認などを行っています。より一層の工事費の縮減ができるように、引き続きあらゆる機会を通じて同社に働きかけてまいります。
◆白井委員 地方財政法が言っております必要かつ最小限の限度を超えています。法の趣旨からいって、しっかり縮減をお願いします。
 次です。現庁舎の保存・活用についてです。
 2019年1月に現市庁舎街区等活用事業の事業者公募が予定されておりまして、この市庁舎の保存活用にかかわって市長が表明されてきましたけれども、2016年4月12日の定例記者会見でどう発言されたのか、伺います。
◎林市長 その発言でございますけれども、サウンディング調査で事業者から利活用の提案があったことへの受けとめはいかがですかと記者から質問されました。それに対しまして、昭和の建造物としては大変意味のあるものだと思っています、民間の皆様からの御提案が大変すばらしい提案がたくさんあって、この現市庁舎の行政棟を利活用すべきという声が随分多くて、受けとめる私どもとしてはうれしく思います。完全に決めたわけではないのですが、利活用をするということについて、そういう方向性はよいというお話をしたと思います。しかし、行政棟だけでは全部賄い切れないと思いますので、うまく新しい建物とマッチングさせながら取り組めばとてもよいことではないかと私自身は考えるというふうに御発言いたしました。
◆白井委員 利活用がよいのだと発言されております。今回、関内駅周辺地区エリアコンセプトブック案が示されて、意見募集中で、この中で、現市庁舎についての記述は、現市庁舎建物の概要等を示すとともに、活用する場合におけるさまざまな事例を提示しますとなっていて、保存活用を必須にしていませんので、発言とちょっと違っているのですけれども、問題だと思うのです。なぜ心変わりされたのかを伺います。
◎平原副市長 今回お示しをしております関内駅周辺地区エリアコンセプトブック案でございますけれども、これは、関内駅周辺地区全体の新たなまちづくりの方向性をまとめたものでございます。一方、行政棟の取り扱いは、平成29年3月に策定した実施方針で定めております。実施方針は、素案の時点では、行政棟については活用を基本としていましたけれども、その後の市民意見募集やサウンディング型市場調査、また、市会や審査委員会での議論を踏まえ、活用を基本としつつ、さまざまな提案を公平に評価しますという内容で定めたものでございます。(私語する者あり)
◆白井委員 このブックでは、そのときの行政棟は活用を基本としつつ、これが切り捨てられていますから、解体をしての再整備も可能というふうに転換したということでいいでしょうか。
◎平原副市長 少し繰り返しになりますけれども、関内駅周辺地区エリアコンセプトブック案は、関内駅周辺地区全体の新たなまちづくりの方向性等を示したものでございます。行政棟の取り扱いについては、平成29年3月に策定した実施方針に基づきます。実施方針ではさまざまな提案を公平に評価しますとしておりますので、解体再整備に転換したものではございません。(「してもいい」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 それでは、10月1日の常任委員会で平原副市長から、市長も承知の上で変えたと発言がありましたが、これはどういう意味なのでしょうか。市長に伺います。
◎林市長 行政棟については、平成28年11月の実施方針素案でございますが、活用を基本と記載しておりました。その後、より幅広くすぐれた提案を受けられるように、「活用を基本としつつ、『横浜らしい街並み景観の形成』及び『地区の活性化』等に資する提案があれば柔軟に対応し、様々な提案を公平に評価します」という内容で横浜市として実施方針を定めました。(「わからないよ」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 それでは市長の発言は一貫性が損なわれていて、大問題だと思うのです。ブックには、活用を基本ということをしっかりと明記すべきだと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)現市庁舎は、2009年に50億円かけて耐震工事を行い、あと50年使うとされていました。それが解体となれば、50億円を10年でみすみすどぶに捨てることになりかねません。2017年、日本建築学会は、保存活用を求めて市へ要望書を提出しています。先日、市が主催した関内駅周辺地区の新たなまちづくりシンポジウムでは、現市庁舎建物について、パネリストから歴史的に貴重として活用を求める声が上がったと報道もされています。市長が当初表明されたように、立ち返って保存活用の考えを堅持すべきですが、見解を伺います。(「そうだ」「きちっと明記して」と呼ぶ者あり)
◎林市長 先ほど私は丁寧に記者会見のときのお話をさせていただきましたけれども、完全に決めたわけではないのですがということを申し上げているのです。(私語する者あり)そこはきちんと申し上げたいと思います。それからあと、耐震をやらせていただいたわけです。平成19年から平成21年にかけてでございますが、当時、行政棟は国が定める耐震基準を満たしていないために市全体の危機管理を行うために必要でありましたけれども、一方で、新たなまちづくりに向けて、行政棟の取り扱いについてはさまざまな御意見がありますし、やはり時代の変化の中で考えていかなくてはいけないということの中で、結果的にはこういう新市庁舎建設に至ったものだと思います。(「別に新庁舎のことを聞いてないんだから」と呼ぶ者あり)
◆白井委員 その2016年の発言で先ほど市長から説明があったのは、利活用がよいというふうにお話ししたのですということはしっかりと先ほど聞きました。それで、平原副市長のほうから手続の説明がありまして、手続は踏んできて変えたのだということですけれども、どちらを向いて仕事しているのかが問われますので、市民のほうを向いた仕事をよろしくお願いします。


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