◆古谷委員 日本共産党、古谷靖彦です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、放課後児童育成施策を充実させる立場で質問したいと思います。
放課後キッズクラブの17時以降の利用である区分2の登録児童数、そして放課後児童クラブの在籍数を合わせると、全国学童さんの資料などによると、本市の放課後児童育成施策の利用状況は非常に低調であるというふうに見えます。これについて局長の見解を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 放課後児童健全育成事業の実施方法は市町村によってさまざまなやり方で行っておりますので、全国の数の比較ということで今おっしゃっていただきましたけれども、一概に単純に比較するというのはなかなか難しいかとは考えております。
◆古谷委員 私も資料を幾つか見ましたが、全国平均の3分の1程度しかないというところも見ています。そこで伺うのですが、キッズと学童についてそれぞれ、やはり伸びないハードルになっていることが幾つかあると思います。まずキッズについて、留守家庭児童の放課後の居場所のニーズがなかなか満たされていないのではないかということをずっと指摘し続けているのですけれども、局長の見解を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 まず、放課後キッズクラブを19時まで利用している区分2というのがございますけれども、こちらの登録児童数については、私どもが考えておりましたニーズ量に比べると、委員御指摘のとおり少ないというような状況になっておりますが、これについては17時までの利用となっております。目標の設定外になっておりますけれども、区分2に対して区分1でございますけれども、こちらに留守家庭の児童が多く含まれているということもありまして、こちらの部分については利用率が少し下がっているということを考えております。ただ、使っていただいている方々にお聞きをしますと、ニーズ調査の内容等ですと、活動等の内容についてはそれぞれ満足、やや満足と回答していただいた保護者の方は全体の79.3%という数字も出ておりますので、一定程度満足もいただいている、利用していただければ満足いただけるのではないかとは考えております。
◆古谷委員 ぜひ、ここはもう少し丁寧な実態の把握をしていただきたいと思っています。
学童のほうですが、学童さんのなかなか使いづらさの大きな原因というのはやはり利用料金にあると思っていて、例えばキッズの3倍以上に及ぶ利用料金の高さ、これについて局長の見解をまず伺います。
◎齋藤こども青少年局長 本市では、クラブの運営を支援するために、児童数に応じた基本補助、それからクラブの実情に応じた加算補助を現在行っているところでございます。利用料につきましては、本市の運営費補助を活用していただきながらそれぞれのクラブが実際の運営の実情に応じて決定していただいているというふうに考えています。これまでも本市としては今申し上げたような運営費の補助を充実させてきていると思っておりますので、今後もクラブの運営をできるだけ支えていきたいと考えております。
◆古谷委員 局長、今まで何もしていないとは言いません、打たれていた施策の結果でこういう高い金額になっていて、利用者から見れば、どちらとどちらを選びますかというと、3倍以上の金額のところとキッズの金額と比べると、やはりなかなか比べられるのかというのは本当につらいと思います。ですから、利用者の立場からどうなのかということはぜひ見ていただきたいですし、引き下げるための施策をぜひ進めていただきたいと思います。
引き続き学童について伺いますが、法で規定され、今年度中で基準適合させるということになっていますが、結局、移転できないで、あるいは、移転できないで面積基準を満たすために定員を減らすことで対応した施設と削減した定員数を伺います。
◎宮谷青少年部長 移転するか、または調整するか、または分割するかというのは支援策を御用意させていただいて、それぞれのクラブが実情で判断していただいたものでございますが、平成27年4月1日時点において面積基準のみを満たさなかったというクラブは66クラブございました。そのうち今年度の4月までに定員変更によって基準を満たしたというクラブは22クラブでございます。22クラブの平成27年度と今年度との定員を調整した差は合計で275名となっております。
◆古谷委員 つまり引っ越しをやらなくて、あるいはできなくて270名ぐらいの定員が結果減ってしまったということですから、非常に大きな問題だと私は思っています。それぞれ事情はあると思います。今年度中の引き続き支援をしていただくことはぜひお願いしたいのですが、次年度以降の計画のところで、キッズと学童の区別はありませんが、受け入れの定員数はそれぞれふやしていかなければならないということがあろうかと思います。その際に、キッズのほうは全校展開だということですから、放課後児童クラブの新設も積極的に進めなければならないと思いますが、局長の見解を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 放課後児童クラブの新設については、今もそうではございますけれども、設置の御相談をいただければ私どもとしてもきちんと対応させていただいて、アドバイスなり御支援を差し上げるというような形をとっております。今後も放課後児童クラブの御要望についてはきちんと対応させていただきたいと考えています。
◆古谷委員 今学童さんが運営されていて、例えば建物の問題、あるいは利用料金の高さの問題、ニーズを正確に把握する問題とか、今でも考えられている問題がたくさんありますから、そういうことをしっかりフォローして援助して、新設についても積極的に進めていただきたいと要望しておきます。
続いて、病児保育事業について伺います。
一部の区で病児保育事業の整備が何年も進んでいないということを聞いていますが、その区がどこかというのと、なぜ進まないのか、伺います。
◎吉川子育て支援部長 病児保育事業が未整備の区は、中区、南区、栄区の3区となります。進んでいない理由ですけれども、本市は、病児保育の新規整備を行う区について、小児科を標榜する医療機関を対象に毎年度募集を行っていますが、近年応募がなく整備が進まない区があるという状況がございます。これらの区につきましては、小児科が比較的少ないことや市中心部では物件の賃借料が高額な状況がございます。また、利用者が十分にふえないことやキャンセル率が高いことから、経営が厳しい事業者がいる現状があることも新たな応募に至らない理由と考えております。
◆古谷委員 非常によく分析されていると思うのですが、だからふえないのだということですけれども、ではどうするのかということですけれども、整備が進まないことについてどう対応されるのか、伺います。
◎齋藤こども青少年局長 ただいま御答弁しました一定期間応募のない区というのが3区ございますけれども、こちらについては鉄道の沿線や生活圏が同一の隣接区での整備など、通いやすいようなところで整備を検討するということは一つ必要かと考えています。それから、今年度、令和元年度から、地域及び利用者に対する支援ということで、病児、病後児保育室の利用率の向上やキャンセル率の低下につながるようにモデル事業を実施させていただいています。経営を安定化させることで、今まで手が挙げられなかった方々にも新規参入をしてみようかと思っていただけるような事業になるように取り組みを進めているところでございます。
◆古谷委員 ぜひそれはお願いしたいのですが、一方で利用者の側から見ると、そもそも病児保育のニーズは把握されているのでしょうか。
◎吉川子育て支援部長 病児保育のニーズにつきましては、今、子ども・子育て支援事業計画という中でニーズ量の把握もアンケート調査等でも実施いたしまして、それを踏まえての確保量ということで、計画の中に位置づけて進めているところでございます。
◆古谷委員 何人が必要であるということはわかっているのでしょうか。
◎吉川子育て支援部長 現在、来年度からの第2期子ども・子育て支援事業計画の策定作業を進めているところでございますが、昨年度実施をいたしました次期の計画に対してのニーズ調査の中では、全市で年間9万538人のニーズがあると見込んでいるところでございます。
◆古谷委員 例えば鶴見区は今2カ所病児保育があるのですけれども、私は子供が4人いるのですけれども、1回も使ったことがないのです。なぜかというと、非常に遠いところにあるのです。鉄道の沿線でもなければ家からも遠いので実際は使えないということがありますので、病児保育自身は非常にニーズの高い事業だと思っているので、そこはニーズをしっかり捉えた配置も含めてぜひお願いしたいと思うのですが、局長、いかがでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 委員御指摘のとおり、非常にニーズの高い事業だと我々も思っております。本市の厳しい財政状況の中でも、身近な場所で病児保育を利用できる環境を整えるということは重要だというふうに我々も認識はしております。まずともかく現計画の目標整備量、現計画は今年度いっぱいでございますけれども、これをまだ満たしていないという現在状況がございますので、まずはそれを確保するためには引き続き全力で取り組みたいと思っております。その上で、先ほど部長が御答弁申し上げましたとおり、5年に一度の子ども・子育て支援事業計画の改定時に、今申し上げたようなニーズ量を算定しておりますので、それをもとに計画的な整備数の目標を立てて、きちんと整備ができるように、先ほど言ったような改善策も含めて今後取り組んでいきたいと考えております。
◆古谷委員 ぜひお願いしたいのですけれども、実態に合わせた整備計画をつくっていただきたいと思います。
続けて、保育所における事故対応について伺います。
子供を預かってもらっている保育園で残念ながら事故が起きた際に、その後トラブルで裁判にまで発展するケースがよくあります。私のところにも幾つも相談が実は寄せられています。保護者の方々が口々に言うのは、何が起こったかを知りたいのだと、決して裁判でお金を取ろうなどとは思っていないと。何が起きたか知りたいから結局裁判になったのだということを言います。加害者が園の場合、何が起こったかを説明しているのは、加害者である園がするしかありません。ですから、園で事故が起こった際、どういった流れで報告等があるのか、まず伺います。
◎吉川子育て支援部長 保育所からは、死亡事故、または治療期間が30日以上の重篤な事故等が起こった場合について、日時、発生状況、対応の経過、発生要因、改善策等をまとめた報告書を市へ提出していただくという形になります。発生の事実などの第一報につきましては原則として当日中に、再発防止に資する要因分析を含めた第二報は1カ月以内に報告をいただくという形になっています。市は、第一報の報告内容を踏まえて保育所に対して指導や助言を適宜行った上で第二報を受領いたしまして、県と国にも提出するという流れになっております。
◆古谷委員 大事故が起きた際に保護者への十分な説明と納得をしてもらわなければならないと私は思いますけれども、本市は園に対してどのように指示をされているのでしょうか。
◎吉川子育て支援部長 事故発生時の対応といたしましては、保育所に対して、まず保護者の方へ連絡をいたしまして、現在把握している事故の事実を正確に伝えることとあわせまして、事故報告書の内容についても保護者の了解を得た上で提出することを求めています。なお、事故発生の当日に提出する第一報については、保護者の了解の有無にかかわらず速やかに市へ提出するようにということで指示をしているところでございます。
◆古谷委員 その事故報告書が大変問題です。先ほど保護者の同意を得てと書いてあるのですけれども、事故報告書のフォーマットの中には一切そのことがありません。これは一番問題になっていて、保護者の方が事故報告書を見たときに、本当にこのような事故なのですかということが裁判のきっかけです。ですから、保護者の方が園に不信感を持つことがないように、園がもっとしっかり説明できるように、市として事故報告書を受け取るときに保護者に同意をとることを必須とするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 園での事故について、保護者が保育所から正確な説明を受けて御理解をいただくということは、当然ではございますけれども、安全安心して保育所を御利用いただくためには重要なことだと当然我々も思っております。本市として、保護者に誠意を持った対応をするように保育所には求めております。事故の発生状況や対応経過等をまとめた御指摘の事故報告書について、どういう形で保護者から了解を得るか、そういう方法についてもこれから検討していきたいと考えています。
◆古谷委員 ぜひ改善していただきたいと思います。時間がないので次に行きます。
次に、保育の無償化に伴う問題について伺います。
朝日新聞の報道によれば、市内の認可保育所において副食費、おかずやおやつを減らすといった記事が掲載されて、記事は、保育の質を落とすとしたら無償化は本末転倒だと締められています。局長の感想を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 副食費の関係だと思いますけれども、これまで保育所等の3歳児から5歳児クラスの給食における副食費、おかず代でございますけれども、保育料の一部に含まれておりました。今回の無償化に伴いまして、施設が保護者から実費徴収をするということに伴う記事と思っております。副食費の実費徴収に当たりましては、施設の運営に影響がないように国でも制度設計をしてございますので、無償化に伴って給食を含め保育の質が落ちることは私どももあってはならないと考えています。
◆古谷委員 ぜひ調べていただきたいと思います。
認可外保育施設の中には無償化を機に値上げを行うということもあると聞いています。その実態についてつかんでいるかどうか、伺います。
◎吉川子育て支援部長 我々として、保育料そのものについて、認可外保育施設からは報告いただくということが義務という形にはなっておりませんので、現時点では認可外保育施設の保育料については把握していないという状況でございます。
◆古谷委員 続けて、認可外保育施設の問題なのですが、基準を満たさない認可外保育施設まで無償化の対象にしたということについて改めて理由を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 国は、待機児童問題があることから経過措置期間を設けて全ての認可外保育施設を無償化の対象としております。本市におきましても、認可保育所に入れずに認可外保育施設を利用している子供が数多くいらっしゃいます。本市としては、質の確保に向けた取り組みを進めるということを前提に、このような理由から全ての施設を対象とすると決めてございます。
◆古谷委員 支払いについて平等だというのは私も賛成です。しかし、そうであれば、提供される保育の質が不平等だというのはこれは本当に問題だと思っています。この点については本当に強く改善を要望したいと思います。
基準を満たしていない施設での保育の事故の発生を心配していますが、局長の見解を伺います。
◎齋藤こども青少年局長 私どもも、認可外保育施設だけではなくて全てでございますけれども、事故は発生させてはならないと強く思っています。今回の無償化も契機としまして、先ほど申し上げたとおり認可外保育施設の質の確保にはとにかく一層取り組んでいきたいと考えております。具体的に立入調査や助言、指導の強化、新たな研修の実施に加えて、巡回訪問では、認可外保育施設への訪問数をこれまで以上にふやすとともに、施設ごとの課題に合わせてアドバイスを行ってまいりたいと思っています。また、児童の安全面に配慮した保育環境づくり、積極的な情報公開等を通じまして、それぞれの園の保育の質の確保に努めていきたいと考えています。
◆古谷委員 監査等は他都市に比べてもよくやられているということは承知をしております。しかし、それにしても、これだけではまだまだ足りないと思っていますので、ぜひ質を上げていただきたいと思います。幾ら監査をしても、それに従わない施設も無償化の枠組みに入っています。5年の猶予期間も長過ぎると思います。認可園への移行支援をもっと強めるべきだと思いますが、どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 繰り返しになりますけれども、まずはとにかく認可外保育施設の質の確保に一層取り組んでいきたいと思っております。基準に適合しない認可外保育施設に対しては、継続的に助言とか指導、研修受講機会の提供など新たな取り組みの実施、それから既存の取り組みをさらに強化するということで、経過期間は5年ございますけれども、その期間にかかわらず、一つ一つの園に対して早急に基準を満たすようにこちらからも強く働きかけを行っていきたいと考えています。
◆古谷委員 基準に従わなくてもいい期間をやはり5年よりも短い期間に制定すべきだと思いますし、基準を満たさない施設は無償化の対象から外すべきだと思いますが、どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 一応法の枠組みでは経過期間は5年となってございますが、私どもも、5年間あるからといってその間に質を向上すればいいと思っているわけではございません。先ほども申し上げましたとおり、できるだけ早く一つ一つの園に対して基準を満たすようにということで、指導を初め強く働きかけを行っていきたいと考えています。
◆古谷委員 ぜひそれを条例で定めていただきたいというふうに思っています。改めて要望します。
最後に、大津市での事故を受けての本市対応について伺います。
園外活動の安全確保のために本市が園に求めたことは何でしょうか、伺います。
◎吉川子育て支援部長 国の定める保育所保育指針においては、安全点検や職員間での情報共有が必要と位置づけられています。これを受けまして本市といたしましても、保育所保育指針の内容に加えて、園外活動において児童の居場所の確認等を複数で行うことや、移動中の誘導方法に配慮すること、保育者を余裕を持って配置することを指導しています。
◆古谷委員 今述べられました余裕を持った職員配置を園に求めるのであれば、市としての必要な対応を講ずるべきだと思いますが、どうでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 まず、今御答弁申し上げました通知文に入っている内容でございますけれども、これまでも園外活動の安全対策ということで御対応いただいている事例について、今回の大津の事故がございましたので改めて確認を求めたというところでございます。本市では、国の基準に上乗せして保育士配置を求めてございますし、余裕を持った職員配置を行うためのローテーション保育士の雇用費の加算も行っているところです。園外の取り組みに対する余裕を持った見守りができる保育士の加配という点については、従来からあります保育補助者雇用経費を活用することも可能だというふうに考えておりますので、きちんと園外のことについては対応していただきたいと思っております。
◆古谷委員 加配されていることは承知しているのですけれども、現場は非常に苦しい現状を言っております。局長の見解はいかがでしょうか。
◎齋藤こども青少年局長 それぞれの園の取り組みはさまざまあるかと思いますが、考え方にもよるとは思いますけれども、園のほうで余裕を持って保育士さんなり、見守りをする方を配置するというようなことができれば、そのようなお話が出てこないのかとは思います。ただ、私どもとしても、国の基準では幾らなんでもだろうというようなことで、先ほど申し上げたようなさまざまな取り組みもやらせていただいておりますので、園の中でその範囲の中で工夫をしていただいて、子供の命をしっかりと守るということで取り組んでいただければと思っております。
◆古谷委員 やはり市の基準も少ないと思います。大津での事故を受けて保育園からは、お散歩コースなどのたくさんの安全対策の要望を寄せられたと聞いています。速やかにその対応を行っていただきたいと要望しますが、今後恒常的に安全点検の要望を受け付ける仕組みをつくるべきだと思いますがどうか、伺います。
◎齋藤こども青少年局長 私ども現状でも、保育所等から委員御指摘の道路の危険箇所とかの御意見をいただいた場合は、それに対して対応は行っているところでございます。今回大津の事故を受けまして現場の保育所等においても、園外活動等のときの交通安全に対する意識は非常に高まっていると強く感じているところでございます。園外活動自体は児童の発達にとっても非常に大事だと思っておりますので、その安全対策はなおさら重要だと思います。今回の一連のチェックだけではなくて、引き続き関係部署と連携をしながら、保育所からの個別の要望について丁寧に対応させていただきたいと考えています。
◆古谷委員 園庭のない保育園が多い本市ではやはりこの問題はしっかり対応する必要があると思っていますし、保育士が加配されているのは本当に承知しているのですけれども、それだけでは実態は足りないというのはありますので、ぜひ改善を求めて、質問を終えます。
議会での質問・討論(詳細)
2019年10月3日