◆河治委員 日本共産党の河治民夫です。よろしくお願いします。
委員長、スライドの許可をお願いします。
○斎藤[真]副委員長 はい、どうぞ。
◆河治委員 最初は、再生可能エネルギーの利活用についてです。
頻発する台風や豪雨などの異常気象は地球温暖化によるものであり、その対策は避けて通れない地球的課題となっています。9月23日、国連気候行動サミットが国連本部で行われ、世界77カ国の首脳らが2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を表明しました。来年本格始動するパリ協定のもとで対策を強化する方向性を明確に示したものです。(資料を表示)スライドをごらんください。横浜市は昨年、横浜市地球温暖化対策実行計画を改定し、2050年までも見据えた脱炭素化、ゼロカーボンヨコハマの実現を掲げました。
そこで、ゼロカーボンヨコハマの基本的な考え方について伺います。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 ゼロカーボンヨコハマの実現には、まずは徹底した省エネによるエネルギー消費量の削減を推進し、その上で必要なエネルギーを全て再生可能エネルギーに転換することが必要です。昨年10月に改定した横浜市地球温暖化対策実行計画では、COOL CHOICE YOKOHAMAによる全市的な地球温暖化対策の連鎖づくりや、脱炭素経済への移行検討とイノベーションの推進、再エネのスマートな活用検討等を重点施策と位置づけており、これらの施策を推進することで省エネの推進と再エネへの転換を目指してまいります。
◆河治委員 政府のエネルギー政策は、原発や火力発電を基幹電源として、いまだに石炭火力の拡大や売り込みを進める方針です。国連で行われた国連気候行動サミットでは、首相が出席することもできず、若手リーダーと言われる環境大臣も火力発電を減らすと言ったものの具体策は何も言えず、世界の流れへの逆行です。一方、同サミット参加の本市の薬師寺温暖化対策統括本部長は、新たなビジネスチャンスになるポジティブなものとして捉えているとの発言が報道されました。
そこで、サミットに参加された感想と国の温暖化対策はどうあれ本市の脱炭素化方針全うの決意を温暖化対策統括本部長に伺います。
◎薬師寺温暖化対策統括本部長 先ほども御答弁申し上げましたが、サミットでは関係者から非常に熱のこもった発言が続きまして、世界の潮流を実感する貴重な機会であったと考えております。また、非政府アクターの多くの皆様と意見交換を行うことができ、課題や成功事例を共有いたしました。今回の経験を踏まえ、世界の多様なステークホルダーと連携しながら、ゼロカーボンヨコハマに向けて着実に取り組みを進めてまいります。
◆河治委員 本市の基本的方針、このゼロカーボンヨコハマについての副市長の見解も伺います。
◎小林副市長 先ほど来、御答弁申し上げましたけれども、気候変動の対策というのがまず第一にございます。それは、地球温暖化対策というところにもつながります。そのことは、例えば今、異常な気象、ゲリラ豪雨などを見ても市民の方は実感していると思います。これからどうしていこうかということは、市民の方も、企業の方も考えられていることだと思いますが、いかにそれを実践した行動にするか、あるいは持続的な行動につなげていけるかといったことが重要なことだと思っております。そのための取り組みは、今薬師寺本部長が申し上げたとおりでございますので、そこの部分について一つ一つ、まだまだ緒についた段階ではございますが、先を見通して積極的に取り組んでいきます。
◆河治委員 本市は、市内の再エネ発電能力は市内使用電力の10%程度と想定し、再エネポテンシャルの大きな地域との連携が不可欠としています。本市が2月に東北12市町村との連携協定を結び、9月には青森県横浜町の風力発電電力が横浜市内の6事業者への供給が始まり、協定第一弾となったことを我が党は大きく評価します。
そこで、本市の計画を実行するために脱炭素化を目標とした再エネ普及をどのように進めるのか、伺います。
◎沼田企画調整部担当部長 脱炭素化の達成には、再生可能エネルギーへの転換が最も重要な課題と認識しております。本年第2回市会定例会で御報告申し上げましたとおり、現在、再エネ転換の具体的な道筋について検討を進めているところでございます。再生可能エネルギーの地産地消、あるいは市域外からの調達等について拡大方策を引き続き検討してまいります。
◆河治委員 連携した東北地方12市町村の再エネ能力は750億キロワットで、本市の年間電力消費量約160億キロワットの4倍以上と聞きます。連携協定書では、再生可能エネルギーの創出、導入、利用拡大に関することで連携し協力するとあります。残り11市町村との電力供給に対する今後の見通しや本市の果たす役割について伺います。
◎沼田企画調整部担当部長 今回連携協定を締結しました12の市町村の実情はそれぞれ異なっております。各市町村の実情に応じた電力供給の仕組みの検討を、先方の市町村と連携を図りながら進めてまいります。また、発電事業者や小売電気事業者、需要家など民間事業者の果たす役割が大きいため、こうした事業者の橋渡し的な役割についても引き続き取り組んでまいります。
◆河治委員 アップル社などは、使用電力を全て再エネで行おうとするRE100に登録し、企業としてのグレードを上げています。しかし、RE100の対象は大企業のみです。脱炭素化を実現するには、市内企業の99.5%を占める中小企業が再エネを受給する仕組みが必要です。中小企業の再エネ転換をどのようにするのか、伺います。
◎沼田企画調整部担当部長 大企業だけではなく、そのサプライチェーンに対しても環境対応がより厳しく求められる、こうした流れが強まっております。市内中小企業にとっても、今後、再生可能エネルギーへの転換などの対応が欠かせないものになってきていると考えております。このため、中小企業向けセミナーの開催など、中小企業に対する働きかけや支援を強めてまいります。今後とも、再生可能エネルギーへの転換が企業の成長発展のチャンスになるように取り組んでまいります。
◆河治委員 脱炭素化は市民の協力が重要です。市民にCO2の少ない電力の選択を働きかけると聞いています。スライドはいただいたリーフレットです。説明してください。また、どのように活用するのかも伺います。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 ただいまごらんいただいておりますリーフレットの説明をさせていただきます。低炭素電力の選択について市民の皆様に普及啓発を行うため、例えば、発電方法によって排出されるCO2の量がその電力によって異なることであるとか、それから具体的な電力会社への切りかえ方法などを詳しく市民の皆様に説明したリーフレットでございます。このリーフレットは、各区でも開催しておりますさまざまなイベント、それから、先ほど申しました横浜市地球温暖化対策推進協議会とも連携しながら、いろいろなところで配付して周知をさせていただいているところでございます。
◆河治委員 私は、今年度の予算局別審査で、初期投資ゼロの屋根貸し太陽光発電の普及の強化を求めました。半年が過ぎました。どのように進んだのか、伺います。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 横浜市地球温暖化対策推進協議会、それから民間企業が連携した太陽光発電普及キャンペーンでは、事業所向けの初期投資「0円」モデル、それから個人住宅向けの太陽光の設置を進めているところでございます。今年度は、8月末現在で事業所等に3件、それから個人住宅には13件の設置が進んだと聞いているところでございます。それから、現在、相談が30件以上来ておりますので、これについても、成果に結びつけていきたいということで考えております。こうした民間主導による取り組みを一層支援いたしまして、太陽光発電設備の普及促進を図ってまいりたいと思います。
◆河治委員 市民啓発には、市役所が率先して市民に示すことが重要です。そこで、事業者である横浜市の再生可能エネルギー導入の考え方を伺います。
◎関川環境保全部長 横浜市地球温暖化対策実行計画市役所編では、公共建築物の新築時には再生可能エネルギー設備を原則として導入することとし、新市庁舎では太陽光発電設備や地中熱利用設備を導入する予定となっております。また、新たに設備を導入することが難しい既存の施設におきましては、調達する電力を再生可能エネルギーを積極的に導入している小売電気事業者から購入し、温室効果ガス排出量の削減を進めてまいります。
◆河治委員 鶴見区役所には2005年に太陽光発電が設置され、しかし故障し、6年間も稼働していません。脱炭素化や市民啓発の点でマイナスです。なぜ修理しないのか、いつ修理するのか、伺います。
◎奥野温暖化対策統括本部副本部長 鶴見区役所の太陽光発電については、所管は鶴見区になっているところでございます。ただ、財政的な問題などにより、残念ながら現在に至っているところでございます。当初この太陽光発電設備を設置いたしました経緯から、我々温暖化対策統括本部にも区から御相談を受けているところでございまして、現在、関係局と連携して、早期修繕に向けて調整を進めているところでございます。(「全然やる気ない」と呼ぶ者あり)
◆河治委員 ゼロカーボンヨコハマを目指しているわけですから、温暖化対策統括本部が積極的に設置費用も含めて、ぜひお願いします。市役所では、二酸化炭素の少ない電力の導入に取り組んでいると聞きます。メニューの横浜型グリーン電力入札制度について説明してください。
◎関川環境保全部長 市役所の使用電力のグリーン化を進めるため、横浜型グリーン電力入札制度を平成18年度から運用してきております。昨年度、横浜市地球温暖化対策実行計画市役所編の改正に合わせまして制度の見直しを行ったところでございます。改正後の制度では、全ての電力調達を対象といたしまして、調達の際には再生可能エネルギーを積極的に導入している小売電気事業者を選択できる仕組みといたしました。令和2年度の契約から運用を開始いたします。
◆河治委員 ゼロカーボンヨコハマを進めていくためには、私たちも含めてオール横浜で取り組んでいくことが必要だと思います。私たちも頑張りますので、ぜひお願いします。
次は、浸水対策についてです。
9月3日、港南区の芹が谷地域ではゲリラ豪雨で床上・床下浸水が起きました。私は、みわ委員と一緒に現地調査を行いました。これはそのときの様子です。浸水当日の様子、現場は低い地域で、過去にも被害が何回もあり、対策として、今スライドにあります雨水排出口の拡張、そして排水ポンプが設置されていました。浸水被害のあったAさんは、ポンプが作動していたら床上浸水にはならなかったと怒り心頭でした。
そこで、芹谷川の排水ポンプの設置目的、設置年数、ポンプの能力について伺います。
◎遠藤下水道管路部長 排水ポンプは、河川の水位上昇時に雨水管内の雨水の一部を河川へ直接排水するため補完的に設置しているものでございます。このポンプは平成17年度に設置いたしまして、排水能力は毎分6立方メートルとなってございます。
◆河治委員 排水ポンプは手動式でした。当日、Aさんは芹谷川の水位上昇を察し、ポンプ作動を求め、何回も土木事務所に電話したが、職員は対応できませんでした。被災地が何カ所もありその対応に追われ、芹が谷地域に着いたときには水は引いていました。そして、職員がポンプ操作をしたが、バッテリーが上がっており作動しなかった。非常用機器が非常時に作動しない、情けなくなります。排水ポンプに問題はなかったのか、メンテナンスはどのように行っていたのか、伺います。
◎遠藤下水道管路部長 これまでの非常時の稼働実績でございますが、直近では、平成28年度の大雨の際に2回稼働してございます。また、メンテナンスに関しましては、土木事務所職員が日常の目視点検並びに稼働訓練等を行ってまいりました。
◆河治委員 現場の話では、メンテナンス、起動は年1回だと言っていました。その後、9月9日、台風15号のときには、土木事務所職員は再度の被害を防ぐため、ポンプを起動水位に達する前に作動させたそうです。強風、豪雨の中、職員は命がけだったと思います。
そこで、浸水被害を減らすために排水ポンプの能力を上げ、自動制御に切りかえ、安全を担保すべきだと思いますが、伺います。
◎小林環境創造局長 現在、手動でポンプを稼働させる方式でございますけれども、今後は、水位を検知して自動運転できる方式への変更や能力の向上について早急に検討いたしまして対応していきたいと考えております。
◆河治委員 浸水がたびたび起こる当該地区についてはさらなる対策を図り、浸水被害軽減に取り組むべきと思いますが、伺います。
◎小林環境創造局長 昨今の大雨につきましては、本当にゲリラ豪雨ということで想定を超える大雨がございます。そういった際に市民の方の生命、財産を守るということは貴重でございますので、今回の浸水箇所、この場所は周辺に比べて大変地盤が低く、周辺から道路の雨水等が集まりやすいところでございます。それからまた、河川が大変複雑な形状をしているという、そんな状況もございます。今後はこれらの地域特性を踏まえまして、浸水被害が軽減できるような対策を中長期的な視点も取り入れて、土木事務所や河川部署と連携して検討してまいります。
◆河治委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。当該箇所は内水ハザードマップの浸水想定区域内に入っていると聞きます。横浜市全域でハザードマップでの指定区域と今回の豪雨による床上・床下浸水が重なった地域はどれくらいありましたか、また、今後、被害地域の対策はどうされますか、伺います。
◎竹内下水道計画調整部長 内水ハザードマップの想定する地域と床上及び床下浸水の地域が重なっているものについては17地域です。今後の被害地域への対策は、河川と水路を所管する道路局や土木事務所などと連携して原因を分析し、必要な場所への雨水ますの増設や水の流れをよくするための下水道管の改良などを検討していきます。
◆河治委員 当該地域の人は浸水に対応できなかったようです。この地域に限らず、全市的に市民に、所管課の英知による浸水に対する備え、それから対応のために作成された内水ハザードマップの認知度を引き上げるべきです。周知はこれまでどうだったか、またこれからどうするのか、伺います。
◎小林環境創造局長 これまで、床上浸水が想定される地域に個別配付してきたほか、広報よこはまへの掲載のほか、小学校への出前講座などさまざまな機会を通じて周知してまいりました。今後は、鉄道事業者等との連携による駅のデジタルサイネージなどの広報媒体の活用も検討しております。また、避難に多くの時間を要する災害弱者への周知として、地域ケアプラザなど地域の身近な施設での配付も進めます。さらに、QRコードなどを記載したPRチラシをイベントなどで配付して、さらなる周知に努めてまいります。
◆河治委員 ぜひよろしくお願いします。
次は、身近な公園についてです。
身近な公園は、地域住民の交流や憩いの場として重要です。街区公園や近隣公園など身近な公園の整備の考え方、充足率を伺います。
◎緒賀みどりアップ推進部長 横浜市水と緑の基本計画において、身近な公園は小学校区を単位に1校区当たり1カ所の近隣公園、2カ所の街区公園を標準として配置する計画としています。平成31年4月1日時点で、市内にある小学校区のうち約4割の小学校区で計画に定めた身近な公園が整備されております。残りの約6割の小学校区では公園は整備されていますが、計画に定めた水準には至っていない状況です。
◆河治委員 半分にも満たない充足率と聞きますが、なぜ進まないのか、伺います。
◎橋本みどりアップ推進担当理事 本市では、さまざまな市民要望に応え、身近な公園を初めスポーツのできる公園や大規模な公園の整備をこれまで進めてまいりました。この10年間で114公園、面積では合計111ヘクタールの公園が新たにふえています。一方で、市街地においては身近な公園を整備するための土地の確保が容易でないことなどから、計画に定める水準には至っていない状況でございます。
◆河治委員 公園整備を加速し、充足率を上げてほしいと思います。それで、今後10年間の見通しはどうですか、伺います。
◎小林環境創造局長 公園は、市民の皆様の憩いの場であるとともにレクレーションの場、生物の生息の場、また災害時の避難場所などさまざまな機能がございます。そういった状況も踏まえまして、今、横浜市中期4か年計画の中ではさまざまな土地利用の転換などを捉えて公園の整備をする予定でございまして、今後10年では、現在事業に着手しております近隣公園が4公園、そして街区公園が6公園ございます。これらの進捗をしっかりと図りながら、土地利用の転換等を踏まえて公園整備を進めてまいります。
◆河治委員 充足率の低い旭区には計画がありますか。そしてまた、場所も教えてください。
◎緒賀みどりアップ推進部長 旭区におきましては、中尾一丁目の元神奈川県職員寮の跡地において街区公園の整備の予定がございます。
◆河治委員 住民から公園のトイレの設置要望が私たちに寄せられます。トイレ設置の基本的な考え方、設置状況を伺います。また、近隣の要望数と整備件数もお願いします。
◎藤田公園緑地部長 遠くからの利用者が多い公園や野球場など滞在時間の長い公園など、近隣公園以上の大きな公園では原則設置しております。街区公園につきましては、一定の面積を有しまして、スポーツができる広場など長い時間滞在する施設がある公園で、地域の方々の同意が得られる場合に設置しております。身近な公園につきましては、トイレの設置状況は近隣公園で80%、街区公園では7%となっております。トイレの設置要望につきましては、広聴に寄せられているものにつきましては過去3年間で4公園ございます。
◆河治委員 最近、園庭のない保育園が急増しています。国や市が待機児解消の手法として、園庭のない保育園も認め、その代替として公園が使われています。各保育園が利用時間を調整するとも聞いています。ところが、園庭代替の公園にトイレがなく、水道の蛇口ハンドルが外されている話も聞きます。保育士さんがおまるを持っていくということも聞きます。悲痛に思いませんか。
要望の出されている公園トイレは、地域住民の理解を促して早急に設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。
◎小林環境創造局長 街区公園では、周辺にお住まいの方々の御理解が得られること、また、一定の面積があることなど条件が整えば、トイレを設置するケースもございます。保育園児等の方々が利用する街区公園へのトイレの設置については、近隣の住民の方との調整が大変重要でございます。また、必要でありますので、こども青少年局とも課題を共有しながら、それについては慎重に対応していきたいと考えております。
◆河治委員 園庭のない保育園というのは保育行政の大きな問題だと思います。そういった意味で全市がこれを見るという点で大事だと思いますが、副市長に見解を伺います。
◎小林副市長 園庭のないお子様を預かる場所は保育士さんがそういう運用をしてございますけれども、やはり待機児童対策をどうしていくかという中でそういう運用もしているということでございます。したがいまして、身近なところに、あるいは街区公園という御指摘ですけれども、そういうところにつけられる場所があれば、私どもとしても、委員が御指摘した課題については当然のことだと思っております。ただ一方で、今局長が申し上げたとおり、街区公園というのはまた別の方も利用しておりますので、そういう近隣の皆様との調整も必要になります。そうした難しい部分がございますけれども、そうしたことを調整し、よりよい方向に向けていくのが私どもの仕事だと思っておりますので、精いっぱいやっていきたいと思っています。
◆河治委員 終わります。
議会での質問・討論(詳細)
2019年10月4日