市政ニュース ・ 見解/声明
2020年3月24日

2020年第1回市会定例会(予算市会)を終えて

オール与党体制にひび割れ、一般会計予算案に立憲・国民フォーラムが反対

2020年3月24日

日本共産党横浜市議団

団長 あらき由美子

1月30日から開催されていた横浜市会第1回定例会は、本日、林市長提出の2020年度一般会計予算案をはじめとした予算関連議案すべてが自民、公明などの賛成多数で可決し、閉会。立憲・国民フォーラムは、カジノ誘致反対の立場から一般会計予算案に反対、長年のオール与党体制が崩れるという新たな局面が生じました。日本共産党は、本日、予算組替え動議を行い、その趣旨説明にみわ智恵美議員、予算案の反対討論に古谷やすひこ議員、中学校給食実施等を求める請願の不採択に対する反対討論を宇佐美さやか議員、教育委員の任命議案の賛成討論を白井正子議員が行いました。予算案の討論には、自民、公明、立国、共産の交渉会派と、一人会派の5人全員が登壇し、7人が反対討論しました。

⓵コロナ対策予算を計上せず

市民生活に深刻な影響を与えている新型コロナウイルス、市民の命、暮らしを守る立場から抜本的な対策をとるには、不要不急の事業を後回しにして財源を生み出す予算の組み換えが不可欠です。しかし市長は、予備費で賄うとして、補正予算編成を拒否。党市議団は現場目線で、本会議は勿論、予算特別委員会の局別審査でも、対策強化を団あげて要求。健康福祉局ではPCR検査体制の拡充を、医療局では市民病院への手厚い支援を、交通局では職員の感染防止策を、経済局では売上減で苦しむ業者救済策を、子ども青少年局では学童保育への運営費の加増は必須などと改善策を提案。

国民健康保険料の連続値上げを強行

自営業者、農家、無職の人等44万世帯・45万人が加入する国民健康保険の一人当たり年間平均保険料が2328円上がり、109.120円となります。値上げの直接の原因は、保険料負担を軽減するための一般会計からの国保会計への繰入金を31億円減らしたためです。市は、医療費の伸び率に応じて値上げするという方針に固執し、党市議団は、その不当性を徹底追及、予算組み替え動議では、値上げストップを求めました。一般会計からの繰入金削減は、国が厳しく地方自治体に求めているのもので、国民的規模の反撃が今後の課題です。

カジノ誘致の市長と全面対決

市長は、カジノ誘致にむけて関係予算4億円を計上、新年度中にIR事業者を決め、2021年の前半にIR実施計画の認定申請を行うとしています。一貫して誘致反対の論陣を張る党市議団は、新たな論戦に挑戦。市とアドバイザリー契約を結ぶ監査法人の海外同系法人が横浜進出を公言しているIR事業者2社の監査業務を受託している事実を告発し、事業者選定の不透明さを指摘。市が骨子を示したIR実施方針案には、山下ふ頭へのアクセスとして新たな交通手段・道路の整備が盛られています。臨港幹線道路やみなとみらい線の延伸には莫大な資金が必要です。その事業費負担を一切求めていないことを徹底批判。また実施方針案には国が中核施設としていないエンターテイメント施設をわざわざ横浜IRの施設として事業者に立地を求めています。安倍首相と親密な関係をもつラスベガスサンズは、エンタメを得意分野としており、この規定は同社に便宜をはかるもので、公平性を欠いていると糾弾。IRカジノを担当する副市長は、IRカジノ実施法はカジノ事業者による貸金業を禁じていると嘘を繰り返し、直接カジノ客への資金の貸し付けを認めている事実をひた隠ししています。その態度は市民を愚弄するものと厳しく批判。

ハマ弁の給食化を市長が表明 市民要求実現にむけ予算組み替え動議を提出

林市長は、2月21日の本会議で「デリバリー給食の要望は高い。令和3年度からの実施を視野に学校給食法に位置づけたハマ弁にする」と表明。自民党市議らのデリバリー型給食の早期実現を求めた質問に答えたものです。市長が理由にあげたデリバリ―給食の要望は高いというのは、市教委が実施した生徒・保護者を対象にしたアンケートで、ハマ弁を給食に位置づけてデリバリー給食として提供した場合、保護者の約7割が利用したいと答えたことを指しています。私は同日団長として「自民党からデリバリーとはいえ、給食実施を求める声が発せられたのは今日が初めてです。市民が市政を動かしたのです。デリバリー給食は全国的には不評で、多くの実施自治体が学校で調理する方式に切り替えています。自校方式を基本とした中学校給食こそ市民が求めるものです。その実現に全力をそそぐ」とコメントしました。

旧米軍上瀬谷通信施設跡地の土地利用計画に市民意見反映

市は、同跡地の土地利用計画案に対して市民意見を募集、党市議団は「横浜市政新聞」を発行、広く市民参加を呼びかけました。「環境再生を柱とした当初計画に戻るべき」「国・市有地にはテーマパークでなく、市民生活関連施設を」など702件もの意見が寄せられました。これらの意見にたいして市の見解は、国有地については、「公共性の高い公園・防災ゾーン」「公共施設を中心配置する」とし、テーマパークについては、民有地の土地利用として深度化するというものです。テーマパークは民有地の範囲内の規模にとどめ、国有地は使わないということであり、市民意見が行政に反映した好例です。しかし、テーマパークが立地する「観光・賑わいゾーン」の面積は縮小しておらず、環境再生とは真逆の大型開発計画の危険はそのままです。自然をいかす市民本位の土地利用計画となるよう市民との共同を強め、広げ、取り組みを継続します。

予算組み替え動議では、IRカジノ誘致、大規模開発を中止して、ねん出した財源を新型コロナ対策の本格実施、中学校給食の実施にむけた設計着手などを振り向けることを求めています。採決では一人会派の賛成がありましたが否決。

カジノ誘致を許さないたたかいは広がる一方です。市民の期待に沿えるよう引き続き力を尽くします。


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