議会での質問・討論(詳細)
2019年3月7日

■財政局(あらき由美子)

◆荒木委員 日本共産党を代表して質問いたします。

委員長、スライドを使います。よろしくお願いいたします。

○藤崎委員長 どうぞ。

◆荒木委員 まず、財産管理の適正化・利活用の推進について伺います。

宅地公募売却の最低売却価格はどのような手続で決定しているのか、伺います。

◎関森管財部長 財産評価基準要綱に基づきまして、面積が1000平方メートル以上、かつ見込み評価額1億円以上の案件は、横浜市財産評価審議会に諮問いたします。答申価格をもって本市の評定価格でございます。それ以外のものにつきましては、不動産鑑定評価書等の評価額に基づきまして、当局、財政局において評定いたします。

◆荒木委員 では、学校用地を取得する際の手続について伺います。

◎関森管財部長 教育委員会事務局が、用地選定を含めた学校整備計画を立案いたしまして、地権者等との協議調整を開始いたします。あわせて財産評価審議会の諮問に向け、評価条件などを財政局に事前相談を行い、財政局は助言等を行います。教育委員会事務局は予算措置を行いまして、財産評価審議会からの答申を受け、地権者との協議の上、財政局に取得依頼を行います。財政局は地権者と土地売買契約を締結し、取得した土地は教育委員会事務局が管理することとなります。

◆荒木委員 今の流れで言うと、学校用地の取得、これは教育委員会だけに任せているものではないというふうにも聞こえますけれども、では、教育委員会と市長部局との役割は法令でどのように規定されているでしょうか。

◎関森管財部長 地方教育行政の組織及び運営に関する法律がございます。第21条で、学校その他の教育機関の設置、管理及び廃止に関することは教育委員会の職務権限と規定されております。第22条で、教育財産を取得し、及び処分することは、地方公共団体の長の職務権限と規定されております。また、第28条で、地方公共団体の長は、教育委員会の申し出をまって、教育財産の取得を行うものとされております。

◆荒木委員 法律的な定義もわかるのですけれども、やはり学校用地を取得するに当たって、私たちが一番疑問に思っているのは、価格だけではなく、港北区の箕輪小学校の場合、地区計画の変更や容積率、建蔽率の緩和で利益誘導があり、なおかつ、野村不動産から買い取る土地の価格は常識では考えられないほど高額だった問題。それから、神奈川区の子安小学校が三菱地所の所有する土地に移転、建てかえを終了した後に、旧子安小学校の南側の敷地と土地交換を行うに当たり、三菱地所の言いなりとなった結果、26億円の支払いという過大な財政負担が生じ、旧子安小学校の敷地全体と三菱地所の所有する土地の等価交換であれば9億円の支払いで済んだという現状。どちらのケースも、貴重な税金を民間企業の条件そのままをうのみにして支払ったというふうに見えるのですけれども、この点の見解を伺います。

◎横山財政局長 子安小学校、箕輪小学校いずれも、地権者との長きにわたる協議の結果、学校用地として取得させていただいたものでございます。財産評価審議会の答申に基づいた取得価格の決定を初め、契約の手続は全て適切に行ってきたところでございます。

◆荒木委員 適切と言うのですけれども、事前に教育委員会から相談があった場合は、財政局のほうも現地調査をするのですよね。箕輪小学校の場合も見に行っているのでしょうか。この点、いかがですか。

◎関森管財部長 はい、現地の調査を行わせていただいております。

◆荒木委員 それをしたから画地認定したと思うのですけれども、私もあそこを見に行きましたけれども、買う土地の現状というのは、そばに鉄塔があって、道路接続もしていない、メーン道路から外れていましたよね。それから建物が建っているということで考えれば、一般の通常の考え方でいうと、あの価格で査定をされるというのは考えられないと思うのですけれども、そういう点でのアドバイスというのはしないのですか。

◎関森管財部長 一般の取引とは異なりまして、公共用地の取得ということでございますので、やはり用地補償の考え方で進めさせていただいておりますので、今のような御指摘は当たらないかと考えております。

◆荒木委員 でも、用地補償という考え方と、横浜市の今の財政状況が厳しいと盛んにさっきから言っている中で、渡辺副市長、こういう税金の使い方が市民の納得を得られると思いますか。

◎渡辺副市長 行政でございますので、先ほども御答弁させていただいた諸法令制度、あるいは市役所の中の財政局と例えば教育委員会との関係などを踏まえて、これは決して不適切といったようなそしりを受けないように、慎重に、しかも適切に進めてきたと、私は思っております。

◆荒木委員 本当に財政状況が厳しい中でのあり方としては、今オンブズマンもこの箕輪小学校の問題ではいろいろと手続をしていますから、やはりその点ははっきりと、私たちはこの問題は金額的には妥当ではないというふうに思っています。

 それから、まだ別にあるのですね。土地開発公社の解散時に市が引き継いだ土地、このみなとみらい21地区の土地について、解散時からの総額と売却金額、土地開発公社の簿価との差額を伺います。

◎関森管財部長 みなとみらい21地区では、平成25年度の土地開発公社解散以降、引き継いだ土地でございますが、7件売却を行いました。7件総額でございますが、売却金額は445億円、土地開発公社解散時の簿価581億円、差額は136億円でございます。

◆荒木委員 まだほかにもあって、みなとみらい以外には、磯子区の洋光台でいただいた資料だと、これも4億円で売却して、土地開発公社解散時の簿価は39億円、差額35億円。これは両方合わせただけでも171億円です。

では、この赤字はどうやって埋めたのですか。

◎横山財政局長 御指摘の土地につきましては、本市が土地開発公社に依頼して取得したものでございます。土地開発公社の使命が終わって、土地開発公社保有土地を引き継ぐに当たりまして、第三セクター等改革推進債を発行する際にも、土地開発公社の果たしてきた役割、あるいは本市の責務などにつきまして、丁寧に御説明をさせていただいたところでございます。経済情勢の大きな変動などによりまして、結果として売却価格と簿価との間に差が生じておるわけですが、当時としてはそれを予測するということは極めて困難でありまして、やむを得ないと判断しております。

今後とも土地処分を着実に進めまして、第三セクター等改革推進債の償還財源の確保に努めるとともに、みなとみらい21地区のまち並み形成やにぎわいの創出につながるように、しっかりと取り組んでいくことが、本市としての責任であると考えております。

◆荒木委員 今の予測不可能という言葉で片づけるというのは、余りにも無責任な発言だと思いますよ。だって、結果的には売れたときと買ったときの簿価の金額の差というのは市民の税金で穴埋めをするということで、副市長、先ほどから財政状況が厳しいということで、こういう結果責任を招いたということをやはり市民にもっと明らかにするべきなのではないでしょうか、いかがですか。

◎渡辺副市長 この間の社会経済情勢の変化、地価の下落の状況など、これは横浜市に限らず全国的な傾向でございますし、また、土地を保有していた主体は、行政に限らず民間企業なども同様であったと思います。したがって、これについては一定程度といいますか、やむを得ない状況であったと思っておりますが、そのあたりにつきましては、土地開発公社が役割を終えて第三セクター等改革推進債を発行する際に、予算案の中でもしっかりと御説明をしておりますし、毎年のこの予算書の中でもその部分は説明しておりますので、つまり市民の皆様からお預かりした税金など一般財源を使わせていただいて、そこは穴埋めをせざるを得ないのですということは御説明させていただいているというふうに思っております。

◆荒木委員 失敗に対する責任問題というのも、これは私たちが地元でお話しすると、皆さん本当にびっくりされますよ。やはりそういう税金の使い方がよかったのかどうか、過去のあり方も含めて、これもずっと問題視していきたいと思います。

次に、公共施設の保全管理についてです。

2019年度一般会計予算における公共施設の用途別の保全・更新費の内訳について伺います。

◎高木公共施設・事業調整室長 一般会計の保全・更新費は約690億円となっておりますが、用途別の内訳でございますが、公共建築物では、学校施設が176億円、市民利用施設等が133億円、市営住宅が33億円で、合わせて約340億円。インフラ施設では、道路等が182億円、公園施設等が100億円、焼却工場等が29億円、港湾施設等が18億円など、その他の施設と合わせて約350億円となっております。

◆荒木委員 スライドをごらんください。(資料を表示)今お答えいただいた市営住宅です。33億円という内訳にお金は入っているのですけれども、これは野庭です。階段の部分はぼろぼろ、さびています。しかも、穴があいています。下から見ると、さびが進んで、この白い部分が抜けているということですね。

それから、これは洋光台団地です。鉄筋のところ、それからブロックの部分、セメントの部分が見えています。階段のところも、このようにさびが見えてきています。天井の部分もこのような状況です。

いいですか。33億円で、もう築50年たとうとしている2つの市営住宅は、これからどういう方向で修繕計画、あるいは建てかえ計画がいくのでしょうか。

◎高木公共施設・事業調整室長 まず、基本的な考え方でございますが、市営住宅を含めた公共建築物の実際の保全・更新は、現場において確実な点検と的確な診断を行い、それに基づいて施設の劣化度合いや重要度を加味して実施しており、適切な保全・更新ができていると考えております。

スライドで御指摘いただきました、野庭とおっしゃいましたけれども、川辺ではないかなというふうに思っておりますが、鉄骨の避難階段につきましては、腐食が進んだ状態ではあるというふうには考えております。踊り場の欠損部分の補修及び再塗装につきまして、施設所管の建築局が平成31年度に実施する予定であるというふうに聞いております。

◆荒木委員 建てかえをするまでの間も、きちんと修繕計画はあったはずで、普通、防水の工事でいえば15年。ところが、横浜市のこの市営住宅は20年から25年ですよ。外壁もそうです、20年。あり得ないです。躯体によくない状況を、建てかえるからと、そのままほっておいたようにしか見えないのですけれども、この点の修繕計画も含めて、やはり33億円では全然足りていないのです。

今回、横浜市の予算でいえば、新市庁舎や北西線、こういうのは平成32年に合わせるとして、そちらを優先しています。実際に、やはり総務局の中でも一番ふえているのは、この新庁舎の部分の市債ですね。建築局はほとんどふえていないのですよ。だからやりたい事業もできていないということについて、渡辺副市長はどう思いますか。

◎渡辺副市長 新市庁舎整備の建設については、いよいよ平成31年度に最終年度を迎えます。このときに、他の優先する事業があるから、それでは工期を延ばしましょうとか設計変更しましょうというわけにはできません。したがって、これはこれで予定どおりきちんと終えなければいけないという状況ですので、それは御理解いただけるかと思います。

それから、公共施設の保全・更新につきましては、横浜の場合は特にそうなのですが、高度成長期に人口爆発と言われるほど人口がふえたりして、そのインフラの一つとして一気に整備をした。そういうものがまた一気に保全・更新期を迎えている状況にあるということもありまして、では、それを一気に今、単年度で保全・更新できるかといえば、それは現実的に難しい。したがいまして、もちろん市民の皆様の安全を脅かすといったようなことがないように、優先度を慎重に見きわめながら、適切な時間をかけて、修繕、そして更新を進めさせていただきたいと思っております。

◆荒木委員 先ほどのスライド、ごめんなさいね、川辺町住宅でしたね、階段のところ。それで、それにしてもですよ、住んでいる人たちの安全性を管理するということでいえば、私も洋光台団地を見てきたのですけれども、ブロック塀がぼろぼろなのですよ。落っこちてきたら、剥離したら、けがをするのは住民ですよね。そういう点では先送りできないと思うのですけれども、この点、副市長、改めて伺います。

◎渡辺副市長 昨年も、大阪北部地震でブロック塀の危険性が問題になりました。そのときには、これはもちろん全国的な課題ということもございますが、横浜市としてしっかりこれを受けとめて、補正予算もお願いして、対応を進めております。したがいまして、本当に住民の大多数の方から見てこれでは危険だと、そして市の職員もそれを見て、これはほっておけないということであれば、もちろん優先順位は最も高めますし、場合によっては、昨年のブロック塀のように補正予算なども組みながら、国にも要望して国費を導入しながら、急がなければいけないものは急ぐ、こういう方針で臨んでいきたいというふうに思っております。

◆荒木委員 そうしたら、それに見合っただけの予算をつけるべきですよね。修繕費も、建築局で調べたのですけれども、大体3億円から4億円の間ですよ。それで先ほど見せたようなところがたくさんあって、築年数も30年、40年経過しているところがたくさん出てきているわけですよ。副市長がおっしゃるように、たくさんあるから、だからそれは我慢しろという話ではないわけだったら、この予算こそふやさなければいけないと思うのですよ。でも、建築局の予算はわずか0.8しかふえていないのですよ。できるわけないではないですか。そこはどうするのですか。

◎渡辺副市長 長い年月をかけて整備してきたものがたまっておりますので、できる限り今後も予算の確保。これは、公共施設の老朽化の保全・更新に重点的に財源を投下する、傾けるということは、今後の財政運営、市政運営でも大きな課題の一つであるということは認識しておりますので、今回、平成30年度から平成31年度にかけての予算の伸びは余り大きくなかったかもしれませんけれども、今後ともこの点については十分認識をして重点化に努めていきたいと、そういう問題意識は持っております。

◆荒木委員 これから先の横浜市中期4か年計画があって、あと2年先は市債発行を抑制すると言っているではないですか、そうしたらどこから捻出できるのですか。それから、市営住宅でいうと400戸ペースでしか建てかえないのですよ。そんなので追いつくのですかね。その点でも明らかに、もっと市債の考え方を見直さなければいけないと思うのです。

優先すべきことは何なのか、改めて副市長に伺います。

◎渡辺副市長 平成30年度、平成31年度の新市庁舎整備、あるいは高速道路の整備、こうしたものが終われば、平成32年度、平成33年度については、生活道路とか、あるいは公園とか、河川など、市民に身近なインフラの整備あるいは更新については、新市庁舎整備などが始まる前のレベル、必要なレベルをきちんと維持しながら、プライマリーバランスの通期均衡が果たせるという見込みでやっておりますので、そこはぜひ、きちんと見込んでやっているのだということを御理解いただきたいというふうに思います。

◆荒木委員 690億円という先ほどの金額があるので、これがふえない限りはできないと思っていますから、次の予算のときにはそこをきちんと立てていただきたいと思います。

次に、市民の福祉・暮らし重視の予算編成ということで伺うのですけれども、政令指定都市全体で見た場合の2018年度当初予算における一般会計歳入に占める市税収入の割合を伺います。

◎川崎主税部長 政令指定都市全体で見た場合の一般会計歳入に占める市税収入の割合は40.4%でございます。

◆荒木委員 2018年度当初予算における一般会計の歳入額と市税収入額、一般会計歳入に占める市税収入の割合、そして割合の大きさで政令指定都市における横浜市の順位を伺います。

◎川崎主税部長 一般会計歳入額は1兆7300億円、市税収入額は8106億円、一般会計歳入に占める市税収入の割合は46.9%。政令指定都市におきまして、川崎市、さいたま市、名古屋市に次いで、横浜市は4番目に高い順位です。

◆荒木委員 2018年度当初予算における自主財源と依存財源の予算額と比率を伺います。

◎松浦財政部長 自主財源の予算額は1兆405億円で、比率は60.1%、依存財源の予算額は6895億円で、比率が39.9%となっています。

◆荒木委員 次に、2018年度当初予算における自主財源比率の政令指定都市における横浜市の順位を伺います。

◎松浦財政部長 川崎市、名古屋市に次ぎまして3番目に高い比率となっております。

◆荒木委員 次に、2018年度当初予算における市税収入額と個人市民税額、市税収入に占める個人市民税の割合、そして、その割合の大きさで政令指定都市における横浜市の順位を伺います。

◎川崎主税部長 市税収入の額は8106億円、このうち個人市民税は3867億円でございまして、その割合は47.7%で、政令指定都市におきましては、さいたま市と同率で最も高い順位となっております。

◆荒木委員 次に、2018年度当初予算における投資的経費、普通建設事業費と言いますけれども、この予算額と歳出に占める割合、割合の大きさで政令指定都市における横浜市の順位を伺います。

◎松浦財政部長 本市の投資的経費につきましては2303億円で、歳出に占める割合は13.3%になっています。政令指定都市での割合の大きさは、川崎市、仙台市、静岡市と並んで3番目でございます。

◆荒木委員 次に、2018年度当初予算における義務的経費の予算額と歳出に占める割合、その割合の大きさと、政令指定都市における横浜市の順位を伺います。

◎松浦財政部長 本市の義務的経費につきましては1兆142億円で、歳出に占める割合は58.6%でございます。政令指定都市での割合の大きさは6番目となっております。

◆荒木委員 2018年度当初予算における市民1人当たりの義務的経費と投資的経費の予算額と、予算額の大きさで政令指定都市における横浜市の順位をそれぞれ伺います。

◎松浦財政部長 市民1人当たりの義務的経費につきましては27万2000円で、政令指定都市の中で予算額の大きさは12番目でございます。同じく投資的経費につきましては6万2000円となっておりまして、6番目でございます。

◆荒木委員 先ほど他の委員からもありました。今これだけいろいろ数字を聞いてきたのですけれども、やはり私も地元に行きますと、市民から税金が高いと言われます。その理由というのは、市民の暮らしに係る国民健康保険料や介護保険料が他都市に比べて高いということが、私は影響していると思うのですけれども、この点いかがでしょうか。

◎横山財政局長 国民健康保険料や介護保険料につきましては、保険制度でございますので、加入されている方々が利用される医療や介護サービスの総額をもとに算定されるわけでございます。ですので、保険料だけで一概に高いとか安いとかということは評価できないものと考えますが、感覚的には、実額が単純でわかりやすいので、よそに比べれば高いかなという印象を持たれるのはあろうかなと思います。

◆荒木委員 それがあると思うのですよね。ただ、やはり先ほどお答えいただいたように、横浜市の税収というのは、自主財源もそうですし、それから市民税でも、他都市に比べればはるかに潤沢に安定して入ってくる自治体だと。サラリーマンが多いですから。そういう面でいうと、一生懸命払った税金が自分たちの暮らしにどう使われているのかというのは、市民誰もが感じることです。

それで、先ほどの介護保険も国民健康保険も、これも私は順位を調べてみたのです。やはり横浜市は高い。国民健康保険料でいえば、2018年度の実績でいうと、1人当たりの保険料は12万4821円と、政令指定都市で上から3番目の高さです。一番安い北九州市は9万2800円です。それから介護保険料も調べました。横浜市は高いほうから8番目で6200円。これは月額です。一番安い千葉市は5300円。

やはり政令指定都市でいえば、先ほどお答えいただいたように、どこも払う税金は一緒だと。だったらやはり安いほうがいいというのは、普通に考えてもあり得る話なのですよ。そういう点では、もう少し義務的経費も含めて、扶助費だとか、横浜市の税収がこれだけ潤沢にあったら、市民に返すという考え方もあっていいと思うのですけれども、渡辺副市長、いかがですか。

◎渡辺副市長 福祉、医療、保健、あるいは子育て支援、あるいは市民の皆様の関心も高いですし命や財産にかかわる防災、こういった施策をしっかりやって、市民の皆様の安全安心な生活を守るということが、基礎自治体として最も大切な仕事であるというふうに思っております。したがって、先ほど来お話もありましたが、現実に一般会計の中の経費の性質、いわゆる性質別というので見ると、これはもう御承知のとおりですが、一番高いのは扶助費、いわゆる社会保障関連経費の扶助費が28.6%になっておりますし、同じく市民1人当たりの予算の使い道というのもこの本に書いてあるのですが、(資料を提示)第1番は子育て・教育にというのが32.0%、2番目の福祉・保健・医療にが26.5%、合わせると58.5%ですから、約60%は、荒木委員がおっしゃるような、そういう政策に予算を充てている状況です。その点は御理解いただきたいというふうに思います。

◆荒木委員 それは少ないというか多いというかは指標もいろいろあるのですけれども、ただ、やはり義務的経費でいっても上から6番目。やはり市民の暮らしにどれだけ使っているのかという指標を見ても、先ほどの国民健康保険料、介護保険料のほかに、例えば小児医療費無料化だって、今、所得制限あり。それから、全員中学校三年生までは延びましたけれども、高校まで行っている自治体もある、あるいは給食費無償化の自治体もある。そういう比較をすると、横浜市の市民が税金が高いと言うのは、やはり私は道理があると思うのです。

最後に、市長は施政方針演説で、「人を育み、安全安心な暮らしを確かなものとするという強い意思で取り組みを深化させていきます。」。深化させていくとおっしゃっているのですよ。深化させるのだったら、もっと市民の目線で深化できる内容は、今私たちが言ったように中学校給食もそうです。いつまでもそこに立ちどまっているのではなくて、深化は前に進むわけですから、この点をどう考えていらっしゃるのか伺って、終わります。

◎渡辺副市長 平成31年度は、先ほど来お話もございますが、戦後初めて人口減少に転ずるという、いわば横浜市にとってピンチの始まりの年とも言える年なのですね。ですから、それを踏まえて、そういうピンチにも動ぜず対応するのだという観点から、子育て支援、福祉、医療、保健、こういったものについてはかなり頑張って重点化を図ったつもりでございます。

ただ、多分委員、ほかの経費でもっと、こちらに充てられるだろうというお話もあるかもしれませんね。しかし、今後、人口減少で生産年齢人口はもっと減る。そうすると、では一体、そういう市民生活に不可欠なサービスをどう提供していくのだということになれば、財政基盤を維持強化していかなければならない。そのためには、ことしはちょうどアフリカ開発会議やラグビーワールドカップなど、世界的に注目されるイベントもあって、いわばチャンスでもあるのですね。これをしっかりつかまえて、観光MICEや、あるいは市内企業の成長、発展、そういう経済活性化で財政基盤を維持強化して、そして福祉、保健、医療や教育、防災などに充てていくというような考え方でいくという意味では、今後、両方バランスよく進めることで進化させていくことができるというふうに考えております。

◆荒木委員 私たちは、イベントよりも人に着目をして、人を育てることにこそ税金を使ってほしいと思っていますので、終わります。


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