横浜市瀬谷区にある、旧上瀬谷通信施設は、2015年6月に返還された米軍基地の跡地です。農地、草地など面積約242㌶に及ぶ首都圏の貴重で広大な土地です。横浜市は「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)」を取りまとめ、2020年1月15日(水)から2月14日(金)にかけて市民意見を募集するとしています。
民間企業の利益優先に変えられてしまった基本計画案
「基本計画(素案)」は、跡地の半分を「観光・賑わいゾーン」とし、集客力のある大型施設を誘致しようというものです。2006年に、市が策定した「横浜から始める首都圏の環境再建」を全テーマとした跡地利用方針を根底からひっくり返し、民間企業の利益追求に偏った開発優先に変質したもので容認できません。2006年跡地利用方針は上瀬谷について「農・緑・防災の大規模な野外活動空間」としています。
最大の問題点は、跡地内の132㌶もの公有地のうち、公共的利用に供されるのは公園防災の50㌶だけで、残りの82㌶はテーマパーク用地等とする点です。
病院、老健、スポーツ施設などを
地域住民からは、病院や老人ホーム、介護施設やスポーツ施設等の建設などの要望が出されています。跡地地権者の権利擁護は行いつつも、民間の儲けの対象とした開発ではなく、市民意見と2006年跡地利用方針を踏まえた土地利用計画とするべきです。
2020年1月10日(金)、日本共産党横浜市議団は、見解を発表し、林文子市長に申入れを行いました。都市整備局の小池政則局長ら4人が対応しました。
申入れた意見項目は下記の三点です。
1、公有地82ヘクタールを民間資本等の使用に供することになる、旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)は、2006年6月に横浜市が策定し「横浜から始める首都圏の環境再生」を全体テーマとする「米軍施設返還跡地利用指針」に立ち返り、抜本的に見直しすること。
2、公有地部分の見直しに当たっては、街づくり協議会とは別の組織を立ち上げ、審議すること。
3、見直しに当たっては、市民参加で地域住民の要望・要求の位置づけを重視した計画とし、性急な計画推進は行わないこと。
小池局長は、「一つの意見として受け止め、経過の確認などしていきたい」と述べました。
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