本日の定例記者会見で、林文子市長は「山下ふ頭に誘致したい」と明言し、その理由について説明がありました。
まず、なにより誘致の是非について市民の審判を仰いでいないことが問題です。林市長はカジノが争点となった2017年の市長選挙では賛否を表明されず、三選されました。それ以降も「白紙」を言い続けてこられました。「白紙から態度を決める場合は市民の声を聞く機会を設ける」と昨年12月の議会では答弁されています。この約束を反故にされたことは、市長の適性にかかわるものです。さらに判断の是非を市民に問う住民投票についても言下に否定され、住民の理解や納得をえることに背をむけておられることも地方自治体の長の本来のあり方ではありません。
そして、誘致の理由は、カジノの弊害を直視せず、日本型IRを絶賛するだけの全く説得力を欠いたものです。市長も認めるようにカジノ抜きのIRはありえません。そのカジノは、法が整備されたとはいえ、刑法で禁止されている賭博そのものです。しかも、最も射幸性の高いギャンブルです。市長は、これから不足する財源をカバーするには、IR事業者からの税収しかないと言い切っています。税収のもとになるのはカジノ収益です。カジノ収益はすべてカジノ客が負けたお金で、数千億円にも及びます。市財政は潤っても、その分市民・住民の懐が小さくなるのです。住民の福祉増進をはかることを本旨とする地方自治体の財政政策として全く誤っていると言わざるを得ません。カジノを目玉にした観光政策は、横浜市の歴史と風土になじみません。都市の品格を毀損するだけです。
党市議団として、市長に対し、誘致宣言の撤回と、市民の声を聞く機会をつくるよう求めます。
9月3日から開催される横浜市会第3回定例会の中で、市長にカジノ誘致断念を迫る論戦を行い、市民の期待に応える決意です。議会外でも、市民との共同を広げるために力を尽くします。
写真:林市長のカジノ推進記者会見後に行った緊急抗議宣伝=8/22関内駅