「エキサイトよこはま22」は第2の「みなとみらい21」の“金食い虫”事業
中島議員:日本共産党の中島文雄です。
予算にかかわって質問していきますが、最初は「エキサイトよこはま22」についてです。
この計画は、横浜駅周辺大改造計画を進めようとするものです。事業費規模を民間開発部分で5000億円、公的な基盤整備として3000億円、全体で8000万円と想定しているようですが、まず、ビル建設等民間開発の5000億円とした根拠を伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:昨年取りまとめた計画に基づきまして、事業費の規模化を想定するために試算をしたものでございます。民間の建物の建設投資につきましては、新たに開発が見込まれる建物の床面積を50万坪、160万平米というように想定をいたしまして、建設単価がだいたい坪100万ということで、これをかけて約5000億円ということで試算をしたものでございます。
中島議員:じゃ、どんな開発を想定していますか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:現在いろいろな地区で開発の検討がされております。そういった地区を想定をしておりますが、西口におきましては、シャルと東急ホテルの共同建替え、あるいは再開発事業の準備組合が設立をされております幸栄地区や5番街地区などを想定してございます。
東口につきましては、中央郵便局付近のエリア、あるいはそごう東側の出島地区などを想定したものでございます。
中島議員:民間開発を推進するためとして、開発業者等に対する市の支援策、温めて伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:支援策といたしましては、都市再生特別措置法に基づきます特区制度の活用による容積率の緩和でありますとか、企業立地促進条例による税制面での支援、あるいは再開発事業に対する補助等々を考えてございます。
中島議員:企業立地等の助成金やあるいは無利子融資など資金面での支援等、膨大な税金投入が想定されます。果たして、この想定している横浜駅周辺に、さきほどあった延床面積160万平方メートル、50万坪、こういう商業ビルや業務ビルの床の需要があるかということなんですね。
そこで伺いますけどね、横浜駅周辺地区のビルの空き部屋の状況、いわゆる「空室率」について3年間の推移はどうなっていますか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:これは民間会社の調査結果でございますが、空室率が2007年の12月時点で3.6%、2008年12月末時点で5.9%、2009年12月の末時点で10.6%というようになっております。
中島議員:どんどん空き部屋が増えて、2009年では1割以上が空き室、こういう状況ですね。羽田空港の国際化を当て込んだとしても、あるいは経済の飛躍的発展が望まれない現況において、横浜駅周辺に延床面積50万坪もの商業・業務の床需要が生じるかは、本当に疑問ですね。現実を無視した建設投資の算定と思いますが、いかがですか。
櫻井都市整備局長:現状の厳しさというものを十分認識することは必要だと思いますけれども、一方で横浜駅周辺につきましては、一日で述べ200万人の乗降客数を有する、そういう意味では首都圏有数のターミナル駅であるということ。当地区におきましては、民間の方々の非常に強い開発意欲を持っていらっしゃるそういうエリアでもございます。従いまして、民間開発に合わせた効果的なインフラ整備の実施や、民間開発を誘導するための支援策の拡充、こういったことによりまして、行政民間一体となって事業を進めていくという中で、民間の力を最大限に引き出せるように努めてまいりたいと考えております。
中島議員:次に、公的な基盤整備、3000億円についてですが、算定根拠を伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:エキサイトよこはま22の計画区域面積、これが約110ヘクタールでございます。みなとみらい21事業を参考にいたしまして、みなとみらいの基盤整備事業費単価、これが1ヘクタールあたり26億円ほどかかってございますので、これをかけまして約3000億ということで試算をしてございます。
中島議員:どのような事業を想定していますか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:いろんな項目ございますが、道路交通関係では、栄本町線の支線1号、こういった街路関係でございますとか、東西の駅前広場の再編、地下駐車場の連絡路の整備、渋滞ポイントの交差点の改良、こういったことがら。それから、河川関係でございますが、治水安全面での向上に向けた橋梁の架け替えや水辺の海洋空間の整備など。それから駅・鉄道関係では、線路上空デッキの整備やバリアフリー施設の拡充など、こういったことを想定してございます。
中島議員:みなとみらい21を参考にしたということなんですが、横浜駅周辺は、道路や下水道だけでなくて、河川や橋梁等、みなとみらい21地区とは比べものにならないほど複雑・多岐にわたる、こういう計画、事業を、20年間にわたって進める計画なんですね。公的な基盤整備費用は3000億円どころか、膨れ上がるんじゃないかと思うんですがいかがですか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:今回の試算につきましては、先ほども申し上げましたように、みなとみらいの事業費、これを参考にして算定をしたものでございます。そういう意味では、この事業費については今後エキサイトよこはま22の施策を進めていくと、各それぞれの事業を段階的に進捗をさせていくというなかで、順次算定をしてまいりたいというふうに考えております。
中島議員:櫻井局長にちょっと伺いたいんですがね。前提とした算定事業費ですね、これ民間開発あるいは基盤整備にしても、市財政を本当に圧迫するような、第二のみなとみらい21、金食い虫だっていう私の指摘については、どういうふうにお考えになります。
櫻井都市整備局長:民間の8000億のうち5000億は民間開発、いわゆるビル開発の部分にかかるというかたちでございまして、基盤整備のうちの3000億というのは、生まれてくる空間を公共空間として整備していくというかたちでありまして、全体が公共、要するに市側がやるということではなくて、生まれてくる容積とかそういうものを確保したうえで生まれてくる部分を共同でやっていく部分が入ってきていますので、それらを今後詳しく調べていきますけども、その中で民間の力を借りながら共同で3000億というものの基盤整備をしていくということではよろしいんではないかというふうに思っております。
中島議員:私の指摘に答えていないんですが。
すでに横浜駅整備が636億円を費やして進めている、こういう実態ありますよね。ここに新たに3000億円の基盤整備など、これじゃいままで何のための横浜駅の改修だったかということが問われるんですね。今後は、防災や安全対策等の最小限の公的基盤整備にとどめて、都市計画決定等の網掛けに基づいて、それこそ民間の協力を得ながら、時間をかけて、目指すべき横浜駅周辺のまちづくりを行うべきですが、これ小松崎副市長に伺います。
小松崎副市長:本来都市基盤となるその公共施設、これは公共側で整備するのがまず大原則ということでございます。ただ、民間開発に伴いまして、さまざまな公共空間の拡充が必要となる、こういう側面がありますので、いま先生もいみじくもおっしゃいましたけども、都市計画的な手法も活用して、民間と協力してやっていこうと、そういう考え方に基づいてこれからやっていくというものでございます。
市民の貴重な財産である鶴見工業高校跡地は市民要望に基づいて利用を
中島議員:次に、鶴見小野駅周辺のまちづくりについて、伺います。
この地区は、鶴見工業高校の跡地も含め「住宅市街地総合整備事業」の対象となっていますが、改めて事業の内容と取組み状況について伺います。
櫻井都市整備局長:地区の住民と従業者のみなさまを対象としたアンケートの結果や、市と住民のみなさまとの意見交換の場であるまちづくり検討会における意見交換等を参考にしながら、鶴見工業高校の跡地の活用による密集市街地の改善や、駅周辺の活性化など、地域課題の解決に向けて、まちづくり計画や手法等について、検討を行っているというのが、いま現状でございます。
中島議員:先の本会議において、「高齢者福祉施設と医療施設の整備を、鶴見工業高校跡地全体の土地利用の中で、総合的に検討する」との市長答弁がありましたが、住民要望を反映したもので、私たち評価するところです。そこで、住民アンケートやまちづくり検討会など、この間寄せられている跡地利用の要望について、伺います。
櫻井都市整備局長:鶴見工業高校の跡地利用につきましては、医療施設、高齢者福祉施設、公園、スポーツ施設、商店街の活性化に寄与する商業施設や、若いファミリー層に対応する住宅の整備など、というものが要望として出されてございます。
中島議員:跡地利用の計画についていえば、早い段階から示し、地域住民の意見を聞くべきです。どのようなスケジュールで、素案や計画案の策定し、住民意見の反映等を行う予定なのか、伺います。
櫻井都市整備局長:跡地利用計画につきましては、鶴見工業高校跡地が市街地にある貴重な市有地であり、地域まちづくりにおける核となる先導的な事業となりますので、総合的な検討が必要である。そのように感じております。そこで、年内を目標に、跡地利用計画の素案をまとめまして、まちづくり検討会の場を活用するなど、住民のみなさまの意見をお聞きしながら、平成22年度末を目標に、計画案を作成してまいりたい、そのように考えてございます。
中島議員:局長がいまおっしゃったように、跡地約7000坪は、市民の貴重な財産です。市民要望に基づいて、特別養護老人ホームなど高齢者施設や医療・福祉施設、スポーツ広場等の公益施設の整備を要望して、私の質問を終わります。