地下鉄の安全対策は万全か
大貫議員:共産党の大貫です。よろしくお願いします。
私は、地下鉄の安全対策について伺いたいと思うんですが、実は私ここに来るまでには、田園都市線乗って、市営地下鉄乗ってくる。最近、田園都市線で人身事故多いんですね。非常に心配しているわけですよね。これからも多くなっちゃいけないと。だけども、その点では地下鉄はホームドアができたから、非常に事故も減っているんじゃないかと思うんですが、ホームドアできる前とできた後の数の差ですね、それをお伺いしたいのと、この安全策であったとしても、またいろんなことが想定できると思うんですが、そこについて対策についてもお伺いしたいと思います。
池田交通局長:まず、事故の件数でございますが、ホームドアができたのが19年の9月15日からでございます。15日で設置をいたしました。また、その前の18年では線路内転落が21件、あるいは立ち入り、これは自殺等も含むわけですけれども、立ち入りが13件、合計34件ございました。20年度はこれに対して、設置したあと20年はどうかといいますと、線路内転落はゼロ件、立ち入りが2件、合計2件。今年は線路内立ち入りが1件というふうに推移をいたしております。
また、予想される事故でございますけれども、その対策と合わせてお話差し上げますと、事故につきましてはお客様が故意にホームを乗り越えて、軌道に侵入することが考えられるのかと思います。万一進入された場合に備えまして、各駅のホームに電車を緊急的に停止させます電車緊急停止ボタン、また高電圧を停電させ、電車を緊急に停止させます非常発報装置を設置しますとともに、電車の運転席に非常発報装置を、先ほど申しました高電圧を転電させ、電車を緊急に停止させる非常発報装置を装備しております。
大貫議員:同時に私乗ってて心配なのは、電車の地下の駅の間のトンネルね、ここに事故が起きたり火災が起きた時、非常に心配なんだけど、そこに対する対応、どうなっていますか。
池田交通局長:まず、トンネル内で電車が停止した時でございますけれども、地震なんかが想定されるわけですけども、運転手が直ちにお客様にその旨を案内し、総合指令所にお客さん不調の有無ですとか、トンネルや電車の状況などの報告をして、総合指令所からの指示を待ちます。当然電車が事故や故障で自力走行できない場合には、後続や先行の電車が運行可能な場合には、救援に向う。これは線路の状態がいい場合でございます。また、線路の状態が悪く、救援の電車が走行できない場合がございまして、こういう場合には総合指令所の指揮のもと、駅係員がトンネル内の状況を確認しまして、避難できる状況であれば、運転士は駅係員と協力をして、お客様の避難誘導を行います。
また、車両が火災した場合でございますけれども、運転士は直ちにお客様に火災の発生を伝えまして、他の火災のない車両に避難するよう案内します。同時に、総合指令所に通報いたしまして、駅係員の支援を要請します。この場合、当該電車は次の駅まで運行することとしております。いわゆる駅止まりにするということでございます。その通報を受けました総合指令所は、消防などの関係機関へ必要な通報を行います。また、駅におきましては、運転士、駅係員が協力をしまして、お客様の避難誘導にあたることとしております。
大貫議員:心配なのは、途中でいろんな、いまおっしゃっていたけども、駅間のトンネルの中で停止しちゃって、乗客が右往左往する、パニックになってしまうといった時に、私はやっぱり車掌がいるかいないかというのは非常に重要な要素だと思うんですよ。そういった点から考えると、車掌をおくことが、いまおっしゃったようなことをやる上でも、非常に重要だというふうに思うんですけども、安全は確かにホームドアできたから安全はひとつは一歩進んだけども、実際そういった点から考えると、車掌はやっぱりおくべきだというふうに思うんですが、これはコストの面でおかないのか、安全よりもコストを優先するのか、どちらですか。
池田交通局長:安全よりもコストという考え方はないわけですけれども、一定の安全性を確保しながら、どこまでコストの調整ができるかという観点、そういうバランスのもとに、検討を進めてきたところでございます。車内のトラブルの発生につきましては、お客様は車内に設置している非常通報機のボタンを押すことにより、総合指令所と直接話しをすることができます。通報を受けました総合指令所は状況を把握しまして運転手や駅係員に必用な対応を指示することにしております。運転手、総合指令所、駅係員が連携することによりまして、私どもとすれば十分なお客様の安全性を確保できているものとこう考えております。
大貫議員:机上ではそういうふうに考えてらっしゃるかもしれないけど、乗っている身になってみれば、電気が消えて非常灯になり、火災が出て、そういった時にやっぱり近くに車掌がいるかいないかで全然違いますよ。その点では、やはりコストの点から車掌さんなくしたと思うんですが、これは復活すべきだと思いますよ。
例の7年前でしたか、テグ市で、韓国のね、事故ありましたよね。あの時の火災で、ホームに入ってきてから放火されたって聞いたけども、その時に駅員の果たす役割、大変大きかったと思うんですよ。本市の場合には、この間委託業務で、駅員が民間になったということで、非常に心配しているんだけども、そこらへんについては、どういうふうな対応をしようとしているんですか。
池田交通局長:基本的にはその朝夕につきましては、駅務員がホームにおりますので、ホームの監視をしておりますので、そういう点では大丈夫なんですけれども、駅員がホームにいない時が問題になろうかと思います。その場合につきましては、いまターミナル駅につきましては監視カメラを設置しまして、総合指令所で監視できるという体制をとっております。他の駅につきましては、まだそこまで手が回っておりませんので、そこはお客様の通報を踏まえて、即時に対応できる体制をとっているところでございます。
駅の業務委託は偽装請負ではないか
大貫議員:委託ですよね。委託の時には、当然業務委託だから、請け負っているわけだからね、委託業者がすべてを対応すると、そういったいざという時においても、本来的にはその業務委託を受けたところが、すべて対応していくというふうになっているんですが、交通局のこの駅委託について、そういうかたちで全部請け負い業者がやるようになっているんですか。
池田交通局長:契約書の仕様書の中においては、異常時対応ということで、火災等が起こった場合につきましては、助役の指揮監督のもとに、委託の職員がそれにあたるということにしております。
大貫議員:私は、やっぱり事故が起きた時に、そういう火災や事故が起きた時に、その職員がノウハウ持って、いざという対応できるような、そういったものが蓄積された人が非常に重要だと思うんですよ。心配なのは、駅の中で、委託でこられた方、職員になった方が、それはもう委託業者が、請負業者が自分で契約できるわけですから、どんな方ってわからないわけなんですね。そういったときに、やっぱり駅の安全を考えた時に、やっぱり駅務員はノウハウ持って、蓄積されて、いざという時に動けるような方じゃなきゃ私いけないと思うんですよね。それが1点。そのことについては、どう思いますかね。
池田交通局長:受託業者については、駅の管理の専門業者に委託しているところですので、業者としてはそういう専門的な知識・対応、こういうことについては兼ね備えていると、こう思っております。
また、先生ご存知のとおり、要綱の中におきましては、非常時の訓練については一緒にやりましょうと、これは連携をしなければならない部分もございますし、また人道上の問題もございますので、訓練、異常時の訓練については現在のところ受託業者の職員と一緒にやる、そういう取り決めをしているところでございます。
大貫議員:当然、異常時の時にはもうそんなこと言ってられないから、どんどんいろんなかたちでやんなきゃいけないのは当たり前ですよ。駅長がいれば駅長がちゃんと指示するというのは当たり前。だけど、はじめからそれを謳っているっていうことは、これはやっぱりひとつは請負との関係でいえば、本来請負事業というのはすべてを完結しなきゃいけないんですよ。しかもその時に、当然異常時のときに駅長の指示に従う、命令に従うということ自体は、これは違法なんですよね。偽装請負になっちゃうんですよ。偽装請負を避けるためには、やっぱりそういう偽装請負的な状況をなくして、駅務員は直接雇用にする。これが私の考えなんだけれども、これ偽装請負になりませんかね。
池田交通局長:基本的には指揮命令があれば請負にはならないというのが、法的な観点でございます。ただし、合理的な理由があるという場合には、その一定限の範囲でそれが常時のことでなければ、先生が想定されている異常時、火災、事故、こういうときのことであれば、これは合理的な理由にあたるというふうに解釈を現在されているところ、こう受け止めております。
大貫議員:しかし、乗客の安全を守るというのは、基本の仕事でしょ。いくら具体的な事例があるかないか。基本的な仕事で、それが偽装請負的なこと、偽装かはっきりしないけどもね、偽装請負だと私は思うんだけど、基本的な仕事でそういうふうに指揮命令系統があるということは、私はこれは偽装請負だと思うんだけどもね。いかがですか。
池田交通局長:先生と若干解釈が違うところがあるわけですけれども、私どもからすれば、委託をしてもなおかつ安全性が確保できる道があるということでもって、そのトータルの駅の職員が総合的に働く、あるいはそういう場合には駅の管理省、あるいは局、保守管理事務所から緊急のチームが対応する、総合的なものでもってカバーできると、こう考えておりますので、実際の対応については齟齬がないような対策をとっておりますけれども、偽装請負につきましては、先ほど申し上げましたように、その異常時と、あくまで人命を尊重しなければならないというようなことから、私としては、偽装請負にはあたっていないと、こう考えております。
大貫議員:偽装請負は、それだけの問題じゃないんです、私はね。やっぱりちゃんと安全のためには職員がやったほうがいいということなんでね。
それで、私、調べたんですけどね、職業安定法施行令、先ほど資料お願いしておいたんですが、その4条みてもらいますとね、いまこの状況というのはようするに労働者供給事業ということになってしまうんですよ。労働者供給事業というのはこれは違法なんですね。その労働者供給事業といま行われている交通局が委託している、これ私は同じだと思うんですけども。違うというふうにいえますか。この4条から考えて、どうですか。
池田交通局長:先生ご存知かどうかわかりませんけれども、派遣法ができました61年当時に、労働省が労働者派遣事業等請負により行える事業の区分に関する基準というのを出しました。これの第2の、大きい2の、ローマ字の2のその中の1、その中の(1)にありますけれども、労働者に対する業務の遂行法に対する指示その他の管理を自ら行うことと。自ら行えば請負ですよと。そうでなければ、その労働者供給事業であたりますよという解釈をしいくわけですけれども、ここで基準、当時の労働省の基準は、当該要件の総合的に勘案して行う。総合的に勘案して行うとは、これらのうちいずれかの事項を事業主が自ら行わない場合であっても、これについて特段の合理的な理由が認められる場合には、直ちに当該要件に該当しないとは判断しないという基準がございますので、先ほどから申し上げておりますように、私の方とすれば突発的な事故の場合には、通常の仕様書の中と違う特許仕様書でもって業務に明記していれば、合理的な理由にあたるということから、解釈をしているわけでございます。
大貫議員:そこの考え方が、突発的な事項だという考え方が、それがはじめからそういったことを想定して仕様書に書いてあって命令指令系統になっているという事自体は、すでにそれはもう当初から見込んでいることだとかいって、それから先ほどいったように、この安全対策というのは、一番重要な仕事だと、その仕事の部分でもこういった点でいま具体的には偽装請負的なことが行われていると。まあ偽装請負だと私は思うんですが。こういう点ではやっぱり偽装請負なんですよ。
それで、私がいったその4条なんだけれども、これはまさに4条の4みてくださいよ。自ら提供する機械、設備、機器もしくはその作業に必要な材料、資材を使用したと、この場合には、それで労働者派遣して仕事をさせる場合には、これは労働だけの問題になってしまう。これは、いまいったやつはクリアしなきゃいけないんですが、そこはどうですか。
池田交通局長:先生、後段があると思うんです。その後段で、または企画もしくは専門的な技術もしくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであって、単に肉体的な労働力を提供するものではないものというくだりがございまして、この4項の適用につきましては、企画もしくは専門的な技術もしくは専門的な経験を必要とする作業を行うっていうことは、事業主、いわゆる請負人が会社としてそういう専門的技術をもっていればいいというのが、先ほどの基準のなかに表示をされていることでございます。
大貫議員:その前段でいえば、さっきいったこれでいえば、仕様書にはすべてその交通局が機械全部ありますよね、この乗っている自動販売機から自動清算機からすべてこれを使っていいですよと。無償で貸与すると。このことでいえば、これはもこっからだけ考えれば、これは偽装請負の典型ですよね。その後の話でも、いまおっしゃっているけども、具体的に働く人たちは実際にはこのマニュアルに従って、指示に従ってやるだけなわけだから、当然そこの考え方は違ってますよ。やっぱりこういう点でいえば、またこれ違っちゃうけどね、非常にそういった意味では偽装請負的な、私は偽装請負であって、しかも労働者供給事業だと、これは否めないというふうに私は思うんですが、改めて聞くけど、いかがですか。
池田交通局長:先ほどから申し上げてますように、私どもとしては請負事業というふうに、請負契約というふうに考えているわけですけれども、まず先生そこまでおっしゃっておりますので、私どもは改めてその専門家と相談をして、必要な改善を行ってまいりたい、こう思っております。
大貫議員:私は、もしそういった状況ならば、偽装請負って言葉はいいかどうかわからないけど、そういう場合だった場合には適正な請負に直すこと。それから派遣については派遣としてきちっとやる。さらには、直接雇用。いろんな手があると思うんですよ。なにが一番大事かといえば、まさに安全を守るためには、その人だと思うんですね。人を大切にしない事業というのはやっぱりだめなんですよ。そういったことを考えれば、交通局がきちっと雇用して、そしてその中で安全対策を蓄積して、乗客の安全を守るということが必要だというふうに思うんで、ぜひそれ検討してください。終わりです。