合同就職面接会をさらに拡充して就職支援を
中島議員:中島文雄です。経済観光局の予算にかかわって、質問をいたします。
最初は、雇用と就職支援についてです。
2009年平均の完全失業率は5.1%と最悪な雇用失業情勢が続いております。市政にとって、雇用対策や就職支援事業は重要課題の一つであります。昨年からはじめました本市の「合同就職面接会」の事業内容を改めて伺うと同時に、実績を報告していただきたいと思います。
渡辺経済観光局長:よろしくお願いいたします。
合同就職面接会は、ひとつの会場に多数の求人企業が参加をし、当日求職者が希望する企業の単なる説明だけではなく、面接まで受けられるというところに特徴がございます。本市では神奈川労働局やハローワークなどと連携し、昨年の2月以降、高校、大学などの卒業予定者や求職者を対象に、合同就職面接会や説明会を合計7回開催いたしました。参加企業数は延べ386社。求人数は同じく2454人で、参加者数も同じく6109人、就職決定者数は昨年末時点で226人となっております。
中島議員:延べ7回で、求人参加者が6109人、あるいはその中で集計中とはいえ226人の決定者が生まれた。改めて雇用情勢の厳しさ、感じるところです。
そこで、いま報告があった延べ参加企業386社、これについて大企業あるいは中小企業等の割合はどうなっているのか、あるいは業種別でどうなっているのか、伺います。
渡辺経済観光局長:大企業が全体の約2割で、中小企業が約6割、そのほか社会福祉法人や医療法人などとなっております。また、主な業種といたしましては、介護や福祉をはじめ、製造、建設、運輸、小売、サービス業など、毎回10業種程度の幅広い企業が参加をしております。
中島議員:中小企業が6割で、医療や福祉関係が2割、8割、改めてこういうところでの役割ていうのを感じるところです。それにくらべて、大企業20%、2割ってことは少ないんじゃないかなというふうに思います。
今後、「合同就職面接会」の成果を上げるためにも、求職者への周知および企業への参加働きかけ、あるいは開催回数を増やすことなど、実際就職に結びつく手立てが求められますけども、今後の拡充策等については検討されていますか。
渡辺経済観光局長:雇用情勢大変厳しい状況続いております。合同就職面接会、一定の効果を果たしていると思っておりますので、今後より一層参加者の周知、ピーアールに努める、あるいは参加企業数、ハローワークなどと連携して働きかけてまいります。この就職面接会自体も引き続き神奈川労働局やハローワークなどと連携して、めいっぱいがんばって開催をしていきたいと考えております。
横浜で働く労働者の3分の1が非正規雇用
中島議員:派遣切りや雇い止めなどが雇用や失業を深刻化させている要因のひとつになっているわけですね。そういうことで、市内企業における雇用状況について、正規・非正規社員の割合はどうなっているのか、とりわけ若年層ではどうなっているのか、合わせて伺います。
渡辺経済観光局長:総務省が就業構造基本調査というのを実施しておりますが、それによりますと、19年10月1日時点の市内の雇用者状況では、正規の職員・従業員割合は66.3%を占めておりまして、非正規の職員・従業員割合は33.6%となっています。そのうち若年雇用者の正規の職員・従業員割合は68.8%、非正規の職員・従業員割合は31.1%となっています。
中島議員:市内で働く労働者の3分の1、24歳までの若年層、若者ですね、これは2人に1人が非正社員と、非正規雇用とこういう雇用状況では、横浜と日本の未来はないと私、強く感じるんですね。また、「働くルールは正社員が当たり前」があるべき雇用のルールだというふうに私は思うんですが、これについては山田副市長の見解を伺います。
山田副市長:お答え申し上げます。この正規・非正規に関する労働の問題につきましては、片方で同一労働同一賃金を実現すべしというような議論もある一方で、非正規という働き方を一律に禁ずれば、わが国の産業競争力が維持できないであるとか、結局雇用が減少してしまうんじゃないかとか、そういうような議論もございます。さまざまな議論がございます。現在政府におきましては、労働者派遣法の改正が検討されるなど、さまざまな動きがございますので、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
中島議員:日本の経済や社会の発展にとって、働くルールは正社員が当たり前と、こういうのをお互いがつくるという努力をしていきたいというふうに思います。
進出大企業への税軽減・建設助成支援はもうやめよ
次は、企業立地促進条例に関わってです。
2004年度から、企業誘致等を目的として、固定資産税・都市計画税の軽減や建設費助成等の支援を行ってきましたけども、条例に基づく認定件数および助成等支援金額について、大企業・中小企業別で報告をしてください。
渡辺経済観光局長:21年12月までに認定した事業所の建設等に伴う事業計画ですが、これは51件で、集約のもとになっております投下資本額は総計で3009億円、支援額は239億円となっております。これを規模別にみますと、大企業は34件で、投下資本額は2755億円、支援額は211億円となっております。また、中小企業は17件で、投下資本額は253億円、支援額は27億円となっております。
中島議員:大企業が34件、支援額211億円と。日産一社だけで4件で、私の計算だと約51億円の支援、これをはじめとして、先ほどの報告では大企業が9割近くの支援金を受けて、新年度も新たに17億円余を投入しようとしているわけですね。
いま、この間、労働者や中小企業の使い捨て、こういうことで溜め込んだ大企業の200兆円以上といわれる巨額の内部留保を、一部を還元して、雇用や中小企業を守る、こういうことの必要性が言われています。企業立地と称して、いつまでも大企業減税あるいは助成等の支援を続けていいのか、本市においても問われているというふうに思います。2009年度をもって、新たな申請および認定の中止を求めますが、どうですか。
渡辺経済観光局長:条例を活用した企業誘致でございますが、やはりこれは中長期的な税収確保など本市の財政基盤の強化のためには欠かせないというふうに考えておりますし、市内企業の事業機会の拡大や市民の雇用機会の創出など、さまざまな効果があるというふうに考えております。また、条例は中小企業にも配慮した制度になっておりまして、先ほどお答えしましたとおり、認定企業のうち、件数では3分の1は中小企業が占めているということもございますので、引き続き条例を活用した企業誘致に取り組んでいきたいと考えております。
中島議員:それでは、すでに認定した企業について、条例の目的で謳われている「市民雇用の増大」の責任が求められているというふうに思います。どのような働きかけを本市で行っているのか、伺います。
渡辺経済観光局長:私どもといたしましては、条例の認定通知書の交付に合わせまして、横浜市民の新規雇用を要請する文書をすべての企業さんに直接お渡しをし、働きかけを行っております。またその際に本市が実施している無料職業紹介事業ジョブマッチング横浜への登録や合同就職面接会への参加依頼というものも、合わせて行っているところでございます。
中島議員:派遣切りが社会問題になった一昨年の暮に、市は認定企業に自粛を働きかけたわけですけども、日産等は全員の派遣切りを強行したところです。条例の目的にそむく行為だというふうに私は思います。認定企業に対して、雇用の増大・確保と合わせて、非正規社員について正社員への転換を求めるべきではありませんか。いかがでしょうか。
渡辺経済観光局長:この問題は条例認定企業だけでなく、国の労働政策全般にかかわる話でございますので、先ほど副市長からもお答えいたしましたとおり、現在労働者派遣法の改正の動きが政府でも検討されておりますので、こうした国の動向を注視してまいりたいと考えております。
中島議員:先ほど企業立地条例の点で、中小企業を3分の1程度で貢献していると、そういうことあるけどね、あと3年残っているんだけども、今年度で切るという、いろんな工夫あると思うんですよ。この大企業について、これもう支援なんかするっていうことじゃなくても、横浜にいろんなまちのブランドなんかあるわけですから、きちっとやってもらうと。しかし、中小企業支援はそのまま残すとか、そういう工夫はぜひ求めたいと思います。以上です。