かながわクリーンセンターの破綻は大名商売の結果
大貫議員:日本共産党の大貫です。よろしくお願いします。
私は、かながわ廃棄物処理センターの事業団の清算事業について伺いたいと思うんですが。先ほどもありましたよね。ただ10年もたたないうちにこれが倒産しちゃったということは、もともと必要とされていなかったと思うんですけれど、いかがでしょうか。
早渕資源循環局長:この施設は平成8年当時に、いわゆるそういう事業団が設立されたわけでございまして、施設は13年度から稼働でございますけども、その当時最終処分場のひっ迫、それから県内での搬入規制、産業廃棄物をめぐる情勢が全国的にもかなり問題となって、厳しさが増している状況でございました。そういった中で、いわゆる民間の廃棄物処理についても住民の反対が多くて、なかなか立地ができないと、そういう中でいわゆるモデル施設的なものをつくって、そういう民間施設の立地促進を図ろうということで、ある意味では有効な事業であったというふうに理解をしているところでございます。
大貫議員:それならば引き続き営業できたと思うんですよ。今度は民間に譲渡するわけですよね。民間にできて、どうしていままでの事業団じゃできないんですか。
早渕資源循環局長:この事業団は焼却施設のみ有する運営でございまして、民間の場合にはいわゆる廃棄物を遠くから集めてくる収集運搬まで入って、一連の施設でのそういった意味では運営をするっていうことがございまして、いわゆるそういった意味では、廃棄物を集めて自分の施設で焼くということで、ある意味で効率的な運営ができるということじゃなかろうかと思います。
大貫議員:そんなことは初めからでわかっていたことで、ただそれができなかったというのは、私は大名商売やったというふうに思いますよ。
清算金11億6000万円を税金で支払う責任は
それで、今度の新年度では事業団の清算にかかわって予算がついていますよね。その金額と根拠を教えてください。
早渕資源循環局長:11億6400万円の内訳でございますけども、内訳としましては、本年3月末現在の日本政策投資銀行からの借入金残高、これは3公共全体でございますけども、全額として34億5500万。それから、本年9月までの利息が約3600万。合計で34億9100万円あるわけでございまして、その額を3公共でそれぞれ3分の1ずつにした額が、11億6400万円というかたちで相成るわけでございます。
大貫議員:大変な厳しい財政状況の中で、この11億6000万という支出をしなきゃいけなくなったことに対する責任ですね、そのことについてはどう考えますか。
早渕資源循環局長:3公共団体では、経営改善計画の進捗管理を図るために、企業経営や産業廃棄物分野の専門家による経営改善計画検討委員会を設置をいたしまして、経営改善が進むように必要な指導を実施をしてきたわけでございます。事業団においても、この計画に沿って人件費のカットなどによる経費削減や営業強化による搬入量の確保など、できる限りの経営努力をしてきました。しかし、この間の価格競争等が撃破いたしまして、処理単価が急激に下落したため、経営改善に結びつかなかったものでございます。
大貫議員:私はそのことは知っているんですよ。だけど、こういう事態になってしまったことについて、失礼だけども理事、役員に入ってますよね、局長ね。だから局長として、役員としていままでかかわってきたから、そこに対する責任だとか、11億6000万もお金払わなきゃいけなくなってきた、そのことについてどう思いますかって聞いているんです。
早渕資源循環局長:過去さまざまな経営努力をした結果でございまして、結果については残念な結果だというふうに思っております。
大貫議員:非常にこういうふうな状況の中で、そういう残念だったというだけでは僕は終わってはならないと思うんですよね。先行きましょう。
予定価格2000万円と落札価格14億6900万円の開きは何か
事業団の譲渡がされますよね、今後。その入札顛末について説明してください。
早渕資源循環局長:入札は4社が参加して、1月20日に実施をされました。株式会社クレハ環境が最高額の14億6900万円で落札をしてございます。優先交渉事業者としてなっているところでございます。以下、残りの3社がございますけども、それにつきましては、第2位が12億2000千万、第3位が7億5000万、第4位が3億というかたちで、入札が行われております。
大貫議員:それではそのときの予定価格を示してください。
早渕資源循環局長:予定価格は2000万というふうに聞いております。
大貫議員:2000万ということは、その事業を要するに施設132億円たしかかかりましたよね。話によると、いわゆる金額的にいえる72億円がいま帳簿原価ですよね。それがなんで2000万円しか入札価格つかないんですか。
早渕資源循環局長:予定価格の算出方法でございますけども、公認会計士による企業価値評価法というのが採用されまして、産業廃棄物排出量の減少に伴い、処理単価が下落し、収益性が著しく悪化をしていること、施設の老朽化が進んでいること、事業期間が15年間に限定され、事業終了後の更地返還が譲渡条件とされていることなどが反映されたものと事業団から聞いております。
大貫議員:その前に、8億円程度のお金、貸付金出してますよね。それとの関係でいえば、譲渡金額が多ければ多いほど、横浜市に帰ってくる金が出てくると思うんですよね。その前に、いわゆる8億円の貸付金、これ帰ってきますか。
早渕資源循環局長:事業団は3月31日に解散をいたしまして、その後破産法に基づく破産手続きの中で、事業譲渡代金等の債権や借入金等の債務を清算する予定になっております。本市からの貸付金につきましては、この手続きの中で清算されますので、貸付金の全額が回収不能になることはないというふうに見込んでいるところでございます。
大貫議員:それはこの間聞いているんだけど、いくらになるんですか。
早渕資源循環局長:これから清算したあとの配当でございますけども、まだ債権債務を全部整理しないと額的にはいくらになろうかというのはちょっとここでは計算できません。
大貫議員:そうすると、先ほどいった譲渡のときの落札価格というのが非常に大きなファクターになりますよね。それが大きければ当然帰ってくるお金も多くなる。そういうことでしょ。そのときに2000万円した予定価格をつけなかったこと自体が、私問題だと思っているんですよ。
それで、局長は、いまおっしゃったように、企業に対する企業評価というふうにおっしゃいましたよね。企業といえば、もともと倒産しちゃったもんですからね、企業なんでゼロですよ、評価なんてものは。そのゼロの評価に対して評価すること自体がおかしいじゃないですか。具体的に何かに対して評価して、それに対して入札する、応札するんじゃないですか。
早渕資源循環局長:公認会計士が積算をしたのは、あの施設を使って稼働させて収益事業を進めるという前提でもって、予定価格、あの施設をいくらで譲渡するかということを計算したわけでございますので、プラスもあればマイナスもあって、その中で積算したものというふうに考えております。
大貫議員:それでは、72億円の簿価に対して、何をマイナスにしたんですか。
早渕資源循環局長:やはり将来にわたる焼却炉の大規模改修が将来的に見込まれているというのが実態としてございますので、そういったものはマイナス要因になったんではなかろうかというふうに思っております。
大貫議員:大規模改修といったって金額が知れていますよね、10億とかわかりませんけどね。しかし、それに対して私いいたかったのは、公認会計士がうんぬんじゃなくて、横浜市としてその財産を評価したのか、評価して実際に入札にあたって予定価格を決める時に、横浜市としてはこれはこういう金額にするべきだとこういうふうにいったんですか。
早渕資源循環局長:この金額をいくらにするかというのは事業団の施設でございまして、事業団がある意味ではそういった意味では事業団の弁護士と相談しながら、積算をしているというふうに考えてございまして、それなりにさまざまな角度から検討されたというふうには考えております。
大貫議員:その中に役員として入っているんじゃないですか。私たちの横浜市の税金が使われるわけですよ。その額が決まっちゃうわけですよ。そういった点で、局長いいですか、14億数千万円で民間が入札したんですよ。民間は14億っていっているのに、評価が2000万円ていうこの開きは、なぜそんな開きが出るんですか。
早渕資源循環局長:先ほども申し上げましたけれども、事業団の専門家である公認会計士がいわゆる分析をして積算をしたということで伺っているところでございます。
大貫議員:横浜市の大切な税金使う時に、聞いているとかなんとかていうんじゃだめなんですよ。やっぱり、横浜市としてこの入札にあたってどういう金額になるかということをきちっとそこで意見もいわなきゃいけない。これ県がやりましたよね、入札はね。そういうことを考えれば、そこに対して局長が役員として具体的にこの問題についてどういうふうにかかわったんですか。
早渕資源循環局長:基本的には事業団が主体的にこの評価をしているわけでございまして、それに対して3公共が確認をしているということでございます。
大貫議員:その確認をどうして与えたんですかということを聞いているんですよ。
早渕資源循環局長:我々としては事業団のことを熟知している公認会計士が積算をするということに信頼をおいたということでございます。
大貫議員:経営改善検討会のとこで、譲渡するにあたっての条件としては、県民や市民が理解を得られるように透明性公平性これをきちっと担保してくれといっているんですよ。それを考えたときに、公認会計士がいっているからいいというならば、なんで2000万円と14億のその開きが出るんですか。この開きをちゃんと説明してくださいよ。
早渕資源循環局長:今回クレハ環境が落札をしたわけでございますんで、クレハ環境がどういう積算をして14億と札を入れたかはわかりませんけれども、基本的には入札4社の中でやっぱり3億という数字もございましたし、そういった意味ではクレハ環境の会社が自分の事業を運営するのにそれだけの価値があるというふうに積算した額であろうというふうに考えております。
大貫議員:いずれにしろ税金を使うわけですから、税金どれくらい戻ってくるかというのは大きな問題になってくるわけだから、そういう意味ではやっぱり市民にきちっとした説明ができるようにしてくれないと困るんだよね。私は、今度の入札でいえば、もう少しもっときちっと横浜市が調べて、この金額が実際に入札価格がきちっとすれば、もっと高い水準で予定価格を決めることができたと思うんですよ。そうすれば帰ってくる金額も多くなると私は思うんだけれども。だいたいこれはそう考えると入札そのものが非常に不明朗だからやり直す必要があるんじゃないんですか。いかがですか。
早渕資源循環局長:入札は我々としては適切に行われたというふうに考えております。
大貫議員:これは非常に問題だと思いますよ。
出資団体にも負債総額59億円の責任を取らせよ
それで、いま事業団の負債、総額いくらですか。
早渕資源循環局長:事業団の負債といいますか借り入れでございますけれども、日本政策投資銀行が約34億8000万、それから3公共の貸付金が約24億というふうになっております。
大貫議員:総額59億前後ですよね。これ、なんで3公共だけで責任とるんですか。あそこに出資した企業、団体に対してはなぜ要求しないんですか。
早渕資源循環局長:事業団の経営は独立した事業主体として事業団自身の責任で事業が遂行されておりまして、これまで3公共がその取り組みを支援してきたわけでございます。一方、出資していただきました9団体の代表の方は、非常勤役員として民間経営のノウハウを有する方に客観的立場から事業団の業務執行の意思決定に参加をしていただくために、出資をお願いしたものでございます。
大貫議員:やっぱり出資割合にかかわってきちっと責任持たせるべきですよ。それをよしとするのは、税金に対する感覚が本当に問題だと思いますよ。山田さん、いいですか。私は大型公共事業としては非常に失敗した例だと思うんですよ。最終的に誰も責任取らないんですよ。最終的にとるのは、こうやって11億数千万円税金これ税金で支払うようになるんですよ。最終的に行政としては誰が責任とるんですか。こういうかたちでいいと思いますか。最後お聞きしたいんだけれども。
山田副市長:いまお話をずっとうかがっておりまして、大変残念な結果が起きているなというふうに思います。いろいろ団体をつくったときの見通しと比べて大きく状況が変わってきたという中で、現時点で最善の手を打ったということではなかろうかというふうには思いますけれども、大変残念な結果だというふうに思っております。