パブコメへの市民意見を反映しない中期計画は、直ちに見直しを
あらき議員:日本共産党を代表して、中期四か年計画の議案について質問してまいります。
まず財政見通しについてです。歳入で一般財源に占める市税の内、個人市民税が占める割合が高いのは横浜市の特徴です。計画期間中の財政見通しで平成30年から33年までの予測で個人市民税は増えますが、一方で法人市民税が減っている理由について伺います。
横山財政局長:法人市民税は平成31年10月以降、法人税割のさらなる一部国税化による税率引き下げが予定をされております。それによる減収額といたしまして、32年度は約80億円、33年度は約160億円の減収を見込んでいるところでございます。
あらき議員:市長は自然収入を増やすためとして大企業誘致のために助成制度を作ってきました。結果的には法人市民税一部国税化の影響があったとしても、増えていない事実から、その波及効果が中小企業には、特に及んでいないことも明らかになっています。横浜経済の活性化に寄与していない大企業の本社や研究所等への助成制度については、やめるべきと考えますが、見解を伺います。
林市長:企業立地促進条例では132件の企業立地を認定いたしまして、そのうち39件が中小企業で、29年末現在で、これまでの支援額を94億円上回る税収効果となっています。企業誘致は法人市民税だけではなくて、固定資産税等の増収や市内企業の事業機会の拡大に資すること、それから雇用の確保につながっているものでございまして、横浜経済の全体の活性化の推進のためには重要であると私は考えています。
あらき議員:お答えいただきましたけど、中小企業39件ですから、この点ではまだまだ私達はこの助成制度としては、大企業については必要ないだろうと思っています。今後ですけれども、人口減少社会の到来、超高齢社会の進展という状況判断のもとで子育て世代の転入や出生率の向上につながる、子ども・子育て支援などの取り組みが一層重要になる、ここの考え方は一致しています。そこで横浜市から東京都区部や川崎市、相模原市、県央地区、湘南地区への転出超過が続いている事実があります。結婚を機に小児医療費無料化や中学校給食、学童保育などの子育て政策が充実している自治体を選んでいる市民がいる、こういう点についてどう考えてらっしゃるか伺います。
伊地知政策局長:昨年度政策局で実施いたしました、市外転出者の意識調査におきましては、結婚を機に転出された方は通勤、通学、買い物等の交通の便が良いことを転出先を選んだ理由としている方が最も多く、続いて家賃や住宅の価格が手頃であること、親や子、親族などが近くにいることを理由として転出先を選んでるという結果になっております。
あらき議員:それも知っていますけれども、やはりその先の子育て政策が充実しているということも、私は選択の理由のひとつだと思っているのです。個人の納税者が納める個人市民税と固定資産税は市税収入のうち約65%を占めていて、市民が横浜市に定着してもらうことが最も大事な財政政策だと考えます。現在、あるいはこれから横浜市に住み、子育てをしようとする市民にこそ税金を使うべきです。そのためには素案のパブリックコメントに寄せられた中学校給食の実現や小児医療費無料化を望む市民の意見こそ反映させることが必要だと思いますけど、市長の見解伺います。
林市長:新たな中期計画では、市民の皆様の暮らしを今後ともしっかりと、お守りしていくために子ども、子育て、教育、医療福祉などの取り組みを一層充実させようとしているわけでございまして、このような取り組みを実施し着実に進めるためには、当然ながら法人税を含めた税収が必要になってくるわけです。そこで企業集積を促進して市内経済を活性化させたいと私は考えているわけです。今おっしゃった中学校給食の実施、それから小児医療費の無償化でございますけれども、いずれも多額の財源が必要でございまして、特に中学校給食につきましては、多額の施設整備費や給食室の用地確保等が必要となってくるわけでございます。そう言ったことを考えて私も苦慮しているとこでございますけれども、現在の中学校昼食を充実すること、それから小児医療費助成、今度中学3年生までですけれども、一歩一歩進めていくということが大事なことではないか、今できることをしっかり取り組んでいきたいと考えております。
あらき議員:取り組む前に市民が出て行ってしまうという認識は、おありなのかどうかお聞きしたいのですけど、パブリックコメントこれ市長はお読みになったのでしょうか
林市長:はい、読ましていただきました。
あらき議員:では改めてお聞きします。厚生労働省は毎年全国の市区町村における小児医療費無料化について調査をしています。昨年度の実績で所得制限自己負担ともに無しが増えています。実に84%の1463市町村が所得制限なしで実施です。中学校給食については厚生労働省が実施している自治体92.4%という数字を出しています。横浜市はこのどちらも実施していない自治体になるということについての認識、どうお考えでしょうか
林市長:それはもう、私どもは本当に市民の皆様に寄り添いたいし、希望には沿いたいと思いますけども、やはり現状の財政ということを考えれば、やれることをしっかりやって行くことだと思います。今、先生がおっしゃったところまでは、ちょっと、横浜市としては進めることが出来ないということでございます。やれるのなら必ずやります。
あらき議員:やれるのだったらやって欲しいというのが市民の意見なのです。これを読みます。
中学校教員からのパブリックコメントです。「ハマ弁になっても利用者が少ないということは、そこには食の平等性がないからでしょう。別の面から言えば非常に非教育的時間になっているということです。教育の場で非教育的立場を作るというのは根本的な間違いです」という意見、それからこれは一般市民です。「横浜市はなぜ学校給食法に基づく給食に反対するのですか、学校給食法は国の法律です。市民の目から見れば、なぜ横浜市が一環して給食に反対するのか理解に苦しみます。新しい政策を導入するときは、国の動向を錦の御旗にして施策導入の根拠としています。その横浜市が中学校給食になると家庭弁当が基本だとか、お金がないとか給食施設を作るスペースがないとか様々な理由をつけて反対してきました。今では中学生に大変不人気なハマ弁の喫食率拡大に躍起になっています。ハマ弁ではなく、今こそ国の法律通り中学校給食を実施すべきです。圧倒的に市民の意見309件もありました。この点についての市長の認識を改めて伺います。
林市長:そういった市民の皆さんのご意見があることも私理解しておりますけど、それはそのご意見として受け止めさせていただきます。それから先生が、大変不人気とハマ弁をおっしゃっていただきましたが、まだ本当に食べていただいて、これは以後は注文できないというような状態で決してないと思って、やはりハマ弁をもっと周知するための我々の努力が足りないと思いますから、お時間を頂戴したいと思います。
オリンピックを意識した大型開発より市民生活の安全重視を優先して
あらき議員:その認識を改めていただきたいと思います。
次に公共施設の保全更新についてです。平成30年度から49年度までの20年間の保全更新で約1.8兆円、建て替えで0.7兆円、合計で2.5兆円としています。この長期推計では単年度で1250億円が必要となります。今回の中期計画が年間700億円にそれが、留まっています。この差550億円、これでは長期推計通りに事業が進まないことになり、次世代に負担を先送りすることになると考えますがどうでしょうか。
横山財政局長:長期推計の約2.5兆円はメーカー等が推奨する、標準的な周期で試算した保全更新費となっております。新たな中期計画の見込額は、適切な点検に基づき必要な保全更新を行う、いわゆる常態監視保全の考え方を取り入れております。また小中学校等の建て替えが四年間では着手段階であるということもございまして、長期推計とは差が生じてございます。保全更新費全体では前中期計画を上回る額を確保し、着実に保全更新を進めてまいります。
あらき議員:その着実に行くかどうかを心配しています。
今後4年間、市債発行は平成30、31年度は東京オリンピックに間に合わせるとして新市庁舎、高速横浜環状道路北西線の完成を急ぐために1720億円と増やし、その後の2年間の市債発行は1260億円と年間約500円も削減する計画です。今でさえ学校や市営住宅などの市民生活に関する施設進めること難しい状況なのですが、この通りできるのでしょうか、伺います。
横山財政局長:新市庁舎整備や横浜環状北西線整備等の事業費が31年度と加えまして32年度は約420億円程度減少することが見込まれております。これは2020年完成を目指して進めてきた大型投資が終了するということによるものでございます。従いまして32年度33年度においても学校や市営住宅など市民生活に関係する施設整備は進めていくことができると考えております。
あらき議員:ブロック塀あるいはスクールゾーン対策など、市民生活にかかるところにも影響しないと言えるのかどうか改めて伺います。
林市長:崖対策や通学路のブロック塀対策など市民の皆様の生活に密着した施策を充実することは基礎自治体としての使命でございまして、新たな中期計画にも位置づけております。子育てや教育、福祉など市民生活に直結する政策を充実すると共に中、長期的な財政基盤の強化を念頭に高速道路や港湾の整備なども都市基盤整備を行うことも非常に大事です。このように施策をバランスよく着実に進めてまいります。
あらき議員:それ相当難しいと思います。私たちはまずその点しっかりと確保していただきたいと思います。
朝鮮半島の共同宣言が交わされた今こそ、ヒバクシャ国際署名に賛同を
あらき議員:最後に国際平和について伺います。横浜市国際平和の推進に関する条例が制定され19日には南北首脳会談において朝鮮半島の平和と非核化に向けた具体的な措置を明らかにした共同宣言が行われました。このアジアにおける平和の流れに横浜としても発信すべき時です。先ほど市長は核兵器禁止条約の締結を進める国際署名の賛同ついて検討するとおっしゃっていました。いつまで検討されるのでしょうか
林市長:国際署名の賛同につきましてでございますが、まさにこの度の国際平和の推進に関する条例の趣旨を踏まえながら検討していくわけでございますが、ちょっと時期的には今、いつということは申し上げられませんけども、当然ながらそう長い時期を見ているわけではございません、できるだけ早く検討したいと思っております。