カジノ“検討”削除し、中学校給食実施に向けて調査開始を
横浜市会では25日(金)、会派を代表した一般質問が行われ、かわじ民夫議員(旭区選出)が登壇し、先に林文子市長が発表した横浜市中期4か年計画2018~2021(素案)に示されている、カジノ(IR)誘致“検討”の明記、中学校給食の未実施、市営住宅増設ゼロ、実現性が危うい交通不便地域の対策、貧弱な平和施策の問題について質問し、改善を迫りました。
多くの市民がギャンブル依存症増加、治安の悪化、青少年への悪影響などを理由にカジノ誘致に反対しています。林市長も昨年の市長選を機に「白紙」を強調していました。しかし、先日発表された計画素案には、カジノ(IR)については、「国の動向を見据え、検討」すると明記されています。「国の動向」については「整備法制定・区域整備計画認定」と注釈があり、現在国会で審議されているカジノ実施法案が制定されれば、誘致宣言するとも読み取れます。計画素案の前に市がとりまとめた「新たな中期計画の基本的方向」には、これらの記述はありませんでした。
かわじ議員は、これは、カジノ推進の安倍自公政権と経済効果を持ち上げる自民党市議団に配慮して、これまでの「白紙状態」という市長の態度を実質的に撤回したものだと指摘。カジノ誘致反対の市民の声を素直に受け止め、カジノ誘致「検討」という方針は中期計画に盛り込むべきではないと主張し、記述の削除を迫りました。
林市長は、観光や地域経済に期待する経済界からの声とギャンブル依存症等を懸念する声があり、「横浜市にとって一番良い方法は何かということを検討する」と答弁し、削除要請には背を向けました。
全国20政令市の中で、横浜市だけが中学校給食を実施していません。計画素案では「中学校昼食において選択制の充実に向けて、ハマ弁を選択しやすい環境を整える、昼食の用意が困難な生徒へ支援を継続」するとしています。
かわじ議員は、公費を入れてハマ弁を値下げしても4月の生徒の喫食率は1.5%でしかなく、選択肢の要件は値段だけではないことがはっきりしたと指摘。その上で、子ども達が何を望んでいるのか、調査することが必要だと主張し、中学校給食の実施にむけた調査を開始するよう求めました。
林市長は、中学校給食実施は、「必要な施設整備費に多くの費用がかかること、給食室のスペースがないこと、全校実施まで時間がかかること」から、実施することは難しいと述べ、ハマ弁を利用しやすくすることで、「家庭弁当の用意が難しい状況に応えることができると思う」と答弁しました。
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