国・県の補助金増あっても
市が、学童保育指導員の資格要件緩和を提案
共働き、一人親世帯が増えるなか、学童保育(放課後児童クラブ)の拡充は待ったなしです。横浜市は、学童保育の指導員確保策として指導員の資格要件に国の省令に沿って、新たに「5年以上放課後児童健全育成事業に従事した者であって、市長が適当と認めたもの」を加えようとしています。
22日、本会議で議案関連質問に北谷まり議員が党市議団を代表して質問しました。
保育の質低下にならないよう、経験年数の内容規定を
市内の指導員からは、指導員の資格要件をゆるめることについて、保育の質の低下につながることを心配する声があがっています。その一方で、10年以上の経験がありながら、高卒でないために正規の指導員になれない実例も。今回の措置でこの方が救済されることは喜ばしいことです。しかし、5年以上の経験といっても、フルタイムとパートタイムでは実経験期間には、大きな違いがあります。
党市議団は、学童保育の質の保障のためには、経験年数の内容について、月単位などの勤務時間数を示すべきと提案。
低賃金のため、指導員が働き続けられない現状こそ問題
学童保育の現場では、3年未満の指導員が増え、5年から15年の指導員が減少しています。中堅指導員が退職するのは経済的理由によるもので、結婚して子どもができた時点で将来への不安からの転職事例などが続出しています。人員不足によって、現場の勤務実態は、長時間労働に加え、休暇もとれないような事態が生じる悪循環となっています。これまでの処遇改善策では不十分です。
国・県の補助金が増額されても市費を削ったら拡充にならない
2018年度、横浜市の学童保育事業には、国・県から2億7千万円の補助金が増額されました。人件費を増額して処遇改善を図り、指導員が安定して長く働けるようにするチャンスでありました。しかし、横浜市は、1億9千万円の一般財源の削減を強行。党市議団は、国費・県費が増えたからと一般財源を削減するのは、あまりにも現状を見ていないと指摘しました。
指導員の定着は保育の質を保障するものです。安定的な運営と質の向上、保護者の負担軽減を図るためには、財政支援を抜本的に引き上げ、基本給補助と勤続給補助の増額がともに必要だと主張しました。林文子市長は「国費県費をしっかり確保した上で、事業費全体を増加し、事業を行うための必要額を確保した」と答弁し、指摘にまともに答えませんでした。
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