見解/声明
2009年12月11日

2009年12月市会(第4回定例会)閉会にあたって

2009年12月11日
日本共産党横浜市会議員団
                        団 長 大 貫 憲 夫

1、はじめに

 林文子新市長のもと、二回目の定例会(12月市会)は、本日の本会議で、市長提出の、局名称変更、一般会計補正予算など62件の一般議案と、副市長選任など3件の人事議案、議員提出の4件の議案を賛成多数で可決し、閉会しました。
 日本共産党市議団は、3人の副市長人事には同意し、一般会計補正予算は、ヘルパー資格取得支援など評価できる施策もありましたが、市職員の賃金引下げが盛り込まれており、反対しました。
 2008年度決算認定の反対討論は大貫憲夫議員、議案関連質問は関美恵子議員、一般質問は河治民夫議員、最終日の反対討論は白井正子議員が行いました。

2、一般質問について

 河治民夫議員は、来年度予算編成の基本方針と保育行政について、林市長に見解をただしました。
 市は、東京など8都県市と共同し、保育所の施設整備基準について全国一律の最低基準を見直す要望書を国に提出。河治議員は「今でも世界的に最低レベルの面積基準をさらに引き下げる規制緩和に関わって、保育の質の担保をどのように考えているのか」と質問。市長は「適正かつ良質な保育所運営が出来るような水準を保つべき」と抽象的な答弁を述べるにとどまりました。
 河治議員は「待機児童解消策は保育所の増設が決め手」として、町田市の「20年間期間限定認可保育所」制度を例にあげ、「保育所建設をさまざまな工夫を凝らして進めるべき」と主張。市長は「横浜保育室への助成の拡充など新たな施策にも積極的に取り組みたい」と、これまでと同じ答弁を繰り返しました。
 株式会社エキスパートシステムは、親会社の経営破たんにより、運営していた2つの保育園(港北区、中区)を年度途中で別法人に譲渡しましたが、港北区の園は貸付金として3146万円を不正に会計処理していました。河治議員は、保育士が相次ぎ交代し、保護者を不安に陥れたことを強調し、保育園運営の資格や能力のない同社を認可した市の責任をただすとともに、不正に処理していた貸付金を市に返済させるよう求めました。さらに、再発防止のために、営利会社の保育所認可基準を本市独自の厳格なものにするなど慎重にするよう求めました。

3、議案関連質問について

 山内図書館(青葉区)の指定管理者に有隣堂グループを指定する議案について、関美恵子議員は、現行では13人の正規職員が移行後は11人に減り、しかも職員の経験年数も浅くなることから、専門性やサービス水準の低下が懸念されると述べ、指定管理者に対して常勤職員や司書の具体的な配置数や経験年数を提示すべきではないかと質問。田村教育長は、民間業者のノウハウや柔軟な提案を期待すると答弁しました。
 林市長は、選挙時の公開質問状に「基本的には図書館は指定管理者制度にはなじまないと考える」と回答しています。関議員は「(質問は)指定管理者選定作業中の話であり、それでも『なじまない』との回答だったわけで、それなのになぜ提案されるのか、選挙中の公約は果たすべきだがどうか」と質問。市長は「市と指定管理者のどちらがより効率的効果的に施設の設置目的を達成できるかという視点から、各施設の特性等を個別具体的に考慮し、様々な検証を行いながら、適切な管理運営に努めていきたい」と答えました。
 その他、局名変更、雇用推進、障害者グループホームの職員確保等について、質問しました。

4、請願・陳情について

 38万5千余の署名による学童保育の改善を求める請願をはじめ、14件の請願が審議に付され、党市議団は切実な市民要求を反映した案件については、実現されるよう委員会内外で奮闘しました。学童保育、保育所待機児解消、30人学級の実施などは、市長の選挙公約に沿う要求です。自民、民主、公明など多数会派は、従前と同じ態度で、これらの請願を不採択としました。

 今議会中に、大幅な利用者負担増を招く敬老パス制度の見直し案が当局より示され、その一方で横浜駅周辺大改造計画の総事業費見込みを8000億円と発表しました。

 日本共産党横浜市会議員団は、引き続き市民要望の実現にむけて力を尽くすともに、大型開発による市民サービス切り下げや負担増を許さないたたかいを、市民のみなさんと共同して広げる決意です。

以上


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