横浜駅の北西側で、東急電鉄、相鉄が中心となって、高さ180m、44階建ての外国人向け超高層ビルが、2021年度完成予定で建設されます。海外から横浜に進出するグローバル企業の就業者にとって、暮らしやすい住環境を整備するためです。ホテルや商業施設も入る予定です。
「特区」の名のもとに容積率850%まで緩和
この超高層ビルは、国家戦略特区法に基づく全国初の「国家戦略住宅整備事業」で、都市再生特区に加えて国家戦略特区によって指定容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)500%のところを、850%と大幅に容積率を加算することで実現されるものです。これによって事業者の建設面積当たりの土地代負担も大幅に軽減されます。
国家戦略特区法は、アベノミクスを地方で推進する法で、大企業の大もうけを規制する仕組みを「岩盤規制」と決め付け、撤廃する「ドリルの刃」(安倍総理)です。
補助金を約45億円も交付でも残るのは「交通広場」だけ?
このビルの全体事業費約366億円ですが、その内、横浜市は約45億円を補助金として支出します。それに見合った公益性が無ければ理屈が通りません。
党市議団は、この超高層ビル建設で、市民が受ける恩恵は何かとただしました。都市整備局は「既存の道路を拡幅」「交通広場の整備」などと答弁しました。しかし、道路の拡張等はビルを機能させる上で必須なので事業者負担が通常です。交通広場は580平方メートルの計画ですが、この土地の価格相場は高く見積もっても15億円程度です。(党市議団の試算)
民間企業の私有財産形成に税金投入は認められない。
党市議団は、すでに事業には土地代負担を実質的に大幅に軽減する「容積率緩和」と恩典が与えられおり、民間事業者の私有財産形成にまで市民の税金を使って補助金を入れるべきではないと指摘し、補助金額の大幅な削減を主張しています。
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