教室に扇風機を、支援学級にクーラーの設置を
大貫議員:私は、夏場対策について質問したいと思います。申し遅れましたけれども、日本共産党の大貫でございます。どうぞよろしくお願いします。
先ほど、横山委員の方から扇風機のお話がありましたね。私は同感だと思うんですよ。私も同時に彼と一緒に委員会で黒須田小学校に行ってきたんですけれども、同じような陳情受けましたよ。それで私、自民党さんも共産党も一緒にこの要求出すということは、これは非常に大切なことだから、これだけでもやるべきだと思うんですけれどもいかがですかね。
押尾教育長:お話を全部伺ってから、考えたいと思っています。
大貫議員:あっそうですか。要するに、扇風機は緊急な課題だということなんですが、先ほど教育長は学校長と相談してやると、こういうふうにおっしゃっていましたね。これまで遅々通して進まなかったのは、そういうやり方をやっていたから進まなかったんですよ。そういう認識ありますか。
押尾教育長:今後は教育委員会の方から学校に発信して、学校長の意をいろいろとくんで、相談しながらやりたいと。いままでは学校がそれぞれ考えていたことを、学校の中の工夫でやっていたと認識しておりますので、今度は教育委員会から発信していこうと思っています。
大貫議員:それはそれとして、一歩前進だと思いますよ。ただ私は、教育委員会が夏場対策についてきちっとどういう認識しているかということが非常に重要だと思うんですよ。だから、この間の温暖化の問題もあって、また冬場もそうですね。環境をどうとらえるかと、こういう点で教育委員長にお聞きしたいんですが、この間今田さんいろいろ現場回っているというふうに聞いています。そういう時に子どもたちの、生徒・児童のその現場の実態、環境の問題について、どういうふうに認識されているのか、伺いたいと思います。
今田教育委員会委員長:お答えをさしていただきます。日頃は先生と私とは少し物事の考え方がいろいろあるかなと思っておりますが、いま日ご質問いただきまして、少なくともこの暑さ対策という面については、我々多少先生とジェネレーションが同じようなところで精神論でいきたいところですが、いま年のような暑さをみたりしますと、その学校の位置する場所とか環境とかクラスのレイアウト等いろいろあるんでしょうけれども、いろいろ考えないといけないんじゃないかな、そういう意味では先ほど横山先生からもお話ありましたけれども、ぜひ我々としても、ここまであんまり踏み込みますと委員長と教育長の立場がありますもんであれですが、これはもういま日いろいろご質問うかがって、我々としてもその必要性を痛感をしているところであります。
大貫議員:先ほどもいったように、教育委員会通してこの問題をきちっと位置づける必要があると思うんですよ。これは学校長に相談してやるっていってましたけれどもね、その点で私は室温だとか環境だとかそういった意味では基準があると思うんですけど、いかがでしょうか。
押尾教育長:学校環境衛生の維持改善を図る目的通して、文部科学省の学校環境衛生基準というのがございまして、それに則りまして学校の実態に合わせて対応しているというところでございます。
大貫議員:それでは、どういう基準になっているんですか。室温について答えてください。
押尾教育長:学校環境衛生基準では、夏場の夏季では30度以下であることが望ましいと。また、もっとも望ましい温度は25度から28℃であることと、そういうふうに規定が書かれております。
大貫議員:その規定のために、基準を守るために、これまでどういうことをされてきましたか。
押尾教育長:特にそれぞれ学校の暑さ対策の中で、一斉の実態調査は行っておりませんけども、先ほどもお話しましたように、学校長からの申し出があった場合に相談して、それぞれの学校にあった暑さ対策を実施したというところでございます。
大貫議員:その基準の根拠法について説明してください。
押尾教育長:この基準の根拠法では、学校保健法でございます。
大貫議員:法律に基づいて基準があるということですよね。その基準をみてみますと、こういうふうに書いてあるんですね。これは大事なことなんですが、検査をしなさいと。何回しなさいと。毎学年2回しなさいと。こういうふうに記載されているんですね。いまおっしゃっていたけれども、いままでやってないなんていうのは、これ大変なサボタージュじゃないですか。いかがでしょうか。
押尾教育長:それにつきましては各学校で実態に合わせて実施しているというところでございます。
大貫議員:学校保健法では、必要に応じて対策をしなくてはいけないんだといっているわけですよ。子どもたちは必要だ必要だといっているわけね、暑くてね。だけども教育委員会が必要だと認めていない。だから対策してこないと思っているんですけどね。そういった意味ではやはり基準があって、実態を調査する、これが大事だと思うんですよ。学校に任せているだけだったら、教育委員会として責任をもって調査していないことになる。基準に照らしてみて、これはやはり、さっきもいっているようにサボタージュじゃないですか。これ、やりますか。
押尾教育長:先ほどの委員長のお話もございましたけれども、各学校のおかれている場所やそれぞれの学級における温度差、様々あるというふうに思います。それらについて教育委員会から発信して、それぞれの学校長からそういうものについての詳しいお話を聞いたうえで、それぞれ考えていきたいと思います。
大貫議員:それじゃだめなんですね。その基準では、そのやり方全部書いてあるんですよ。このとおりやりなさいというふうに思いますよ。これね、佐々木副市長いらっしゃいますから、お聞きしたいんですが、いま横浜市ではコンプライアンスの問題というのは大分重視していますよね。こういった法令だとか基準を守るというのは、その点から考えたときに、いまの教育委員会の考え方、おかしいんじゃないんですか。
佐々木副市長:教育委員会といたしましては、いま教育長が答弁いたしましたように学校保健法に基づきまして、学校衛生環境の維持・改善というものに対して取り組んでいるところでございます。
大貫議員:そうじゃないんですよ。コンプライアンスっていうのは順法でしょ、まず基本的には、狭い意味では。そういった時には法令があってその上に基準があって、2回やりなさいと。これは学校でやりなさいと書いてありませんよ。教育委員会としてやりなさいと書いてあるんですよ。それ、やる必要があるんじゃないですか。そういう意味でコンプライアンスを守ることをさせることが必要じゃないですか。
佐々木副市長:文部科学省の学校環境衛生基準というものがございまして、それに則りまして各学校の実情に合わせての対応をしているところでございます。
大貫議員:私は、必要だと子どもたちがいって、教育委員会が必要だと認めて、動き出すということが大事だと思うんです。そういう意味では実態調査、これは必ずやるべきだと思うんですよ。この点については確認取りたいんですけどね。実態調査やりますか。
押尾教育長:先ほどお話しましたように、各学校と個別に、私どもの方で声をかけて、学校長からのお話を受けて、そういうものでまとめていきたいというふうに思います。
大貫議員:これは、きちっと法令に基づいて教育委員会通して実態調査しなさいというふうに思いますよ。同時に、そこまでいかなくても、いま緊急に手当をつけなきゃいけないっていう問題に扇風機があるんですよ。扇風機というのは、ご存知だと思うんですが、空調の代わりですね。夏も冬も非常に有効だということはご存知だというふうに思うんですけれども、さきほどの話ですとまだまだ40%前後のところ、ついていませんよね。改めてこれは喫緊の課題としてつけるべきだというふうに思いますけれども、しつこいけどももう一回聞きます。いかがでしょう。
押尾教育長:それぞれの学校毎に教室の場所とか様々ありますので、多分学校長はその緊急度の高いところからそれぞれつけてきたというふうに考えております。ですから私どもも、今後は学校に発信をして、そういう申し出があったところから相談に応じていきたいというふうに思います。
大貫議員:それではだめですね。もうこれは標準装備しなきゃいけない時代ですよ。これは、きちっと学校の教室には扇風機つけるという立場に立って、そういう立場から教育長として学校に発信しなきゃだめですよ。どうですかといった場合に、私は、この間いいたいんですけれども、扇風機の問題も含めて金がないと、財源がないということが基本でしょ。いかがですか。
押尾教育長:財政事情もひとつのものになりますけれども、今後それぞれの学校ごとの実情に応じてやりたいということで、学校長と相談しながらやっていきたいということでございます。
大貫議員:あのですね、川崎でいま全部つけましたね。その様子、報告してくれますか。
押尾教育長:まだ川崎市の話については、私どもまだ承っておりません。
大貫議員:それだったら、なおさら情報を得てないっていうこと自体が、この問題について関心がないという態度なんですね。もう何年もいってますから。そういうことを考えますと、これもう本当にサボタージュですね。それで私は、これは本当のことを考えると、教育委員会もやっぱり付けたいと思っていますよ、多分そうだと思いますよ。だけども金がないと。こういう意味では学校予算そのものが減っているというふうに思うんですけど、いかがでしょう。
押尾教育長:学校の方は、いきいき予算、いきいき総額裁量制をとっておりますので、学校長の裁量の中で、学校長がきちんと運用しておりますので、額的には若干の低めつつありますけども、学校としては使いやすく予算を重ねているというふうに思っております。
大貫議員:この間学校教育予算の中で、まさにたとえば学校費、減っていますよね、どんどんね。委員長、私資料出したいんですけどいいですか、3人に。お願いします。
委員長:はいどうぞ。
大貫議員:じゃ、3人と委員長。
学校の予算が横浜非常に少ないっていう事例が出ているんです。これはプレジデントファミリーっていう雑誌なんです。この間、朝日新聞に広告が載っていましたしね、電車の中で吊広告にも載っていましたね。これみると、公立中学校中学生一人当たりの学校運営費、港区117万円、そして横浜市が7万5000円と、なんと16倍の差があるんだと、こういう雑誌に載っているんですよ。こういう差が出てしまう、これ港区と比べてですね。こういう差が出てしまうのはどういう理由でしょうかね、お聞きしたいんですが。
押尾教育長:このプレジデントファミリーの数字でございますが、横浜市の義務教育の予算が他都市と比較して低いという水準を指摘されていますけれども、中にその数字につきましては、横浜市は義務教育の予算がいわゆる学校費、学校管理費と学校運営費だけの数字がここにのっかっているところでありまして、学校給食費や学校特別営繕費とかまた学校経費等の学校運営に関わる様々な管理予算がそこには入っておりません。今回の記事で、これらの品目がそれぞれの市町村によってまちまちになっておりますので、このまま単純にざーっと比較していくってことはちょっと危険かなというふうに思っております。
大貫議員:確かにちょっと危険かもしれませんね。しかし、私もホームページで調べてみましたよ。横浜と港区の場合、この通りの中身でした。ですからそれにしたって16倍なんていう状況は、これは改善しなきゃいけないというふうに思うんですね。これは教育長に聞いてもしょうがないから、佐々木さんいかがでしょうか。
佐々木副市長:教育予算の充実っていうのは非常に重要なことだというふうに思っております。これまでも教育委員会については、それなりに限られた予算の中で、事業の優先性ですとかあるいは緊急性ですとか、そういったことに配慮しながら、メリハリのある予算を組みながら、それを通して子どもたちの教育に努力してきているところだと思います。引き続き、そういった努力を教育委員会ではしていただきたいというふうに思います。
大貫議員:この問題、やっぱり教育予算を飛躍させなければだめですよ。これはもう強くいっておきます。実態調査をして、扇風機の問題、きちっとつけるということを要求しておきます。
それからクーラーの問題ですけどね、クーラー、いま学校ではどういう設置基準になっていますか。
押尾教育長:小中学校につきましては、保健室、職員室、校長室はすべて冷房化が進んでおります。音楽室は順次冷房化をいま進めているところでございます。高等学校につきましては、保健室、職員室、校長室、音楽室、図書室、パソコン室はすべて冷房化で進んでおります。
大貫議員:特に個別支援学級、これ非常に子どもたちがほしがっているんですね。必要なんですよ。この個別支援学級とさらにはろう学校含めて特別支援学校、これに早急にクーラーを入れる必要があると思うんですけれど、いかがでしょうか。
押尾教育長:個別支援学級につきましては、児童の健康状態に応じまして、学校の意見を聞いて冷房化を進めていく所存でございます。また、特別支援学校につきましては、普通教室につきましてはすでに冷房が行われているところもございます。冷房化されていないろう学校につきましては、実態を調査した上で対応を決定していきたいと思います。
大貫議員:ろう学校については、もう汗で補聴器が濡れて使えないっていう状況ですね。これは早急にやっていただきたいと思います。
毎年700人近くの教員の欠員、採用数の増加で解決を
次に、臨任的職員について質問したいと思うんですが、(正規の教員が)毎年700人とか600人とか欠員が出ていますね。この間の経緯、説明してください。
押尾教育長:臨時的任用職員の数でございますが、直近の方で、平成15年度小学校が175人、中学校が107人、高校が48、特別支援学校が24で、合計354、平成16年が、小学校(合計だけでいいです)、ああそうですか、589人、平成17年が691人、平成18年が685名、今年度19年度は642でございます。
大貫議員:いまのは4月5日現在の話ですね。じゃ5月1日現在ではいかがでしょうか。
押尾教育長:現在ちょっと持ち合わせておりません。(さっきいっておいたんだけど)失礼いたしました。19年5月1日付けの教員の欠員状況でございますが、小学校が臨時任用が319、また非常勤対応が3、入っております。中学校が臨時的任用職員が244でございます。
大貫議員:18年度も聞きたかったんですが、決算ですから18年度聞かなきゃいけないんですがね。19年度いいますと、5月1日の段階で664、それから4月5日の段階では642、これ22の差がありますけどね。この22の差っていうのはどういう意味を持つんでしょうか。
押尾教育長:教員の数が学級数によって決まりますので、子どもたちの児童生徒数の40人を超えるという数で上下することによりまして、こういう数が発生するということでございます。
大貫議員:それと同時にそれだけ人数が4月5日の段階で足らないということは、入学式の時にそれだけ学級の担任が決まっていないという状況があるんじゃないんでしょうか、いかがでしょうか。
押尾教育長:現在ですと、そういう状況もございます。
大貫議員:そういう状況が大事なんですね、大変なんですね。700人も欠員があるような状況について、教育委員長に聞きたいですが、こういう状況というのは放置しておいていいんですか。
今田教育委員会委員長:最初の質問で、今日は角田先生から文教委員会でのご質問等お話がございました。私はこの時点でも超党派で、国の方の予算も文教予算の増額をお願いをいたしました。付帯決議でそれも明示されたようでございますけれども、いずれにしても、我々通してもこのいまの現場の先生の数の少ないということは、現実に大変重要な認識かなというふうに思って、これに対してはしかるべき対応を、いろいろ知恵を絞っていく必要があるというふうに考えております。
大貫議員:努力してほしいんですよ。それでですね、平成15年の場合には367人欠員があったですね。それがどんどんどんどん増えて596、709、703、664。これほど倍になってしまうというのはなんらかの原因があるんじゃないですか。いかがでしょうか。
押尾教育長:平成15年から16年にかけましては、勧奨退職者が大幅に増えたということと、この時に少人数指導の配当の増があったということ。16年から17年にも少人数指導の配当の増があったということで、ここは急激に伸びております。あとにつきましてはほぼ同じような数で移っているというふうに思っております。
大貫議員:この欠員をどういうふうに補充していますか。
押尾教育長:この欠員につきましては、臨時的任用職員や非常勤職員を採用してうめております。
大貫議員:臨任の先生、1年雇用ですよね、子どもたちにとってこういう状況というのは非常に問題があると思うんですよ。そういった点で採用する時に、700人前後足らないんですから、それを含めた計算をして採用する必要があるんじゃないですか。
押尾教育長:教員の採用についてでございますが、教員の採用の合格数をまず特定するためには、県の決めている定数を超えちゃいけないというまず大きなハードルがございます。その上で年度の定年退職者数は読み込めるんでございますが、勧奨で辞める方の数がなかなか決まらないという状況がございまして、どうしてもそういう中で欠員が生じてしまって、臨時的任用職員を採用せざるを得ないという状況になっているんでございます。
大貫議員:要するに勧奨の数が決まらないっていう話でしょ。そうすると勧奨の数っていうのは、これ見てみると、400人だとかそこらへんの数字ですよ、最高でね。ですからそれを考えると、その分を見込んでやれば、数としては、たとえばいまの1.5倍にするとか、1.2倍にするとか、可能じゃないですか。
押尾教育長:もともとの県の定数がその勧奨の数も含めた定数でくるわけでございませんので、現在の数の中で定年の数をきちんと出したうえで、県からの定数配分がきますので、それを超えてこちら側から採用合格者を出すっていうことがなかなか難しいという状況であります。
大貫議員:時間がありませんから、最後にしますけどね。やっぱり子どもたちにとって先生、非常に、一生気持ちに残る先生ですしね。入学の時に担任が決まっていないなんていうのは、これ20か所以上あると聞いていますよ。これは解決しなきゃいけない問題じゃないですか。その時に、この間ずーっと増えていると、減らないと。そういった時にたとえば半分、臨任の数700ですよね、それを半分にでも減らすという努力が必要じゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。聞いて終わりにします。
押尾教育長:いま先生のおっしゃったように、子どもが、担任がいないという状況ができるだけないようなかたちに、しっかり把握していきたいというふうに思います。
(時間の関係上、まちづくり調整局の質疑は行いませんでした。)
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