本市財政に大きな負担を強いる横浜駅周辺大改造計画
河治議員:日本共産党を代表して、質問いたします。まず、横浜駅大改造計画についてです。
乗降客の推計も不十分なままで駅東西上空デッキ計画は無謀
横浜駅周辺の概ね20年後の姿を想定した大改造計画の基本的な考えとなる「まちづくりビジョン案」では、駅を中心にデッキ・地上・地下を立体的に結ぶ歩行者ネットワークの構築を掲げています。
現在、横浜駅の1日の乗降客は約200万人といわれています。横浜市の予想人口は、10年後約378万人をピークに下降するというふうにきいていますし、また東部方面線の整備が進めば、乗降客のさらなる増加にはならないと思います。
計画策定に当たり、将来の横浜駅の乗降客数をどのように想定しているのか、またデッキをどのように位置付けているのか、伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:横浜駅の乗降客数につきましてでございますが、鉄道乗り換え客でございますが、東部方面線の開通によりまして、相鉄線から東京方面への乗り換え客が減少するというように考えております。先ほど議員のご指摘のとおりであります。
しかし、一方で駅周辺の民間開発等によりまして、就業者、買い物客の増加、あるいは横浜のさらなる国際化、都心部の魅力アップなどによりまして、大会社の増加等が見込まれます。全体としては、駅利用者が増加をすると。人口推計等のお話もございましたが、その点を考慮いたしましましても、増加をしていくであろうというように考えております。
また、線路上空のデッキにつきましてでございますが、大改造の計画案のなかで、災害時の避難経路の確保でありますとか、駅東西の連絡の強化、わかりやすい歩行者動線の構築、横浜らしい景観の創出、こういった視点から、この必要性の位置づけを整理をしてございます。
河治議員:デッキについてですけども、私は、先ほど東西の連絡ってあったんですけども、横浜駅の東西を直接往来するっていう人は少ないと思うんですね。ホーム改札口から東口もしくは西口、そしてまた逆に電車に乗るときはその逆になると思うんですね。ですので、デッキの機能は乗降客の混雑緩和をおもになると思いますが、どうでしょうか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:先ほどもお答えいたしましたように、混雑緩和というそういう問題に限らず、安全性、防災に対する安全性、災害に対する安全性の向上でありますとか、東西の連絡強化、特に駅周辺の開発が進んできますと、駅の乗降客だけではなくて、東西まさにつなぐ、そういうオーディーというものが相当出てくるであろうということを予想しているところでございます。
河治議員:あまりにも、机上の空論のように思うんですね。実際、駅を見て人がどういう流れなのか、ごらんになってらっしゃいますか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:私の方も、交通量調査等も行いまして、そういうなかで現状については認識をしているつもりでございます。
河治議員:これまで600億円もかけたですね、横浜駅整備事業、つまり東西・南北の地下通路についてなんですが、これをどのように評価して、また検証されておられるのか、また、さらなる横浜駅の機能をどのように考えておられるのか、うかがいます。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:横浜駅の整備事業によりまして、改札口が増加をしております。これにより、利用者が分散をされるということで、中央の自由通路の混雑緩和、あるいはバリアフリー化の促進、共通の案内サインの整備、こういったことによりまして、安全性、利便性の向上が図られている。さらには、駅の東西南北、これを連絡する骨格となる歩行者ネットワークの形成ということで、回遊性の強化、こういったことの整備効果があったというように考えております。
そういうようななかで、今後の駅の問題でございますけれども、バリアフリーの施設の拡充であるとか、案内サインの充実であるとか、防災性の機能の向上であるとか、さらなる機能強化というものも必要であろうというように考えております。
河治議員:私は、今日登庁前に、横浜駅の東西・南北地下通路を回って来たんですよ。先ほど回遊性などといわれますけどね、特に南北通路は閑散としていますよ。将来の駅乗降客もなかなか推計もできないというのが先ほどの話です。東西・南北地下通路の機能発揮の検証のもとに、十分に検証してすすめれば、デッキというのは無謀なことだというふうに思います。ぜひ、再度検討してください。
民間主導の大改造計画を改め、喫緊課題の水害・浸水対策に限定せよ
ビジョンでは、水路・治水・防災以外の開発は行政と民間が連携して取り組む開発と位置づけ、役割分担は関係者間で協議するとしています。しかし、大改造計画づくり委員会の議事録では、JRとか東急、相鉄など民間の発言というのはすごく強いんですね。強力です。早急な基盤整備を本市に求めていますが、開発の誘発となる基盤整備は、開発事業者の負担を基本とすべきではないでしょうか。また、民間事業者へのインセンティブは何なのか、あわせて伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:まちづくりにとって必要な都市基盤につきましては、大改造計画のエリア全体の経済活動などを支える、そういう役割を担っております。そういう意味では、民間と行政が一体的に取り組んでいくということが必要であろうと。今後、開発事業者とは、適切な役割分担であるとか、費用の負担等につきまして、協議をしながら進めてまいりたいというように考えております。
インセンティブの内容でございますけれども、都市再生特別措置法に基づきます特区制度の活用による容積率の緩和でありますとか、助成金や無利子融資などの資金面での支援、あるいは迅速な手続きにつながる制度の運用、こういった事柄が考えられますので、具体的には引き続き駅周辺の民間開発の促進につながるような内容、効果的な内容について、検討してまいります。
河治議員:適切な負担といわれてもね、往々にして行政が負担することが多くなるのではないかと懸念しています。
JRと東急による開発が予定されているようですが、その開発は大改造計画にどのように位置づけられているのか、そして本市の役割分担と負担は、その考え方について伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:この計画につきましては、開発計画につきましては、開発の時期や立地規模などから、大改造計画におけるリーディングプロジェクトというように考えております。
開発ビルの整備につきましては、これは基本的には事業者において実施するものであるというように考えております。本市といたしましては、この計画、開発を通じて、大改造計画の具体的な内容を実現していくという、そういう視点から事業者と協議・調整を行っていると、それが役割かというように考えております。
また、まちづくりの観点から、必要なインフラ整備、これについては負担の問題も含めまして民間との適切な役割分担、これに基づいて実施をしてまいります。
河治議員:できれば具体的な内容について、お知らせいただければ助かりますが。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:いろんな議論があろうかと思いますけれども、たとえば、いま駅と西口のダイヤモンド地下街を結ぶ部分、これが1回上って下がるという、そういう構造になっています。いわゆる「馬の背」というようにいわれています。たとえばこういうことを解消していくとか、それに合わせてやはり歩行者のネットワークを充実していくとか、というものが非常に重要なテーマかなというように考えております。
河治議員:大改造計画では、基盤整備の基本方針やまちづくりガイドラインについて、検証・見直しをしながら進めるとしていますが、本市の財政というのは非常に厳しい、こうしたような状況です。こうしたなかで、本市の財政の大きな負担になるというふうなことについては非常に懸念しています。民間主導の大型開発というものを改めて、この問題については、横浜駅周辺の問題については、水害とかそれから浸水対策、こうした喫緊の優先課題を中心に限定して進めるべきではないでしょうか。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:水害対策など、安全にかかわる問題、これは計画を進めるうえで非常に重要なテーマであるというように考えております。これまでも順次こういった対応については進めてきているというところではございますけれども、こういったものを限定をしていくだけでは、なかなか抜本的な対策につながらないと。地区の価値も高まっていかないということがありますので、まちづくりと一体となって進めていくということが重要だと考えております。
河治議員:それでは、水害・浸水対策はとりわけ重要だというふうに思っていますし、特に幸栄とか五番街地区の再開発は長年の喫緊の懸念、長年の懸案課題というふうにきいています。再開発の推進にあたって、地権者の合意形成が決定的だというふうに思いますが、合意形成に向けてどのように取り組んできたのか、そしてまた課題は何なのか、伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:これまでもそれぞれ準備組合がございます。そちらにコーディネーターの派遣を行ったり、あるいは各組合の会合には市が欠かさず出席をして、必要な情報提供を行うなど、合意の形成に努めてきたというところでございます。そういうなかでの課題でございますけれども、たとえば、工事期間中の仮設の店舗の確保の問題であるとか、必要な駐車場台数の確保であるとか、あるいはこの地区は地権者がたくさんいらっしゃいます。そういうなかで、事業計画、ビル計画に対する多種多様な意向というのはございますので、こういった事柄に対応して、権利者が合意できる、合意が得られるような計画を作り上げていくということが、一番大きな課題ではないかなというように考えています。
河治議員:私は、昨年も質問させてもらったんですけども、本当に水害対策との関係で、見通しはどうなんですか、再開発の。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:なかなか合意形成という部分で難しい問題ありますけれども、地域の方々も大改造計画をひとつのきっかけにして、またさらに進めていこうという、そういうお考えもお持ちでいらっしゃいます。都市再生特別措置法というものが、これは時限立法で、時間が限られてきているというなかで、それをうまく適応したいということもございまして、地域の方々、いま非常に熱心に議論していただいているところだと思いますので、我々も全面的にそこはサポートしていきたいというように考えています。
河治議員:基本計画によれば、幸栄・五番街の再開発を進めるにあたり、交通転換戦略の一環とした地下駐車場ネットワークの整備が支援策になるとも聞いています。駐車場ネットワークはどのように位置づけているのか、また本市の負担割合はどうなのか、伺います。
鈴木横浜駅周辺等担当理事:計画におきましては、いま交通転換戦略というご指摘がございましたが、駅直近の地上の部分、ここは人と公共交通が優先をしたかたちで整備をしていこうと。地下部分において、駐車場間を効果的に連絡をすると、こういうことで駐車場の有効活用を図っていこうという、そういう位置づけのなかで、整備をさせていただいております。
費用負担につきましては、今後の民間開発等の動向等を踏まえながら、そういう具体的な議論をするなかで、そういった問題も含めて検討してまいります。
二俣川駅南口再開発は十分な地域住民の合意を得てから進めよ
河治議員:次に、二俣川駅南口地区の再開発事業について伺います。この事業の見通しは、どうなっているのでしょうか。伺います。
櫻井都市整備局長:平成17年に地権者による二俣川駅南口地区市街地再開発準備組合が設立されております。市街地再開発の実施に向けた検討が行われているところでございます。現在、駅前広場の再整備でございますとか、業務・商業・都市型住宅と、それから保育園など子育て支援施設が一体となったものを検討しておりますので、神奈川東部方面線の整備に合わせた再開発を目指して、関係機関と協議を進めているところでございます。
河治議員:都市計画道路鴨居上飯田線の整備と合わせて大変だとは思うんですが、地元への周知、地権者との合意はどうなっているのか、伺います。
櫻井都市整備局長:二俣川駅周辺においては、周辺の自治会、町内会や商店街が中心となりまして、昭和51年に二俣川駅周辺再開発協議会が結成されてございます。本市としましても旭区や道路局、都市整備局等が参加して、市からの情報提供や住民主体のまちづくり活動を支援しているところでございます。
再開発事業の計画につきましては、再開発準備組合が節目節目で説明を行ってきてございます。現在検討中の案につきましても、今後同協議会や連合町内会の集まりなどで説明するとともに、地元住民の方々に合意形成を諮ってまいりたいと考えております。
河治議員:終わります。