議会での質問・討論(詳細)
2017年10月16日

■資源循環局(宇佐美さやか)

■資源循環局(宇佐美さやか)

市は選別作業現場の害虫や危険箇所、連続勤務等の実態把握と速やかな改善を

うさみ議員:スライドの使用の許可をお願いいたします。

日本共産党を代表して質問します。 よろしくお願いいたします。
私は昨年、決算局別審査で収集された缶・ビン・ペットボトルを品目別に選別する市内4か所の選別施設のうち、鶴見資源化センターで選別作業をされている作業員の皆さんの劣悪な労働環境を改善してほしいという思いで質問しました。
4か所の選別施設は横浜市資源循環公社に一括管理委託されています。鶴見資源化センターの選別作業は横浜市資源リサイクル協同組合が公社から受託している施設です。その後私が質問した後、選別作業をしている現場の集音壁が改修され、蛍光灯も全て取り換えられたと聞きました。私は9月14日に緑資源選別センターと鶴見資源化センターを視察しました。久しぶりに見た鶴見資源化センターの作業現場は、見違えるほど白くなり蛍光灯も黒ずんでなくビンが見やすくなっていました。しかし残念ながら以前質問したダニやゴキブリの害虫、ネズミなどは今でも出ていると選別ラインの作業員さんから聞きました。こちらスライドをご覧ください(スライド1)

スライド (1)

昨年のスライドとは別の作業員さんです。スライド見てお分かりいただけると思います。赤くなっているところまだ、ダニが出て噛まれているところです。ゴキブリは回収された物の中から出てくるのは、まだ仕方ないにしてもネズミは走り回っているということを聞いています。昨年から鶴見資源化センターでの一年間の害虫被害の状況、局として把握しておられるのか伺います。

尾仲資源循環局長:ご指摘をいただきまして、横浜市資源循環公社が選別作業を受託しております、横浜市資源リサイクル事業協同組合に確認をいたしましたところ、(H)29年度の鶴見資源化センターにおける虫刺されの被害につきましては、15名のべ40件あったと報告を受けております。

うさみ議員:今年からダニなどの害虫駆除は5月から11月まで月1回実施し、ネズミの駆除は年間通じて1回と聞いております。それで間違いありませんか。

金澤家庭系対策部長:今、お話がありました通り公社からはダニ対策といたしまして、昨年度は6月から10月まで毎月1回、計5回実施いたしましたが、今年度からは害虫駆除の専門業者との相談のうえ、5月から10月までの毎月1回に加え、12月、2月に各1回、計8回に増やしたとの報告を受けたところでございます。

うさみ議員:増やしていただいたことはありがたいですけど、夏場は特にジメジメとして暖かいところ好む害虫にとっては、ヤードなどはとても居心地がいい場所だと思うのです。害虫の駆除は休みの日に行っていると聞いていますが、効果が出ていないように思えるのです。何か別の対策が必要だと思いますが、この問題意識だけは共有できると思いますが、どうでしょうか。

尾仲資源循環局長:ダニ対策につきましては、現場の方も作業強化をするということで行っておりますけれども、なかなか専門業者の方もこれ以上薬剤の数を増やしても逆に人体への影響もあるということで、もう少し原因から究明していこうではないかというようなことで、今話し合っているところでございます。いずれにしましても、市としても労働環境をしっかりしていくというようなことは重要なことだと思っておりますので、引き続き公社等とも話し合いながら進めていきたいと思っています。

うさみ議員:重要なことですので、よく話し合っていただきたいと思うのですけど、先程私が述べたところ以外の、この一年間で鶴見資源化センターで作業環境が改善された事例がありましたらお聞かせください。

尾仲資源循環局長:作業環境の改善につきましては、公社が限られた財源の中ではございますが、緊急性の高いものといたしまして壁面の集音材、空調のダクト、蛍光灯の交換、トイレの洋式化、休憩室及び浴室の修繕、大規模清掃等行ったところでございます。

うさみ議員:色々と改善してくださったようですけれども、残念なことに選別作業をしておられる作業員さんから、上からカレットというガラスの破片が降ってきて怖いです、という声を聞きました。次のスライドをご覧ください(スライド2)

スライド (1)

これは天井を見上げる形で撮影した写真です。エメラルドグリーンに見えているところはビンが滑り落ちてくるダクトになっています。少し白く見えていると思うのですけれども、こちらは上の階の灯りが漏れているところです。上の階がつまり、ほんの少し見えていることになります。ここに上からビンが投げ込まれ、ダクトを通り1階のビンが溜まるところへ落ちていく造りになっています。私が視察した時には、次のスライドをご覧ください(スライド3)

スライド (3)

穴があったところ、黒く見えていると思うのですけども、黒いところは分厚いゴムのシートを投げ入れるところにゴムをつけたということで、少しカレットが降っていることを防いでいる状態でした。公社の方は上がってきている要望のひとつではあったが、急ぐ必要がないと思っていたと言いながらすぐ直しますと言われました。早速穴を塞ぐ修繕を行ったと聞きました。こちらが穴を修繕した後です。修繕自体はとてもありがたいことなのですが、今回も現場の作業員の皆さんのずっと直して欲しいという声を上げていた訳なのです。にもかかわらず急いでやることではない、と思っていたというのは余りにもひどいのではなかと。私が行った時には直しますと言うということは作業員の皆さんを何だと思っているのかと、悲しい気持ちにさせられました。どうしてすぐに修繕をされなかったのか伺います。

尾仲資源循環局長:ご指摘のいわゆるダクトの部分でございますけれども、その部分につきましては、もともと(H)29年度の作業予定となっておりました。その中で作業員が通行する場所でない、この場所につきまして下半期の対応ということで計画的に進めていくという状況ございましたけれども、こういったこともございましたので現場の方ではすぐ対応したと言ったような背景でございます。

うさみ議員:通行することはがないと言っていましたけれども、作業されている方達はここで掃除をしろと言われて、掃除をしている時に上からガラスが降ってきたということなのです。通行してないと言うことにはならないと思うのですけれども、作業環境の改善について先ほどは公社と話し合っていると言っていましたけれども、昨年も私はこの質問をしています。どう話し合っていたのか、このこと改めて伺います。

尾仲資源循環局長:作業環境の改善つきましては、毎年度、年度初めにおきまして市と公社で作業環境の改善について協議をいたしまして、その1年間の改善計画といったものを作成しております。また実施につきましては、毎月それぞれ実施報告という形で公社の方から市が報告を受けるという形になっております。

うさみ議員:どれだけ効率よく作業をしているかということだけを話し合っているように聞こえてしまうのですけれども、作業員の皆さんの要望には作業環境の改善と同時に勤務日数の改善も寄せられています。暑くなり始めた頃から秋口までは日曜出勤が当たり前のようになり、気づくと労働基準法ぎりぎりの13日連続勤務ということがあるそうです。このような実態であることを横浜市は把握しているのか伺います。

尾仲資源循環局長:公社の方がリサイクル事業協同組合に確認をいたしましたところ、缶・ビン・ペットボトルの搬入量が多い夏季の期間におきまして、ご指摘のような連続勤務の実態があったという報告を受けております。

うさみ議員:ぜひ改善していただきたいと思います。

缶・ビン・ペットボトルの分別徹底の要になる市民の意識啓発はメーカー等の協力も得て全方位で

うさみ議員:次は作業員の配置についてですが、横浜市と公社とが交わしている委託仕様書には選別管理者が十分で適切な人数を配置することとあります。現状は適切な人数で配置されているとお考えですか。

尾仲資源循環局長:委託の仕様書の中では、ご指摘の通り適切な配置ということで、具体的に何名というような記載にはなっておりません。私どもの方としましては、現場の状況につきましては、課題が日々ありながら、そこで話し合いながら解決をしているという中では、適切に配置はされていると認識をしております。

うさみ議員:選別作業は常に腰を曲げて、危険とも隣り合わせの仕事です。すぐに辞めてしまう人や欠勤などで人手不足が常態化しています。ずっと頑張って続けておられる方々が常々嘆いておられるのが、選別する対象の缶・ビン・ペットボトル以外の異物が流れて来て困るということでした。この異物どのくらい入っているか、どのように処理されているのか、合わせて伺います。

金澤家庭系対策部長:選別作業時に含まれている缶・ビン・ペットボトル以外のものといたしましては、小さな金属類やスプレイ缶等の金属、また排出袋などがございます。特に金属類は全体搬入量の約1%を占めております。またその金属類につきましては、金属買取業者に売却いたしまして資源化しているところでございます。

うさみ議員:私は昨年ペットボトルの中に、注射器などの危険物が入っていることを取り上げました。今回も私の所に要望としてきていますので取り上げたいと思います。やはりこのことは市民の皆さんのマナーにも関わる事ですので、局として市民への周知が足りていないのではないかと思いますがいかがですか。

尾仲資源循環局長:現在注射針等につきましては、医療機関での回収を優先的にご利用いただくとしておりまして、集積場所に出す場合につきましては、針が露出しない形で燃やすゴミに出すようご案内をしているということでございます。ご指摘の分別の市民の皆さまへの周知というのは針に限らず、かなり色々な細目でございます。その点につきまして現在、分別方法をどうやって市民の方にもう一度ご認識いただくのが良いのか、ということについて検討しているところございます。そういった中で今ご指摘のような点についてもぜひ考慮して進めて行きたいと思っております。

うさみ議員:危険物に関しては、収集を委託している業者さんにも危険物が入っているようなものを回収しないように周知徹底をしていただきたいと思います。これもペットボトルについてですが、本来選別の作業をしている皆さんの仕事ではない、キャップやラベルがついたままのものが多く、これを剥がす負担も作業員の皆さんを悩ませています。市民はキャップやラベルを取って中を洗って潰してから集積場に出すこと知らないという方が多いのではないでしょうか。このことを横浜市はしっかりお知らせして行くと言う必要があると思いますが、いかがですか。

尾仲資源循環局長:ペットボトルに関しましては、キャップやラベルを取り除くということは、市民の皆さんにご理解をいただきご協力いただくことは本当に大切なことだと思っております。一方高齢者の方から、やはりそのラベルが剥がしにくくて本当に困っているんだと言ったような声も一方で聞いております。そういう意味でペットボトルにつきましては、やはり市民の皆さんとも様々な接点を通じて、個々でしっかりお話をするということも忘れてはいけないなと思っております。いずれにいたしましても先ほどご説明いたしましたけれども、現在の分別の広報の見直しの中でこういった点についても、しっかり丁寧に伝えて行きたいと思っています。

うさみ議員:ペットボトルだけでなく、缶やビンについても正しい捨て方、先ほどおっしゃっていましたけども、理解していない市民がかなり多いと、想像できるということは共有できたと思うのですが、今まで当局の皆さんが幼稚園や保育園、スーパーの前なのでPRに努めていたということを聞きました。もっと効果的なPRの仕方考えていかないといけないじゃないかと考えますが、見解伺います。

尾仲資源循環局長:これまで横浜市の分別をある意味で支えていただいたのは、私どもはやはり自治会・町内会また環境事業推進委員の皆さんの地域の活動が、土台にあると思っております。そういう意味で基本的には、その土台のところをこれからも、大切にしながら地域の皆さんのお力で、分別をしっかりつなげていくということが重要だなと思っています。一方でより効果があるという意味では、先ほどの答弁と繰り返しになりますけれども、やはりPR の仕方ということも大切だと思っておりますのでぜひ引き続き検討させていただきたいと思っております。

うさみ議員:先日夫から、アルミ缶を潰していいのかと聞かれまして、潰さないで欲しいと言う理由を言いましたら、夫に理由がわかればやらないね、と言われました。その時、他の方もなぜ缶を潰さないで欲しいのか、という理由が理解できればすんなり行動に移せるのではないかと思いました。そこで提案なのですが、何となく楽しく過ごしていたら資源ゴミの捨て方が身についたというような企画を開催するとか、大手の飲料メーカーにも協力をお願いして自動販売機の横にあるゴミ箱に、キャップやラベルを入れられるケースやスペースがあれば、捨て方の習慣が身につくのではないか、ということも考えました。何か自然と身につくような方策が必要ではないかと思いますがいかがですか。

尾仲資源循環局長:これまでは分別につきましては、どちらかと言うとルールをしっかりお伝えをするということで、今ご指摘のように特に資源物の場合は、それはどのようになっていくのかというようなところを伝えるということについて、やはりやや足りない点があったかなと思っているところでございます。そういう意味では特に分別をした後、それぞれの資源物がどのようにリサイクルされていくのかということも、これから伝えていくPRのひとつのヒントかなと思っておりますので研究、検討していきたいと思っております。

うさみ議員:ありがとうございます。私もやるようになってから意外とそんなに日にちが経ってなくて申し訳ないですけども、やろうと思わないとできなかったり、剥がすのが大変だったりというのも剥がしやすいように業者にお願いする、飲料メーカーにお願いするというのも考えてみていただきたいと思います。綺麗な状態の資源ゴミが運ばれてきたら選別作業されている皆さんも、先に述べたようなご苦労をしなくて済むと思うのです。選別作業にあたっている皆さんの時給は何年いても何十年いても1円たりとも上がらないと聞きました。夏暑く冬寒いという厳しい作業現場というだけでなく、パワハラやいじめは日常茶飯時と聞いています。毎日ものすごい量の缶・ビン・ペットボトルやビニールを選別し、嫌な思いもさせられて有給休暇も使わせてもらえない、休みたいなら突発で休めと言われる。突発で休めばボーナスカットという厳しいペナルティまである。この過酷な労働条件を、頑張っていらっしゃる方々が多いのです。少なくとも働く環境を整えて、本当の意味で良好な作業環境にしていくために横浜市が物心共に責任を持つことが必要だと考えますが見解を伺います。

尾仲資源循環局長:私どもといたしましては、ある意味で労働基準法なり、労働安全衛生法をしっかり遵守して、作業環境を守りながらやっていただくということを、条件に資源循環公社の方に委託をし、またその業務の一部がリサイクル協同組合の方にいっているという状況がございます。そういう中で全体としては適切に業務を進められていると認識しております。一方先ほどご指摘いただいたように、ペットボトルというのは特に夏場にもの凄く多くの量が来るということで、少し平準化もするといったことも検討の材料の一つに今、入れております。そういったことをすることにより個々の作業をされる方の、例えば超過勤務への負担が減るとか、そういったようなことにも繋がるかなと思っておりますので、いずれにしてもより良い作業環境につきまして、公社とも協議をしながら進めていきたいと思っております。

うさみ議員:私、来年も同じ質問をしたくないので、ぜひ完全に改善をしていただいて、本当に横浜市の仕事を担っていただけているのだということを改めて心に留めていただいて、この方たちの作業環境を整えていただきたいと思います。私の質問を終わります。


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