港湾関係者の納得も得られず、事業見通しが立たなくなった
山下ふ頭再開発は中止し、一から出直せ
横浜市議会では26日一般質問が行われ、党市議団を代表してみわ智恵美議員(港南区選出)が、カジノ誘致が有力視されている山下ふ頭再開発など市政の重要問題について、林文子市長に質問しました。
立ち退き交渉、スタートからつまずく
港湾関係者「合意なければ凍結する」
横浜市は、2016年度から山下ふ頭再開発に向けて、ふ頭内にある既設の倉庫、上屋、事務所の立ち退き交渉を始めています。しかし、5月17日に山下ふ頭に立地する企業の多くが会員となっている横浜港運協会から、本市が策定した山下ふ頭開発基本計画に対しての異論が出されました。内容は「カジノ型IRは大失敗のリゾート法を彷彿とさせる」「(開発)事業者の公募方式は愚策」「東京五輪の2020年の一部供用という二段階開発方式の否定」などです。さらに、横浜市が港を支えてきた港湾人(港湾関係者)の合意がないままに、事業を進めれば、立ち退き交渉も凍結するとの宣言までされています。
港湾関係団体の協力なくして、山下ふ頭の再開発事業は成り立たず、すでに執行されている移転補償費などのための市債発行は、事業化が遅れれば遅れるほど、その分の金利が膨らみ、事業の採算性を悪化させることになります。
先行きが見えない再開発事業に、
このまま1000億円を投入するのか
みわ議員は、「ふ頭関係者の合意が得られていないことがはっきりと見えた今、事業の先行きは全く見通せなくなった」と述べ「関連事業を含めれば総額1000億をこえる公費負担を伴う現計画は、この際、ここで中止し、一から出直すべきだ」と主張し、林市長の見解を質しました。
林市長は、「ふ頭関係者をはじめ、これまで横浜市を支えてこられたみなさまが、今後の山下ふ頭の将来についていろいろとお考えいただいていることは承知しています。市としては、市民と関係者のみなさまのご理解をいただきながら、総合的な観点から開発の制度設計をしっかりと構築して、事業を進めていきます」と答弁しました。
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