2009年8月6日
神奈川地方最低賃金審議会長 柴田 悟一様
神奈川労働局長 八田 雅弘様
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫
賃金をはじめ労働時間や雇用など、労働条件の向上にむけた労働行政に尽力されていることに敬意を表します。
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会は7月28日、2009年度の地域別最低賃金の引き上げ幅の目安を示しました。最低賃金が生活水準を上回っている35県は、「現行水準の維持を基本」として据え置く一方で、最低賃金が生保水準を下回る逆転が起きている神奈川県など12都道府県では、逆転の解消を求めています。その結果、全国加重平均で、前年度より7~9円増の時給710円~712円となる見通しです。現下の経済情勢のなか賃金の底上げより雇用の維持を優先した形となっています。
今日、失業問題の深刻化、ワーキングプアの急増は、若年層の結婚や出産困難をもたらし、社会の基礎単位を崩壊させつつあります。低賃金労働の背景には、低すぎる最低賃金があるのは明白です。全国で最も高い神奈川でも時給766円にすぎず、内需喚起どころか、賃金抑制の役割をはたしています。低すぎる最低賃金を、早急に最低限の生活ができる水準に引き上げることは、貧困対策だけでなく、経済対策としても有効なことは6月のILOの「仕事に関する世界協定」でも確認されています。支払いの能力については、中小企業振興をはかる別の政策で対処し、解決をはかることが必要と考えます。
労働基準法では「人たるに値する生活を営む必要を充たすべき」ものと定められています。最低賃金法は、生活保護を下回ってはならないとの趣旨を規定しています。違法ともいえる今の低額最低賃金を大幅に引き上げ、働く貧困をなくすことは急務です。
ついては、下記の実現に向け、貴職の真摯な対応を要請するものです。
記
最低賃金法の趣旨を踏まえ、生活保護法基準を下回らない水準まで最低賃金を引きあげ、すみやかに時給1,000円以上とする方向で、審議を行うこと。