大型開発・大企業偏重と強行的な行政運営を改めよ 岩崎ひろし議員(戸塚区選出)が決算反対討論
2016年第3回横浜市議会は18日、2015年度決算の議決を行い、閉会しました。日本共産党は、議決に先立って岩崎ひろし議員(写真右)が一般会計、国民健康保険事業会計等15件の決算認定に反対し、討論を行いました。採決の結果、賛成多数で27件全てが認定されました。
岩崎議員は、2つの角度から決算の反対理由を述べました。
東京オリンピックを口実に大型開発推進
第1の角度は、大型開発、大企業優遇に偏重した予算執行が行われたことです。
大型開発優先予算が続くおおもとに、本市中期4か年計画が東京オリンピックを絶好のチャンスととらえ、それまでに大型開発を一気に進めるものになっていることがあります。
岩崎議員は、高速横浜環状道路(横環)整備費の決算額が前年度の171億円から309億円(2016年度予算額は461億円)に膨れ上がった一方で、生活関連道路関係事業の遅れが際立ったと指摘。
道路の緑地帯が草ぼうぼうになっている、スクールゾーンの歩道改善をやってもらえないなどの市民からの苦情を紹介し、資材の高騰などで前年度並の土木事務所関係予算では到底足りないため、横環偏重の支出構造から、生活道路に係わる事業費に比重を移すよう求めました。
また、東高島駅北地区土地区画整理事業計画や横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業、みなとみらい21地区での新たなMICE施設などは、大企業に事実上の利益を与えることになると批判しました。
横浜駅周辺は浸水リスクが極めて高い
横浜の都心臨海部は、全部、海を埋めてつくった人工の地盤です。横浜駅周辺地区は市内で最も標高が低い地点であり、大災害の際に浸水・水没のリスクが極めて高い場所です。
岩崎議員は、災害リスクが高い横浜駅周辺に超高層ビルを林立させる計画や、地下街の来街者に対する避難計画が民間まかせになっていることを批判。災害リスクに対する深い検証を行い、臨海部再生マスタープランを抜本的に見直すよう求めました
市民の多数意見を無視
第2の角度は、市民の多数意見を無視した強行的な市政運営です。
具体的には、11万の反対意見を無視した上郷開発の業者提案計画の容認、保護者や地元から存続を求める多くの声にも関らず北綱島特別支援学校の閉校と俣野小学校の統廃合を決定、中学校給食を求める声を無視して業者弁「ハマ弁」導入を決定、放課後児童クラブ(学童保育)への移転・分割が目標の半分も実現しなかったことなどを指摘しました。
「住民の福祉の向上」に沿った予算編成を
岩崎議員は、地方自治体本来の役割は「住民の福祉の向上」であるとして、次の予算では、大型開発偏重から、市民の安全・安心・利便性向上に大転換することを強く求めました。
◎岩崎議員の討論は、こちら「決算反対討論 岩崎ひろし議員」をご覧ください。
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「こんにちは横浜市議団です」2016.10.26号(PDF版)