かわじ議員:かわじ民夫です。日本共産党を代表して質問します。
2015年は中期4か年計画2年目です。中期計画は2025年を目標とした「未来のまちづくり戦略」の初動段階と位置付けられたものですが、果たして横浜市民の生活を豊かにし、まちの発展に寄与する方向性になっているのか、検証が重要です。市民生活において早急に解決が求められる問題について、質問します。
放課後児童クラブの移転・分割にさらなる支援を
まず、放課後児童育成事業についてです。
本市の放課後3事業の目的と役割は何か、それぞれの登録か所数と見込み登録児童数はどうか、現在と子ども子育て支援事業計画最終年となる2019年度について、伺います。
田中こども青少年局長:放課後児童クラブは留守家庭児童をあずかる生活の場、はまっこふれあいスクールはすべての子どもたちの健全育成を目的とした遊びの場、放課後キッズクラブは生活の場と遊びの場を兼ね備えた機能を持つ場所でございます。
事業所数と登録児童数は、28年4月1日現在、放課後児童クラブが227か所で1万754人、はまっこふれあいスクールが189か所で4万8,126人、放課後キッズクラブが157か所で4万2,903人、うち留守家庭児童が3,409人です。
31年度末の留守家庭児童の計画値ですが、放課後児童クラブは既存定員約1万人の維持を目標としています。すべてのはまっこふれあいスクールは放課後キッズクラブとなり、341か所となります。両事業あわせて2万4,463人分の定員を確保する計画になっております。
かわじ議員:学童クラブは、児童1人あたり1.65平方メートル以上の面積基準や、市の独自の耐震基準を設け、基準適合を2019年までに完了するとしていますが、その経過について説明してください。
田中こども青少年局長:こども子育て支援新制度の施行に伴い、26年4月に、全国的な一定水準の質の確保に向け、国の基準奨励が定められました。これに基づき、本市も設備および運営の基準に関する条例を制定し、27年4月1日に施行したところでございます。条例では、面積基準や職員の資格要件などを規定し、31年度末までの経過措置期間を設けてございます。また、26年度から事業実施要項に耐震に関する規定を設けたところでございます。
かわじ議員:課題となっている分割・移転は法により新たに基準等で規定されたものであり、すべての学童クラブの分割・移転等は本市が責任を負い、必要な支援をすべきと思いますが、伺います。
柏崎副市長:27年度から区の体制を強化いたしまして、分割・移転が必要なクラブに対して寄りそった支援ができるようにしたところでございます。地域にとって身近な区役所がクラブの意向を確認をさせていただきながら、把握した課題を局とも共有するとともに、地域の状況を把握しながら物件調査に協力するなど、積極的に関わっております。引き続き、経過措置期間内に対象のクラブが基準に適合できるように様々な方策を取りながら、区・局を上げてしっかり支援をしてまいりたいと思っております。
かわじ議員:とにかくすべて責任持ってもらいたいと思います。
それでは、分割・移転について、面積や耐震の基準を満たしてないクラブはどれ位あるのか、また2015年度における分割・移転等の取り組みの目標と実績はどうだったのか、伺います。
田中こども青少年局長:28年4月1日現在、面積基準と耐震基準を満たしていないクラブは122か所ございます。27年度の実績は、分割できたクラブは予算上8か所に対して3か所、移転できたクラブが予算上17か所に対して1か所でございます。この他に、同一建物または隣接建物内に新たな部屋を確保する分室という手法で基準を満たしたクラブが4か所、定員変更などにより基準を満たしたクラブが4か所で、合計12か所のクラブが基準を満たすことができております。
かわじ議員:2015年度決算ならびに基金運用状況意見審査書では、「2019年度末までの分割・移転等を完了させるためには、区・局が学童クラブと連携を図りながら、各クラブが作成した計画を確実に実現できるように、遅れが生じた原因について分析し、必要な支援を行っていくことが求められる」とあります。審査意見書をどのように考えているのか、伺います。
田中こども青少年局長:27年度につきましては、予定より進んでございませんでしたが、区役所等においても体制を強化いたしまして、あわせて各クラブにおいても担当者を決めていただくなど、個別の窓口を設置するなどして、今後急速に移転ができるように支援してまいりたいと考えております。
かわじ議員:実際、そうして取り組んだのが、先ほどの結果の報告だったと思うんです。課題が進まない大きな原因は、基準に適合する物件が見つからないことだと聞いています。この間、局・区に担当部署を設置し、物件探しの支援をしたと聞いていますが、具体的に説明してください。
田中こども青少年局長:この間、区役所に新たに担当の課長・係長を設けてございます。それで、全市域を対象にいたしまして、不動産団体に物件情報の提供をお願いもしてまいりました。また、先ほど申しました区の職員が地元の不動産業者などを回って、物件の紹介もいたしているところでございます。この区役所が紹介する物件で移転に至ったケースもございましたが、一方で耐震性や立地、家賃などの条件が触れ合わないといったこともございました。この3月には、説明会を改めて開催いたしまして、分割・移転が成功したクラブの事例も紹介などをさせていただいております。
かわじ議員:局には、担当部署を、支援の部署はおかないんですか。その結果、やはり大きな遅れをきたしたと思うんですが、いかがでしょうか。
田中こども青少年局長:こども青少年局には放課後児童健全育成課ということで、放課後育成課を設けておりまして、課長それから係長が学童クラブの放課後児童クラブの担当をしております。実際には、それぞれのクラブの状況等に寄りそって、よりきめ細かく対応していく必要があろうかと思いますので、一義的にはと申しますか、きめ細かくは区の方の窓口で対応させていただきながら、局としても区・局一体となってバックアップしながら進めていきたいというふうに考えております。
かわじ議員:すべての達成のためには、やはり区も大きな支援が必要だと思いますし。
ある学童クラブでは、いい物件があったが、初期費用が用意できず、決断できなかったと聞いています。賃貸物件に調理場やかばん置場を設置する等、学童クラブ仕様にするには相当の初期費用がかかります。分割・移転助成金が上限200万円までありますが、自己資金があってもまかなえないそうです。2015年の実績からみても、目標が達成できなければ、本市の放課後児童育成事業のおおもとが崩れます。目標達成のためには、分割・移転準備補助金と家賃補助金を増額すべきだと思いますが、伺います。
田中こども青少年局長:移転にあたっては、家賃の問題もございますが、各クラブ個々のいろんな課題があろうかというふうにも思っております。各クラブにおいて、この移転に向けた担当者の設置等もお願いしておりますので、これからもきめ細かく各クラブの状況についてはお話を伺いながら対応していきたいというふうに考えています。
なお、家賃補助につきましては、国の補助メニューがない中で、本市が独自に補助を行っている制度でございます。分割・移転準備補助金においても、国を上回る補助をしておりますので、手厚い内容になっているというふうに現時点では考えてございます。
かわじ議員:やりきるためには、やはり一定の部分の新たな補助って、必要だと思います。
分割・移転をやりきるには相当の決意が必要です。局任せにしないで、市長自身が全市的視点で先頭になって進めるべきではないでしょうか。市長に伺います。
林市長:ただいま、こども青少年局長もご説明、ご答弁申し上げましたけども、しっかりと私どもとしては進めているというふうに考えております。放課後児童クラブは、保護者のみなさまや地域の方が主体的に管理・運営されております。子ども同士、保護者同士が共に助け合って、地域と関わりながら、様々な体験を積んでいくことができる、子どもたちの成長にとっては大変重要な居場所だと、私は認識しています。引き続き、放課後児童クラブの分割・移転について、横浜市として区・局一体となってきめ細やかな支援に取り組んでまいります。
かわじ議員:市長の認識を伺ったわけです。それであればなおですね、2019年に1万人という目標達成まで責任を持つべきだと強く主張しておきます。
低所得・低貯蓄の要援護高齢者の住まいを保障せよ
かわじ議員:次は、介護保険改悪に伴う高齢者の住まいの保障についてです。
2014年、介護保険制度改悪で、原則、要支援や要介護1・2は特養ホームには入所できなくなりました。健康福祉局は地域包括センターや地域と連携した居宅サービスを中心にするとしていますが、要介護1・2の生活援助が保険給付から外されようとしており、低所得の人にとっては充分なサービスの保障はなく、身体的、精神的状況の悪化が必至です。本市の高齢者のいる世帯の年間収入は、200~300万円未満が22.2%、100~200万円未満が10.4%、100万円未満が4.3%あり、低所得・低貯蓄の要支援・要介護1・2の人の施設入所支援が重要になっていると思います。
そこで、本市の第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、「様々なサービスを利用しても在宅生活が困難な高齢者のために、特別養護老人ホームなど要介護高齢者の施設を整備します」とあります。したがって、住まいの保障は行政の責任です。どのように考えているのか、伺います。
鯉渕健康福祉局長:介護度が低い方で、ひとり暮らしや認知症などの様々な理由で在宅生活が困難な高齢者の方に対しましては、認知症高齢者グループホームや介護付有料老人ホーム、さらにはサービス付高齢者向け住宅等、多用なニーズに対応する施設や住まいなどの受け皿を増やして、対応してまいります。
かわじ議員:低所得者は、入居費や家賃の高い介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には入居できません。低所得者対策として、国の制度であるサービス付き高齢者向け住宅への入居者に対し、市として家賃補助等支援をすべきと思いますが、どうか伺います。
坂和建築局長:低所得の高齢者世帯の住宅対策という包括的な答弁させていただきますが、バリアフリー化や安否確認の設備の他、家賃補助を行う高齢者向け有料賃貸住宅を年間200戸の整備目標をたて、これまで1,861戸の供給を行っています。また、市営住宅では、低廉な家賃で同様の設備のあるシルバーハウジング4,178戸の供給を行っています。さらに、先ほど先生が言われたサービス付高齢者向け住宅については、規模、設備に加え、サービス水準、契約関係などの基準を設け、これまで3,435戸の登録を行っています。引き続き、サービスの質や的確な運営を確保してまいりたいと考えております。
かわじ議員:本市は養護老人ホームなど要援護高齢者の生活を支える施策を進めていますが、養護老人ホーム・軽費老人ホーム・軽費老人ホームケアハウスの施設の特徴と役割を説明してください。また、それぞれの施設数、定員数の現状と6期計画数、そして利用者数はどのような状況か、伺います。
鯉渕健康福祉局長:養護老人ホームは、家庭環境や経済的理由によりまして、在宅生活が困難な65歳以上の方を対象とした措置施設です。28年4月現在、6施設、定員は548名で、利用者数は393名となっております。
また、軽費老人ホームは、身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことに不安があると認められる方で、家族による援助が困難な60歳以上の方を対象とした施設です。28年4月現在、11施設、定員は644名で、利用者数は611名となっております。
かわじ議員:6期計画そのものについての数も伺っていますが。
鯉渕健康福祉局長:6期計画の、すいません、手元に数がございませんが、要介護・要援護の状況に応じまして、施設や住まいを幅広く提供できるよう、必要な整備を進めておるところです。養護施設につきましては、現在建替え中の1施設がございまして、定員は増加することとしております。定員数については、のちほど、すいません、資料として提出させていただきます。
かわじ議員:私、いただいた冊子でみると、養護老人ホームは6期計画では498に減るんですね。それは、どうして減るのか、伺います。
鯉渕健康福祉局長:養護老人ホームにつきましては、現在公立の施設で建て替えをしている施設がございますが、その施設は雨漏りとかそういったような問題があるのと、それから4人部屋を1人で使わなければならないとかいうようなことがございまして、定員どおり人を入れられる状況にございません。今回、建て替え整備が済みますれば、実質的な利用者数は増やすことができます。
かわじ議員:それでは、要援護高齢者は今後、どのように推移すると考えておられますか。
鯉渕健康福祉局長:高齢化が進んでまいりますので、こうした方々、家庭環境ですとか経済環境上の課題を抱える方というのは増えていく傾向にあるというふうに考えております。
かわじ議員:2025年問題をみるように高齢者がますます増えます。今後、施設の需要はますます強まると思います。にもかかわらず、要援護高齢者の施設を増やす計画になっていません。市として6期計画を改め、要援護高齢者向けの施設整備を強めるべきだと思いますが、伺います。
鯉渕健康福祉局長:現在、先生のおっしゃっているような認識にたちまして、28年2月に「野庭風の丘」を開所いたしたところです。さらに、戸塚区名瀬に新たな養護老人ホームを建て替えをするという趣旨で整備することで、60名の受け入れ枠増を図ることとしております。第7期以降の計画につきましては、今後の検討課題ということでございます。
かわじ議員:特養ホームは必要性・緊急性の高い要介護1・2の人も特例として受けます。この枠を確保するためには、要介護3以上を対象にした年300床を整備するとした現在の整備計画を引き上げるべきだと思いますが、どうか伺います。
鯉渕健康福祉局長:今後の特別養護老人ホームの整備数につきましては、今年度実施します高齢者実態調査等の結果等を踏まえまして、第7期、次期ですね、平成30年度以降になりますが、横浜市高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画の検討の中で、検討してまいります。
かわじ議員:要支援、要介護1・2の介護サービスの削減等、国による制度改悪で地方自治体や住民の負担が大きくなっています。国の責任が大きいわけですが、そうであっても、本市の6期計画は、低所得の要支援や要介護1・2の人達の住まいの保障については非常に貧弱です。行政の責任を果たす立場が弱く不十分な計画といわざるを得ません。改めるべきだと思います。市長に伺います。
林市長:第6期横浜市高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画では、要介護や要援護の状況に応じて、施設や住まいを幅広く提供できるよう、必要な整備を進めております。今、健康福祉局長からもいろいろと縷々とご答弁申し上げました。また、所得が低い方に対しては、施設サービスの居住費や食費の負担軽減を行うなどの国の軽減策に加えまして、横浜市独自で利用料の軽減策を実施しております。第7期計画においても、高齢者が安心して生活を送ることができるように施設や住まいの充実に努めてまいります。
かわじ議員:いずれにしても、高齢者がどんどん増えるという中で、このままでは要支援・要介護1・2の人の住まいは保障されないんだと思います。6期計画そのものを、本当に高齢者が大きくなるっていう、この立場から、施設整備をどうするのか、7期計画に反映させていただきたいと思います。
横浜市が主体的になって交通不便地域の解消を
かわじ議員:次は、高齢者の移動支援と、安心できるまちづくりについてです
中期計画では「超高齢化社会に対応した地域に身近な公共交通サービスを将来にわたり確保することが重要」とあります。2025年問題の一つとして移動支援対策も重要です。改めて、地域交通サポート事業の位置付け・役割について伺います。
中島道路局長:地域交通サポート事業でございますけども、既存のバス停からご自宅までが遠い地域やバス路線がない地域など、外出時の交通手段を確保することが困難な地域におきまして、地域交通の導入に向けて、地域の方々が主体的に取り組めるよう様々な支援を行う事業でございます。本市では、検討のアドバイスをするための職員やコーディネーターの派遣、活動費用の助成、運行事業者との調整、実証運行時の補填などを行っております。
かわじ議員:地域の自主的な取り組みへの支援ということですが、行政の主体的に、が非常にこれ主体性っていうのが弱いんだと思います。高齢化が進む中で、地域の自主性そのものに任せておいていいのですか。どうでしょうか。
中島道路局長:繰り返しになってしまいますけど、地域交通サポート事業は地域の主体的な取り組みを支援するものでございますけれども、本市からも職員を派遣し、地域の移動動向を把握するなど、アンケートの実施支援、あるいはその運行事業者との調整など、地域と行政が一体となって、地域交通の実現に向けて取り組んでいるところでございます。なお、これまで本市では、快適な暮らしを支える交通の実現のために、最寄り駅まで15分の交通体系整備の取り組みを推進してまいりました。
かわじ議員:横浜市は高齢化の進展に伴い、地域交通サポート事業を地域公共交通として位置付けています。交通不便地域の解消として有効な手段だと、私は思います。が、事業実施の目標地域数と本格運行地域数について、伺います。
中島道路局長:目標数値というは特に定めておりませんけれども、地域のお申し出、あるいは区役所との調整により、調整に入っていくというものでございます。なお、現在登録していただいている団体としては25、本格運行が9地区、検討中が9地区というふうになってございます。
かわじ議員:本市が目標持たなくで、どうして高齢化の中で、高齢者に対応する安心できる移動のシステムがつくれるんですか。
中島道路局長:申し訳ございませんでした。中期4か年計画で8地区というかたちで目標を設定してございます。ただ、この目標に限ることなく、地域のご要請に対して積極的に対応しているつもりでございます。
かわじ議員:地域の登録が5人以上の登録がすでに25あって、それなのに横浜市の目標が8なんですか。あまりにも、ちょっと、この課題に対する思いがないように思いますが、市長、どうでしょうか。こんな思いでいいでしょうか。
林市長:今、ちょっと道路局長からご答弁申し上げましたけど、そんなことはけっしてございませんというか、思いは深いところでございます。やっぱり横浜市っていうのは、高齢者が本当に急速に増えてくる状況の中で、地域交通サポート事業は非常に重要でございまして、地域の主体的な取り組みを支援するといいましても、やはり私どもとしては全力でご一緒にやっていこうと考えているところです。
かわじ議員:やはり、これ、話を伺っててがっかりしちゃいます。本当に横浜市自身がしっかりとして、このことをリードするっていうことがなかったら、とても出来ないと思います。次、行きます。
地域交通サポート事業は、地域で5人以上のメンバーで地域まちづくりグループの登録後、初めて市がシステムづくりの支援をするものです。これは、あまりにも地域任せです。地域交通サポート事業の目的からすれば、道路局が率先して、交通不便地域の解決のために交通不便地域を調査し、責任をもって対応すべきだと思いますが、どうでしょうか。
中島道路局長:地域交通サポート事業につきましては、地域の主体的な取り組みにより、バスなどの地域交通の利用も啓発され、利用者が増えることで、持続的な運行につながるというふうに考えているところでございます。先ほども申し上げましたけど、中期4か年で、4か年での目標が8地区ということでございまして、26年度以降はこれまでの支援内容を拡充いたしまして、事前相談の充実や体験乗車の実施など、地域の方々が取り組みやすい方策を実施しており、5地区が新規取り組み地区に登録され、活動を継続しているところでございます。引き続き、地域の活動への職員派遣や活動費用の助成、実施本工事の補填など、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えてございます。
かわじ議員:地域公共交通と位置付けていて、交通不便地域がいっぱい、こう感じられて、山坂が多いこの横浜で、その担当局が、その地域の交通不便地域さえ掌握しないということで、これでいいんでしょうか。
中島道路局長:すでに横浜市では、快適な暮らしを支える交通の実現のため、最寄り駅まで15分の交通体系の取り組みを推進してございます。その結果、現在、人口の概ね9割の方が最寄り駅まで15分圏内にお住いになっているというかたちで、私どもとしても15分圏内というものを十分把握しております。
かわじ議員:健常者が歩いて行けることもあるだろうし、でも山坂の実態、大変な地域が旭区でもいっぱいあります。
交通不便地域の解消には、地域交通サポート事業の拡充に向けた行政の旗振りが重要です。局・区に担当者を配置するなどして体制を強化すべきだと思います。先ほど拡充も考えておられるということなんですけども、これがどのような改革になるのか今後楽しみですが、今、考えていることをお聞かせください。
中島道路局長:まず事前相談の充実、それから体験乗車の実施、それから地域の方々がそういったかたちで地域の方々が取り組みやすい方策を実施して、さらに実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。先ほどもお答え申し上げましたけども、本市としても引き続き地域交通の実現に向けて積極的に関わってまいります。また、地域の状況をよく把握している区役所とともに、ニーズに対してきめ細かく対応してまいります。
かわじ議員:現在の地域交通サポート事業は、公的資金支援がなく、地域や自治会等への負担が大きくなっています。運行システムづくり支援だけでなく、運行経費補助等、何らかの財政支援をすべきだと思うのですが、どうでしょうか。
中島道路局長:地域の主体的な取り組みにより、バスなどの地域交通の利用は啓発され、利用者が増えることでやはり持続的な運行につながるということが大事だというふうに考えてございます。私どもとしても、地域の活動へ職員の派遣や活動費用の助成等、従来の内容をさらに充実しながら丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
かわじ議員:2025年問題を迎える中で、高齢者等交通弱者への支援は急務です。地域交通サポート事業だけでは公共交通としては不充分です。市が責任をもって病院や公共施設を結ぶコミュニティバス等新たな施策をつくるべきだと思いますが、市長に伺います。
林市長:これまで、地域交通サポート事業のほか、駅周辺のバリアフリー化、敬老パスの交付など、ハード・ソフト両面から取り組んでまいりました。超高齢社会に対応して、福祉分野でのタクシーの活用や、NPOによる地域に根ざしたきめ細かい交通サービスの一層の充実が必要と考えております。このため、市民のみなさま、交通事業者、NPO、行政などが連携して、誰もが移動しやすい交通体系をしっかりと実現してまいります。
かわじ議員:移動への直接の支援はどうでしょうか。もう一回、伺います。
林市長:先生のいろいろなご意見もしっかりとたまわりました。高齢者の方々が、横浜市、私ももう40年位暮らしておりますけどね、本当に山坂が多くて、大変にご苦労している方が多いということはもう十分承知をしております。ともかく、今も繰り返し申し上げましたけれども、地域住民の方のご意見、そして市民の方、交通事業者、NPO、行政などが連携して、やっぱり取り組んで行かなければならないという、大変大きな課題だと思いますから、そういう点でしっかりと積極的に市が関わって取り組んで、これからもやってまいります。
かわじ議員:地域交通サポート事業っていうのは、地域の自主的な取り組みへの支援という、この事業手法、これが私は問題だと思います。行政の主体的事業に改めるべきではないでしょうか。
現在、旭区の四季美台・今川地域をはじめ、3つの地域では、横浜市の3つの地域の中では敬老パスが使えないんですね。これはいろんな仕組みからなんだと思うんですけども、地域交通サポート事業でも敬老パスが使えるように、要望しておきます。
みどりを壊す民間墓地開発は規制せよ
かわじ議員:次は、横浜みどりアップ計画に反する野放図な民間墓地開発は他都市並みに規制することについてです。
横浜市は、緑の減少に歯止めをかけ、総量の維持を目指すみどりアップ計画事業に取り組んでいますが、昨年度の到達点を伺います。
大熊環境創造局長:平成27年度は計画の2年目となりまして、重点的に取り組むとしております3つの柱と効果的な工法につきまして、概ね順調に進めることができました。全体の決算額は約103億円となってございまして、よこはまみどり税を財源の一部としております。また、みどりアップ計画の根幹である緑地保全整備による指定拡大、市による買い取り事業では約63億円、買い取り面積は22.9ヘクタールとなってございます。
かわじ議員:民間による野放図の墓地開発は横浜市のみどりアップ計画と矛盾しています。なぜ、墓地条例に距離規定を設けないのでしょうか。
鯉渕健康福祉局長:距離規制のことにつきましては、平成23年の条例改正時にすでに議論されておりますが、距離規定を設けますと、都市化が進んだ本市におきましては、実質的な墓地の供給規制につながりまして、今後増加していく墓地需要に応えられなくなる恐れがあり、現実的ではないというふうに考えております。
かわじ議員:墓地需要に応えられないというふうなことなんですけど、距離規定そのものについては、川崎市は病院・診療所から110メートル以上、相模原市は人家等から水平50m以上とし、千葉市やさいたま市では100メートル以上です。横浜市がないのはおかしい位です。
本市は、2003年墓地条例施行後の許可状況は65件、5万9,394区画、面積35ヘクタール、手続き中の案件は11件、1万3,533区画、面積7.8ヘクタールと聞いています。墓地により43ヘクタールもみどりが破壊されました。
現在、私の住む旭区川井地域の調整区域では、開発面積2.8ヘクタール、墳墓・参道で8,000平方メートル、4,000基の墓地の建設計画に対して、住民の反対運動が大きく広がっています。横浜市が設置したアメニティーがあり、オオタカやホトケドジョウが生息し、蛍が舞う、自然豊かな地域です。墓地開発で、緑地が削減されようとしています。
そこで、民間墓地開発によって多くのみどりが失われ、自然が破壊されている事態に対して、市長はどのように認識しておられるのか、また、みどりアップ計画を遵守する姿勢を堅持する立場から、少なくとも他都市並みに距離規定などを設け、墓地開発規制を図るべきだと思いますが、市長に伺います。
林市長:24年に実施した市民アンケート調査によりますと、急速な高齢化の進展に伴って、平成43年までに約13万区画の墓地の需要があるという報告がされております。将来的な需要に対応するには新たな墓地整備が求められますけれども、周囲に緑地帯を設置するなど周辺環境に配慮して、公民それぞれ墓地を供給していく必要があると考えております。
緑被率の問題、非常にみどりを守るっていうことは大切で、大切な大切な税金、みどり税を、私どもの市としては全国で全くない税金を設定させていただいて、大変な市民の方のご協力をいただいて、実際にみどりアップ計画で土地所有者のみなさんのご協力をいただきながら、緑地の保全に取り組んでおりまして、誠に重要な政策ですが、先生のご意見も、今、十分に伺っておりますけど、一方で、本当に墓地不足というのは現実だと私、思いますので、これを、緑地帯等をうまく周囲に緑地帯を設置するというふうに慎重な取り組み考えながら、緑地の保全と、やっぱり墓地の確保というのは必要でないかなと思います。
先ほど、距離の規定、なんで設けないのかというご意見ございまして、いろいろな例もおっしゃっていただきましたけど、最も都市化の進んでいる東京23区特別区の多くは距離規制を設けていないという事実もありますね。やはり、だから墓地不足というのも片や一方で非常にあるのではないかというふうに考えます。
かわじ議員:先ほど、2031年のアンケートの話もされましたけど、市長は都合のいい数字だけおっしゃるんですよね。市民アンケートでは、市民が求めているのは公営墓地なんですよ、半分以上。その話は、私はしてほしかったですね。
市の規制緩和により大量に作られている墓石型の墓地は、高すぎて、多くの市民の要求に適っていません。アンケート調査時でも、民間墓地は、そのアンケート調査した時に民間墓地2万7,000区画余っていたそうです。だから、墓地の売り込みチラシや勧誘電話がひっきりなしなんです。墓石型の民営墓地を規制することは、市民にとって何の不都合もないと私は思います。
現在、日野公園墓地納骨堂や舞岡地区の新墓園では総計1万2,500基と3万3,000体、合わせて4万5,500人以上の分が計画され、またさらに深谷基地でも準備が進められていると聞いています。そして、民間の売れない墓地が、先ほど話ました2万7,000区画あるわけですから、民間墓地に期待しなくても公営墓地で十分対応できる見通しがあるでないですか。改めて、規制するべきだと思いますが、市長に伺います。
林市長:大変、先生から今、いろいろとお伺いして、私も多少どころか勉強不足のところがあると思います。ご意見、伺って、また私自身、ちょっと庁内で話をしてまいります。ただ、基本的な認識としては、やっぱり私自身は墓地不足だと思いまして、今、公園墓地といっていただきましたけども、今、周囲に緑地帯っていうこともおっしゃいましたけど、しっかりとみどりを保全しながら、やっぱり墓地を確保するっていう考え方は持っております。大変、貴重なご意見というか、ご提言いただきましたから、しっかりとまた話し合いをしてまいります。
かわじ議員:ぜひ、よろしくお願いします。本当にみどりを守りたいっていうのは、市民、これは共通の思いです。墓地は近くに建ててほしくない、これも多くの人の思いだと思います。
災害時の要援護者の避難を着実に
かわじ議員:最後は、要支援者の防災対策についてです
8月30日の台風10号において、岩手県岩泉町では避難準備情報が発令しましたが、避難行動に至らず、高齢者グループホーム「楽ん楽ん」で9人が死亡する痛ましい被害になりました。本来、避難準備情報が発令された場合、高齢者や障害者等、避難に時間を要する人は避難行動を開始することとされていますが、その認識や周知徹底の重要性を、私は改めて実感したところです。
2015年8月、内閣府の避難勧告の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインで、要配慮者への情報伝達、避難誘導が指摘されていますが、その内容について説明してください。
立花危機監理監:国のガイドラインでは、要配慮者の迅速・確実な避難においては、家族、親戚、福祉サービス事業者、近隣住民等の避難支援関係者への情報伝達を行い、避難誘導の支援を行うことがきわめて重要であるというふうに、示されております。
かわじ議員:では、本市の避難準備情報だとか、避難勧告、避難指示について、発令された時求められる行動について、説明してください。
立花危機監理監:本市では、災害に関する情報については、警戒区域内の要援護者施設に対しまして、ファックス、Eメール等によって、直接連絡を行っております。また、家族や近隣住民の避難支援者には緊急速報メールですとか防災情報Eメール、Lアラート等を活用した情報発信を行うなど、多用な手段によって対応しています。
かわじ議員:情報を受けた時、避難しなければならないその対象の人達がどのような行動をするのか、本市のマニュアルをもう一度聞かせてください。
立花危機監理監:まず、避難準備情報というのが出ますね。それは、お年寄りですとか障害者ですとか、いわば要援護者ですね、こういう方たちは早めに避難をしてくださいというのが避難準備情報です。ということでよろしいでしょうか。
避難勧告は、度合いとしてはその上で、直ちに避難場所へ避難してくださいと。本市では、これは、たとえば水害でいいますと、土砂災害警戒情報が出たら直ちに避難をすると、即時避難の地域というのを定めておりまして、そこについては直ちにその避難勧告をかけます。プラス、区が区の中にある危険と思われる地域で、そういう前兆があった場合には、そこについても避難勧告をかけます。
避難指示というのは、さらにそれが強まった段階でございまして、直ちに避難してくださいということでございます。
かわじ議員:8月22日の台風9号では避難勧告が発令され、その地域では避難した人は24名でした。このうち、避難勧告地域には、避難準備情報を発令段階で立ち退き避難が求められる9か所の養護施設や学校や福祉施設の要援護者が1,846人いました。本市の防災マニュアルでは避難準備情報が発令されたら避難に時間を要する方は避難行動を直ちに、避難行動を開始してくださいとありますが、8月22日では学校や福祉施設の要援護者の避難行動のどこに問題があったのか、伺います。
立花危機監理監:避難準備情報ですとか避難勧告については、先ほども申し上げましたように、施設については直接ファックスや何かで連絡しているわけですけれども、その連絡の避難準備情報の意味が分からないという場合もあったんではないかというふうに思いますね。あるいは、避難をしても、意味がわかったとしても、自分だけ安全だという気持ちがどうしても働くっていう、これは「正常性バイアス」っていうふうにいっているんですが、そういうものが働いて、避難行動に到らなかったという場合もあると思います。いろいろ考えられると思いますけれども、避難準備情報あるいは避難勧告を出しても、少ない人数、まあ一桁ですものね。
そういう人数しか避難してくれなかったというのは、やっぱり課題だというふうに思います。それは、われわれがもうちょっとそういう情報をきちっとわかりやすくお知らせしなきゃいけない場合もあるでしょうし、あるいは施設の職員もそういう意味をちゃんととらえて、避難誘導してもらうという体制あるいは訓練というようなものが必要だというふうに思います。そういうものが足りないということは考えられると思います。
かわじ議員:いろんな受け止め方があるですが、やっぱり安全管理局自身がその立場に立つべきだと思います。
要援護者の福祉施設や学校において、避難情報が発令された後の確認作業が極めて重要です。避難準備情報や避難勧告の情報は届いたのか、避難行動を行ったのか、無事に避難できたのか、その日のうちに肉声で確認したのかどうか、伺います。
立花危機監理監:現時点では、各施設の個別の状況について確認はできておりませんけれども、今後の対策を検討する上でも、要援護者施設がとった避難行動について実態を把握するってことは非常に重要なことだというふうに思っております。避難勧告等がちゃんと届いていたのか、あるいは避難勧告等が発令されても避難しなかった理由は何なのか、施設の避難体制はどうなっていたのかということを含めて、これからアンケート調査を実施したいと思っておりますので、その中で確認をしていきたいというふうに思っております。
かわじ議員:9月20日の台風16号による本市の大雨警報は、岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の被害の後に起きたものです。午後5時に避難準備情報が発令、それで対象避難は95か所、そして2,890世帯、6,302人でした。避難者は12名で、そのうち要援護者は5名でした。岩泉の教訓がどのように反映されたのか、伺います。
立花危機監理監:先ほども言いましたように、これは横浜市だけじゃなくて、もうほとんど全国共通の課題だと思いますね。避難勧告を出して、避難所をいくら整備しても、避難してくれない人っていうのはやっぱりいます。あるいは自宅の中で避難している場合ももちろんありますよ。垂直避難といって、1階から2階へ避難をするのも、自宅の中で避難をするのも、これは避難のうちですので、まあいろんな避難の仕方があると思いますけれども、そういうことをこれから確認していきたいなというふうに思います。今後、どういう対応をとるのが一番適切であるかということを検証していきたいというふうに考えております。
かわじ議員:いずれにしろ、行政自身がその立場に立たなかったら、全市的なものにはならないと思います。
それでは、災害についての情報伝達ですが、警報に関する情報を全市民に瞬時に伝達することが重要です。どのようにしているか、伺います。
立花危機監理監:これは、先ほども申し上げましたように、ファックスですとか、Eメールですとか、あるいは広報車ですね、それからテレビを使ったLアラートのお知らせですとか、そういったできる限りのことを、あるいは場所によってはスピーカーを使って周知したりという、取り得ることについては1つ2つではなく、いろいろ重ね合わせながらやっていこうというふうに考えておりまして、そのように実施しております。
かわじ議員:本市は警戒に関する情報を自治会・町内会の防災関係者までには様々な手段で情報を伝達する、その先は地域任せ、こういうふうになっています。これではやっぱりまずいと思います。やはり瞬時に伝達できる手段として、行政区単位での同報型防災行政無線を整備すべきだと思いますが、どうか伺います。
立花危機監理監:同報無線は防災用の屋外スピーカーといっていいと思いますけども、横浜では、これたびたび申し上げているんですが、地形の起伏が多いと、それだけじゃないですね、住宅の気密性が高いですとか、都市騒音の問題もあります。電波や音声がなかなか伝わりにくいという実情がありまして、費用対効果の点で考えれば、そういったことから市内全域に整備することまでは考えておりません。
ただ、たとえば津波の恐れのある沿岸部ですとか、あるいは溢水の危険がある河川の流域の一定のエリアについては、緊急情報をお知らせする手段としては有効であるというふうに考えておりますので、これはもうすでに140か所以上屋外スピーカーを設置をしております。今後も整備か所については引き続き検討していきたいというふうに考えております。
かわじ議員:国でも推奨しているものですから、やっぱりそういう立場もみていただきたいと思います。
台風9号などでは、幸いにして要援護者の被害はなかったが、避難準備情報の理解・認識、この徹底は急務です。市民や職員の避難準備情報での認識や行動レベルを引き上げるためにも、市長を先頭に全市的に取り組んでいくことが重要だと思いますが、市長に伺います。
林市長:本当に先生のおっしゃるとおりだと思います。避難勧告等に関する理解を深めて、その後の避難行動につなげていただくことは、市民のみなさまの命を守るために大変重要であると認識をしております。そのためには、区・局が連携いたしまして、地域への共助の啓発、災害に関する情報を効果的に伝達するなど、さらに危機意識をもって行ってまいります。
かわじ議員:とにかく、全体の認識をあげる。これは、命にかかわる問題です。不十分な点については早急に対応を改善を求めて要望したいと思います。終わります。