2007年9月14日
横浜市長 中田 宏 様
横浜市敬老特別乗車証制度のあり方検討会 会長 高橋 紘士 様
日本共産党横浜市会議員団 団 長 大 貫 憲 夫
敬老特別乗車証(敬老パス)は、2003年度に有料化されたとはいえ、多くの高齢者の外出を支援することで、社会参加を促進し、福祉の増進を図ることに役立ち、「安心して出かけられる」と高齢者から歓迎されている制度です。
ところが市は、敬老パスへの市費負担が82億円を超えたとして、この5月に横浜市敬老特別乗車証制度のあり方検討会を設置し、検討してきました。
9月10日の第4回「検討会」で「中間取りまとめ(案)」が示されました。(案)は、財政の厳しさを理由に、現行の「応能負担」を見直し、受益者負担による「応益負担」にすることや、「社会参加」の意味を矮小化し、現行では制限のない利用回数の上限を設定するなどとしています。これでは、利用者への負担増やサービスの低下に繋がることは明らかです。わが党は、福祉の制度として維持されてきたこの制度そのものが変質し、形骸化されることになるのではと、危惧しているところです。
8月1日の「中間取りまとめ(素案)」には、「アンケートにもあるように、大多数の人が現状維持を望んでいる」という委員の意見が反映され、制度の現状維持も含め、両論が併記の形で示されていました。それにもかかわらず、(案)にはこれらの意見が全く反映されず、その説明もないというのは納得できるものではありません。今後、市民意見を募集し、11月の最終検討会で「最終取りまとめ」をするようですが、市民意見をどこで検討し、どのように反映するのかが、市民からは全く見えてきません。
そこで、下記の事項について申し入れます。
記
1.「最終取りまとめ」を審議・決定する第5回検討会の前に、募集・集約した「中間取りまとめ」への市民意見について、議論・検討する検討会を開催すること。
2.「中間取りまとめ(案)」は、現行制度を大幅に改変する内容であり、市民への影響は大きい。「最終取りまとめ」にあたっては、「市民意見を聞く会」など直接市民の意見を聞く場を設けること。
3.敬老パス制度を福祉の制度とふさわしいものにするために
① これ以上の利用者負担増は行わないこと。
② 利用回数など利用制限は行わないこと。
③ 現行の応能負担主義を貫き、応益負担主義の立場をとらないこと。
以上