日本共産党横浜市議団がお届けするインターネットTV「JCPヨコハマチャンネル」。今回は、2015年12月18日に、日本共産党横浜市議団主催で開かれた、「どこが問題なのか どうすればよいのか マンション基礎杭不正施工問題 報告会」の模様をお伝えします。
こんにちは、日本共産党の横浜市会議員、みわ智恵美です。
今年10月、都筑区のマンションで基礎杭の不正施工問題が発覚しました。日本共産党横浜市議団は、再発防止に向けて行政のあり方を明らかにするとともに、不安を抱えている横浜市民への対応などを考えるために、マンション問題の報告会を12月18日に開催しました。
日本共産党横浜市議団からの報告
これが、問題の現場写真です。左側の白い方の建物と赤いベランダの建物の間の渡り廊下の部分で、手すりが2センチ程度上下にずれています。
10月19日、党市議団ははたの君枝衆院議員等とともに直ちに現地調査し、同月21日には、住民に寄り添った対応や原因の徹底究明などの緊急申し入れを市長に行いました。
報告会では、最初に、日本共産党の岩崎ひろし横浜市会議員は、問題の経緯、党市議団が行った市に対する申し入れおよび議会での論戦、横浜市の対応などについて報告しました。
岩崎:横浜市議団としての取り組み、横浜でやれることをちゃんとやりなさいということをわれわれ横浜市に求めていますので、そのことをお話ししていきます。
市長への緊急申し入れでは、住民への相談窓口の設置や必要な支援策をとること、不良施工の原因と背景を横浜市独自に徹底して解明すること、必要な法改正などを国に働きかけることなどを求めました。
岩崎:まずは一番の問題は、ここに住んでいる、さっきどこかの先生が住んでいるという話もありましたけど、住んでいる人が一番困るわけです。大きな地震がきたらマンション壊れるんじゃないかとか、あるいは資産価値がもう、ばーんと下がると思うんですよね、そういうことだとか。引っ越ししなきゃいけないんだけど、子どもの学校どうしようかとか、保育園どうしようかとか。いろんな問題が、生活がかかってますから、住居ですからね。そういう市民生活にかかわる問題については、横浜市の出番なわけです。だから、ちゃんとやりなさいということで要求をしました。
林市長は、12月9日の本会議で、白井まさ子議員の質問に対し、「本市独自の支援策として、建築局、教育委員会、こども青少年局、健康福祉局、区役所などで庁内体制を整えてすすめる」と答えました。
岩崎:ここで紹介しておかないといけないのは、この38条1項3項をみますと、特に3項の方に、基礎の底部というところから見てください。基礎の底部、つまり基礎杭でいうと一番の先端のことです。基礎の底部を良好な地盤に達することとしなければならないと。しなければならない。これは義務規定です。今回は、明らかに到達していないということを自分らで発表したわけですから、これに違反しているんです。だから、建築基準法に違反事項なんです、これ。だから、もっと国は本腰いれてやらなきゃだめなんですよ。違反行為をしている現場を見逃しちゃだめなんです。今、国はそうとう腰が引けてますから。だから、これ、もっときちっとやれというふうにいわないといけないと思います。これは主に国の責任ということになりますね。
また、岩崎議員は、業者に報告を求めることができるという建築基準法の12条5項を用いて、工事の様子、調査データなどを業者に報告させ、徹底した原因究明を行うことが再発防止につながると強調。さらに、今後行う工事についても、杭工事の現場立ち合いや施工確認後に次の工程に移ることなどのルールや、第三者機関による市独自の安全性をチェックする仕組みを作るべきだと述べました。
国土交通省の現場からの報告
次に、国土交通省労働組合役員の葛西さんより、報告がありました。まず、ボーリング調査や大臣認定工法について、ホワイトボードを使って説明がありました。
また、建築基準法を改定して検査を簡略化したり、指定検査機関を民営化したことが、今回の問題を引き起こした大きな原因のひとつだと指摘しました。
葛西:民間になると、3つの大問題がありますね。まずひとつは、建築基準法の中で、こういう検査、どれだけのボーリングをして確認をして、そして公表もしないわけですよね。公表義務もない。こんな馬鹿な話はないということの法律的な問題がひとつです。
もうひとつは、検査ですね。検査の仕方、いわゆるこういうような検査の仕方を簡略化していますけれども、これはいわば検査の仕方を科学的にどれだけの支持力があるかっていうのは、だいたいはわかるわけですよね、今の科学であれば。であれば、それはそれでちゃんと規定をするということがなくて、国土交通省は何もしてないと、無策だという。建築基準法の中も、先ほどもいわれたように、何とかできるとかできないとか、そういうようなことですね。これは安全にかかわることなので、規定する必要があるわけです。
もうひとつは、いわゆる指定検査機関を民営化してしまったということで、日本共産党が提案している新たな検証機関ということは当然必要になってくるということになろうかというふうに思います。
さらに、前金4割後金6割といわれる建築業界での支払方法では、業者が銀行からお金を借りて工事をすることになって、工期を遅らせることができない仕組みになっていると訴えました。
国会からの報告
次に、日本共産党のはたの君枝衆議院議員が、国会での動きについて報告しました。
日本共産党国会議員団は、問題発覚後、穀田恵二衆議院議員を責任者として、杭打ち工事偽装問題対策チームをたちあげ、原因究明と対策にとりくんでいます。はたの議員はチームの副責任者のひとりです。
はたの:どこが責任なのかと、当時は杭打ちを行った旭化成建材あるいはその担当者と、個人の問題というふうに報道をされていたのが多かったんです。いったいどこなのかと。見出しにもありますように、販売も設計も施工もそれぞれ責任があるんだということを、国土交通省に言わせたということです。それで、第三者委員会をつくって対応もしていくんだということだったわけです。しかし、それも本当にまだ、とば口に入った状況で、今の状況を結論だけ言いますと、何もわかっておりません。
はたの議員は、国会論戦で明らかになった工事監理者の責任問題やコストダウンのための工法選択の問題などを報告。さらに、自民党議員が、国会の委員会への参考人招致を拒み、問題の原因や責任追及をさせようとしない国会の状況を報告しました。
はたの:これを隠そうという動きが、逆流が出てきております。11月の30日ですが、参議院の理事懇で、自民党が突然、やろうといっていた参考人招致を撤回したと、やりませんというふうになった動き。それから、12月の3日は、衆議院の理事会という正規の場で本村議員が参考人招致を要求したところ、それを拒否すると、こういう状況になってきています。
なぜか。その裏にあるのは、しんぶん赤旗も報道しましたが、マンション偽装関連企業から自民党に1億円を超す献金が寄せられている。旭化成は7,000万円、三井不動産は5,100万円、日立ハイテクノロジーでは440万円。この2009年からの5年間、そういうことがあるということもみなくてはならないのではないかというふうに思います。
はたの議員は、最後に、被害を受けた住民、不安をかかえた住民に寄り添った責任ある支援をどうしていくのかということも、喫緊の課題として対策を強めなければいけないと話しました。
意見交換
会場からの発言で、建設労働組合の関係者は「たぶん杭を打ち始めた頃は、あのマンションは完売していたはず。下請け業者が杭のやり直しをしなきゃいけないなんてことを言っても、そのままやれと。これが業界の通常のやり方。これでは品質は守られない」と、語りました。
また、マンションでは管理組合が重要な位置を占めることや、うちのマンションは大丈夫かという不安な声があがっている、姉歯事件では国会で徹底審議したのに今回は腰がひけている、検査を民間でやるようになってから市役所には建築をチェックする技術者が少なくなっているなどの意見が出されました。
日本共産党は、これからも、徹底的な原因究明と再発防止、住民に寄りそったきめ細かな対応を、国と横浜市に求めてまいります。
今回のインターネットテレビ「JCPヨコハマチャンネル」、いかがでしたでしょうか。ご意見ご要望は、日本共産党横浜市会議員団までお寄せください。では、また次回お会いしましょう!
報告会報告は、こちら「マンション基礎杭不正施工問題報告会報告書」をご覧ください。