市独自で雇用実態調査の緊急な実施を
白井議員:日本共産党を代表して質問いたします。よろしくお願いいたします。
非正規労働者に加えて、正規労働者の大量の解雇やリストラが雇用調整のために強行されつつありまして、離職を余儀なくされて、同時に住居も失う人があとをたちませんし、今後も、雇用情勢がいっそう悪化することが懸念されていますが、市内における派遣社員、契約社員など非正規労働者の雇い止めや中途解約による失業者数の把握は、どこまでしているんでしょうか。
塚原経済観光局長:本市として、雇い止めの状況についての調査は行っておりませんけれども、先週の27日に発表されました厚生労働省の調査によりますと、昨年の10月から今年の3月までの予定を含め、非正規労働者の失業者が全国で15万7806人に達すると試算をされています。なお、このうち県内における雇い止めや中途解雇による失業者は、49事業所で5387人となっております。
白井議員:業界団体の試算では、3月末までに製造業だけでも40万人の非正規労働者が失職するとされていますけれども、本市では、市内の失業者数の予測もしていないということでしょうか。
塚原経済観光局長:昨今の雇用情勢につきましては、権限のある全国の労働局およびハローワーク、これが非正規労働者の雇い止め等の状況について、事業所に対する任意の聞き取り等によりまして、把握した状況を、県単位でまとめたものであります。そういう意味で、市内の数字は出されておりませんで、また本市の独自の調査は行っておりませんけれども、引き続きはハローワーク等と連携をいたしながら、情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
白井議員: 懸命に職を求めている失業者に、本市としても緊急の支援が求められますけれども、より適切な施策を展開するためには状況把握が欠かせません。例えば、秦野市では、緊急に雇用状況アンケート調査を行って、集計結果が報告されています。自治体の規模は違いますけれども、ぜひ本市でも実態調査をすることを求めたいと思います。
緊急雇用対策を民間まかせにせず、雇用されたのか市で確認を
白井議員:続いて、本市で取り組む緊急雇用対策について伺います。
今年度の本市緊急雇用対策としてのアルバイト職員の雇用ですけれども、短期間であるということで、3月で終了となります。国では、雇用創出のための交付金が計上されています。先の委員の質問とも重なりますけれども、本市での新年度の取り組みはどのような内容なんでしょうか。
塚原経済観光局長:国のふるさと雇用再生特別交付金事業、そして緊急雇用創出事業を活用いたしまして、全市で43事業実施いたします。この事業の取り組みによりまして、事業に充実する労働者約1500人、うち新規に雇用する失業者約1400人の雇用を創出してまいりたいと考えております。
白井議員:これらの事業は、民間事業者へ委託して実施するというふうに聞いていますけれども、確実に失業者が仕事に結びつく仕組みとなっているのかどうか、伺います。
塚原経済観光局長:ふるさと雇用再生特別交付金事業、そして緊急雇用創出事業につきましては、国が定めました実施要綱に基づきまして、市が事業を委託する際に、事業の従事者に失業者等を雇い入れることを条件というふうにしております。
白井議員:民間事業者まかせにするのではなくて、確実に雇用されたのかどうか、確認をとるようにも要望をいたします。
この事業によって雇用された方などが次の安定した職業に就くための支援は、どのようになっているのか、伺います。
塚原経済観光局長:無料職業紹介事業、いわゆる「ジョブマッチングよこはま」と呼んでおりますけれども、この事業や、あるいは職業訓練校において能力開発訓練などを実施をしております。合わせまして、ハローワークや横浜商工会議所、神奈川ジョブカードサポートセンター等と連携をいたしまして、合同企業説明会を開催するなど、安定した就労に結びつくよう支援をしてまいります。
就職面接会の回数を増やして再就職支援の強化を
白井議員:先の委員への答弁のなかで、本市の有効求人倍率が、今年1月の時点で0.87ということで、1.0を下回っていますから、再就職するのが大変難しい状況にあるわけですけれども、そこで、失業者の再就職支援について伺います。
いまも前の答弁で少し触れられてはいたんですけれども、先日2月25日に本市が就職面接会を行ったと聞いていまして、本会議では市長から1300人の参加者があったと聞きましたけれども、開催状況を報告してください。
塚原経済観光局長:この内容ですけれども、参加企業数は51社で、業種数といたしましては福祉を初め建設、サービス、販売、運送業など約10業種でございます。参加者数につきましては約1300人でございまして、求人件数は約400件となっております。
白井議員:今回の面接会の開催状況をどのように評価したのでしょうか。
塚原経済観光局長:1300人にのぼります求職者が来場いたしまして、大勢の方が面接にのぞんでいたことから、職を求める市民のみなさまの要望に応えることができたのではないかというふうに考えております。
また、短期間で参加企業を募集したにもかかわらず、募集数を大幅に超える企業からの応募もいただきました。横浜市内には人材を確保したいという元気な企業が数多くあることもわかった次第でございます。
今後もこのような求職者と市内企業とをマッチングしていくことが非常に重要であるというふうに認識をしております。
白井議員:来年度の面接会の開催予定はどのようになっているのでしょうか。
塚原経済観光局長:今回の実施結果を受けまして、このような機会に対して求職者と求人企業それぞれのニーズが強いということがわかったものでございます。1人でも多くの方に横浜で働くチャンスをつかんでいただきたいと考えておりますので、引き続きはハローワークなどの関係機関等と連携をいたしまして、開催してまいりたいと考えております。
白井議員:雇用状況の悪化が予測されますので、その回数を増やすなどタイミングをはかって実施していただくように、要望をいたします。
就職紹介や職業訓練など雇用施策の拡充を
それから、就職面接会は、職を求めている人には大変いい機会になったと思われますけれども、私たち市議団では横浜駅東口スカイビル19階にある「ジョブマッチングよこはま」というところを視察しまして、民間事業者に委託している常設の職業紹介所と聞いたんですけれども、ハローワークとの違いや特徴はどういうところなのでしょうか。
塚原経済観光局長:この事業につきましては、横浜市の事業ということでやっておりますけれども、1月末現在におきまして、20年度のジョブマッチングよこはま事業の企業登録社数は57社となっておりまして、19年度の28社にくらべて倍増しているところでございます。要は、企業に登録をしていただきまして、そしてまた求人等を求めている求職者数とマッチングしようということで、それをハローワークとの違いとのことですけど、専門の人材業者に委託をして、これをマッチングさせようという事業でございます。
白井議員:事業実績はどのように評価しているんでしょうか。
塚原経済観光局長:いまもちょっと答えましたけれども、19年度の28社に比べまして1月末における登録企業数は57社となって倍増しております。そして、求人数は20年度の約150人となっておりまして、19年度の約130人と比べて約15%増加をしております。新規の求職者登録数は20年度90人となっておりまして、19年度の40人に比べて倍増しております。そして、就職決定者数は20年度20人となっており、19年度の9人に比べ倍増もしております。
白井議員:「ジョブマッチングよこはま」の来年度の予算が拡充されていますけれども、どのような拡充内容なんでしょうか。
塚原経済観光局長:横浜で働こう推進事業の中核としてジョブマッチングよこはま事業を位置づけておりまして、拡充を図ってまいりたいと思います。21年度は、具体的には現在若者の対象年齢の上限を40歳未満というふうにしておりますけれども、この年齢制限を撤廃をいたします。また、ジョブマッチングよこはまを通じた新たな雇用をはかる企業に対する緊急雇用対策資金というものを創設をいたしまして、採用に意欲的な企業を支援をしてまいりたいというふうに考えております。
白井議員:私は、本市直営で運営されている職能総合開発センターを視察しました。ここは、職業訓練校の運営とともに短期間の訓練も行うということですけれども、昨今増えている派遣切りに合った人などを対象とした就労にむけた訓練では、来年度はどのような講座が予定されているのでしょうか。
塚原経済観光局長:来年度21年度は、非正規労働者や若年層に対する就労支援として、パソコン講座のほかに、コミュニケーション能力の向上を図る講座など、職務に必要な能力開発訓練も実施をいたす予定でございます。
白井議員:かつてない雇用破壊のなかでこれからますます大量の失業者が生まれると予測されますので、市民の雇用に責任を持つ局として、まず緊急のつなぎの職に就けるよう、また次の段階の安定した職につけるように、就職紹介や職業訓練など、ぜひ事業の拡充を要望します。
そして、本市が運営する労働相談の窓口として技能文化会館の中に横浜仕事センターがありまして、相談員の方から厳しい雇用情勢を伺ってきました。また、シングルマザーなどを対象にした横浜市中央職業訓練校で、「この不況の今こそ、職業訓練の役割は大きい」ということを伺ってきました。
ぜひ、雇用施策の拡充を求めまして、質問を終わります。