「こんにちは横浜市議団です」12.09号｜発行物

横浜市第４回議会　宇佐美さやか議員が初質問
新たなＭＩＣＥ施設建設の根拠は極めて薄い

横浜市は、みなとみらい21地区のパシフィコ横浜に隣接して、多目的ホールと会議棟を有する新たなコンベンション施設を建設する計画です。今議会に、その事業契約を竹中工務店グループと締結する議案が出されました。
　計画の目的について、市は「首都圏のMICE施設の稼働率が高く、国際会議の開催需要に応えられていない実情にあり、多くの開催機会を損失して」おり、東京オリンピック開催にあたってさらに施設の不足が予想されるために、新たなMICE施設をつくる必要があるとしています。

東京には太刀打ち出来ない
　しかし、国際会議は2014年の国際会議開催統計で横浜が18件に対して東京は90件、展示会開催数は2013年度の日本展示会協会の発表でパシフィコ横浜での５件に対して東京ビックサイトは190件です。さらに東京都心部では、国家戦略特区を利用したMICE施設整備が目白押しです。
　宇佐美さやか議員は４日の議案関連質問で、施設の規模や交通利便性などを冷静に考えれば、今回提案された施設を加えても東京にはとても太刀打ちできず、「新たなＭＩＣＥ施設を今急いで建設する理由は極めて根拠として薄い」と主張しました。

市道廃止などの手続きを踏まずに提案
　今回の計画では建設予定地内の市道を廃道にして事業用地に編入します。しかし、道路廃止には議会の同意手続きが必要であり、また開発許可の手続きなどに従う必要があります。
　宇佐美議員は、「一番の問題は、関係局との協議が整っていない、また一連の手続きもされていない状態での議案提出であり、前代未聞の由々しき事態」と指摘。さらに、市道廃止について議会の同意を取っていないことは、二元代表制そのものを否定したものと批判し、議案をいったん撤回するよう市長に求めました。

林市長は、パシフィコ横浜は稼働率が大変高く、新たな施設を整備してグローバルMICE都市の確立を目指すと答弁。本事業に伴う協議や手続きについては、通常のプロセスを取っており、議案提出に何ら問題ないと答えました。

◎うさみ議員の質問と答弁の全文はこちら「■｢議案関連質問」　宇佐美さやか議員」をご覧ください。

◎「みなとみらい２１中央地区20街区ＭＩＣＥ施設整備事業の進捗状況について」は、横浜市ＨＰのこちらをご覧ください。

◇週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。
「こんにちは横浜市議団です」2015.12.09号（PDF版）