マンション傾斜問題、データ偽装次々と発覚
業者はもちろん、国・行政の責任も重大
旭化成建材(株)が杭打ち工事を行い、三井不動産グループが販売した都筑区のマンション傾斜問題を発端に、次々とデータの改ざんが明らかになってきました。
さっそく調査・申し入れ
日本共産党横浜市議団は10月19日、はたの君枝衆院議員らと都筑区マンションを現地調査。同月21日には、横浜市に責任ある対応を取るよう、林文子市長あてに緊急申し入れを行いました。
申し入れでは、マンション住民のための相談窓口の設置、杭打ち工事を検査対象に追加、原因解明に総力をあげることなどを求めました。
横浜市は翌22日から、毎日午後4時から記者会見を実施。28日には林市長が国土交通大臣に、都筑区マンションにおける不適切な杭施工にかかる緊急要請を行いました。
国交省から聞き取り
日本共産党の岩崎ひろし市会議員は10月30日、はたの衆院議員、大山奈々子県会議員等とともに、国土交通省建築業課や建築指導課などの担当者から、問題を把握してからの経過と対応を聞き取り、問題点や責任のあり方についての説明を受けました。
当該マンションの建築確認、中間検査、完了検査は、民間検査機関が行いました。担当者からは「設計(1級建築士)も施工も三井住友建設だった」「第三者委員会をつくり原因究明や対策をうっていく」などの説明がありました。
岩崎議員は、「検査が書類審査だけになっている」と問題を指摘し、「建築基準法で定められた最低基準の安全確保を検査する体制が必要」と述べました。
はたの議員らは、販売主はじめ事業者が住民に真摯に対応するよう指導などを求めました。
青葉区の中学校も
横浜市の発表によれば、青葉区の市立あかね台中学校が旭化成建材(株)が都筑区のマンションと同様の既製コンクリート杭を使って杭工事を行い、データの改ざんが行われた施設であることがわかりました。目視による現場確認では傾きなどの不具合は見つかっていないということです。
背景には建築基準法「改正」が
建築確認・検査は、従来は地方公共団体の建築主事が実施してきましたが、1998年の建築基準法の「改正」で民間の「指定検査機関」に門戸を広げました。それによって、株式会社も含めた民間機関に事実上“丸投げ”するものになってしまいました。
このことについて当時、日本共産党は「営利を目的とする結果、安かろう悪かろう、極端な場合は手抜き検査ということが横行しないか」と指摘していました。
今回、問題となったマンションも建築確認検査を行っていたにもかかわらず、なぜ不良施工が見抜けなかったのかが厳しく問われます。
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「こんにちは横浜市議団です」2015.11.11号(PDF版)