上郷猿田地区は緑のままに
横浜市は6月8日、東急建設が都市計画提案した栄区上郷猿田地区開発計画に関わる第4回「横浜市都市計画提案評価委員会」(以下「評価委員会」)において開発を容認しました。これに対し、日本共産党横浜市会議員団は、上郷猿田地区開発計画提案の都市計画手続きを中止し、「評価」をやり直して開発不許可とするよう、林市長あてに申し入れました。
申し入れには、大貫憲夫団長、岩崎ひろし副団長はじめ8名の議員が参加し、鈴木伸哉副市長が対応しました。
横浜市栄区の上郷猿田地区は、市内7大緑地のひとつである円海山地区に連なり、貴重な動植物が生存し、また県内唯一の古代の製鉄遺跡である上郷深田遺跡があります。この地区では、東急建設が中心となって過去2回にわたり開発申請が出されましたが、いずれも許可されませんでした。ところが今回、評価委員会は、「地区の将来を見据えバランスに配慮した計画であると評価できます」として容認しました。
日本共産党は、前回と今回の許可理由に一貫性がないこと、計画が横浜市のまちづくりの方針と整合していないにも関わらず「まちづくりの方針に沿ったもの」と強弁していることなど今回の評価には重大な誤りや矛盾があると主張。 環境保全を求める署名数が11万筆にも上ったことから明らかなように、圧倒的多数の市民意見を無視して、営利を目的とする開発事業者の提案をほぼそのまま容認した判断に対して厳しく抗議するとともに、都市計画の決定及び変更に向けた手続きを中止し、「評価」のやり直しを行うよう、求めました。
鈴木副市長は、今後、都市計画審議会に諮問し、その答申を尊重しながら市として最終的に判断することになるが、市全体として一定の成長を考えた場合、今回の提案は前回に比べて緑の保全面積が多く、商業地域も防災や医療関連のものであるために容認したと述べました。
岩崎議員は、緑を守ってほしいという市民は非常に多く、市は基本的に調整区域の開発をせずに緑を守る姿勢を貫くべきであり、今回の本計画は改変面積も商業施設の規模も大規模という点では前回の計画と変わらないため、市としてはノーというべきだと述べました。
申し入れ文書は、こちら「上郷猿田地区開発計画提案の都市計画手続きを中止し、「評価」をやり直して開発不許可とすることを求めます」をご覧ください。