子どもを一番に考える保育を支えるために 保育現場を訪ねて
あおぞら第二保育園
保育士不足と要配慮児への対応、園の運営をめぐる切実な声を伺いました。
7月24日㈮ あおぞら第二保育園 定員60名
25年は、0歳児クラス 6名定員が4月の時点で埋まらず、1名からのスタート。それでも、6名に対応できる保育士配置のため、保育士は、他のクラスへのヘルプにまわるなどして、12月に6名となって、ようやく見込んでいた収益を得ることができるようになったそうですが、定員が埋まるまでの人件費は持ち出しというのは、園にとっては辛い出費だということは想像に難くない。
近年、配慮が必要なお子さんが増えて、配置基準通りの保育士の人数では、対応しきれないことが増え、配慮が必要な子に対応していると、他の多数の子たちの対応ができなくなることから、もう1人保育士が必要だと考え、保護者に伝え、療育センターへ行ってもらうも、医師の診断を受け、診断名がつかなければ、保育士を増やすことができないと変更されていたことで、配慮が必要な子にしっかり対応できなくなっているという声を伺う。
事務仕事の量も多く、事務員が欲しい。神奈川区の公園は、幼児が遊べる遊具がないからつまらない。トイレの無い公園へ行くときは、災害時用のトイレパックやラップタオルを持参して行く。歩道が狭くて危険。という声も伺いました。5月と9月はプールの監視員のお金出せないのも辛いということでした。7月と8月は暑すぎて、プールに入れられないとう声も。
あおぞら菅田保育園
「もう1人保育士がいれば」――子ども一人ひとりをしっかり見るための人員確保を求める声。
7月27日㈪ あおぞら菅田保育園
こちらも要配慮のお子さんが多くなり、1人ひとりしっかり見られる様に保育士を増やしたいと、切実な要望。例えば、ご飯からお散歩などの行動の切り替えには、準備や片付けなどが必ず必要で、その時にもう1人保育士がもう1人居れば、子どもたちの様子を見ながら、対応できると聞き、納得。
転園の子どもと保護者の情報が入りにくいことから、保育に必要な情報を得たくて聞いた事柄が保護者にとって触れて欲しくないことだということも多々あることから、子どものことだけでなく保護者の情報も欲しい。そうしないと、保護者との関係性がうまくいかない。
一時保育を1日3組と限定して実施。登録している方は5,6人で、仕事やリフレッシュのために利用されている。
『預けやすい』で親は良いけど、そもそも一番大事なことは、子どもの育ちを保障することで、子どものことを考えてほしい。制度ばかりが先走っている。ICT化をすれば、市の補助が出るとか、そんなことしなくていいから、1歳児の配置基準を増やしてくれるだけでいいという声。
ベランダをすだれなどで囲って、ビニールプールで水遊びをしている子たちと、プールに入っている子たちも。このプールは、とても古い物で、今年いっぱいでやめてしまうそうです。夏場の子どもたちの楽しみの水遊びですが、水道代もとても大きな出費になっているので、水道料金の補助を求める声あり。
下田みんなの保育園
「個人」を大切にする保育へ。現場では、そのための保育士確保と運営への支援が求められています。
同日 下田みんなの保育園 開園して10年
コロナを経験し、以前の保育を見直し、お泊り保育や運動会などの行事を大幅に変えたそうです。お泊り保育は、子どもによっては、楽しい思い出となっていないかも知れない。保育士も24時間一緒に居なければならないことは、やはり負担になる。運動会は、全員同じことをしなければならないとなると、小学校でもやらされるのだから、やめることにし、純粋にスポーツを楽しむ会にしたそうです。コロナ禍を経て『個人』を大切にする保育にかえたため保育士の人数を増やしたいという思いはあるものの、保育士の確保に苦労している。派遣を依頼すると仲介手数料が高額で、かなりの痛手になっている。
こちらも、障害児やグレーゾーンの子どもが増えて、保育士の加配をしたいという。
市が実施した「子どもを預けやすいまち」の制度に振り回されている園も多く、「先に保育園を整備してほしかった」と、園長先生が言われた。「一時保育の子たちだけの保育所をつくった方がいい」という提案もあった。
そして、定位割れしている保育所が目立つようになったということも聞いた。地域柄なのか、下田地域や日吉の周辺は家賃が高く、子どもが小学校に入る前に土地の安い郊外へ引っ越す人が増え、3,4,5歳児がぽっかり空いてしまうという問題が発生しているということで、その空いてしまった分の補填をしてほしいということも聞いた。
そして、役所の報告書の書式が毎年変わるのは「やめてほしい」という声も聞いた。
さらに、台風の時のレベル4の対応が園によってまちまちになったこと、プライバシー保護のためのパーテーションや目隠し、テントなどの購入にも費用がかかり、原材料費の高騰で給食費も大変なことになり、「今年の補正予算は、まだ決まらないの?」と聞かれた。
日吉みんなの保育園
定員割れと保育士不足が進む一方、多様な子どもたちを受け入れる現場の努力が続いています。
同日 日吉みんなの保育園 開園して20年
外国にルーツをもつ子どもが増え、宗教食なども用意している。
現在2、3、4、5歳児で定員割れ「以前は、こんなことなかった」と園長が話された。
こちらも保育士確保に苦労し、今年は、4月に入職した人が6日働いて、辞めたということがあり、大金を払っても派遣でいい人が来ることを望んでいると聞いた。ハローワークの求人を見て、派遣会社から連絡がくるということもあるのだとか。
家賃補助を利用している保育士も居る。家賃補助があることで離職率をすこし抑えられていると感じた。
保育科がある学校が減っていることも問題視していた。保育科のある大学では、就職先が決められていて、それ以外のところには、きてくれないのだとか。
インターンを募集しても来てくれないということも聞いた。そこで、園は、保育士の仕事の魅力を伝える方法を模索している様子でした。
4園を訪ねて見えてきたこと
保育士のみなさんの「子どもを一番に」という熱意に甘えるのではなく、行政が現場を支えることが必要です。
今回、それぞれの保育園の視察をして、今注目されている『包括的性教育』の実践で、0歳から『自分の体は自分だけのもの』という当たり前だけど、これまで大事にされてこなった概念のもと、おむつを替える、着替えをするなどの日常の動作を簡易的な仕切りを新たに設置し、他の子たちから離れて行うことにしていた。そのためのスペースを確保することにも苦労をしていた。
そして、保育士確保には、本当にどこの園も苦労していることが、あらためて浮き彫りになり、行政として何をするべきなのか考えさせられた。
さらに、物価高騰で食材費、水光熱費が負担になっていることから、園の運営がきびしくなっていることも痛感させられた。
保育士のみなさんの『子どもを一番に』の熱意に甘えていてはいけない気がしました。




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