問題多い新市庁舎計画、白紙に戻して再検討を
日本共産党横浜市議団は6日午後、「ヨコハマの新市庁舎建設を考えるシンポジウム」を横浜情報文化センター(横浜市中区)で開催し、135人が参加しました。白井まさ子議員と古谷やすひこ議員が司会を、岩崎ひろし副団長が開会のあいさつ、あらき由美子議員が閉会のあいさつを行いました。
まず、大川隆司弁護士が「新市庁舎整備事業の問題点」のテーマで講演。計画ではURから購入した北仲通南地区の土地に超高層の新市庁舎を建てることになっていますが、そもそもURが推進する再開発ビル建築を市が引き受けるという債務について予算の裏付けがないため、地方自治体が債務負担行為をするには予算で定めなければならないという地方自治法214条に違反すると指摘しました。さらに、北仲通南地区に建築するよりも現在地の港町地区に建築する方が200億円ほど安くなることから、地方財政法4条および地方自治法2条の経費最小化義務違反にも当たると指摘しました。
次いで、日本共産党横浜市議団の大貫憲夫団長が、今後迎える高齢化社会を踏まえるとこれから必要なのは福祉サービスを担う区役所整備と機能の充実であること、2009年に50億円かけて耐震補強工事を行った現庁舎は50年使えること、巨大市庁舎の建築には莫大な費用がかかることから、今の計画は白紙に戻して再検討すべきと述べました。
横浜市従業員労働組合の政村修委員長は、市役所で働く立場から新市庁舎問題を語りました。現在の市庁舎は狭くて仕事に支障が出ており、賃借している民間ビルには耐震性に問題があるものもあることなどから、市庁舎整備は早急に実施すべき課題だと述べました。同時に、現在の計画は大前提であるべき市民参加、市民合意が不十分であり、使いやすい市庁舎というよりシンボル化をねらうという視点が大きいと指摘しました。
後半のフロア発言では、東日本大震災からの復興や東京オリンピックに向けてのインフラ整備などで建築資材が高騰し、建設労働者も不足している今、各地で公共施設整備を延期しているのに、横浜がオリンピックに間に合わせようとするのはおかしい、公募による市民委員が中心の検討委員会を作って再検討するべき、建設費用600億円の意味を市民に強くアピールした方がよいなどの意見が出されました。
シンポジウムで配布した資料は次のとおりです。
プログラム
発言①「新市庁舎整備事業の問題点」
発言②「市民の目から見た新市庁舎整備」
発言③「市役所で働く立場から見た新市庁舎問題」