IPCC第38回総会が横浜で開催
今世紀末 洪水被害3倍、熱中症死2倍
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第38回総会が、3月25~29日に横浜市で開催され、100か国以上、約500人の科学者や政府代表が参加しました。IPCCの会議が日本で行われたのは今回が初めてです。
IPCCは、深刻化する地球温暖化に対処するために、温室効果ガスの排出削減について検討してきた国連の専門家会議です。各国の温暖化問題の専門家の研究成果を集約し、1990年以降、評価報告書にまとめてきました。
IPCCの3つの作業部会のうち第1作業部会は昨年9月、18世紀の産業革命以降地球の気温は上がり続けており、今世紀末には最大4.8度上昇すると予測。その影響を今回の報告は「8つのリスク(危険)」としてまとめています(下)。
1.海面上昇、高潮
2.洪水
3.異常気象によるインフラ機能停止
4.熱波による死亡、健康被害
5.高温、干ばつによる食料供給システム崩壊
6.水不足や農作物減産による農村部の経済被害
7.海洋生態系の損失
8.陸域や内水の生態系の損失
今回横浜で開かれた第2作業部会では、こうした急速な温暖化による気候変動が、海面の上昇や生態系の破壊、水や食糧の不足、戦争まで起こしかねないことへの「懸念」を表明しました。
横浜市 太陽光発電システム設置補助等を削減、時代に逆行
気温上昇を抑えるためには、省エネルギーと、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの利用の拡大が不可欠です。
ところが、横浜市では、2005年から始めた住宅用太陽光発電システムの設置に対する補助制度を昨年度でとりやめました。代わりに出されたのが、省エネ・再エネ設備の設置補助事業です。これは、住宅内の電気使用状況を見える化し、電気機器を一括管理するシステムであるHEMS(ヘムス、家庭用エネルギー管理システム)設置に対する補助です。
これらを比べると、太陽熱利用システム設置補助を含めても、昨年度に比べて予算額は約6割、補助件数は約7割削減です。
HEMSの設置は省エネにもつながるため、これに対する補助は有用です。しかし、補助額と補助件数を減らして、2020年度までに戸建住宅の10%に太陽光発電を導入するという目標を達成できるのでしょうか。各家庭が再生可能エネルギーを導入する後押しを積極的に進める必要があります。
再エネに関する横浜市の補助事業
2013年度
住宅用太陽光・太陽熱利用システム設置費補助事業 1億1,600万円
太陽光発電システム設置補助 2000件
太陽熱利用システム設置補助 100件
2014年度
省エネ・再エネ設備の設置補助 4,791万円
住宅用スマートエネルギー補助 600件
(HEMS、HEMS+家庭用燃料電池システム、HEMS+燃料電池+太陽光発電システム)
太陽熱利用システム設置補助 50件分
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「こんにちは横浜市議団です」2014年4月23日(PDF版)