議会での質問・討論(詳細)
2014年3月11日

■建築局(岩崎ひろし)

岩崎議員:おはようございます。よろしくお願いします。質問に入る前に、一言、申し上げます。今日は、東日本大震災3年目にあたります。犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。また、被災されたみなさんに、あらためてお見舞いを申し上げます。私たち日本共産党は、震災からの復興、防災対策の充実、原発ゼロをめざして、引き続き力を尽くすことを表明しておきます。

市街化調整区域に違反建築物が林立

岩崎議員:それでは質問に入ります。戸塚区深谷町市街化調整区域内にある違反建築物について、伺っていきます。
それでは、最初にスライド(図1)をお願いします。現地の状況です。写真の中央に見える一団の建物が違反建築物です。2010年10月決算審査で質問した同じ場所であります。
それでは、次の図(図2)をお願いします。当局が作成したものであります。この図に沿って、2011年時点から現在までの状況と全経過について、説明をお願いします。

建築局図2谷垣建築監察部長:宅地ではなく家庭菜園などを目的としたいわゆる有姿分譲地の造成状況ですが、図で赤く囲まれている区域が昭和60年以降に分譲された旧有姿分譲地で、青、黄色、緑で囲まれた区域が平成23年以降、新規に造成・分譲されています。赤で囲まれた旧有姿分譲地には、建設業者の資材倉庫や2階建のプレハブ倉庫などの違反建築物があります。また、青、黄色、緑で囲まれた新規分譲地には、コンテナや家庭菜園用の簡易なスチール物置などが存在しており、いずれも違反建築物として指導しております。

岩崎議員:じゃ、次の図(図3)をお願いします。これは、建物を建てられないとの警告看板です。2011年12月議会で、本件にかかわる私の質問に、市長は「違反建築は、工事停止命令や除却命令の発令など、徹底した是正指導を行う」と答弁されました。
次の図(図4)をお願いします。ところが、現場には、2012年8月16日付、市長名の「除却命令」が貼付された建物があり、1年6か月たった今も、事業用として使われています。市長命令が無視された状態です。除却するために、どのように是正指導をしてきたのか、伺います。

谷垣建築監察部長:新規地区におきましては、23年の森林伐採を受けまして、同年10月より違反調査強化区域に指定し、定期的なパトロールを実施しています。また、地区内に警告看板を複数設置するとともに、土地購入者に対して注意喚起文書を送付するなどの未然防止対策を行っています。さらに、パトロールなどで建築中の違反を発見した際は、使用禁止の張り紙など初期段階での対応を行っています。
これに加えまして、これまで違反建築の所有者全てに対して、呼び出しにより是正指導を行っています。呼び出しに応じない者や、家庭用の物置程度は問題ないなどと不満を訴える者もいますが、粘り強く指導した結果、一部是正完了したものが3件となっています。命令等については、除却命令が1件、命令手続き中のものが1件、是正勧告が7件となっています。

建築物除却まで徹底した指導を

岩崎議員:是正の努力がいろいろされているということが今、報告されましたけれども、この建物自体は、今日の今の時点もこういう状態です。だから、違反を黙認しているという状況、この事実は変わりません。徹底した是正指導というのであれば、都市計画法第43条、第81条、第91条、92条等に基づいて、実際に除却するまで指導すべきではないですか。その意志があるのかどうか、伺います。

坂和建築局長:現状に対する認識も含めて説明させていただきますと、家庭菜園用と称しながら、あたかも建築が可能と思わせるような紛らわしい広告を行って、チラシですね、違反建築を誘発するような販売事業者に対しても、いろいろやったんですが、現行の宅建業法などによる指導には限界があるということだと考えています。また、購入者への啓発などを行っているにもかかわらず、現実には今のプレハブ物置などを短期間に置かれてしまうなど、結果として効を成していないことは非常に残念と考えており、新たに違反も発生している現状を踏まえると、厳正に対処していく必要があると考えています。

岩崎議員:除却命令に従わないという状況が続いているということだと思うんですけど、その場合は、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」というふうに都市計画法ではいっています。ですから、当局としてはですね、そういう事態になる前に、違反者自らが除却するというように徹底した指導をする必要があると思うんですけど、この除却をするということについて、当局の意志というか決意というかね、そこまでちゃんとやるという気持ちが、今の話ではとても聞こえないです。その市長命令を全く無視しているわけですから、こういうこと放置しといていいんですか。除却するということについて、どうなんですか。

坂和建築局長:どこまで是正をさせるつもりなのかということだと思いますが、市街化調整区域、今市街化調整区域ですが、ここはそもそも建築ができないところでござまして、市街地の違反建築の是正と違いまして、建物そのものを除却するというのが基本だと考えています。当地区内では、家庭菜園として使用している区画も多くありまして、これらに付随する簡易の物置もありますが、特に資材倉庫などについては周辺未利用地への影響が危惧されることから、優先的に指導を進めているところです。最終的には建築物が除却されるまで是正命令などにより厳正に対処してまいります。

岩崎議員:この事例はですね、表示されている事例は1年半経っています。だから、いつまでにということは今問いませんけれども、もう1年半にわたって無視状態を続けるということを許してはだめだと私は思うんですよ。だから、ここではっきり確認しますけど、違反建築物は、建っている以上ですよ、市街化調整区域内に、除却されるまで是正指導を徹底するというのが、本市の基本姿勢だということを確認できますか。

坂和建築局長:ただいま答弁させていただいたように、おっしゃるとおりだと思います。

違反建築物の現状は行政の対応の遅れが原因

岩崎議員:じゃあ、除却までやるということが確認できたんで、次にいきます。
副市長にちょっと伺いますが、除却といっても、今、局長説明されたようにね、簡単じゃないと思うんですよ。長期にわたる違反建築の黙認によって、現場ではですね、先ほど一番最初の写真に見たように、もう、ひとつの集落が形成されているわけですよ。違反建築物ばっかりで。その中では、生活のかかった事業もやっている人もいるわけですよ。こういうものを除去するっていうのは、大変なことになるわけですよ。生活がかかってますからね。だから、そんなことを行政が強引にやるっていうのも、これはまた大変なことなんですよ。
だから、ようは、こういう状態にしないってことが大事なんですよ。建てられないところに建てさせるってことがまずいわけですよ。だから、ここまで来てしまった責任の一端は、まちがいなく行政の側の対応に遅れがあったというふうにいわざるを得ません。
違反建築対策に対する認識と今後の取り組みの決意について、副市長に伺います。

鈴木伸哉副市長:やはりできないものはだめなんですよね。ですから、われわれも逆にそうならないように、まさに議員ご指摘のように、事前の対策等も含めて努力をしてきておりますし、今後もそこはしっかり対応してまいりたいと思いますけれども、先ほど来答弁もさせていただいておりますが、結果的にそういう状況になってしまっているという部分は、われわれとしても非常に残念なことだと思います。ですから、事前の防止対策と事後のきちんとした対応と、それをしっかりと今後もさせていただきながら、進めてまいりたいと思います。

岩崎議員:終わります。


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